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出版社から本を出せるのはどんな人?

どういう人だと出版社から本を出せて、どういう人だと難しいのか。

実際のところは、その出版社の判断基準やそのときの状況(ちょうど企画がなくて困っているなど)によるので、野良編集者の私が「あなたなら必ず出せます」「現時点だと難しいです」と断言することはできません。

あくまで書籍編集者として出版社で働いていた経験を持つ一個人の考えではありますが、興味がある方が多そうなテーマなので、改めてまとめてみようと思います。


その人のコンテンツにお金を出す人がどれくらいいるか?

出版社から本を出せる人と出せない人、その違いはどこにあるのか(専門書を除いたノンフィクションの一般書籍を想定)。

「出版社が何のために本を出すのか?」を考えれば、その答えは明らかです。

出版社が本を出すのは、「本を売って利益を得るため」です。

そのため、「この人が本を出したら多くの人が買ってくれる」と確信できる人の本を出版社はいちばん出したいのです。

つまり、影響力を持っていて支持者がたくさんいる人。

ただし、単にSNSのフォロワー数が多ければいいわけではありません。

「その人のコンテンツにお金を出す人」がどれくらいいるか、が大事。

その人のコンテンツにお金を出してくれる人が一定数(数千人くらい)いると予想できる人。それが「出版社から本を出せる人」です。

出版社から本を出したい人の中で、実際に出版できるのはおそらく数パーセント。

自分から企画を売り込まなくても出版社の編集者から「本を出しませんか?」と声をかけられるような人ですね。

「出せる人」と「出せない人」の間にある2つの層

では、それ以外の人はすべて「出版社から本を出せない人」かというと、必ずしもそうではありません。

「出せる人」「出せない人」の間にパキッと上下を二分するラインがあるわけではなく、その間にグラデーションのように2つの層が存在します。

1つは「企画次第」の層。

では「企画次第」の層にはどういう人がいると考えられるのか?

あくまで私の感覚ですが、この層に属する人にはいくつか特徴があります。

☑️ SNSのフォロワー3,000人以上 (ただし、インスタ、YouTubeは何万人か必要な印象)
☑️ 客観的に見て「⚪︎⚪︎⚪︎の人」という専門性、タグがすでにある
☑️ その人の商品やサービスが一定数の人から高い評価を得ている

上記の要素を満たす方の場合、企画によっては本を出せる可能性があります。

では、出版できる企画とは一体どういうものなのか?

次の3つの要素が必要だと私は考えています。

☑️ 今世の中で話題になっているテーマを扱っている(または、売れている類書がある)
☑️ 類書にはないユニークな切り口、メソッド、要素がある
☑️ その人がそのテーマ、その切り口で本を出すことに必然性がある(「なんでこの人がこのテーマで?」という違和感がない)

「出せる人」「出せない人」の間にある、もう1つの層が「原稿次第」の層。

「原稿がおもしろい!」「これは出せば売れる!」

そう思ってもらえるような力のある原稿を書ける人であれば、興味を持ってくれる出版社もあると思います。

原稿を全部書いて出版社に送ったら、本を出せるような人ですね。

ここはもしかしたら「企画次第」よりも難易度が高いかもしれません。

特に、編集者をつけず、自分1人でこの域に行ける方はなかなかいらっしゃらないと思います(もちろんゼロではありませんが)。

私がこの春に立ち上げる予定の電子書籍レーベル「かくたすBOOKS」では、商業出版できるくらいの品質、分量の電子書籍を出していきます。

ある意味、この「原稿次第」の部分にチャレンジすることになるかな、と個人的には思っています(商業出版につなげたいという野望があるので)。

1人で7、8万字の本を1冊書くって相当大変だと思いますが、編集者が伴走すると……不思議と書けたりするんですよね。

もちろん、それだけご自身にとって大きな課題となっているテーマがあって、「伝えたい!」「書きたい!」というパワーをお持ちだからこそ、なのですが。

もう少し先が見えたら、「かくたすBOOKS」で出版する本についてもこの場でお伝えしたいと思っていますので、どうぞお楽しみに!

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