『…名前が、一人の人間にとってそれほど決定的な意味を持つのはなぜか。それは、まさしくそれが、一個のまぎれがたい符号だからであり、それが単なる番号におけるような連続性を、はっきりと拒んでいるからにほかならない。ここでは、疎外ということはむしろ救いであり、峻別されることは祝福である』
たるみのない 澄んだはらわた 無邪気な瞳 抱かれて君は 何を夢見る 執着は 眠る獅子を 呼び覚ます 牙の矛先 己の心 蝉が鳴く 墓石の上に ひんやりと 葉月の静寂 シベリアの声