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#編集の仕事

「この仕事がおもしろい!」と感じたエピソードや、他の職種の人にも教えたい、仕事の魅力や面白さを教えてください。

人気の記事一覧

とうとう出版社を退職しました③

はじめてnoteを使ってみて思ったのだけど、このコミュニティには編集者とかライターという人たちが思いの外多いのだね。そして、さすが運営会社のトップが元編集者のせいか、めちゃくちゃ使いやすくて驚いた。書きやすい。ずーっと書いてられる。気がつくと深夜とかになってる(危険)。なのでどんどんテーマからそれて長文になっていく傾向があるので注意していきます。はい。 出版海への航海は凪から大嵐へ というわけで、4人で出版という海へ航海に出たわが会社(ほんとに船みたいな名前だったからお店

審査員の私が、noteコンテストで「あなたを」落とした理由

【9月13日追記】以下のnoteを追加で掲載いたしました。 こちらを先にお読みいただいてから、本noteを読み進めていただけると幸いです。 以下、本文です。 「あなたを落とした理由」 こんなことを伝えるコンテストなんて、前代未聞ですよね。 noteで開催されているどのコンテストを見ても と、書いてあります。 ですが、5月14日から8月5日まで開催されたこちらのコンテスト。 このコンテストでは、「なぜあなたを落としたのか」。その理由を、審査員である私がきちんとお伝

中身がわからない本だけ売っている書店「梟書茶房」に行ってきた話

本屋さんって面白いんです。 何を今さらという感じですが、小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。 選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。 それなのに。 思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。 仕事の新刊チェックとして売り場を眺めるだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかっ

広報が身につけてよかった10個の編集者視点

広報の仕事をしていると、よく「編集」の仕事が舞い込んでくる。 学生時代からライターを経験し、数えきれないほど記事を書いてきたので、あがってきた原稿を読んで、言葉の誤用に気づいたり、読みやすい表現に言い換えたりすることはそこまで難しいことではない。 そうして、なんとなく編集という仕事を続けてきたのだが、最近わたしのやっていることは、「記事を少し読みやすくする」程度で、「コンテンツの価値をグンと高める」ような編集はできていないのではないかと思い始めた。 そんな時に、人気漫画

うまい文章じゃなくて、本気の文章を読みたい。【あばれる君の初エッセイ編集後記】

小説や漫画に出てくる魅力を感じてしまうキャラクターっていますよね。挙げればキリなんてないんですが、ぼくが前から好きなのはこのふたりです。 『タンタンの冒険旅行』(エルジェ)のハドック船長 『弟子』(中島敦)の子路 この人たちはちょっと粗削りで騒がしいところもあるけれど、誠実でまっすぐです。打算や、損得勘定みたいなことで動かない。芯があって、自分の信じた行動をやり遂げます。かっこいいと思います。 文章に対しても好みは変わりません。誠実で嘘のない文章が好きです。読者を感動さ

嫉妬しない編集者になりたかったけど、あきらめました

ジェラシーが、なくなってくれません。 ※ 仕事には成績がつきものです。 受注件数とか、顧客満足度とか、ライン作業のスピードとか。 定量化しやすい仕事やそうでない仕事がありますが、基本的にどんな仕事も成績が出され、それに応じて評価がされます。お給料や昇進に関わることもあるでしょう。 一般的に成績がわかりやすいのは営業職でしょうか。販売件数や、受注金額。自分の努力でどれだけの売上を会社にもたらしたのか可視化されやすい職能です。 そして、成績がわかりやすいのは編集者も同様。

約800件を審査してわかった、みんながプレスリリースで損しがちなポイント

どうも。PR TIMES主催のプレスリリースアワード1次審査で、約800件の審査を終えたばかりの@sakucchiです。まだ目がしぱしぱしています。 一生分を見たんじゃないかってくらい、多くのプレスリリースを読ませていただきましたが、「うわぁ、ここもったいないなあ」と感じたものもかなり多かった印象です。そのポイントについて簡単にご紹介しますので、今後の参考にしていただければ幸いです。 1. タイトルで読ませようとしていないプレスリリースの大事な届け手としてメディアの記者・

