無限猿|教育データを可視化する

民間で教育行政の片隅にひっそりと身を置く者です。学校基本調査など各種資料をもとに、教育データを可視化する投稿をしていきます。原則1日1回何かしらの記事を投稿します。フォロバ100%。

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最近の記事

都道府県別 若年人口の推移(2003→2023年)

今回は人口移動に関する統計です。2003年に10〜14歳だった世代の都道府県別人口がどのように変化したのかを追いました。人口推計上の03年10代前半人口を100%として、13年の20代前半と23年の30代前半の都道府県人口がどう変わったかを見ることで、若年層の人口移動の概況をたどりました。 あまり驚きの大きい図ではないですが、各都道府県にいた10代前半の子供は20代になって都市部へ移動するようになり、30代でさらにその度合いを強める傾向がみられます。これは男女差なども踏まえ

    • 肥満児の出現率推移(2006→2022年)

      今回は肥満児の出現率に関する統計です。過去分は記録が残る中で最も古い2006年度調査を使用しました。いずれも学校保健統計より筆者作成。 どの都道府県においても、肥満出現率の高い年代が低年齢化しているように見えます。以下は、2006年から2022年にかけてそれぞれどの程度の増減があったかを示した表です。こちらを見るとよりわかりやすいです。 どこにこの現象の主要因があるのか探るべく、男女別や程度別(軽度、中等度、高度の3種類)でも比較しましたが、いずれも突出した傾向のようなも

      • 学科別 大学学部生の男女比(2023年)

        今回は学科ごとの男女比に関する統計です。もはや当然の趨勢のように思いますが、理系で男子の割合が際立っている様子が伺えます。学校基本調査より筆者作成。

        • 大学院進学率の推移(1992→2023年)

          今回は大学院進学率に関する統計です。都道府県別の学部卒業者数に占める大学院進学率の推移を取り上げていますが、学部卒業者の母数はあくまで大学所在地(≠学生の出身地)を基にしたデータであることに留意してください。いずれも学校基本調査より筆者作成。 どの都道府県もおしなべて進学率を伸ばしていますが、地域ブロックごとの特徴や人口規模と関連づいた特徴があまりみられません。以下は1992年から2023年にかけて進学率を何ポイント伸ばしたかを示した図ですが、こちらを見るとそうした全体像が

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        • 教育データ置き場
          20本

        記事

          国公私立別 学部生数の男女差(2023年) 進学先の性別格差はあるのか?

          今回は学部生の女子率に関する統計です。国公私立の設置者別に分け、各区分の学部生総数に占める女子の割合を都道府県別に示しています。国立女子大のある奈良県などを除き、国立は私立に比べ女子率が低いという傾向があることがわかります。いずれも学校基本調査より筆者作成。 公立で女子率が異常に高い地域が複数みられるのは、ざっと調べた程度ですがそもそも当該県の公立大が「県立⚪︎⚪︎看護大学」のような女子人気の高い大学しか存在しないなどの事情があり、結果に反映されているものと思われます。

          国公私立別 学部生数の男女差(2023年) 進学先の性別格差はあるのか?

          高卒就職率の推移(1992→2023年) 「非進学層」は30%未満に

          今回は高卒生の就職率に関する統計です。都道府県間の相対的な趨勢は大きく変わっていないように見えますが、数値そのものは概してぐっと下がり、どの地域も30%を切っているのがわかります。いずれも学校基本調査より筆者作成。1992年は全日制・定時制の卒業者を母数とし、2023年はこれに中等教育学校後期課程卒業生の数字も加えて計算しています。 以下は、各都道府県の就職率が何ポイント下がったかを示した図です。 東北と九州は就職率が元々高かったエリアですが、特に東北はどの県も20ポイン

          高卒就職率の推移(1992→2023年) 「非進学層」は30%未満に

          国内大学の留学生数推移(1999→2023年)

          国内の大学に在籍する留学生数の状況です。文科省HPに記録が残る1999年以降で比較しています。20年以上を経て、概ねどの地域も増加していることが伺えます。 立命館アジア太平洋大学(00年創立)が設置された大分県など、特定の大学が留学生数を大きく引き上げている例があることも、増加率を示した3番目の図から見て取れます。日本学生支援機構「外国人留学生在籍状況調査」などより筆者作成。

          国内大学の留学生数推移(1999→2023年)

          都道府県別 子供の「暴力行為」の件数(2013→2023年)

          今回は文科省が毎年実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(通称=問題行動・不登校調査)より、暴力行為の件数に関する統計です。 2023年度に起きた暴力行為の件数は全国で10万件を超え、過去最多になったことが話題となりましたが、都道府県でみると以下のような状況になっています。 ちなみに10年前の2013年は下掲の図の通りです。もともと首都圏や関西など都市部ほど高水準を記録していたのが、10年を経て周縁地域の件数が増え、全国的な問題に発展し

          都道府県別 子供の「暴力行為」の件数(2013→2023年)

          「東京所在の大学」への進学率推移(1992→2023年)

