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#恋愛小説が好き

恋愛小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

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【特典3枚付き】ほのかの短編小説2

やっほー☺️ ほのかの短編小説がまたまたやってきた!笑 今回の小説は個人的にはね〜 40点くらいかな😅 前回の短編小説はちょっとしたコンクールに応募する用で構成から丁寧に作ったやつだったんだよね。 そして今回は即興で何か書いてみようと思って、つくった短編小説😊 なんとなくで書き出して、思いのままに物語を走らせた感じなの。 だから大体1時間くらいで書き終わったかな〜✨️ 書いてるうちにこんな人物にして、こんな行動させて、みたいに自由に書いてみた。 でも1時間で書いて

¥980

黄金の女神|掌編小説 シロクマ文芸部

                               777字 紅葉から声がすると言ったら、彼は笑った。 「ほう。なんて?」 「やっと色づいたのに、もうお別れだなあ」 言ってから、私はパッと口に手をあてる。 「ん?どした」 「言霊的にはよくなかったかも…」 そう、まさに今の私たちのよう。長い間、友人だったのが、しだいに色を変えていった。今日はちょっと遠出して、紅葉狩り。まぎれもなくラブラブデート。いや、ラブ要素は主観です。 「ああ。よくないねえ」 後ろで手を組み、並

アメジスト色の彼女|掌編小説 色見本帖

1111字 「もっと自信満々のテイでいったほうがいいと思うな」 数年ぶりに立ち寄ったラーメン屋の片隅。オレは今夜はじめて会ったその女に、説教を垂れる。 「テイですか??」 「そう。フリでもなんでもいい。鎌をかけるってやつ」 カマ?と顔にはてなを浮かべ、ぽやっとしている彼女。 ここのオヤジさんの娘だが、ニンニクくさくもなければチャイナドレスを着ているわけでもない。なんというか、森の妖精みたいなはかなさがある。 テーブルに並んでいるのは、鉱物25種類。石ころにしかみえない物体

創作大賞中間選考通過 ありがとう 恋愛小説部門|おべんと攻防

ほえ? 創作大賞の中間選考結果発表って今日だったの・・・? へええ たくさん応募したよなあ...( = =) トオイメ と、ひとごとだったわたくし このところ企画祭りで忙しく、やっと一段落してふぬけておりました ご報告いたします 恋愛小説部門に応募していた「おべんと攻防」が中間選考をパスしていたのです!! 教えてくださった歩行者bさんのジョークかと思いました rira女神からもご一報いただき、真実味が増してきまして マジのようです この目でたしかめてきました 「おべんと攻

地元の秋祭りで元カノに会った

地元の商店街で秋祭りがあった。1000円あれば余裕で楽しめる小さなお祭り。たこせん、あてもん、グリーンティーはここで覚えた。 家族と行った記憶は、ほとんどない。小学校高学年になってから、友達と行って楽しんだ。お祭りの日が近くなると、誰と行こうかソワソワしていた。ただ、自分から誘うと相手に断られたときに泣きそうになるから、誘われるのを待ってるタイプだった。当日になっても誘われる兆しがないときは、表には出さないが半泣きになってた。 そんな地元オブ地元のお祭りに長女と次女を引き

恋愛応援メッセージ 『恋の季節に思う♥』

 恋に生きる人が好きだ。  子供の頃から ひどくロマンティストだった。だから僕自身が恋多き男なのは、当然なんだけど。(この秋は9月に生まれたインコのヒナにまで恋をしている)  他の人たちを見ても思うのです。恋をする人、恋を叶えるために努力する人は、やっぱり素敵だなって。  人間に素晴らしいエネルギーを与えてくれる。それが恋でしょう。このエネルギーとは、生きるモチベーションや向上心のこと。  例えば恋をした乙女は活動的になり、目はキラキラと輝く。多くのケースで声のトーンが半

誰にも読まれなくてもあなたが小説を書くのはなぜですか?

