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釣り

 私には、釣りというものを文章化することは極めて困難である。  勿体ぶった言い方をするなら、原始狩猟民族は、狩りをする時、その思考は文章で表現出来るものではなかったであろう。  多分それと一緒だ。  だから、それを文章化できる開高健という作家は凄いと思う。尤も彼の文章は私には取っ付きにくく、殆ど読んでいないのだが。 (了)

    • しょうがく1ねんせい_なつのじつりょくテスト

      ●こくごこの かんじの よみかたをこたえなさい。  鬱 (   ) ●えいごこの えいごのぶんしょうを にほんごになおしなさい。  Get the fuck out of here. (           ) ●さんすうtan1°は、ゆうりすうですか。 ●ちりチリは、どのたいりくにありますか。 ●かがくしおみずを、でんきぶんかいするとはっせいする、どくガスはなんですか。 ●ぶつりがくE=mc^2において、Eとmとcのいみをこたえなさい。 ●せいぶつがく「ちゅ

      • 芥川龍之介およびidiotによる箴言

        偶然即ち神と闘うものは常に神秘的威厳に満ちている。賭博者も亦この例に洩れない。 古来賭博に熱中した厭世主義者のないことは如何に賭博の人生に酷似しているかを示すものである。 (芥川龍之介「侏儒の言葉」より抜萃) 古来、多分、釣りに熱中した厭世主義者のないことは如何に釣りの賭博および人生に酷似しているかを示すものである。多分。 (idiot)

        • Fishing!

           諸君、私は釣りが好きだ(以下略)  5歳の頃に近所の小川で始めたのが最初で、今や釣り歴40年に達します。  しかしながら、この「釣り」が鬱転の原因となり得ることは経験的に認識せざるを得ない。  (より厳密に言えば、釣りが躁状態を誘発し、その反動で鬱に陥る)  釣りって、のんびりする趣味と思われる方もおられると思いますが、私にとってはこの上なく肉体的・精神的にシビアなものなんです。  まずは真夜中に長時間車を走らせ(場合によっては車中泊)、もっとも釣れそうな場所を気ぜわしく探

          勝手に芥川

          芥川龍之介「侏儒の言葉」抜萃  わたしは良心を持っていない。わたしの持っているのは神経ばかりである。  あらゆる社交はおのずから虚偽を必要とするものである。もし寸毫の虚偽をも加えず、我我の友人知己に対する我我の本心を吐露するとすれば、古の管鮑の交りと雖も破綻を生ぜずにはいなかったであろう。管鮑の交りは少時問わず、我我は皆多少にもせよ、我我の親密なる友人知己を憎悪し或は軽蔑している。が、憎悪も利害の前には鋭鋒を収めるのに相違ない。且又軽蔑は多々益々恬然と虚偽を吐かせるもので

          勝手に芥川

          精神科実習記

           何度か触れましたが、私は発症からしばらくの間は鬱状態として治療を受けてきました。  その治療はしばらくして効果を現し始めたように思われ、職場的にも社会的にも申しぶんない(と思われる)生活が戻ってきました。  しかしながら、その状態は半年をも保たずして急転直下、激烈なる鬱状態に陥りました。  当時の主治医は、これを見て、大学病院への紹介状を書いてくれました(ありがたや)。  しばらくして、大学病院から案内が届きました。  その中で、  「初回の問診に当たっては、学生他も同席

          精神科実習記

          不安の絶頂と死の恐怖

           わたしは“死にたい”とは思ったことはまずないです。  わたしの鬱期における症状のメインは、とにかく「不安」です。理由はありません。  酷い時期には布団の中で理由のない不安に責め苛まれ、もがき苦しんでいました。  ベンゾジアゼピン系抗不安薬は(当時は)全く効き目を感じられなかったです。  ものを食べているときだけいくらか不安は薄らぎました。  なんとかコンビニに買い物にいったりピザをたのんだりして食事は確保していましたが、それ以外のことはほとんど出来ず。  不安と戦いながら、