編集者として燃え尽きた思い出

編集者として、はじめて燃え尽きた本があります。 それは、須賀しのぶさんの『夏空白花』という小説。 今日も熱戦が繰り広げられている夏の高校野球ですが、戦時中は中止となり、甲子園の鉄傘も大砲の材料として供出されてしまいました。 そうして8月15日に終戦を迎えた次の日。 一人の男が朝日新聞社に乗り込んできたのです。 「これからの未来を担う若者のために。この国に夢を取り戻すために。すべてを失った今こそ、「高校野球大会」を復活させようではないか」 その言葉から始まった高校野球復活プ

【祝10刷】編集者が本気を出すということ:わたしにしか、編めない本は、ある

■ 万感の祝10刷 重版はいつも嬉しいが、今回は特別な感慨がある。 近藤康太郎さんの著書で私の担当書『三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾』の10刷が決まった。2020年12月の発売以来、勢い衰えることなく売れ、ここまで来た。プロのライターや、日常的に書いている人たちから特にご高評をいただき、SNS、note、Amazonでは数えきれないレビューが並ぶ。立派なロングセラーに育ってくれた。嬉しい。 げに、テクストが、よく肥えてくれました。 ここからは『三行で撃つ』を

本好きのあたりまえは世間のあたりまえじゃない

先日、この投稿にいいねをたくさん頂きました。 これはX用に盛った話ではなく、まったくの実話です。 普段本を読まない人と話していた時に、「文庫ってなんなんですか?」と聞かれて、答えに窮してしまいました。 「えーと、大きさが小さくて価格も安くなった本ですかね…?」 とふんわりした返事しかできなかったんですが、この出来事は自分の中で印象に残っています。 ポイントは二つあって。 ①自分の中に「文庫」という言葉は誰もが知っているはずだという過信があったこと ②自分自身も「文庫」の定

エディターコース★エッセイ講座~中級7期・初級5期~

エッセイ講座の日。 2週間なんて瞬きしている間に過ぎ去ってしまう。 🔶各級概況🔷上級 1か月お休みで、次回は8期が10月開講予定。 🔷中級(7期) 前回1000字原稿の初添削を終え、今回は再稿の公開添削だ。 スケジュール 🔷初級(5期) 初級コースは5期が前回開講した。 中級コースへのデビュー前に個別添削で練習を積むコースだ。 5期はお一人が手を挙げてくださった。 初級は個別添削でお名前も出ないが、今回はご本人の許諾を得たので本記事の最後に記させていただく。

文房具メーカーに就職したかった編集者が担当した、念願の「万年筆小説」

新卒で出版社に入って、はや十数年。 本を編集したり届けたりしていますが、じつは出版社に入るつもりはありませんでした。 就活時に目指していたのは、文房具業界。 そうです。シャープペンや消しゴムやクリップなど、文房具にまつわる仕事をしたかったのです。 ※ どうして文房具だったのか。 それはもちろん「文房具」が大好きだったからです。時に上品で、時にスタイリッシュで、時にかわいくて。 コンパクトなのに機能的だったりもして、遊び心のある「モノ」に惹かれたところがありました。

文章の読みやすさは「余白」に宿る

「読みやすい文章」ってどういうものだと思いますか? 私は、文章の読みやすさに関わる要素は、大きく3つあると考えています。 文章を書いている人であれば、 ①文章の構造 ②言葉の使い方 に関しては、気をつけている方も多いと思います。 ただ、 ③文章の見た目 に関しては、優先度を高く設定していない人もいらっしゃるかもしれません。 でも、実は私、③文章の見た目をかなり重視しています。 特に「余白のデザイン」は読みやすさに大きく影響するので、どんな媒体であっても最終仕