自問自答のための設問です。 私の私による私のための記事です。 問1 誰にも読まれなくても 日記を書きつづけている人は きっとたくさんいることだろう しかし  誰にも読まれない小説を書き 投稿しつづけられる人は いるのだろうか? 問2 ひとりで小説を書きつづけ 誰にも読まれることなく まして出版されることもなく 死んでいった人の作品の中に 仮に出版されていたら 後世まで語り継がれるような 名作になり得たものは あっただろうか? 問3 有名作家であれ 没後10年経て

【#毎週ショートショートnote】缶蹴り恋愛逃走中

とある公園で近所の小学生5人が集まって缶蹴りを始めた。 男の子3人に女の子2人。皆、同じクラス仲間だ。 「じゃんけんぽん!」 男の子1人だけがパーで、他の4人は全員チョキだった。 4人のうちの一人が空き缶を思い切り蹴飛ばし一斉に隠れた。 「やっと二人きりになれたね!」 一緒に隠れた子の手を握り、 「今のうちに二人で別の場所へ逃げちゃおうよ!」 と言ってこっそり公園から抜け出そうとしたまさにその時、 「どこへ行くの!ダイチくんは渡さないから!」 大声で走ってき

短編 | 星の数と同じ涙

 長い間付き合った彼と別れた。よくよく考えたら、彼と付き合うのがただの習慣になっていることに気がついたのだ。いつ切り出そうと思っていたら、彼のほうから別れを告げられた。  あぁ、やっぱりあなたも私と別れたかったのね、と思ったから安堵した。こちらから別れを告げるよりも、相手から告げられるほうが諦めもつきやすしね。

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短編 | あなたは神様を信じますか?

「愛実、そろそろ出掛けますよ」  日曜日は、いつも母と一緒に過ごしてばかりだった。  本当は友だちの「今度の日曜日は、メグちゃんと一緒に遊びたいな」という誘いに「うん、喜んで」と言いたかった。 「お母さん、メグはね、日曜日は、お友だちと遊びに行きたいな」 「なに言ってるの?遊ぶのは学校だけでいいでしょ?わがまま言わないで。お母さんの言うことを聞いてね」  友だちと一緒に遊びたいという私の希望は、一度も受け入れてもらえることはなかった。  他の同級生たちは、日曜日はみ

【毎週ショートショートnote】恋のカンフル剤

 美菜と瑛士は付き合い始めて5年になる。美菜は年齢的な事もあり多少焦りがあるが、瑛士はのんびりとしており、2人の仲はマンネリ化している。  土曜日に2人で街を歩いていると不思議な店があり、変なモノがあれこれ売られていた。店の壁に“長距離恋愛販売中”の張り紙があるのを見つけた。  店主に聞いてみると、マンネリ化したカップルのカンフル剤なのだそうだ。  2人は長距離恋愛なるモノを買ってみる事にした。  美菜が週明け会社に行くと急に転勤を言い渡された。しかも来週の頭には赴任

着ぐるみとロボット ⒈失恋活動 目次 全15話 連載恋愛小説 完結済み 再掲

ひとめぼれをしたその日に、忍は失恋した。 彼の名前は、ハッコくん。発酵学研究室の公式キャラクターで、もふもふの紫モンスターである。 忍の所属しているロボティクス研究室とちがって、そのラボの知名度はあまり高いとは言えない。それを挽回すべく日々奮闘している、けなげな毛むくじゃらなのだ。 中の人が誰なのかは、比較的すぐに判明した。 忍の友人、宮城しおりの先輩だった。忍としおりは、ともに大学院入試をパスし修士課程1年だ。半年経つと、さすがに右往左往することは減り、自分のやるべきこ

葡萄の告白|掌編小説 シロクマ文芸部

                             (1175字) レモンからキウイ、グレープフルーツまで。酸味の強いものも含め、果物は郁実の大好物。なかでも、葡萄は特別な存在だ。                              だまされた。 新任教師は顧問をするものだと教頭にそそのかされ、副顧問を引き受けたのがまちがいだった。 顧問は1カ月もしないうちに産休に入り、郁実は実質的な後釜に据えられた。申請はとうの昔に受理され、決定事項だったはず。ハメられたとし

【#毎週ショートショートnote】長距離恋愛販売中

俺は長距離恋愛については未経験だ。 正直、数えるほどしか会えない状況ってどうなんだろう。それを継続する自身は俺にはない。 そんなある日、いつも通り暇つぶしにSNSを眺めていると、あるユーザーからフォローがあった。 その際にコメントが付いており、 「長距離恋愛、買いませんか?」 どういう意味? 新手の詐欺だと思い無視しようとしたが、今は独り身だし冗談半分で買ってみようかという好奇心から、 「いくらかかりますか?」 と返したところ、 「1万円でいかがでしょうか」

