電車内は混んでいても静かで、 ふいに話し声が耳に入る。 「もう間に合わない」 「今度いつだったっけ」 時間が過ぎていくことに 気を取られた会話が多い。 「ぼくは車庫に行くから」 おや、毛色の変わった言葉だ。 この先には終点から別れた電車の車庫がある。