猫間英介

「自分を活かす、他人を活かす、組織を活かす」を基本理念として幸せな人生のために統合的な…

猫間英介

「自分を活かす、他人を活かす、組織を活かす」を基本理念として幸せな人生のために統合的なカウンセリングとコンサルティングを実施中。趣味は音楽(歌、楽器演奏)、短歌、ヨガ、料理、旅行。企業人/キャリアコンサルタント/ファイナンシャルプランナー/メンタルヘルスカウンセラー。猫好き。

マガジン

  • 【生き物短歌】〜生き物って素晴らしい〜

    短歌で生き物を詠む。哺乳類、両生類、爬虫類、鳥類、魚類、虫など、みんな同じ時代を同じ地球で共に生きている。生き物は私の最高の仲間&カウンセラー。

  • 【鎌倉・江ノ島短歌】〜素晴らしき鎌倉・江ノ島(+湘南・三浦)

    幼い頃、学生時代、そして社会人になってからも頻繁に訪れてきた鎌倉・江ノ島。そしてもう少し広く湘南地方、三浦半島。今でも仕事で遊びで月に1、2回のペースで来訪。この大好きで素晴らしい場所を短歌で詠みます。

  • 「歌うことは生きること」〜世界の歌に挑戦〜

    ジャンルを問わず、自分が心動かされる世界のいろいろな歌を歌うことに挑戦しています。歌を本格的に習い始めて12年。歌うことは生きること。人生の最後の日まで好きな歌を歌っていきたいと思います。

最近の記事

【短歌一首】 横須賀のドックを抜くる潮風は鉄錆の味微か運べり

久しぶりに横須賀へ来た。 JR横須賀線の横須賀駅を降り、海沿いの道を港へ向かう。 横須賀の港には米軍の基地があるため、昔からアメリカ色のとても強い街。 港近くは冷たい強い風が吹いている。特に11月7日の立冬を境にして関東地方も急激に冷え込むようになった。木枯らしの中に停泊している軍用艇の灰色が、冷たい重厚感を放っている。 冷たい風に急き立てられ、体も冷えてくるので、どうしても早足になってしまう。 船の建造、メンテナンス、検査などを行うドックから、鉄を叩く音や機械や工具

    • 【短歌一首】 記録上最も遅き雪を載せ富士の立冬せわしく進む  

      11月7日(木)は二十四節気の「立冬」、冬が始まるとされる日。 長く暑い夏がようやく終わりいよいよ秋本番と待ち焦がれているうちに、いつの間にか立冬となってしまった。 7日は朝から冷え込んでいた。そして強い北風が吹き始め、「木枯らし1号」が発表された。秋を待っていたらいきなり木枯らしで冬が始まった。 空は青く澄み渡り、乾いた冷たい木枯らしが吹き始めたのと波長を合わせるかのように、気象庁から7日朝に富士山の初冠雪が確認されたとの発表があった。 今年の富士山の初冠雪は、平年よ

      • 【短歌一首】 立冬に納期急かされ木枯らしは秋を蹴散らし寒招きたり

        11月7日(木)は二十四節気の「立冬」。暦の上では冬が始まる日。 今年は夏が長く居座り、10月になっても夏日が結構あった。 11月になってからもいつになったら秋らしい天気が続くのかと思っていた。 しかし、立冬のこの日は一気に気温が下がり、朝の天気予報でも日本列島は今シーズン一番の強い寒気が流れ込み、西高東低の冬型の気圧配置となるとのこと。 外出の途中で駅で電車を待っている時にも冷たい北風が吹き込んできた。駅に立っていた人たちは寒い北風を凌ぐように、駅にある自販機の陰など

        • 【短歌一首】 三十年ぶりの公園木叢には年輪重ねし木霊棲みたり

          約30年ぶりに東京都江東区木場にある木場公園を訪れた。 水と緑の森林公園として開園したのが1992年。 1990年代にはかなりの回数来たものだったが、それから30年近く公園内を歩くことはなかったので、本当に久しぶりの公園内の散歩。 最も印象的だったのが、公園内の木々が成長してとても大きくなっていたこと。 木場公園の開園時の1990年代はまだ移植されて間もない細い木、中には添木がされているものも結構あった。 30年という月日で木場の街並みもだいぶ変わったが、木は確実にどんど

        【短歌一首】 横須賀のドックを抜くる潮風は鉄錆の味微か運べり

        • 【短歌一首】 記録上最も遅き雪を載せ富士の立冬せわしく進む  

        • 【短歌一首】 立冬に納期急かされ木枯らしは秋を蹴散らし寒招きたり

        • 【短歌一首】 三十年ぶりの公園木叢には年輪重ねし木霊棲みたり

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        • 【生き物短歌】〜生き物って素晴らしい〜
          51本
        • 【鎌倉・江ノ島短歌】〜素晴らしき鎌倉・江ノ島(+湘南・三浦)
          66本
        • 「歌うことは生きること」〜世界の歌に挑戦〜
          9本

