青山風游(あおやまふゆ)
おじいさんの飼い犬、トム。 ある日おじいさんが病院に搬送されて以来、トムは繋がれたまま運命に身を任す他なくなった。
ぽつぽつ書いて、まとめています。
すぐ読めるので読んでみてください。
私の母が遺してくれた4匹の猫たちを故郷岩手から引取って以来、我が家にはいつも猫がいます。 もうその頃の猫たちは母のもとへ旅立ちましたが、新たに我が家に来た個性豊かな面々が今日も何かを画策しています。 この度、若手3匹をご紹介させていただきます。 文太くんは生後ひと月にもならないころ、ひょいと庭に迷い込んできました。 毛並みがそこまで悪く無かったので様子を見ているうちに来なくなったのですが半年程してまた現れました。 この時はどんどん痩せて、そのうち先住の虎にめちゃく
「独立しようかなぁ」 今から10年ほど前に旦那が言った。 彼は壁紙貼りの職人である。 色々と調べ一人親方として働くことになった。 ―そして私は老後に一抹の不安を覚えた(遅い)。 遡ること更に10年弱。 当時アナログな職場を辞めたばかりの私はハローワークに赴き、デスクの向こう側でパソコンを操る女性を見ながら思った… あのパソコンつぅのをさわれないと、生きて行けなくなるんじゃなぁい? ガラケーを使ってメールをするようになった辺りで、お願いこのまま
あの塔が突き刺さっているので 灰色の空が今にも泣き出しそうだ こんな雲の厚い日は 秋の葉が色を放つ 花水木の葉 コスモスの花びら 土は湿り気を帯び 柔らかな香り 現在を捉えることができなくなる どこにいるのか だれなのか 空が痛がっている あの塔が自分だろうか 痛いのが自分だろうか どちらでもあり 飲み込むには大きすぎる景色を 飲み込もうとし続ける
#オンライン展覧会
都市化が進むと、人間は自然も管理下におけるものと勘違いするという。 そんな訳ないのにね。 我が家にはそんな、人間の勘違いの被害者である元野良を含む猫五匹と、犬が一匹いる。 私自身は文明の恩恵にどっぷりと漬かりつつ、この被害者たちの反社会的な要求におろおろと板挟みになっているので、加害者であり被害者でもあるといった所か。 さて、動物というのは自分では歯を磨かないから自然であればある程度の年齢になると歯周病になる。 人間はどうか。 私は歯磨きをするが遺伝的に歯が弱
気持ちがぎちぎち いうから 自分を見れない いたい いたい そこに触るな そっちはまだ放っておけ あっ 季節はもう過ぎた 葉っぱは赤く透けているし 可愛らしかった水仙なんか もう昔々の思い出じゃないか あはははは いいさ 枯れ葉とひょろひょろ 揺れていよう まだしも冷たい風に挨拶できる
希望を持つことをやめると 魂は息をしなくなる 瞳は色を失くし 肌を閉じる 諦めてはいけない 生きることを どれだけ社会が複雑でも そこで許される自由を 自分のために探してやるのだ 愛するものの魂が呼吸をするための自由を そのための見えなくても激しい戦いを 避けてはいけない 染みついた諦め 絡みつく醜い価値観 闇雲に世界を侵害する怠慢 だれも悲しんでいい理由はない だれも悲しめてはいけない 力が及ばなくても ただ自分の魂を殺してしまわないように 力強く口笛を吹こう
比較的早い年齢で親元を離れた。 東北で雪の季節が長い土地だった。 粉雪が夕方になるとオレンジに輝いて舞い上がる。 母は犬を3匹飼っていた。 私が帰省すると、母は犬たちの散歩を任せて昼まで惰眠を貪る。 並んだベッド。 私は横でイビキをかく母を暖かな布団の中から恨めしく眺めた。 先発部隊で冷えきっている自分の鼻にこれから加勢するからと空約束をしばらく繰り返して、一晩布団で暖めた服にモゾモゾ着替える。 犬たちはいつも、今か今かと足踏みをして待っていた。 車に乗り込むと