流れ星カレンダー|掌編小説 シロクマ文芸部

                                                                                                            (505字) 流れ星カレンダーは、地元の天文科学館で年始に確保する。 10/21~22日にかけて、オリオン座流星群の活動が予想されている。 満月の1週間後のため、月明かりの影響で見えにくいかもしれない。 2006年には、1時間あたり60個前後の流星が確認できたとか

読み切り恋愛短編集【れれこい】一瞬の奇跡 912

全20話+1話&スピンオフ 一瞬の奇跡 岩崎「れれ子さん、すみません。 遅くなってしまって……」 れれ子「もう岩崎さんったら‼︎ 来て下さらないかと思いましたよ」 岩崎「いえいえ、そんなわけないじゃないですか。 随分とお待ちになりましたか?」 れれ子「100年くらい待ちました。 これは埋め合わせをしていただかないと、もう書けなくなっちゃうかもしれません」 岩崎「100年ですか、参ったなぁ。 実は書くアイデアというかヒントを持って来たんです。 その所為で遅れたというか

自己紹介 | はじめてのnoteってやつ。

 noteに登録して一ヶ月。書きたいことや、やりたいことが沢山在るのに何もしていない日々に焦りを感じて、とりあえず自己紹介から始めてみました。  お時間があれば、暇だったら、なんかまぁ読んでやるか。そんな気持ちで、良ければ。お付き合いください。 はじめまして、まずはここから さて、自己紹介をするなら名前からではないかなと考えてるので。「ちょこ」という名前で数年ネットでは名乗らせてもらってます。名前の由来はその名の通りチョコレートが好きなだけ。でもチョコレートにこだわりはなく

恋愛系コント 『もう笑わないでくれ...』

別に僕はね... バカにされたとは思わない だけど笑ってほしくないんだ ああ、そうだよ もう君に笑ってほしくない 今までに何度も... そう、確か先週も君に注意したよね そんなに笑わないでって。 ふふふっとか、 クスクスッとか、 大きな声で、とか 控え目に、とか いろんな笑い方があるけれど そういう笑い方や声の大きさが 問題ではなくて ごめん... 僕たち付き合って、もう3年になる だから僕だって  こんなこと言いたくないんだよ だけど言わなくちゃ も

【#毎週ショートショートnote】人生は洗濯の連続

「ごめんなさい」 「そんなつもりはなかったの」 「良い人だけど、恋愛対象じゃないの」 「勘違いさせちゃったみたいだね」 「友達のままでいたかったのに」 「私は自分の幸せが大事だからあなたのことは考えていない」 これまでフラれたときの相手からの返答の数々。 毎度同じようなセリフを吐かれ、いい加減立ち直れなさそうだが、ゾンビのように何度でも何度でも立ち上がる。 まるでドリカムのこの曲のように。 ・・・と言ってみたが、自分のココロはまさに、 「乾燥機付き洗濯機」

日記:9/20(金) ・何も成長できていない・スキルに自信を持てない自分に危機感しかない💦 →時間だけがただただ過ぎていくことが怖い⏰ ・確実に出費が少なくなってきた💛 →毎日の支出源をカットして、月内予算の目標を絶対達成したい! ・3連休を有意義に活用して、今後の仕事に活かす✨

恋愛ポエム 『静告白♥』

もしかしたら 相手に笑われるかも知れない いや、笑われるどころか 全く相手にされないのかも知れない それでも 「あなたのことが好きです」 意中の人に 真正面から告白できたあなたは 幸せ者です そして、 容姿や能力は平均的かも知れない 学歴や財力は ライバルに及ばないのかも知れない それでも 「必ず幸せにするから。 僕と結婚してください!」 勇気を持って求婚できたあなたは 幸せ者です そして更には、 安心してください これは僕の確信です もしかした

掌編小説|初恋は契りて

✧✧✧   大学に進むために上京して、一年と三ヶ月が経とうとしていた。初めのうちは気の合う友人もできず、憧れたキャンパスライフは思うようにならなかった。それがこのところ、毎日とても楽しい。始めたばかりではあるが、テニス同好会に気になる人が出来たのだ。少人数で構成されたこの同好会は紹介制で、同じ学問を専攻している女友達に誘ってもらい、私もメンバーの一人になった。 「東です」  その人は私の目を真っ直ぐに見てそう言った。少し古風な雰囲気は一昔前の映画俳優のよう。周りの男の子