文章がたいしてうまくないぼくみたいなやつには、写真ほど頼りになるものはない。

このまえ、うれしいことがありました! これはとてもうれしかったです。過去のnoteにも書きましたが、ぼくは幡野広志さんに教えてもらった写真のことをぼくの経験を通して発信していきたいと思っています。 「幡野広志さんのワークショップで教わったことや本に書いてあることを素直に実践してみると、写真がたのしくなりますよ、だってそれ実践してるぼくは写真たのしいですから」ということを伝えていきたいわけです。 だから冒頭で紹介したポストは、ほんとうにうれしい反応でした。わりと夢中でXや

書籍編集者と一緒に出版企画書をつくりませんか?

このnoteを読んでくださっている方の中には、「いつか本を書いてみたい」と思っている方もいらっしゃると思います。 その「いつか」がいつになるのかわからなくても、本を書きたい思いにある種の「根強さ」を感じている方は、出版企画書を書いてみることをおすすめします。 「本を書きたいなぁ」というぼんやりとした思いを出版企画書という目に見える形に落とし込むことで、発見できることがたくさんあるからです。 「私は本を書きたいのではなくて、本当は◯◯したかったんだ!」 と発見することだ

修正を受ける立場になる。編集者の「修正」の考え方

書籍づくりは、一本道ではありません。修正がつきものだからです。 出来上がった原稿やイラスト、デザイン、印刷物をチェックして、修正を重ねて、前に進みます。 自分で作ったものを自分で修正するならば問題はないのですが、だいたいの場合は「発注者」が「作り手」に対して修正指示を行います。コミュニケーション能力や、言語化する力が求められるので、なかなか難しい……。 こんにちは、高橋ピクトです。 編集者の仕事は、「修正指示」がうまくできるかが大事です。 書籍のクオリティはもちろん

コンテンツマーケティングは”やらない”選択が重要

”コンテンツマーケティング”という言葉もすっかり定着した感がある。 とはいえ、コンテンツマーケティングと言っても意味している概念は各人微妙にズレており、「なんなの?」と聞かれて明確に定義できる人はそれほど多くないように思う。 今回は、コンテンツマーケティングとはなんなのか、入門的に解説してみる。 広義と狭義のコンテンツマーケティング さて、コンテンツマーケティングを最も広くとらえると、「ビジネスのための発信すべて」となる。 とはいえ、これでは漠然としすぎている。 そこで、

あなたの言葉は、あなた自身を映す鏡

何人かが輪になって座っているところを思い浮かべてみてください。その真ん中に、りんごが1つ置いてあったとします。 そのりんごについて、ひとりずつ思い浮かんだことを述べていくとしたら、どんな言葉が出てくるでしょうか。 同じりんごを見たとしても、思い浮かぶ事柄は十人十色、全員バラバラ。 ただし、1つだけ全員に共通していることがあります。 それは、りんごを題材にしながらも、結局みんな「自分のこと」を話しているということ。 つまり、あるニュース、ある事柄、ある一冊の本、ある文

藤原華さんという風。

藤原華さんの記事は風のようだなあ!といつも思います。 そよ風というより、もっとはっきり吹く風です。 とくに、こちらの記事を読んだときには、台風並みの大風が、ぶわああっ!と、パソコンの画面から舞いあがるように吹きつけました。 読みながら、その風に飛ばされそうになったので、しっかり足を踏ん張りました。 そのまま、足を根っこにして、一本の木になって。 わたしは記事を読みました。 台風のような大風が、木になったわたしの枝をごうごうと鳴らします。茂る葉っぱをばさばさと揺らします。

