お題

#眠れない夜に

夢のような話、目を閉じるのが怖くなる怖い話……。夜に読んでほしい物語を投稿ください!

人気の記事一覧

インスタントラーメン考

 ラーメン……と言えば、日本人にとっては「国民食」かも知れない。  まあ、昨今では一時のラーメン熱も冷めてきているのかも知れないが、それでも近場の商店街には未だに何件もが開店していてる。  最近では不況の煽りで店を畳む所も多いと聞くが、……やはり、それなりの需要はあるのだろう。    ただし……僕は、ほとんどラーメン屋に足を運ぶことはない。一時、あちこちの美味いと評判の店が紹介され、行列なども珍しくなかったらしいが……一度として興味を持ったためしはない。  僕にとっての「

【詩のようなもの】帰りの合図

夕方  帰りの合図が鳴り 名残惜しく 友と別れる 日が落ちて 辺りはだんだんと暮れていく 太陽も また明日、と寝る準備 帰りの合図が鳴ったから 明日の約束 またここで 帰り道 家の近く 美味しい匂い お腹がすいて 早歩き #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #帰りのチャイム #放課後 #スキしてみて #眠れない夜に

カコ|詩

 まだ子どもだったころ、たとえ親が毎日のように「死ね」とわたしに怒鳴っていても、外の世界はかがやいて見えた。そのころの記憶はいまも痛い。でも過去は、苦しむためではなく、成長のためにあるものだから…カコに背を押してもらって光のなかへ歩きだそう ◇見出しの画像は、みんなのフォトギャラリーから mioartyさんの作品を使わせていただきました。 ありがとうございます。

森のバレンタインーウサギの想いよ届けー

青い夜の森に、やさしい星の光が降りそそぐ。 今日はバレンタイン。だけど、ウサギはそわそわしていた。 「オオカミさんにチョコを渡したいけど……やっぱり無理かも。」 ふわふわの耳をぺたんと伏せ、もじもじとチョコを抱えたまま、 ウサギは森の奥に向かった。 そんな二人をじっと見ていた影がひとつ。 高い木の枝の上で、カラスがニヤリとくちばしを鳴らす。 「ふふん、これはオレの出番だな。」 ウサギはオオカミにチョコを渡したいけど、恥ずかしくってなかなかできない。オオカミも照れちゃ

詩 : 遺伝記憶を繋げるため Ⅱ

「遺伝記憶を繋げるため」 様々な手段を次の世代へ 成功も失敗も 愛しいと感じたことや 叶わなかった想いを脱ぎ去る事や 成し遂げられなかった 様々な思いも そしてその一つ一つを すべて すべて遺伝記憶として 少しづつ進化していく 辿り着く先は 永く繋がった遺伝の中へ 闇と光を混ぜ合わせた 人間が出来上がり ずーっと思考を停止しないよう 生きるバトンを繋げていく ※ 但し、投稿した作品の著作権は作者にあり無断使用等はお断り致します。 ※ 掲載した作品を他のクリエーターの方

【詩】あの日の夕焼け

あの日見た夕焼けは 荒む心に少しだけ 優しさを あなたと見た夕焼けは 傷む心に少しだけ 温もりを あの日見た夕焼けは 空を一面を真っ赤に染めて 沈む夕陽が 優しく包む あなたとともに 見た日のこと #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #夕日 #スキしてみて #眠れない夜に

〔ショートストーリー〕キャンディ

甘いものは嫌いだ。食べたときの幸福感より、罪悪感が上回るから。だって私は、キラキラしていなくちゃいけないんだよ?太るなんてあり得ないでしょ。 SNSにはキラキラした私が溢れてる。クリスマスにバレンタイン、誕生日や二人の記念日。これでもかって言うぐらい、ハッピーな画像ばかりだ。私の彼、光琉は、立ち上げた事業が成功して、雑誌にも採り上げられたことがある勝ち組。バッグもアクセサリーも、プレゼントはもちろん全部ハイブランド物。それらをアップする度に、フォロワーからは羨望のコメントが