【シロクマ文芸部】明日のお弁当はから揚げ・140字小説

「紅葉、から揚げ作ってよ」 あなたからのお弁当のリクエストだ。 あなたの為にうんと美味しいから揚げを作ってあげる。あなたの奥さんよりもね。見知らぬ女を思い浮かべて私は闘志を燃やす。 あなたを愛してる。だけど、二人の女の間を綱渡りするあなたは狡い男だ。そろそろ綱を断ち切る頃かもしれない。 ※画像の文から一部修正しています 綱渡りして →   綱渡りする ++++++++++++++ シロクマ文芸部に参加します💛 今週のお題は「紅葉から」です。 今日も最後まで読んで

🎵 I LOVE YOU | 尾崎豊

あなたのために歌いました。 下手で申し訳ない。 じゃあ、またね💓

恋愛ポエム 『好き計算♥』

ねえ、君は物知りだよね? それに数学が得意って言ってたよね? だから、君には簡単だと思うけど... この計算問題、解いてほしいんだ 好きと好きを足すと  どうなるか知ってる? 簡単だよね? もう一度 言うよ 好きと好きを足したら どうなる? えっ、分からない? まあ、いきなりの計算問題は 頭が回らないよね 答えはね、 【大好き】 じゃあ、次は少し難しい問題だよ でも学校のテストじゃないから 気楽に答えてね ちょっとした応用問題さ 今度は、好きと好きを掛

恋愛ポエム 『恋のサイズは どれくらい?』

もしかして... コンコロ コロローン! あなたの恋のサイズは これくらい? 良いよね 良いよね! それくらいが お手軽で 若い恋には丁度 良い もしかして ドスン、ドスン、ドスンッ! あなたの恋のサイズは これくらい? 良いよね、良いよね! それくらい威圧感あれば 激しい恋には丁度 良い もしかして ふわふわ ふわわ〜 あなたの恋のサイズは これくらい? 良いよね、良いよね! それくらいがメルヘンチックで 淡い恋には丁度 良い 恋のサイズは い

恋愛ポエム 『恋の味わい♥』

穏やかな秋の日 仲間と入ったお店で パフェを片手に僕は言った 「美味しいな〜 でも恋より甘いものは、他に無いよね」 すると皆が 「確かに!」 明るく笑って同意してくれた 恋は甘い とても甘い だから 《なんだかウキウキする》 皆、同じ思いなんだよね 続けて僕は言った 「それに、不思議だね。 恋は甘いけど、失うとツラくてさ 失恋より苦い体験は、他に無いよね」  すると、 皆が黙って うつむいてしまった 失恋は苦い 泣けるほど苦い ごめん... 

キュンキュンする恋愛物語ってどんな感じよ?

長いことプロット関連ばかりを考えると滅入ってきて、「その小説の冒頭の本文書き作業に突入しながらも、全く違う話を行き当たりばったり的に書き付けて数日前NOTEに更新」みたいな、効率悪い二正面作戦を勝手にやり始めています。 …アホなのかな? まぁこれは息抜きみたいなもんなので、思い付いたら続き書く感じで。中身は友達との付き合いでNOTEを始めた女子が主人公の、「NOTE書いてる人の日常小説」みたいなのを考えております。連作短編、という形になりそうかな。お時間ございましたらぜひ

読み切り恋愛短編集【れれこい】キツネ企画 918

全20話+1話&スピンオフ キツネ企画 岩崎「『クローバー通信』の11月号は配布開始から大好評ですよ。 れれ子特集のお陰です。」 れれ子「インタビューに答えただけなのに?」 岩崎「作品からは伺い知れないことって興味があるんですよ、読者って」 れれ子「沢山の人に興味を持たれるより、岩崎さんに知ってもらう方が嬉しいんだけど……」 岩崎「有難いですけどね、これもプロモーションだと割り切ってくださいね。 それでですね、新年号では20の質問に答えてもらおうと思ってるんです」