        記事

          【短歌一首】 皮すりて中身しぼれるその刹那スダチ呼び込む秋の鮮烈

          スーパーの食品売場に酢橘(スダチ)が出回るようになってきて嬉しい。 すだちの独特の香りと酸味が大好きである。日本でのスダチの生産量は徳島県が95%以上をほこる。 料理の香味として似たような使い方をされるものとして、レモン、ユズ、カボスなどがある。どれも好きだが、スダチには忘れられない面白い体験がある。 以前、仕事の関係で、徳島県出身という80歳の人から接待を受けたことがあった。驚いたことに、その方は料理が出てくるたびに自分のカバンからスダチを取り出し、さらに小さな卸金を取

          【短歌一首】 皮すりて中身しぼれるその刹那スダチ呼び込む秋の鮮烈

          【短歌一首】 群青のしじまを紅く染め抜いて晴れの特異日帷下ろせり

          11月3日文化の日は、朝からずっと晴れていた。まさに晴れの特異日。 朝方に晴れ始めた空は、昼には雲一つない快晴となり、風も止んで秋の日差しが燦々と降り注ぐ一日となった。 晴れの特異日のあまりの気持ち良さに五感も心も舞い上がり、朝も、昼も、短歌を詠んだ。そして、夕方の情景についても短歌を詠みたくなった。 夕方になっても風も雲も全くなく、本当に穏やかで静かな大気。 晴れの特異日は、朝から晩まで徹頭徹尾、穏やかに静かに晴れ渡り澄み切っていた。最高の秋の大気を満喫した一日。

          【短歌一首】 群青のしじまを紅く染め抜いて晴れの特異日帷下ろせり

          【短歌一首】 雲一片風一陣なき午後の空ベランダに秋惜しみなく降る

          11月3日文化の日は晴れの特異日の異名どおり、前夜の雨があがって金色の朝日が昇ってきた。 朝方はまだ上空に前日までの雨雲の名残がりがあったが、時間が経つにつれて雲がどんどん千切れて流れていった。 昼過ぎになると空には雲が全くなくなり快晴となる。ベランダに出てみると風もほとんどない凪の状態。 雲一つない、風一つない静かな秋の休日の午後。ベランダには午後の太陽が惜しみなく降り注ぐ。  涼しくもあり、暖かくもある澄んだ空気を思い切り吸い込んで目を閉じる。全身で五感で久しぶり

          【短歌一首】 雲一片風一陣なき午後の空ベランダに秋惜しみなく降る

          大雨の去りて朝日が金色(こんじき)に万物染める晴れの特異日

          11月3日(文化の日)は晴れる確率がとても高い「晴れの特異日」。 しかし、事前の予報どおり、前日の夜までは強い雨が降っていた。 これは今年は晴れの特異日の例外となるかもしれない、などと思っていた。 朝起きてベランダに出ると、前日までの雨が嘘のように上がり澄んだ空に朝日が昇ろうとしていた。前日は終日外出となっていたが、朝から夜まで断続的に強い雨が降っていた。 これが晴れの特異日たる所以だろう。統計上晴れとなる確率が高い11月3日文化の日の異名:晴れの特異日はさすがに伊達では

          大雨の去りて朝日が金色(こんじき)に万物染める晴れの特異日

          【短歌一首】 墓誌に水掛けて濃くなる戒名に在りし日の影次々浮かぶ

          久しぶりの墓参り。 墓地の掃除をして、花を供え、線香に火を付けて、手を合わせる。 静かな時間の中で、自分が一緒に過ごしたことのある祖父母、父母、兄弟姉妹のことを反芻していく。 墓石のそばの墓誌にヒシャクで水をかけていくと、墓誌に刻まれた戒名が濃く浮かび上がってくる。  一人一人の戒名と命日を確認しながら水を何度もかける。戒名はすべて覚えていないが、命日はよく思い出せる。 みんなの元気だった頃の顔、姿、声、仕草が次々と浮かんでくる。 もう少し頻繁に墓参りに来ようかな。

          【短歌一首】 墓誌に水掛けて濃くなる戒名に在りし日の影次々浮かぶ

          【短歌一首】 朝焼けで十一月は明け始む暗雲迫る晴れの特異日

          11月が始まった。朝ベランダから空を見ると、東の空は朝焼けで紅黄色に染まっていた。関東では11月の初旬は晴れというイメージが強いが、11月初日から雨の前兆とされる朝焼け。 1日朝の天気予報では、台風21号の今後の進路やこれからの大雨について伝えていた。 東日本では夜から雨が強くなり2日(土)は雨、3日にも雨が残る可能性があると言っていた。 11月になっても台風と大雨の話か。 子供の頃から、11月3日は晴れる確率がとても高い「晴れの特異日」と聞かされていた。 なお、今の

