希瀬望 作家・脚本家・コラム

脚本、小説、コント作家。『ウルトラマンオーブ』『世にも奇妙な物語』『イタイケに恋して』『魔法のリノベ』『オクトー』『好きやねんけど~』ほか。 富山県出身。ドラマ、映画、欅坂46(櫻坂46)、お笑い全般(漫才、コント)、野球。

希瀬望 作家・脚本家・コラム

脚本、小説、コント作家。『ウルトラマンオーブ』『世にも奇妙な物語』『イタイケに恋して』『魔法のリノベ』『オクトー』『好きやねんけど~』ほか。 富山県出身。ドラマ、映画、欅坂46(櫻坂46)、お笑い全般(漫才、コント)、野球。

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最近の記事

ステルス素敵

誰にでも言う素敵とは違うモノを感じんだ。 前に会ったときは思わなかったのにな。

    • ゲームを持っていない僕が〇ぬほど辛い思いしながら小学校生活を過ごした800日間について。【今の子供と親に読んでもらいたい】

      小学生のころ、テレビゲームを持っていなかった。 当時流行していたのはスーパーファミコンからニンテンドー64、プレステに移行し始めたあたり。 ポケモンの影響でゲームボーイも大ブームだった。 でも、僕はどれも持っていなかったせいで、いじめれた。 正確にはイジメでも、無視でも、ない。 その全貌を語る。

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      • 陰キャ歯科医の八重樫さん

        わたしは歯を見れば、大体のことはわかる。 その人の生活習慣、歯ブラシの頻度、健康状態。それだけじゃない。 恋愛や仕事の悩み、抱えている心の闇さえも歯はわたしに物語ってくれる。 でも、患者のそんな部分を知ることはわたしの仕事じゃない。 治療。 これがわたしの責務だ。 それに、大の人見知りのわたしは患者と会話したいとは思わない。 それでいい。と思っていた。 あの日、患者が殺人事件の容疑者として指名手配になるまでは……。

        • 的外れだけど、それもまたブル。

          いつも間違えてしまう。 散歩したあとの帰り道も買おうとしていた電球も、仕事も恋愛も。 給料未払いでいつのまにか倒産していた会社。 仕方なく通ったハローワークで出会った彼氏。モラハラ全開でえぐい性癖があり、ギャンブラーだった。でも、なぜか半年いた。 ようやく始めた事務の仕事でも間違いだらけで、またニートに戻り、今にいたる。 今は何もせずのんびり暮らしている。 大好きな父の保険金が入ったのだ。 でも、誰も私を最低とかクズとか言ってくれない。 いじられないタイプで、そのいじら

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        • キセノート
          0本
        • セトノート
          2本

        記事

          塾の先生と付き合うタイプの女子

          そりゃあ若いほうがいいし、制服にグッとくるけど、そういう目的で塾講師になったワケじゃなかった。 でも、今の嫁は10歳下の教え子だ。見事国立大学に進学させたのは俺のおかげだし、学生結婚をするはめになったのも俺のせいだ。 子供ができたのだ。 みのり。 今年で15歳になる。今は教育系のウェブライターで生計を立てる俺とピアノ講師をする嫁の生活費ではとても塾に通わせられる金はなかったが、勉強がしたいと言われて止めることはできなかった。 と同時に、どうせ若い男の講師がみのりを狙うこと

          塾の先生と付き合うタイプの女子

          いっそのこと思い出したいのだが。

          あー、アラサーツライ。 食べ放題ごときで贅沢をし尽くした思っていた二十歳の頃に戻りたい。 そう思っていたら22歳の春に逆戻りしていた。タイムリープてヤツだ。 しかも周りは私が12年前の未来から若返ったことを当然のように知っているからちっとも楽しくないし、違和感だらけだ。 見た目はちゃんとあの頃のままなのに。いや、バストのカップ数だけ3サイズ上がっていた。儲けものだ。 でも、同期からはさん付けされるし、いびられまくっていたお局が同い年ヅラしてくるし。 相席屋でも見知らぬ男に

          いっそのこと思い出したいのだが。

          どこかで聞いたような地獄耳

          「あそこに私人逮捕ユーチューバーいる」 「マジ。どうしよう」 「アイスコーヒーにしようと思う時期ないの?」 「ないない。コーヒーの味しないじゃん」 「からあげ君なくなったら俺死ぬかも」 「大丈夫、あたしが作ってあげる」 「箱根でリゾートバイトしてたんだけどずっとフルしかとされてたわ」 「居場所ないってつらいな」