          東京の難関大受験において、東京圏出身の受験生は塾などの学習サポート環境に恵まれ、かつ一人暮らしの費用もかからないという点で有利であることは、かねてから指摘されてきたことと思いますが、果たしてこれは早慶などの難関大に限った現象なのでしょうか? 過去の進学データを見ると、地方の高校生が東京への進学を避けるようになったのは難関大だけの話ではなく、大学受験全般に関して言えることであるというのがわかります。 以下は、各都道府県出身の大学進学者のうち、所在地が「東京」にある大学に進ん

          「東京所在の大学」への進学率推移(1992→2023年)

          外国人児童割合の推移(2013→2023年)

          今回は小学生の数に占める外国人児童の割合に関する統計です。人口の多い都市部は元々外国人の割合も高く、かつ10年間の増加率でも高い傾向を示していることがわかります。つまり、そもそも外国人の多い地域ほど外国人の数が増えやすい、という状況にあります。いずれも学校基本調査より作成。

          外国人児童割合の推移(2013→2023年)

          【おもしろ統計】宗教大国ニッポン、合計信者数は「1億6000万人」(宗教統計調査から)

          教育データとは関係ありませんが、宗教にまつわる統計の話で面白いトピックをひとつ。国内の宗教法人の数や信者数などにまつわるデータは、文化庁が毎年公表している宗教統計調査で明らかにされています。 知っている人の間ではよく知られた話だと思いますが、統計表の中に記載されている各都道府県別の「信者数」(何かしらの宗教団体の信者)は、それぞれの自治体の総人口よりも多いケースが多々あり、全て足し上げていくと、日本の宗教人口が総人口をはるかにしのぐ数値に達するのです。 実際にデータを見て

          【おもしろ統計】宗教大国ニッポン、合計信者数は「1億6000万人」(宗教統計調査から)

          過去10年の出生数減少率(2014→2023年) 「出生70万人割れ」の背景

          先週、今年の出生数が史上初めて70万人を割りそうになっているというニュースが話題になりました。実際、この10年で各地の出生数はどのように変化したのかを見ていきます。折しも10年前の2014年といえば、「消滅可能性都市」という概念を世に浸透させたいわゆる「増田レポート」が話題になった年でもあります。いずれも厚労省「人口動態統計」より作成。 つぶさに見ていくと、10年を経て出生数1万人を割り込んだ自治体が相当数出てきたことが確認できますが、パッと見ではよくわかりません。そこで、

          過去10年の出生数減少率(2014→2023年) 「出生70万人割れ」の背景

          公立小中学校エアコン設置率(2017→2024年) 「災害級の暑さ」で設置急増?

          公立小中学校のエアコン設置率の推移です。 いずれも文科省発表より作成。市町村別の記録が残るうちで最も古い2017年と最新年を比較しています。 2017年は設置率の高い地域がほぼ都市部に固まっているなど、相当な地域差がみられたのが、2024年は寒冷地などを除きほぼ100%で設置が終わっている状況がうかがえます。(※地図の仕様上「99.1%以上」を100%とみなしています。) この7年で、「エアコンを設置しないのは人権侵害だ」という意識が高まったこと、殺人的な猛暑が続きつべ

          公立小中学校エアコン設置率(2017→2024年) 「災害級の暑さ」で設置急増?

          短大進学率の推移(1992→2023年)

          短大進学率の推移です。いずれも学校基本調査より作成。時代を問わず、進学者のほとんどは女子が占めています。 1992年に短大進学率の高かった三大都市圏などでは、2023年に5%以下まで落ち込む現象がみられ、逆にかつては相対的に進学率が低かった日本海沿岸部では高い水準のまま、という状況が観測されます。先日掲載した男女別の四年制大学進学率と重ね合わせてみると、女子の四大進学率が急増している地域と短大進学率が激減している地域が概ね重なっていることから、都市部の女子の人気進学先が短大

          短大進学率の推移(1992→2023年)

          教員採用倍率の推移(2001→2023年)

          文科省が公表している各年度の都道府県別教員採用倍率(全区分)です。もはや説明不要なレベルで危機的な状況が進行しています。 全国の教員採用倍率が過去最高だったのは2000年ですが、HPから確認できる最も古い記録が01年からしかなかったので、同年と最新分の比較になります。

          教員採用倍率の推移(2001→2023年)

          専門学校進学率の推移(1992→2023年)

          今回は専門学校進学率の推移です。いずれも学校基本調査より筆者作成。 ・全体男女計の概況をみると、かつて多数の専門学校進学者がいた関東の都市部が減少傾向にある一方、北海道や関西の一部、九州では微増傾向にあるようです。 ・男子男子の傾向は、男女の合計値と概ね同じトレンドを示しています。東京と愛知、関西の「三大都市圏」に含まれる地域の多くで、10%を切る水準まで落ち込んでいるのも特徴の一つです。 ・女子女子は全体や男子と大きく異なる傾向を見せていて、面白いです。かつては東京周

          専門学校進学率の推移(1992→2023年)