恋愛ポエム 『恋愛無罪♥』

教えてください お礼に素敵なことを 最後にお伝えしますので。 今までの人生で あなたは、 数えきれないほどキスをした? それとも、 わずかばかりだった? 教えてください お礼に素敵なことを 最後にお伝えしますので。 今までの人生で あなたは、 数えきれないほど多くの恋をした? それとも たった1度だけの恋だった? 教えてください。 お礼に素敵なことを 最後にお伝えしますので。 あなたは好きな人に今すぐ告白できるほど 自分に自信がある? そんな自信はなくて

着ぐるみとロボット ⒓まどろみデート 連載恋愛小説 

                            (1024字) キャンパスで紫のふわふわボディを見かけると、無条件に飛びつきたくなる。 「あの…言いにくいんですが、将さんじゃないです」 恐縮した声が中から聞こえ、忍は天地がひっくり返ったかと思った。聞くところによると、専任だった長屋将は来年多忙になるためハッコくんを後進に譲るらしい。 先に言ってくれ、先に。 居酒屋の入り口付近で先に忍を見つけたらしい彼は、軽く手を上げ合図してきた。 ちいさな幸せをかみしめ、わざと気づ

ショートショート 『もすきーと』

「ルルちゃんは?好きな俳優さんとかいる?」 「私わぁ」、目を右に向けるルル。 で、バーカウンターを挟んで彼女の左前方にいる俺の方を向き、照れ笑いを見せつけてくる。 「あいみんちゃんは?」 え、私に質問してくれるの?待ってましたとばかりにあいみんが視線をよこす。 俺が、グラスを右手で持つと二人が即座に俺の手先をみたが、おそらくそれは、右手の親指以外の指4本に太めのシルバーリングをつけていたからだが、 これを二人はどう捉えているのだろうか、攻めすぎて怖い?キモい? セクシー? ま

ロゼットに落ちる春[短編小説]

 こっくりと赤いルージュを塗って家を出た。たった一つのいつもと違う行動が、私の運命を変えたのだと思う。  まるで浅瀬に漂っていた硝子の欠片が、強い波に攫われて沖へと押し出されるような、――そういう抗えない力が働いていたようにしか思えない。  あの頃の私は、胸の奥がしんと冷えるような寒さをいつも感じていた。  ふだんなら絶対に選ばない、こっくりとした深い赤色のルージュ。その口紅を手に取ったのは、ほんの気まぐれだった。このご時世だ。誰かに口元を見られるわけでもないのに。

庭石菖の栞

小春の朝は、夫が散らかしたものを片づけることからはじまる。 階段を降りると、テーブルに汚れた皿が無造作に置かれていた。カレーが皿にこびりついてカサカサしている。椅子の下には裏返しの靴下や丸めたティッシュ。 息子を幼稚園に送った小春は、高速に乗って実家に向かった。 月に数回、母の遺品整理を手伝ったり、買い出ししたり、作り置きのおかずを用意したりしている。 ポストには新聞が数日分入ったまま。 不用心だなと取り出し、なにげなくめくって息を飲む。 災害対策について語る県職員の

阿蘇まで閑話休題

 さて霜月初めですね。  とても11月とは思えない高気温で、しかもまさかの台風21号の接近。あり得ない角度での進路変更でしたが、幸いにも現在時点では温帯低気圧になりました。  ですが離島事情というものがありまして。  今朝の早朝便は、私を含めて通常の倍の乗船。  皆の予想通り、明日の航路は全便欠航します。  本来なら明日の出発で一気に島原まで進み、翌朝には阿蘇にはいる旅程でした。ですが今日は距離を刻まずに、秋口に他界された佳い女子の父君のお参りを優先しました。  残念ながら四

着ぐるみとロボット ⒐再会 連載恋愛小説 

                             (988字) 図書館の入っている3号館は屋上庭園になっていて、さながら植物園のよう。蝶や虫、小鳥もやってくる、憩いの場だ。 最新の自動放水設備がととのっているため、整備スタッフの負担も最小限になっている。気分転換やもの思いにふけるには、もってこい。 風が抜けるお気に入りのベンチで、忍はぼんやりしていた。 ふたりが実際につきあいだしたら、笑顔で応援できるだろうか。 ハイここまで、ときれいさっぱり想いを断ち切ることは可能