          不安の絶頂と死の恐怖

          得撫島戦記

           192X年、岩手県に生まれた祖父は、僕にとってはまさに歴史の証人でした。  地元の工業学校を卒業後、東京の電気機器メーカーに就職。  徴兵、応召。ソ満国境の部隊に配属される。  (ご承知の通り、当時ソビエトとは緊張状態)  技術を買われ、工兵として陣地構築等にあたる。  飛んでる一〇〇式司令部偵察機を見たことがあるらしい。  (日本の産んだ傑作機!)  徴兵期間を終えた祖父は、工兵としての任務にやりがいを感じ、軍に残る道を選んだ。  内地に戻り、各種の教育機関で

          得撫島戦記

          エスケープ

           鬱状態を発症した頃は、質量ともにハイレベルな業務のストレス、マルチバインドを抱えていました。  そんな中ある日、明らかに私の処理能力を超える案件が殺到。突如「脳がフリーズ」しました。 (私はあまり覚えていませんが、休憩室で吠えるように鳴きながら痙攣していたそうです)  その後、職場のトップから「いいから休め」と言っていただき、おぼつかない足取りで家まで戻りました。    あまり働いていない脳みそが何を考えたのか、気づくと私はある湖畔の温泉宿に向かっていました。  何をしよう

          エスケープ

          百舌鳥

          私を鳥に喩えるなら、まさにモズです。 はやにえ "速贄と書く。モズは捕らえた獲物を木の枝等に突き刺したり、木の枝股に挟む行為を行う。秋に初めての獲物を生け贄として奉げたという言い伝えから「モズのはやにえ(早贄)」といわれた。 (中略) ...空腹、満腹に関係なくモズは獲物を見つけると本能的に捕える習性があり、獲物を捕らえればとりあえずは突き刺し、空腹ならばそのまま食べ、満腹ならば残すという説もある。はやにえにしたものを後でやってきて食べることがあるため、冬の食料確保が目的

          好悪とcost-benefit

          "わたしは古い酒を愛するように、古い快楽説を愛するものである。我我の行為を決するものは善でもなければ悪でもない。唯ただ我我の好悪である。或は我我の快不快である。そうとしかわたしには考えられない。" (芥川龍之介「侏儒の言葉」より抜萃)  まさしくその通りであって、私の行動もこれに規定されています。  そもそも、善とか悪のような頼りないものによりかかるのは甚だ心許ない。  さて、  芥川の言とは一旦離れて、全ての人間、さらに全ての生物について考えてみましょう。  生態学的には

          好悪とcost-benefit

          核の恐怖

          (故、星新一氏に献呈)  20XX年。人類の悲願は達成された。  平和を希求する各国の国民の声はそれぞれの政府を動かし、その流れは世界中に広がった。  そしてついに、全世界の完全な核兵器の廃棄が決定されたのである。  すべての核兵器は、国連の建造した超大型ロケットに積み、宇宙の彼方へと廃棄されることになった。  このロケットが地球を飛び立ち、光の尾を引いて地球を離れていく光景を見たすべての地球人は、「もう、われわれは核の恐怖におびえることはないのだ」と、笑顔で肩を叩きあった

          核の恐怖

          リカバリ・オブ・ブレイン

          K・Iと支えてくれた皆様へ 1.序章  私が病を得たのは、平成十九年の初秋であった。  国家Ⅰ種試験に合格し、キャリア組として省庁に入ったのが平成十六年。四年目にして出先機関の課長を拝命した。  そこで私が遭遇したものと感じたことを書こうとすればそれだけで短編一つの分量となるに相違ない。しかしそれは自己弁護を多々含む、読者にとって退屈なものとなることは想像に難くない。ゆえに割愛する。  医師により私は鬱状態と診断され、抗鬱剤を投与された。その後、睡眠導入剤と抗不安薬ももら

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