春野
先日、哲学カフェというイベントに参加したんだけど、アガリ症と論理思考の拙さでうまく話せなかった。丁寧に話すトレーニングの場としては有意義だった。色々とユニークな人がいた。
もう受験の季節か。今年は赤本を買って卒業校の問題を実際に解いてみよう。 英語。国語。日本史。また合格できたらいいな。(しばらくは大学に行かない)
プロ野球が11月下旬まで見れるなんて、なんて贅沢な秋なんだろう。(選手の皆さま。怪我だけはお気をつけください)
「オモウマいさんま御殿!」は面白かった。いつもは19時台の「オモウマい店」と20時台の「さんま御殿」のコラボ番組だった。ヒロミさんが「素人さん」は往々にして番組で黙ってしまうことがあると言っていたけど、「プロ」の芸人さんは勿論、いい意味で彼らの上がっている様が面白く好感を持てた。
轟善助は街のふらっとステーション「どんどこ」に通って、はや十年。今年でちょうど四十歳になる。 その場所は生きづらさを抱えた人であれば誰でも利用できる所で、基本的にはいつ来て、いつ帰ってもいいのだが、善助に限って言うと、大雪が降ったり台風が来る時以外は休むことがない。雨が降ろうが槍が降ろうが朝の十時には『出勤』して、きちんと十六時までお勤めを果たす。そういう律儀で真面目なところが周囲の人達に評価されている。 善助はいつも、ふたりの女性スタッフさんとじゃれあって、彼女たちの
「3000万」というNHKの土曜ドラマ。もう終盤の入口だな。面白かった。「ねじり」をかなり入れているのが良かった。
夏の終わりの日に見たあのうなじ 「仮定法過去」が呟く ー刑法で裁かれるべきだー と 「現在完了形」が「仮定法過去」を告発する 「現在」を断ち切る。六法全書に載る 「未然」に防ぐ
若い男子達が列車の車両情報について 喋り倒している間に、列車は出発のベルが鳴る 若い女子達の制服はなぜこんなに可愛いのだろう 彼女たちは置物のように座りながら 動き出した列車の中で噂話に講じる そうこうするうちに列車は田園風景を 切り裂くように進みながら 最初の停車駅をめがけて運行する 夢の中で見たこれらの風景は 瞼が開くとともに淡く消え去ってゆく さようなら。田舎の若き生徒たち
こんな夢を見た。 私はR大学をかつて二週間で中退していた。 そのことが少し心の重荷となっていた。 別用でその後入学したKキャンパスを歩いていた。 ある男性に声を掛けられた。 「おい君、君は春野(私の名)じゃないか?」 私は私の過去を知るものが唐突に現れて驚いた。 しかし、そんなことよりもつかの間の旧友に逢えたことがうれしかった。 夢の中での彼はリーゼントをしていた。 それから我々はキャンパスを逍遙した。 歩きながら私はもうひとつの人生があり得たことを彼の唐突な出現に
どこへ逃げても 追尾してくる 青白き玉 母まで蹴散らした 観念して もうお終いと念じて しばらくすると覚醒した 午前三時 月が空に浮かんでいる 火星ではなしに
あのひとが歌う。 するとわたしはたちまち竪琴になる。 身体じゅうがかき鳴らされて わたしはさまざまな音色をあげる。 それは悲鳴に違いない。 声なき悲鳴。 それでもあのひとは歌うことをやめない。 雲雀が天に向かってさえずるように。 健やかな者は自由だ。 あなたは歌っていいのだ。 あのひとが歌うと わたしはからだじゅうの力が抜けてしまう。 こころのなかに、虹が架かる。 晴れの日が百日続く。 それは災厄に違いない。 いつまでもいつまでも鳴り響くのだから。 たましいが
もう一度だけお前を この手で 抱きしめたい 彼は予告のうちに死んだ 選ぶことは叶わなかった ここに来た時点で、彼の命数は尽きていたのだ おそらくはわかっていた そのことが何よりも哀しい 動かない手指と足指 張り裂く声に 届かぬナースコール 不幸にして死の直前まで彼の意識は明瞭であった だから私は今、この一文を記している 突然、彼は旅だった 遠い遠い空へ続く 彼の微笑み
私たちが見ているものは薄い長い影 そこに原則人の姿は見えない 一人だけ さらに影のない女がいる 彼女はこちらを見ている 目と目が合っている
夜のО駅の売店にはいつものように見慣れたチェルシーがあった。街角のコンビニではもう久しく手に入れることができなくなってしまった。だからО駅に立ち寄る時があれば俺はいつも売店でチェルシーを買う。そして、きょうはしきりにのどが渇いていた。俺は弁護士。昼から裁判をこなした後も、事務所に戻って尋問事項の作成。クライアントとの打ち合わせ。今日もそれなりに働いたからだ。 ――ポケットにちゃんとふたつの切符はあるな―― そう思われてポケットをまさぐると、かさっと切符と切符が二枚重な
入学式だった 夢の中で黄色の靴を貸してくれたハンサムな男 正門だった 男は門に凭れ掛かって気障に笑っている 何も知らぬ土地にて、初めての教室へと向かう 薄れ行く記憶、「軽音楽同好会」と 男は会話のなかで幾度か触れている すでに意識は覚醒へと向かう なんとかこの言葉だけを銘記した 私はこの時、跳ね起きる 深夜二時、私の意識を覚醒せしめた 「ブラスバンド同好会」とはいったい何か? どう考えても その大学のサークル名のようだった 私はうろうろと部屋を探す
うららかな日々が続く春。ある朝、公雄はいつものように散歩に勤しんでいた。これといって趣味のない彼は、毎日一度の散歩だけが生きがいである。妻に先立たれ、実の娘、亜理紗に頼るばかりに彼女との距離は微妙なものとなってしまった。それゆえ実の子にこれ以上苦労をかけまいと、公雄は日々、外出するようにしているのである。それもこれも家に居たきりにならぬためだ。 今日もいそいそといつもの散歩コースを歩く。目の前の青の信号が点滅し、まもなく赤に変わろうとしている。この信号は一度変わったら、容