【#毎週ショートショートnote】お姫様ラッコ

「姫様〜!姫様はどこにおられるか〜!」 城内に響き渡る家老の声。 どうやらこの城の姫が行方不明らしい。 「姫様〜〜〜!」 依然、姫からの返事はない。 本当に困った姫様だ・・・と、大広間に差し掛かったときに、不意に襖が開き、 「だっふんだ!!」 と言いながら飛び出してきたのは、行方不明だった、志村姫。 だが、着物の裾を踏んでしまい、勢い余って前に転倒しようとしていたまさにその時、 「あっ!!」 家老が咄嗟に腕を伸ばしなから、 「ラッコ御免!!」 と言いなが

【#毎週ショートショートnote】夜からの手紙

その晩、遠距離恋愛中の彼女とメールのやりとりをしていた。 「今夜はどちらが長く起きていられるか勝負しない?」 「あーいいよーしようしよう」 正直言って遠距離恋愛は辛い。 月に1度会えるかどうか。電話もするけど、上京して都内の大学に通っている俺はそんな沢山電話すると通話料がバカにならず生活費を圧迫することになる。 だから彼女とのやりとりはほぼメール。 でも文字だけだと話が長くなるし、やりとりが多くなると面倒になってくるし。直接会って話がしたい。 「今日はどんな話をし

風俗を頻繁に利用する男性は不幸になる?純粋な出会いを大切にする人々の方が長期的な幸福度が44%も高いらしい💦「知らないと損する恋愛雑学」より

今日ご紹介する動画によりますと、20代から50代男性の約半分が性風俗施設経験者のようです。この数字を見て少しだけ安心しました。なぜなら、若い頃に勤めていたあるブラック企業では、後輩の8割が常連者だったからです。 ちなみに、その会社の先輩たちは既婚者ばかりで優秀な人たちが多かったのですが、経営者がキチガイで散々余計なリストラを行ったところ、クズとカスしか集まらなくなりました。その連中が風俗が大好きだったのです。 もちろん、私は性風俗施設を利用したことがないです。上の後輩たち

【うたすと2】スマートフォンは恋をする

 今日も君は僕を優しく握りしめる。一日に何回も僕は君に握りしめられるんだ。  君は僕を通して、友達と連絡を取ったり、音楽を聴いたり、動画を見たりする。僕は君の役に立てるのが嬉しくてたまらない。  僕がいなくなったら君はどうなるのだろう。きっと困り果てるんだろうな。だって、僕は君といつも一緒だし、君の事は何でも知っているのだから。  ある日、君はため息をつきながら僕をじっと見つめるばかり。一体どうしたというんだろう。君の悲しい姿なんて見たくはない。  思い切ったように僕

着ぐるみとロボット ⒑貢ぎもの 連載恋愛小説 

                             (1038字) 死刑宣告を先延ばしにしようと、忍はまだ悪あがきをしていた。 あれから、しおりと長屋を避けつづけている。お手製弁当を復活させ、学食に行かなければいいだけのこと。どうしても用事があるときは、時間をずらすようにしていた。 チームのみんなと打ち合わせしたあと、食堂のテラス席で忍はティーソーダを飲んでいた。 「みやげ持ち歩いてんだけど。毎日」 しっぽを踏まれたワンコみたいな声が出た。 「お、おかえりなさいませ…

着ぐるみとロボット ⒉大人のデート 連載恋愛小説

前から気になっていたお店に誘ってはみたものの、あまりにオトナな雰囲気に、忍のちいさな体はさらに縮こまる。 「あのー、カルピスとかありますかね?ここ」 オシャレな脚の長いスツールも座りづらくて、ひと苦労。 コソコソと長屋の耳にささやいたところ、白い目を向けられた。 ふたりのぎこちない空気を察し、立ち姿のきれいなバーテンダーが助け船を出してくれる。 「ノンアルコールのカクテルもございます」 甘酸っぱいのがお好きですか、と忍の好みも言い当てた彼は、軽やかにシェイカーを振り、グラス

自己紹介|はじめてのnote

はじめまして、葉月ぱんです。 知っている方は、すでに電子書籍や、小説投稿サイト『カクヨム』などでお見かけいただいていると思うのですが、一応の文筆家、小説書きです。 現在は編集業の方が主になっていて、書いた小説の公開はしていなかったのですが、やっぱり書いたものを出したいし、楽しみたい!というのと、 今後、いろいろと発信していきたいなと思った際、なんだかテイストやデザインがいいなと思ったので、こちらのnoteでアカウント登録しました! なので、今後ともよろしくお願いします