(家に帰ると夫がいるので、以下省略)[日記]

2月某日 :朝 撮る :午前 大好きさんとお喋り 楽しい時間 :午後 仕事②3hうち面談1h(通常は25m) 事後メールにて「まだまだ聞いていただきたいことがたくさんございます^_^;」とのこと 私は聞きたいことは聞いた(会社が望んでいることも) このままでいくと退職の流れだが、また問い合わせが来るのかな 仕事①6h メインの仕事はさほど進まず :お庭で撮る 2月某日 祝日 :のんびり過ごす 昼間にお風呂  (夫が沸かしてくれた) 子どもが小さい時から、好きなタ

音声|スタエフやらないやらない鷺。

stand.𝚏𝚖、みらっちチャンネルにお邪魔しました。 じつは指笛鳴らせます、青豆です。 はじめに、よくある質問です。 Q. みらっちと話している低い声の女は誰ですか。 A.  わたしです。青豆。 Q. 音声系はやらないと言ってませんでしたか。 A. 〝やらないやらない詐欺〟です。 Q. これまでスタエフに誘っていただきながらお断りした方に失礼だと思わないんですか。 A. すみません。こればっかりはタイミングなので許してください。 Q. 登場前の紹介部分でだいぶ持ち

私の暮らしを私の目線で。

Zineのイベントで喫茶と書房ツマサキさんに出会った。 その人の暮らしの徒然帳。 その人からみた日々の暮らし。 暮らしの見え方。 その人の好きがつまった写真たち。 日々、見過ごしてしまいそうな欠片たちに、 改めて気づかされる。 なんでもない日常が、愛おしいなって思える。 パフェがどんどん食べられていく写真。 途中の姿は決して綺麗とは言えないんだけど、 食べてるときの幸せや、会話が弾んでる感じが浮かんでくる。 一輪の花だって、 色んな角度からみると違う顔なのだ。

【SF短編小説】 スイーツ #シロクマ文芸部 「甘いもの」参加作品

※本文2200文字です。  甘いものが食べたいと言うヴィクトルの希望を叶えるため、マヤは二番街にきていた。  ここには有名なパティスリーがある。シャンドラン家のパーティーでは、デザートにここのスイーツがたくさん並べられる。  この店のバナナブレッドとレモンタルトがヴィクトルの大好物で、先週一度、彼と一緒に来ていた。  マヤは店のドアを引き開け、手ぶらで店を後にした。 「はぁ…」  大きなため息をひとつつくと、トボトボと五番街の方向に歩き出す。先週ヴィクトルと来た時

【漫画】柳田國男の日本の昔話より短編読切 「山姥の宝蓑」

新しい隠れ家を手に入れたような。

本も音楽も逃げ場みたいなものだから、教養も歴史も二の次でいい。かなしみやさみしさが入る余地などいらないから、好きなものだけで埋め尽くしたい。 たくさん知っていたって、どれだけ正しさを振り翳したって、いつかみんな死ぬんだ。なんの力も持たなくなるんだ。少しくらい間違いがあっても居心地がいいほうがいい。 でも知らないことを知ろうとするのは格好良いことだと思う。それは豊かであろうとすることだと思うから、自分もそうありたいし、関わるにしてもそういう人がいい。 空いた時間に近くの道

OK。分かった。今日はそんな日か。

私の相棒が死んだ。 私の掃除の相棒の床拭きロボットが。 ウンとも、スンとも言わん。 仕方がないので、床を這いつくばって 拭いていると、うちの猫が何を思ったか 私の布団におしっこをした。 大急ぎで布団を洗濯機に突っ込んで洗ったら、乾燥のターンに入ってエラーを起こして止まった。 仕方がないので、濡れて重くなった布団を頑張って風呂場に干し、乾燥をかけた。 しかし、夜になっても乾かないので、ジャンバーをたくさん着込んで寝ることにした。 寝心地が良くなくて寝付けないので気晴

