『手元のみならず矛先も見よ』 ・不満の矛先・不安の矛先・不穏の矛先 ・不幸の矛先・不憫の矛先・不信の矛先 愛する人に向けていないか? 愛すべきものに向けていないか? 愛したものに向けていないか? 架空の自分に向けていないか? 貴方の言葉から貴方を守れるのは貴方だけだ。
山岡鉄舟はその居士に言う 「私は武人である。決して僧侶の真似などはしない。それで、剣で臨済録を提唱したのだ。言葉だけ並べて人真似していてはそれは禅ではない」 居士は鉄舟から一撃を受け、深く感じ入って帰って行ったという。
禅を極めた剣客・山岡鉄舟のもとに、ある居士が訪ねて来て、臨済録の講義をして欲しいと願い出た。鉄舟は、円覚寺の老師の所に行くように勧めたが、その居士は納得しない。それではというので鉄舟は、剣道場に入って門人と稽古をして見せた。「いかがでしたかな私の臨済録は」 居士は呆然自失した。