          どこかで聞いたような地獄耳

          田舎の吾郎は、

          吾郎は電気系専門誌の編集者をしている。 秋田から上京してマスコミ学部がある大学に、親や担任の反対を押し切って入学したはよいが大手マスコミへの新卒採用は全落ち。 1年間の就職浪人をしてもデジャヴを繰り返し、途方に暮れていたところ、今の会社に拾ってもらった。 10年経っても月収が年齢を超えることはない。でもノルマや数字を求められることもないので悪くはないと思っているようだ。 吾郎は訛りが抜けていない。 私からしたらどの秋田県民より秋田弁がきついし、それが年々増している気すら

          街の話

          歌舞伎町って東口ですか? 西口ですか? 椎名林檎聞いたこと、ないんかよ。 池袋って西口に東武デパートがあるんですね。常識だろ。 巣鴨って高校生いるんですね。いるよ。 そもそも女は街の話、興味ないし。

          純愛をバカにするやつは純愛をバカにするな

          僕は最愛の彼女を病気で亡くしてから、もう何年も恋ができないでいた。 公務員として仕事をまっとうしているときも、昔の仲間とお酒を飲んでいるときも、当然一人でいるときも。 彼女のことが頭から離れない。ずっとずっとこびりついているのだ。 この職員は無能だなと思う。 私は婚約者が殺人の容疑で捕まってから、恋愛はおろか仕事もろくに決まらない。 やる気のないハローワーク職員に私の人生は託せない。 これが二人の出会い、だった。

          純愛をバカにするやつは純愛をバカにするな

          大人は友だちがいないはずでしょ。

          大人は友達などいないと思ってた。 うちの父親も母親も友達と過ごしている日なんてなかったし、周りの同級生の親のことを知る機会がなかったから、それが当たり前だと思ってた。 ちびまる子ちゃんもクレヨンしんちゃんもサザエさんも大人の友達なんていなかったし、それが普通だと思ってた。 おけいおばさんがいた。 てゆーか。世の中大人になっても友達が必要だった。 アラサーの独身女のわたしはカニカマを食べながら少し後悔した。

          大人は友だちがいないはずでしょ。

          幸せはそれしかないと思うから、春よ来い

          春が来る予感がした、わたしにも。 会社のサキちゃんに教えてもらったマッチングアプリ。とりあえずひと通りサキちゃんに入力してもらい、奇跡を待つ。 でも奇跡は起こらない、起こさないといけないとドーハの悲劇世代のわたしは自分でも動いてみた。 光は差す。 待ち合わせ。渋谷で5時。 待てど暮らせどお相手の男性は来ない。 51歳、汗だく真夏の大冒険は少しの日焼けと熱中症で幕を閉じた。 光は再び差す。アプリなめんな。なめ猫世代のわたしは心で叫ぶ。 女性らしさより自分らしさ。多様性

          幸せはそれしかないと思うから、春よ来い

          校長先生を愛しています。

          どうしてこんなに長い時間、人前で話ができるんだろう。 すごいな。尊敬する。 一番遠い場所から私は、先生をただただ見つめていた。 私はこの中学で18年、用務員として働いている。 お兄さんからおじさんと呼び名が変わったことにも慣れた。 いろんな事情で用務員の仕事も様変わりしたが、先生や生徒からの立場は変わらない。 やるせないときもあるが、人生は凪。気にしていたってしょうがない。 それが5年前。 自分よりも7歳の上の校長先生がやってきてから、人生が激変した。 人目見たときに心

          校長先生を愛しています。

          富山県の高校。

          富山県の高校は、プールがない。 富山県の高校は、修学旅行がない。 富山県の高校、うちの母校は3年に1度しか文化祭がない。他校の客はほぼいない。 富山県の高校は、全国で唯一夏の甲子園でベスト4に進んだことがない。 富山県の高校は、すべて共学。 富山県の高校は、富山県の人がみんなその偏差値と高校の特色をなんとなく知っている。 富山県は、高校でマウントを取る。 富山県の高校は素晴らしい。

          長袖に替える年頃

          また、知らない男子に振り返られて、透けている私を見られた。 学校で決められた衣替えの時期を迎えてもまだまだ暑い日は続く。 どんなルールを守っても衣替えだけは納得がいかなかった。 ずっと長袖でいい、ずっとブレザーでいい。 暑くないし、暑くても我慢できるし。 シャツ越しの私をまじまじと見られるより、うんとマシだ。 季節なんて日本人が作ったものでしょ。 なんで真っ白いシャツを着て、純白の心を持つ純粋な女子でいさせようとするのだろう。 私はもう、はち切れそうなんだよ。 真夏

          倖せは天ぷら油のように

          今日も「からあげクン」を買っている。 高校生のとき、アラフォーになってもこんなジャンクでファンクなめしを食べているとは思わなかった。 サクサクと、キッチンから天ぷら油の音が聞こえる。 そんな家庭が当たり前にあるものだと思っていた自分が愚かしい。 座敷席で蕎麦とかすすりながら、天ぷらをつつきたいな。 いや、いいや。 今の自分のカラダには、もたれてしょうがない。