短編小説 「ガムボール」

ぼくの名前はブルーボール。コンビニのレジ横に置かれている、赤いガムボールマシンの中で、いっちばん注目を浴びている存在だって自負してる。理由は簡単。ぼくを口に入れた子どもたちのベロが、まっ青に染まっちゃうからだ。そりゃあみんな、驚くし面白がるよね。大きなガラスのドーム越しに、笑顔のキッズたちが「青、出ろー!」って念じてくる姿をときどき見ると、ぼくは思わずニヤリとしちゃう。マシンの奥で控えてるだけでも、視線を浴びまくるんだからさ。 ぼくたちガムボールは、レッドやイエロー、グリー

《百物語異聞 ──怪異の境界》 「語る者、視る者、消える者」

📖 あらすじ 都内の老舗出版社に勤める編集者・三浦恭介は、特集記事の企画で「百物語」に関する特集を任される。取材のために都市伝説研究家の久我玲子を訪ねた彼は、「本当に怪異が起こる百物語がある」という噂を耳にする。 玲子の紹介で、恭介はとある廃墟ビルで行われる「百物語の会」に参加することになる。 参加者はホラー作家、霊能者、ネット配信者など十数人。 ルールは古典的なものと同じで、百話目を語り終えた時、何かが起こるという。 進行するにつれ、参加者たちは次第に怪異を体験し始め

2月の蛍 【超ショートショート】

合コンでお持ち帰りした彼女と深夜の川べりを散歩。 このあたりは街灯も少ないし、人も通らない。 「あっ、蛍! 初めて見た。綺麗~」彼女が足を止め、うっとりと景色に見入る。 ――おお、いい雰囲気!  俺はすかさず、彼女の唇を奪った。 ――よし、このままホテルに連れ込もう! あれ? でも蛍の季節は梅雨時じゃなかったっけ? と思ったが、『ま、いっか!』と彼女を蛍のたくさんいる方にいざなって、さりげなく彼女の胸に手を伸ばす。 「きゃーっ!」叫ぶ彼女に突き飛ばされ、しりもちを

【詩】今日が終わる

明日が見えなくても 僕らは何かに期待して それでもいつも裏切られて その日が終わる 明日が見えたなら 僕らは何かを敬うのか そんなこと夢のまた夢 今日が終わる 夕焼けに空が色づき 赤を染める暗い闇 誰かは言う 誰もが同じ 平等だと そんなもんかな 十字路に立った時 僕らは何かを探して それでも何も見つからない その日が終わる 日が暮れたから 僕らは歌を歌って そんな風に繰り返し 明日が来てる 朝焼けに陽ざしが伸びて 空を染める白い雲 誰かは言う 誰もが同じ 平等

端っこに落書き、それは勇気 _ 詩

後悔という名の明日 違う 航海という名の明日 軌跡という名の昨日 いや 輝石という名の昨日 言葉を侵食されるな 恐怖も不安も疑念も 全部書き換えろ 言葉を間違えるな 記せ、ただまっすぐ前を見て ならば 何という名の今日とする それを お前が選んで、記せ 了

味わい深いコーヒーの歴史

毎日水のようにコーヒーを飲んでいる。 朝起きてから1杯、職場についてから1杯、お昼を食べてから1杯。 眠気を覚まし、スイッチを入れるために欠かせない。それは自分だけではないだろう。 イギリスにいるなら紅茶だろ!という声が聞こえてきそうだが、歴史的にはコーヒーもイギリスで人気だった。 そんなコーヒーについて解説したBBCの動画が面白かったため、AIに追加で調査をお願いし、記事を作成してもらった。 自分が知りたくて調べた短い記事なので、コーヒー片手に気楽に読んでもらえれ

【エッセイ/詩】嫉妬するものは手にできるもの

きっと 手が 届きそうもなかったら 嫉妬なんてしないから 嫉妬するものは 手にできるもの 自分のなかに あるもの これから 育てていけるもの

許してあげたい

完璧を求め 少しでも違うことが許せない ほんの些細なことでも 気になって不安になって苦しくて 慌てて消し去ろうと 自己肯定を試みるも遅かった 今夜も自己反省が始まる 眠れなくなるやつだな もう慣れなけれど やっぱり落ち込む またやってしまったか 気が付かないうちに完璧主義になり 自分で自分縛りをキツくして 解き方がわからない とにかくまずは好きなこと探すんだ 深呼吸して止まってみよう ゆっくり時間は流れているから 安心して自分を優しく許してあげたい