エディターコース「書く人あれば読む人あり」~〈みんなで作文 第2弾〉~

久しぶりにやってみようか。 あれを。 あれってなぁに? そんなの決まってるじゃないか。 〈みんなで作文〉だよ。 * 今年3月から4月にかけて3週間にわたって開催された、メンバーシップ・エディターコース伝説のイベント〈みんなで作文〉。 その第2弾をやってみよう。 ご存じない方のために、ここでおさらいをしておこう。 〈みんなで作文〉とはエディターコースメンバー限定のイベントで、参加メンバーが順に文を後ろに足して長い文章を作るという単純なお遊び。 ルールもたったこれだけ

「こんな画集の表紙、見たことない!」著者の個性に寄り添った装丁デザインはどのようにできるのか?編集&デザイナー特別インタビュー!

「表紙が3枚……!?」 最初に今回の画集の装丁を言葉だけで聞いたとき、完成形が全く想像出来なかった。 “本の表紙は1枚”という私の固定観念をきれいに壊してくれた、イラストレーター・ともわかさんの作品集『24/7 TOMOWAKA ともわか作品集』。 その驚きの装丁がコチラ。 異なるイラストを載せた紙を表紙・裏表紙に3枚ずつ重ね、その上からクリアカバーを巻き1冊の本に仕上げている。さらに本を開くと、ページの間と終わりに別の本がひょっこりと挟まっている。 いったいどうや

2024年11月施行のフリーランス新法で編集者がすること

2024年11月からフリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)がスタートします。 これにより、フリーランスの方と仕事を始める前に書面等を送付したり、契約書を交わしたりすることが必要になります。 弱い立場のフリーランスを保護する法律副業が一般的になり、フリーランスとして活躍する人が増えてきています。 受注側のフリーランスは立場も弱く、また法律などの情報に詳しくない人がほとんどです。フリーランスを守るため、業務委託するときの法律ができました。 発注側(企業側)

自分の文章に自信がなくて吐きそう

「取材し直してこい」。 必死に書いた取材原稿。 上司からそう言われて突き返された。 突き返された原稿は真っ赤だった。修正の赤文字が多すぎて、「赤いペンキを1缶ぶちまけました」みたいになってた。 私が書いた元の原稿なんて、もう原型をとどめていなかった。 新卒で、必死に就活して入った編集部。 日本を代表する大手Web媒体の編集部に配属されて、すごくうれしかった。でも、そこで待ってたのは華やかな編集者人生なんかじゃなく。 すさまじく泥くさい、執筆の毎日だった。 と。入社

エディターコース「書く人あれば読む人あり」~エディター目線の大切さ~

前回、エディター(編集者)目線で文章を見ようという話を書いた。 エディター目線を持ったライターになって、自分が書き上げた文章を客観的な目で読み返してみることのススメだ。 そうすれば読者にやさしい文章が書けるはずだと。 で、課題を出した。 ここからは、メンバーのみなさんから寄せられた答案をあげながら、順に解説していこう。 と、その前に。 設問に「どこが読みにくいか(あるいはどこがおかしいか)、どう修正すれば読みやすくなるかを答えてほしい」とあるのに、そのように答えてくれた

あなたのコンテンツを一瞬でオリジナルにする方法

私たち編集者は、雑誌で企画を練るときや、書籍を企画するとき、コンテンツにオリジナリティを持たせ、読者にそれを印象づけるために「あること」を行っています。 その「あること」とは一体何でしょうか?      ・       ・      ・      ・      ・       ・   (考える時間)      ・      ・      ・      ・      ・       ・ ヒントがまったくないし、漠然とした質問なので、なかなか答えが思い浮かばないですよね!(確信

雑談は取材だ。編集者の「聞く力」

私は実用書の編集者です。 毎日の暮らしを豊かにするノウハウや、考え方をまとめています。 一冊の実用書を作るには、多くの取材が必要です。 たとえば、キャンプの入門書をつくるならば、著者に話を聞き、実際にキャンプをして、成功と失敗を体験し、また著者に話を聞き、構成や内容を考えていきます。 「テントの張り方を教えてください」 といったように、質問をして、ノウハウを教えてもらう取材も大事ですが、本当に大事なのは、著者と雑談をすることだったりします。私は、読者から長く愛される実用