          【短歌一首】 朝焼けで十一月は明け始む暗雲迫る晴れの特異日

          【短歌一首】 墓誌記す三月十日の四名は大空襲に露と消えたり

          10月は親族の命日が続き、久しぶりに墓参りに行くといろいろなことが頭をよぎる。 霊園には親族の墓が複数あるが、あらためて墓誌をよく見ると、墓誌に刻まれた戒名の下の命日に、昭和20年3月10日となっている親族が4名いる。 いわゆる東京大空襲と呼ばれる、1945年3月10日未明の東京の下町都心部へのアメリカ軍の大量無差別の空爆。死者約10万人で第二次世界大戦の日本本土の被害の中でも最も大きいものの一つに必ず挙げられている。 子供の頃、寝る前に祖母から何度も聞かされた東京大空

          【短歌一首】 墓誌記す三月十日の四名は大空襲に露と消えたり

          【短歌一首】 家といふシステムもはや機能せず墓地に草生す荒れ野増したり

          10月は親兄弟の命日が続く。 久しぶりに墓参りに訪れた霊園。 子供の頃に、祖父母が家から遠く離れた他県の霊園の一画に墓を買い、そこに都内で手狭になった先祖代々の墓を移した。 そのころは大家族で、まだ祖父母や親兄弟はみな健在で、彼岸には家族や親戚総出で墓参りに訪れ、子供の自分はほとんど遠足気分でただくっついていた。 当時は霊園全体が開設された直後で、どこの区画にも建てられたばかりの新品の墓石がたくさん並んでおり、霊園にはいつも結構多くの人が繰り出していた。 しかし、それか

          【短歌一首】 家といふシステムもはや機能せず墓地に草生す荒れ野増したり

          【短歌一首】 霜おりず露も凍らぬ霜降(そうこう)は秋の終はりの節気と呼べず

          10月23日は二十四節気の「霜降(そうこう)」。 そして、この日から次の二十四節気である11月7日の「立冬(りっとう)」までが霜降の期間に当たる。 霜降の次の節気が立冬ということは、暦の上ではまさに霜降は冬に入る前の秋のオーラスに当たるということになる。 しかし10月の下旬に入ってからも25度越えの夏日も何度も繰り返されている。昼間は半袖で過ごすこともけっこうある。秋の終わりどころか秋の始まりの節気なのでは。 ちなにみ、霜降の前の二十四節気は10月8日の「寒露(かんろ)

          【短歌一首】 霜おりず露も凍らぬ霜降(そうこう)は秋の終はりの節気と呼べず

          【短歌一首】 枯葉踏み見返る猫はあずま屋に季の音知らせ角に消えたり

          千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館の敷地内には広大な森や庭園があり、美術鑑賞に加えて自然の中を散歩散策できることも大きな魅力。 自然の中に佇む休憩所には、スケッチをしている人、ノートPCで作業をしている人、ゆっくりお茶を飲んでいる人などがいて、ゆったりといい時間が流れる。 森を散歩した後にあずま屋で休憩していると、あずま屋のテラスのデッキを一匹の野良猫が横切り、下の地面へと降りていった。 あずま屋のデッキを降りた猫の後についていくと、猫が下の地面に落ちている枯葉で遊

          【短歌一首】 枯葉踏み見返る猫はあずま屋に季の音知らせ角に消えたり

          【短歌一首】 庭園の人に馴れたる白鳥に触(ふ)るな寄るなの神気宿れり

          千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館は森に囲まれており、敷地内には手入れの行き届いた庭園もある。 美術館の敷地内の森を散策し、池近くにある手入れの行き届いた庭園のそばに来ると、二羽の大きな白鳥が芝生の上で動いているのが見えた。 二羽は仲良さそうに寄り添ったり、毛繕いをしたりしている。つがいの白鳥だと思われる。 スマホの撮った写真から種類を調べてくれる機能を使うと、一番最初の候補に「コブハクチョウ」と表示された。 クチバシの上のコプがあるからコブハクチョウか、見たまんま

          【短歌一首】 庭園の人に馴れたる白鳥に触(ふ)るな寄るなの神気宿れり

          【短歌一首】 鉄塊のオブジェは深き草木に解かれいつかは土に帰らん

          千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館に行った。 美術館をゆっくりと回ることが大好きなのだが、ゆっくりじっくりとブラブラ見て回りたいので、時間に余裕がない時にはなかなか足が向かない。 素晴らしい自然に囲まれ、建物や庭園も美しいDIC川村記念美術館は以前から関心があったが、ようやく訪れることができた。 絵画や彫刻などは大好きであるが、特に詳しいわけでもなく、また、あまり深く解説・説明を事前に見たり調べたりすることもない。 いつもその時に自分で実際に見て、そして何を感じたかを

          【短歌一首】 鉄塊のオブジェは深き草木に解かれいつかは土に帰らん