【創作】温泉の足湯で【スナップショット】

      こうやって雄大な山の景色を見ながら 足湯に浸かるのも 気持ちいいわね   うん、貸し切りみたい   本当に   来週ようやく結婚式 今まで本当にありがとうございました   いえいえ そんな急に改まって   お母さんから 何かアドバイスは?   特にないわ 娘のあなたが旦那さんと一緒に 幸せでいてくれれば   どうすれば幸せになれる?   幸せの形は 人それぞれだから 私はアドバイスできない 50年間夫のモラハラに耐えた妻と 妻の小言を我慢し続けた夫の 4人の子供が

詩 | 風に吹かれて

たったひとりで 歩み始めたとき 自分の足で立っていることを 私は始めて意識した 空から降り落ちる雨も 吹き付けてくる風も 自分の力ひとつで はね除けていかなければならない 頼る人がいないのは とても心細い 心細いけれども 清々しさはあるものだ 頼れる人がいないならば 雨も風も味方につけて 自然に抗うことなく 自然とともに生きていこう! #詩 #スカート #一陣の風 #私の作品紹介 #眠れない夜に

喫茶店で味わう本の世界と現実の交差点

 喫茶店で本を読むことが、休日の密やかな楽しみだ。思うがまま眠って、喫茶店へと足を運ぶ準備をする。少し浮き足立ちながら、喫茶店へと向かう。店のドアを開いた瞬間に訪れるまるで昭和のタイムスリップしたかのような空間。注文をしてからホットコーヒーが届くまでの瞬間はワクワクが止まらない。  小さなテーブルに置かれたコーヒーカップ、その隣に開かれた本。窓から射し込む午後の日差しが、ページの文字を優しく照らす。すぐにでも小躍りしそうな言葉の数々。そんな光景は、どこか夢の中のようで、日常

シロクマ文芸部|甘い記憶のゆくえ

甘いものを世界から消滅する指令が出たのは10年以上前になる。 当時の大統領命令だったという噂があるけれど、本当かどうか誰も知らない。 かつてスイーツと呼ばれる食べ物があり、嬉々としてそれらを獲得しようとした時代があった。 ケーキショップがショーケースを美しく飾っていたことも、デパ地下でお目当てのチョコレートのために整理券を入手して行列したことも、陳列されたきらびやかなパワーに抗えず、両手にあまるほど買いこんだことも、わたしの息子に話したところで全くリアリティがないのはしかた

心kokoro【詩〜エッセイ】

わたしの心は kokoroころころ変わってゆく 恐かった日 怒った日 喜んだ日 悲しんだ日 悩んだ日 あの日の私も 今の私も 私には変わりない だけど 私の心は kokoroころころ 変わってる 生きるって こういうこと 生きてるって こういうことなんだね ˳◌* ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ *◌˳˳◌* ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ こんにちは Blue handです noteの街に帰ってくる前のnoteの街から ずっと仲良くさせていただいているriraさん

【詩/詞】そんなもんかな

染み付いた思考 180度 違う自分を思い描いて ジタバタと抵抗 こんなはずじゃなかった、と 呟くかすかな声 そんなもんかな 誰もがきっと もがきながら 生きている 変わらない志向 何度も 昨日の自分を繰り返して ジタバタと抵抗 明日はきっと違う、と 叫ぶ大きな声 そんなもんだろ 誰もがきっと 動きながら 待っている どこかへ行こうと 街に出かけて どこにいるのか 街に迷って どこへも行けない そんなもんかな 誰もがきっと もがきながら 生きている こんなはずじゃな

ルールはどこまで守る?