元幻冬舎編集者さんから教わった駆け出しフリーランスの働き方のコツ

8/30、「自宅でキャリアアップ!?私はこれが仕事になった!在宅ワークセミナー」に参加しました。講師の方は、フリーランスの編集者・ライターとフリーランスのWebデザイナーのお二人。 後半、2つのグループに別れて座談会形式で進み、わたしは幻冬舎の元編集者で今は自分の出版社を立ち上げられた編集者・ライターの方から、お話を聞くことができ、多くの気づきがあったのでまとめておきたいと思います。 特に駆け出しのころは、やりたいことよりも求められるものを「仕事を依頼してもらうためには、

北海道の距離がくれる隙間で、書いている。

「発想力は、移動距離に比例する」という説があるらしいと知ったのは、いつのことだったでしょう。 広い広い北海道に住んでいて、取材先まで車で片道3時間なんてことは日常茶飯事。曲がりなりにもクリエイティブな仕事をしている私にとっては、ピンポイントで自分事。その説を知ってから、自分なりの検証をつづけていましたが、今辿り着いている個人的な結論としてはこんな感じです。 「北海道だから、この距離があるから、書けている」。 私が文章を書けているのは北海道にいるからなんだろうなってこと、

「商業出版したいから、電子書籍を出すのはデメリット」と感じているあなたへ

誰もが電子書籍を出そうと思えば出せる時代になりました。 「本」というスタイルでアウトプットするハードルが低くなり、チャレンジできる人が増えたのは、編集の仕事をしている私としても喜ばしいことだと思っています。 ただ、正直なところ、個人出版されている電子書籍は玉石混交なのが現状です。 商業出版の本が底本となっているものから、個人出版のライトなものまで、テーマもボリュームも値段も品質もさまざま。 それこそ「いつか商業出版したい」という思いを抱えている人ほど、「電子書籍を出す

21歳フリーランスディレクター、10代から磨いてきた即戦力スキルと得意なことを改めて整理してみる

こんにちは!フリーランス3年目の21歳、ももです。 こちらの記事から1年。今でもいいねをいただいていて非常にありがたい限りなのですが、かなりこの1年で生業とするものが変わってきたのでプロフィールを更新します! この記事は、私のお仕事にフォーカスをあてた自己紹介記事です! 改めて今のお仕事内容についてまとめるとともに、今後やってみたいことや将来的にこんなことがしたいんです!という願望なども書いてみました。 ご一緒できそうなことがあれば、ぜひお声がけください! フリーラ

エディターコース★エッセイ講座~中級7期・初級5期~

エッセイ講座の日がやってきた。 🔶各級概況🔷上級 こちらは1か月お休みで、次回は8期が10月開講となる。 前回の7期は3名が挑み、8月末、無事それぞれに修了。 🔷中級(7期) 前回1000字原稿の初添削を終え、今回は再稿の公開添削だ。 スケジュール 🔷初級(5期) 中級コースへのデビュー前に練習を積む初級コースは本日5期が開講。 中級・上級がいずれも公開添削なのに対し、この初級コースは個別添削なのが特徴。 概要 スケジュール 🔸テーマ テーマはこの3択。

本の装丁にやたら箔を押したがる編集者が「アルミ蒸着」で特別カバーを作っちゃった話

まずはこの動画を見てくださいな。 (※すいません、動画を直接埋め込めなかったのでXのリンク先で…) すごくないですか、このシルクのような光沢。そしてキラリと銀に輝くタイトル。よく見ると全体がもやっとしているようですが、これはモアレではなくカバーにうっすら入っている模様です。この模様が粒のような輝きをまとわせていて、かつ手触り感にもつながっていて、なんていうかもう控えめに言って最高じゃないですかねえええ!!!(血走った目) この超絶美しいカバーは、凪良ゆうさんの『わたしの美

