部活を辞めるか続けるか。岐路に立った高校一年生
中学校で運動部に入ったのは、父と約束したからだった。スポーツも人付き合いも器用な両親のもとに産まれたくせに、私はちっともそれらが好きじゃなかった。小学校のドッチボール集会は苦痛でしかなかったし、友だちと呼べるひともほんのひと握り。校庭を走るより、友だちと話すより、本を読むのが好きだったのだ。
母の意向のままに中学受験をした。放課後に遊びたい友だちもいないので、よく大人たちに「かわいそうだ」と語られる塾通いも、今思えば苦痛ではなかった。塾でもやっぱり友だちはできなくて、黒板に