 人間と言うのは不思議なもので……頭を使わずとも、しぜんある種のルールに従っているらしい。  挙げればキリがないが……身近な例で言えば、「交通ルール」。まあ、幼稚園児や小学生ならば、「赤信号では止まりましょう」とか「横断歩道では手を上げて」などと教えられるのだろう。つい赤信号なのに横断しようとすると、「先生に言ってやる!」なんて言いかねないイヤらしい優等生がいてもおかしくはない。  しかし、大人になってから、つい見上げる信号に対し、先生の教えを思い出して行動を決定するなん

【詩】白い雪

白雪の 積もる景色に 照らす街灯 朝待つ子どもの 踊る心 #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #雪景色 #冬 #スキしてみて #眠れない夜に

ワクワクする確率 【詩】

こいつはね 生命医科学では実証されている こいつを摂取すれば じきにワクワクしてくるだろう サンショクキムネオオハシ グロテスクまでに大きなクチバシ 黄色い 青い 紅い 恐竜めく両脚 (ワクワク ワクワク ワクワク) やまない雨の日に ロシアンルーレットを楽しんでいる 憂鬱な高揚感 集中力がつづかないときは 桃色に壁を塗る 酸度の少ない日だった 六つに一つの正解を探している (こいつはね  実証されているんだ) アスリート 経営者 ビジネスマン 受験生 アーティスト

【短編小説】恋をすると電車に乗ってばかりいる・桜吹雪

呼び出されるまでは、呼び出さないと決めていた。 会いたいと言われるまでは、会いたいとは言わない。 だって、私は会いたいけれど彼が会いたいかは分からないし、会いたいとしてもそれを行動に移すかは別問題だし、もしもお互いに会いたくて2人だけで会ってみたとしても、ただ会ってお話するだけだとしても、彼の妻が不愉快だったら私はどうすればいいのか分からない。 だから、私から会いたいとは言わない。 まして好きとは言わない。 あの人が何も言わなければ、このまま、この恋は揉み消そう。 黙って、

【ピヲピヲ文庫連載ミステリー】『7組のクセツヨな招待客』~第4話~

クセツヨな主、登場!  14時50分になり、『夢鳥の幽館』の各部屋でひと息ついていた招待客たちは、パーティー開始の時間が近づいていることに気付いた。そのとき、洋館の召使がそれぞれの部屋を訪れ、「パーティーの開始時刻が近づいておりますので、これからご案内いたします」と丁寧に声をかけた。  招待客たちは召使の誘導に従い、廊下を進みながら一緒に洋館1階の大広間へと向かった。廊下を歩きながら、健太が召使に尋ねた。「さっき、外で何か有ったのですか?何だか、鳥が随分と騒がしかったようで

新アイコン決定💓

 選挙の結果、新アイコンが決定しました。ご協力いただき、ありがとうございました。 選挙結果の詳細は、下の記事のコメント欄です😊 #自己紹介 #アイコン #眠れない夜に

生理で上手に働けない

私は高校生くらいからだろうか、 なぜか、月の10日間くらい、引きこもりたくなる時期がある。 起きた瞬間から絶望していて、身体が鉛の様に重く、起き上がれない。 景色は全部グレーに見える。人と関わりたくなくて、音を耳に入れたくなくて、話しかけられると貝の様に縮こまる。誰とも目が合わない様に下を向いて歩く。 学生の頃は単位ギリギリで休んだり、適度に遅刻したりしてやり過ごしたが、大人になると仕事は休めない。その10日間と仕事が重なる時期は、 歯を食いしばって、手をグーに強く握って

ベッドサイド水族館へようこそ

「そよちゃん、ホントにここで良かったの?」  水族館の土産物屋にて、40代くらいの男性が中高生と思しき少女に問い掛ける。  ふたりの間には妙な距離感があり、少女はぎこちなく首を縦に振った。 「いつもみたいにお買い物とか、ご飯でもいいんだよ」  男性の心配そうな表情と声に対して、 「小さい頃に家族で来たとこだから。また、ぬいぐるみが欲しい」 少女は真顔でさらっと答える。  〈パパ〉と呼ぶや否や、男性の顔つきが穏やかに明るくなった。  果たして親子だろうか、という疑問はあっさ