ライターを社員で募集! AIに負けない本物のスキルが身につく場所

――出版社ではライターに外注することが多いと思いますが、なぜ社内に部署をつくったのでしょうか。 単純に文章を書く人が必要なのであれば、たくさんのフリーライターがいます。それでもチームとして組織するのには、いくつかの理由があります。 まず、コンテンツの質を高めるためです。私たちが制作するのは、主にビジネス書のライティングやウェブ記事制作など、クライアント企業の情報発信のためのコンテンツです。わかりづらい文章や誤解を招く表現をしてしまえば、クライアントに貢献できません。私たち

商業出版したいのなら知っておきたいこと

先週、「書籍編集者でもある私と一緒に、出版企画書をつくりましょう!」と、この場をお借りしてお伝えしました。 実際に「出版企画書をつくりたい人を募集する」という行動を起こしてみて感じたのが、「いつか本を出したい」と思っている方は、やはりいらっしゃるんだな、ということ。 ただ、 に関しては、どこかふわっとしていて、具体的にイメージしにくいのかな?と感じました。 だから、自分が著者としてふさわしいのか、そうでないのかがわからない。今の自分に何を足したら、商業出版できるのかが

なぜ締め切りを守れないライターには良い文章を書く人が多いのか?

締め切りがあるから原稿を書く  締め切りを1ヶ月過ぎた原稿がまだ上がってきていません。  何度も催促して、ようやくライターから「書けたも同然です。今日中には」という連絡がきたのは3日前。さすがに催促の文言も言い訳の引き出しもお互い尽きてきた感があります。  締め切りを設定して、原稿を上げてもらうのは編集者の大事な仕事ですが、これがなかなか悩ましい。  締め切りを破るライターには、良い文章を書く人が多いからです。 (あくまで私の経験上ですが)  真っ先に思い出すのは名コラ

エディターコース「書く人あれば読む人あり」~エディター目線の大切さ~

先月はエッセイ講座がちょうど各コースとも休講だったために、日曜といえど記事2本立てでお送りしたが、今月から講座再開で3本立てに復帰。 うむむ、がむばらねば。 今回はエディター目線で文章を見るという話。 * このメンバーシップはエディター(編集者)ではなくライター(執筆者)を目指されている方が多いはずなのに、なにゆえ〈エディターコース〉か。 その理由は以前も書いたことがあるが、エディター目線を持ったライターは最強だと思うからだ。 ライターの仕事は書くこと。 そこに異論を

エディターコース★エッセイ講座~上級7期・中級7期~

エッセイ講座の日がやってきた。 🔶各級概況🔷上級(7期) さぁ始まった!と思ったら終わる超速上級は、公開添削が今日の一度限り。 スケジュール テーマ・執筆条件 🔷中級(7期) テーマ、構成案の個別添削を終え、今日は初めて1000字原稿の公開添削。 スケジュール テーマ 🔷初級 こちらは1か月お休みで、次回は5期が9月開講となる。 * ではここから公開添削の始まり始まりー。 🔶公開添削🔷上級7期 8月に12月を書けるかのチャレンジ。 とりわけクリスマ

Webライターの仕事内容をランキング形式で紹介!:キャリア支援

未経験からWebライターになるにはどうすればよいかを考える際に、仕事内容を把握すると準備すべきことがわかりやすくなります。 これまでクラウドソーシングのプロ認定を維持する中でさまざまな仕事を依頼されました。クラウドソーシングを通して受注できるWebライターの主な仕事は一通り経験できたのではないかと自負しております。 そこで過去の経験を棚卸して、未経験からWebライターを目指す際に知っておきたい主な仕事内容をサクッとまとめてご紹介することにいたしました。 ランキング形式で