はじめてのnote

初めまして、祐橋夏(ゆうきょうか)と申します。 完全なるnote初心者ですので、 使い方なのがイマイチ分かっておりません。 この記事を書き終えたらガイドライン等も見てみようと思います。 面白くないかも知れませんが最後まで目を通して頂けると幸いです。と言いますか、多幸です。 わたしの自己紹介等 改めまして、祐橋夏(ゆうきょうか)と申します。 名前の由来は祐はなんとなく。 橋夏の漢字はなんとなくです。 (きょうかは好きな作家様から。) 趣味 読書¦純文学、児童文学、恋愛小

着ぐるみとロボット ⒋ひとめぼれ 連載恋愛小説 

夏休みのオープンキャンパスで、「研究室紹介」というイベントがある。 将来なにを研究するのか受験生に具体的にイメージしてもらうための、大事な宣伝の場だ。 正直なところ、ロボ研は読んで字のごとしで、前もってアピールする必要がほとんどない。研究室内に複数あるどのチームのロボットを登場させ、デモンストレーションするかを、決めるだけでよかった。 忍の研究している農業用ロボットは、トマトの収穫に特化したもので、派手さはない。映え的にビミョー、らしい。そんなわけで、人と交流できる他チーム

着ぐるみとロボット 最終話 連載恋愛小説 

                             (979字)しおりが声をかけてくれる。 「忍、おちついて。体操部の人に特訓してもらって、危険はないってお墨付きもらったから」 特訓?キケン…?ますますパニックになってくる。 「黙っててごめん。心配しすぎて、どうにかなるんじゃないかと思って」 しおりの推測は正しすぎたわけだが、そんなことはどうでもいい。 長屋本人はのほほんとしているのに、忍の緊張はどんどん高まり、吐きそうになってきた。口を覆って生つばを飲み込んでいると

一人🎨絵しりとり🎨

お ね え さ ん🚃💤。。。 #なんのはなしですか #夏休み後の絵しりとり #官能小説が好き #恋愛小説が好き #夏の4コマ

阿蘇を走る 初日

 さて今日からツーリング🏍️の本格的な開始。  それでも夜半から午前中は温帯低気圧で、線状降水帯が発生してて大変でした。豪雨の音が気になって深夜2時に目が醒めてしまいました。  二度寝して早朝からiPadで天気図と睨めっこ。もうひと雨きましたが、なんとか10時には曇天へと。ああ、これなら走り出せる。  まずは大村で墓参りをしてからの。  諫早で馴染みのカツ丼に対面して。  諫早の叔母さんと、東長崎の仏パティシエのマダムに会ってからの〜  何しろマダムには春先から夏場までの、

着ぐるみとロボット ⒊くせ毛のシンデレラ 連載恋愛小説

研究の話になると、ゲノムだの分子だの言いだすので、忍は笑顔で聞き流す。 長屋本人に自覚はまったくないのだろう。彼の話には、宮城しおりが頻繁に登場する。脈ナシだとわかっているのに近づくとは、こういうことなのだ。 「黒髪ストレートって、いいですよねー。CM出れそう」 忍は生まれ落ちたときから色素の薄いくるくるくせ毛で、これまでさんざん痛い目にあってきた。まず、目のこまかいクシでは髪をとかせない。引っかかって物理的に痛いだけ。 小学生時代は、父の駐在先であるマレーシアにいた。

着ぐるみとロボット ⒏甘じょっぱい 連載恋愛小説 

                             (1242字) 挨拶もなにもなく、成田みさきが知らせてきた。 「イケメンが来るみたいです」 「ああ、留学生?編入シーズンだねえ」 ランチ後のマンゴープリンを、忍は食堂で楽しんでいた。 階段転落事件から、約2カ月。主治医も驚く回復力で、脚はだいぶよくなった。今もリハビリには通っているが、あのにっくき松葉杖とオサラバできて、はればれとした気持ちだ。 「なにのんきに構えてんですか、センパイ。闘いの火ぶたはもう切って落とされ