「あ、これガチであかんやつ」と「普通のあかんやつ」の絶対に超えられない境界線に立った時に僕が思ったことを共有する

「パパ、早くお風呂に入って!クサい!」 ランニングから戻って、リビングで冷たいお茶を飲みながら至福の時間を過ごしていると長女から厳しいお叱りが入る。 曲がりなりにもウルトラマラソンにチャレンジを続ける僕は、夏であろうと関係なく距離を踏む。もう40歳を超えると走り続けなければ老化のスピードに逆らうことができない。 でも夏場は走ると汗臭い。 正確に言うと僕自身は臭くないけど、まわりは臭い。 しかしな、どんな理由であれ娘から「クサい」と言われるとさすがに「ドキっ」とするんだ

【詩】小さいもの

小さな嘘を積み重ねて 心は荒む 自分を守るつもりが 自分自身を傷つける 小さな優しさを受けて 心は癒える 誰かを思いやる気持ちが 自分自身を救い出す 小さな幸せを探す日々に 心を休める 自分の手の届く範囲で 幸せが見つかればいい あの日聞いた歌を思い出す 口ずさめば あの日のような あたたかな日だまりに #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

svayam【詩のようなエッセイのような】

思うままに生きることを 自由と言うなら 誰もが思うまま生きている 胸に手を当てその心に問う 仕方ないと思う心も 有難いと思う心も 動けないと思う心も 動こうと思う心も 自分の思うまま 思う心がそのまま 現れている 自由という世界は 元々みな手の内にあって 自分の思うまま 操っているのも自分だったりもする 本当に自由がいいと言うならば 自ら思うまま現れてくる 思うままを手にしたいのなら 自由と対についてくるものも 受け入れていくことになるんだよ 自分の描く自由という

スーパーサイヤ人友蔵

「なんか、まる子の悪口を言っている人を見てたらの~、スーパーサイヤ人が目覚めてしまったらしいのじゃよ」  どこからどう見ても友蔵じいさんにしか見えないご老人が僕の目の前に現れた。 「友蔵さんですよね?」 「いや~、わしはスーパーサイヤ人・友蔵じゃよ」 「金髪のズラをしてるだけですよね?」 「いや~、これは『毛』じゃなくて、『気』じゃよ。さわってもええよ」  ぼくは恐る恐るスーパーサイヤ人・友蔵さんの頭に触れてみた。  ちょっと静電気レベルの「気」を感じたが、これな

夢の中の麗子ちゃん

 久しぶりに、麗子ちゃんの夢を見た。  「麗子ちゃん」なんて言ってしまったが、別に僕の恋人でもなく、いっそガールフレンドですらない。  もう五年以上は前のことだが……ホテルでバイトしていた時の、同僚のメイドさんである。  ちょっとアニメのキャラに出てきそうな、やたら大人しく無口な、それでいて楚々とした雰囲気を醸す、古典的な女性であった。近眼なのか時々眼鏡を掛けてもいたが、それが妙にハマっていて、まさに「可愛い!」と言う以外表現のしようがない。  実は、この麗子ちゃん……

君が月 _ 詩

手紙を書こうと思った だったら電話しようと思った でもたまには会いに行こうと思った まだ夜中の三時だった 春めいた雨が降る積雪の道は まるで僕の心のようだった 荷造りは面倒でとりあえず車を走らせた だからきっと持ってこなかった記憶もある 見覚えのある景色に花が咲き 見知らぬ通りに棘が隠れて まだ消えない痛みに空気は冷たく どうでもいい嘘が夜に輝く 手紙を書けばよかった 電話すればよかった でもたまには会いに行きたかった まだ夜明けまでもう少しあった 了

透明なことば、夜の声

「夜には夜の顔があるのよ」 夢を見ていた。夢の中で、わたしは小説を書いていたはずで、起きた時には、このフレーズだけが頭の中に残っていた。うすぼんやりと、輪郭だけが残っていて、どんな物語を紡いでいたのか、全然思い出せない。 あぁ、惜しいことをした。 自分の心の中にある、世の中への疑問みたいなものを、小説として消化したいと思った。 わたしから見えている世界と、あなたから見えている世界は違う。だから、あなたの価値観を押し付けないで欲しい。そう思うように、わたしも、きっと、誰