エディターコース「書く人あれば読む人あり」~装幀~

へんいち文庫に新しく加わった文子さんの詩集『蝶々の篆刻』。 出張から帰って注文したら、早くも手元に届いた。 いい、やっぱり紙の本はいい! 手に馴染み、手に収まるこの感覚はデジタルでは味わえない。 この光沢感は意図したとおりだ。 本は、いや紙の本はとくに、表紙のデザインが大きなものを言う。 もちろん中身がいちばん大事なのだが、いくら中身がしっかり整っていても、表紙がダメだとそもそも手に取ってもらえない。 表紙のデザインのことを「装幀」というのは聞いたことがあるだろう。

エディターコース★エッセイ講座~上級7期・中級7期~

めっちゃ久しぶりな気がするエッセイ講座の日だ。 まるひと月のお休みをいただいた。 🔶各級概況各級の概況に入る前に2点ばかりお断り。 これまで「上級Ⅵ期」などと期を表す数字にローマ数字を使ってきたが、これをアラビア数字、つまりふつうの算用数字に改める。 ただかっこいいからと理由で使ったローマ数字も、Ⅰ期、Ⅱ期のあたりはよかったが、Ⅷ期、Ⅸ期あたりになってくるとちょっとややこしい。 たとえば「CXXXⅧ期」と書かれて読める人はいるだろうか。 正解は「138期」。 やっぱりアラ

【月報】2024.7~8|編集とディレクション始めたよ〜

こんにちは! フリーライターの徳山チカ(@tokutenna)です。2ヶ月ぶんの活動報告です。この2ヶ月で仕事の幅がぐーんと広がりました✍️ 写真は月報を書く私を応援するじんさん(@appoko_j)が撮ってくれたもの。 7月~8月のニュース取材を受けました マーブルスクール3期卒業生としてインタビューしていただきました。シングルマザーの取材ライターとしてほそぼそとやっていた私が見つけた、「書く」のその先のキャリアについてお話ししました。好きなことを仕事にしたいと思う方

文章が上手な人は、美しいものを美しいと表現しない

文章力をアップさせるために何をしたらいいかというテーマで、下記の記事を書きました。 結論として、アウトプットとしては「とにかく書いてフィードバックを受けろ」ということを挙げたのですが、「いやいや、それはわかるけどもう少しテクニックを教えてくれよ」という声が聞こえてきました(実際にコメントもらったり、知人から言われたりしたわけでもないので、幻聴の可能性もあります)。 実際にテクニックとしてはいろいろありまして、そういう声があるなら(幻聴の可能性もあります)、少しずつ紹介して

出版社が著者の魅力や強みをどうやって見ているか言語化してみた

こんにちは。339PLANNINGの今野正輝です。 PRでも出版でもコンテンツの企画を作る仕事をしていると「どういう基準で企画を考えているの?」とご質問をいただくことがあります。 今回は、改めて過去に出版した本を例にどういう基準で著者や企画の軸を考えているのか紹介していきます。 ストーリーが見えるか本もイベントもコンテンツの核はストーリーです。 著者さんに声を掛けるときも「SNSや発信からストーリーが見えるか」を確認します。 例えば、2022年に出版した「おしごとカ

エディターコース★エッセイ講座/「書く人あれば読む人あり」~編集者と著者のやり取り~

エッセイ講座はスケジュールのみのお知らせ。 記事後半に「書く人あれば読む人あり」を用意している。 🔶エッセイ講座🔷上級・初中級 ともに8月よりⅦ期が開講予定! 🔷初心者 初中級コースへのデビュー前に練習を積む初心者コースはいよいよ佳境に。 こちらは個別添削なので、スケジュールのお知らせのみ。 🔶書く人あれば読む人あり前回の「書く人あれば読む人あり」では、出版の形態について解説した。 商業出版、自費出版、電子出版、デマンド出版…いろいろあると。 今回はそのうちの商業