森のバレンタインーウサギの想いよ届けー(仮)

青い森に、甘い風が吹いた夜。 誰かの想いが、そっと揺れる。 月明かりに照らされて、 ウサギは小さな手にチョコを握る。 「この気持ち、伝えられるかな…?」 どこか落ち着かないオオカミは、 心の鼓動に耳を澄ませる。 そして、その二匹を見つめるカラス。 くちばしでリボンをつつきながら、 くすくすと笑っている。 これは、どんなバレンタインになるのか? それはまだ、誰にもわからない。 ✦ 森のバレンタイン ― ウサギの想いよ届け。 ✦ あとがき 14日金曜日にyoutube

詩|咲かない春

空をぜんぶ、ひとりじめしたくなる あの青をぜんぶ、わたしのものに どれだけうばってもなくならないもの 空の青は永遠だから わたしはなんて小さくて浅はかで 空の下ではうんざりするほど無力 冬が、泣きそうなくらい冬で、 わたしの中で始まっていくのに 春を、降らせようとして春が、 恋が咲くのは春だなんて嘘ばっかり 流れることのできない流れ星が どんどん落下していく そんなに忘れられないのなら わたしが心を洗ってあげるわ 春なんてどこにもこないけれど 春なんてきっと咲かないけ

【詩】嘘の境界

嘘をつく 自分が嫌い 綺麗な嘘と汚い嘘 境界線が分からない 偽りを纏う 自分が嫌い 優しい嘘の「優しさ」は 本当の「優しさ」なのか #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #嘘 #スキしてみて #眠れない夜に

「喋りすぎる口下手」を知ってほしい。

あなたは「口下手」と聞いて、どんな人を想像するだろうか。その中に、「口数の少ない人」のイメージもあるのではないか。 そんな「口下手」について、ちょっと言わせてほしい。私は今、多くの人が持っている「口下手」のイメージを本気で変えたくて、この記事を書いている。 「口下手」の意味は、おそらく多くの人が知っているはず。小4二男の小学生用の国語辞典で調べると、こう書いてある。 だから、話の仕方が下手という意味で、私は「口下手」を自称している。しかし、「口下手」というたびに言われる

【詩/詞】風、薫る

風、薫る 春の木漏れ日 新しい出会いに 心躍る 風、薫る 夏の潮風 青春は思うより 汗ばむもの 嗚呼 四季はいつだって 知らないところで 思い出をめぐって 移り行く 風、薫る 秋の星月 虫鳴く夜の 律の調べ 風、薫る 冬の霞に もうすぐ春の 一番が吹く 嗚呼 四季はいつだって 気付かぬうちに 思い出を残して 巡り行く 風、薫る 春一番 新しい季節に 思い馳せ 嗚呼 四季はいつだって 気付かぬうちに 思い出を残して 巡り行く 風、薫る 四季の彩 #詩 #自由詩

伊達眼鏡

 外出時、僕は必ず眼鏡を掛ける。と、言っても度なし、色なしの、せいぜい紫外線カットの素通し……要は「伊達眼鏡」である。  はて? ……いつから「伊達眼鏡」愛好者になったのだろうか?  ……ちょっと考えてみる。  思えば、十代後半から二十代初めころまでは……所謂、色つきのサングラスをオシャレのアイテムといて利用していたはず。  眩しくもないのにサングラス、夜でもサングラス?  何のコトはない、単にカッコつけていただけだが……自己満足以外に、本当にカッコ良かったかどうかは

【詩】複数解

どこへ行けば正解なのか そもそも「答え」はあるのだろうか 正解も不正解も 複数解 複雑な解答 迷い道 どこへ行けば帰り道 そもそも「道」は続くのだろうか 前後も左右も 十字路 正しい解も 分かれ道 #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #人生 #スキしてみて #眠れない夜に