すぐプロになれる人となれない人の違い

アマチュアの方の講評をしていて気づくことがあるのですが、 小説を書き始めて2~3年でプロになってしまう人がいる一方で、 何年書いていてもなかなか受賞もせず、プロになれない…… まぁ、そういう方が大半かと思いますが、 そういう方たちがいます。 すぐプロになれる人と そうでない人の違いは何なのか? 以前の記事で、「意識の違い」と書いたのですが、 今はもっとはっきり具体的に言えると思います。 それは、「出版社やコンテスト、読者が求めているものを 正しく汲み取って反映させた作品

『恋愛しない私でも『源氏物語』は楽しめますか』(西原志保)編集後記

西原志保さん(東北大学大学院助教、専門は日本文学)による新刊『恋愛しない私でも『源氏物語』は楽しめますか』の編集を担当しました。 光源氏を中心とした恋愛にスポットライトがあたりがちな『源氏物語』ですが、この本では異性間の恋愛のみならず、恋愛を指向しない人物や、性愛/恋愛とは限らない同性や異性との関係も様々に描かれた『源氏物語』の世界を紹介するとともに、恋愛を前提とする社会での生きづらさとか、仕事とプライヴェートの境界で悩む現代の人々へのヒントを『源氏物語』から読み解いてみよ

シゲクサークルメンバーが10万ビュー達成!(240811)

シゲクです。 私が運営している「シゲクサークル」のメンバーである、つくだとしお|書籍編集者×作家さんが、「全体10万ビュー」「贈られたスキ9300回」を達成されました!おめでとうございます! 累計10万ビュー達成しました。【感謝のnote】2024 7月の振り返りと成長記録 記事の紹介・マガジン追加をしてくださった皆様ヘ。感謝を込めて(7/31) つくだとしお|書籍編集者×作家さん、おめでとうございます! 「シゲクサークル」は、「今日の注目記事」「note公式マガジ

編集者として「著者」にはじめて会う。その時かけてもらった言葉に、今も支えられている

僕が編集者としてはじめて手掛けた本は、やなせたかしさんの『わたしが正義について語るなら』。 その本についての想いは、以前に記事を書きました。 『わたしが正義について語るなら』という本は、既に刊行されていたYAを新書で出しなおす企画なので、ゼロから立ち上げた本ではありません。やなせさんもお亡くなりになっており、著者に企画を打診してゼロから作る、という本ではなかったのです。 僕がはじめて企画を依頼して、はじめて著者にお会いした本。 それは宗教学者である鎌田東二さんに書いていた

さらっと書けそうなのに奥が深い! 「はじめに」の役割とは?

多くの書籍の冒頭に「はじめに」があります。 ここは書籍の中でもかなり重要なパートで、次の3つの要素を過不足なく含んでいる必要があります。 「はじめに」は、この3つを簡潔に伝えつつ、読者の「それ知りたい!」「続きを読みたい!」といった欲望、本編への期待感をぐぐぐーーーっと上げるという、めちゃくちゃ重要な役割があります。 ジェットコースターは、最初上へ、上へと、ぐぐーーーっと上がっていきますよね。 位置エネルギーを高めれば高めるほど、勢いよくスピーディーに滑りおりることが

なぜ尿酸値13の痛風ライターは昼間から酒を飲んで競艇三昧なのに仕事の依頼が途切れないのか?

「仕事ください」はNG マジメに仕事しているようには見えないけど、なぜか仕事が途切れていない人。 どうやって稼いでいるのかわからないけど、なぜかちゃんと立派に食えている人。 そんな人たまにいませんか?  僕にとってはそれがライターのキンマサタカ氏なんです。 昼間からよくお酒を飲んでいて、午前中の打合せに顔を赤くして来たので「なんで朝から飲んでるんですか?」と聞いたら、「しょうがないじゃん、店が開いてるんだから」とあきれながら言われたことがあります。 原稿がなかなか上が