虫塚虫蔵

1997年生。特殊同人サークル「迷路」主宰/編集長。批評雑誌『マンガ論争』のスタッフとして作文や編集に手を染める。現在は再々創刊された『映画秘宝』に鋭意執筆中。編著に『川本耕次に花束を』『鬼畜系サブカルの形成過程における制作者の役割に関する実証的研究』(ともに自費出版)がある。

虫塚虫蔵

1997年生。特殊同人サークル「迷路」主宰/編集長。批評雑誌『マンガ論争』のスタッフとして作文や編集に手を染める。現在は再々創刊された『映画秘宝』に鋭意執筆中。編著に『川本耕次に花束を』『鬼畜系サブカルの形成過程における制作者の役割に関する実証的研究』(ともに自費出版)がある。

最近の記事

米図議事録本『SFと美少女の季節/川本耕次に花束を②』改訂版発行の告知&解説

はじめにこのたび、C104新刊『SFと美少女の季節』を本格頒布する運びとなった。 本書は70年代末から80年代初頭にかけて日本のサブカルチャー、特にロリコンブームを牽引した川本耕次の足跡を辿るものである。 どういう本かというと、 ……という至り尽くせりの本なのだ。 改めて説明すると、本書は23年の夏コミ(C102)で頒布した追悼文集『川本耕次に花束を』の続編で、11年に米沢嘉博記念図書館で行われた吾妻ひでお展の関連イベントとして企画された講演録や関係者の寄稿、故人の小

    • 2024年8月28日 夢日記

      とある駅ビルの4階の一室では、平日は塾、土日はマクドが営業している。このマクドでは、1500円以上お買い上げの客に「ハッピーセット」と称して、萌え系のドール(約1メートルの大きさ)を9月まで配っている。 ぼくもそのドールが欲しかったので、1500円分注文したが、あろうことかドールを指定しそびれてしまった。そのことに気づいたので、店員に伝えると「しばらく待ってくれ」というが「だいぶ待つことになる」という。 暇だったので部屋を出てぶらぶら歩いていると、窓から荒廃した廃病院が見

      • 西〇理〇子の公開ハラスメントについて

        さいきん話題のハラスメント。思い出すのは西原理恵子のこと。 もう10年も前の話になるが、普通に褒めたら、わざわざエゴサしてきて罵倒され、心底不愉快だった。その後の評判は言わずもがな。 自分は当時高校生で、西原の息子とはほぼ同い年。カーチャンに近い人間が、こういうことを平気で書くわけだから、娘の虐〇疑惑はさもありなん。 無頼を気取るにしても、理由なく安全圏から弱そうな相手を罵倒する、その精神性こそが、90年代以来のクソサブカルの本質ではないか。一般論として。 p.s.

        • 寄生獣のミギーの最期について思うこと

          あまり言及されないが、寄生獣のミギーの最期についてよく考える。 それは外界と断絶し、精神の奥深くに沈潜するというものだ。しかし、自ら望んで俗世間から離れ、主に精神的かつ難解な探求を行う「象牙の塔」とは少し違う気がする。言語化できない概念なのかもしれないが、その答えを探し続けている。 僕は趣味や仕事を通じ、それなりに外界と関わりを持つことで、かろうじて人間らしさを保ってきた。 が、生まれつきの自閉的な性格は年々強まっているように感じる。我が強いのだろう、きっと。だから、みず

          今の漫画には愛されるクズが少ない?

          昔の漫画には、破天荒な人格破綻者orトラブルメーカーがよく登場していた。しかし時代を経て、最近の漫画やアニメのキャラは、おとなしくてかわいらしい感じが多い。せいぜい『おそ松さん』や酒クズ代表の廣井が限界だろう。しかも、こいつらは「二次元のクズ萌えゲス萌え」という文脈に回収されている。あくまで現実とは異なる嗜好として、顔がよくてorかわいくて性格の悪い(けど憎めない)キャラに喧噪する「アイロニカルな没入」だ。 そう思って、けっこう前にツイッターで「今の漫画には、愛されるクズキ

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          「消費型趣味」に入れ込むのは不毛で低俗だと本気で思っている話

          推し活にハマって困窮している若年層とか 一言で言うと「趣味が悪い」。これに尽きる。 世の中、もっとタダ同然で面白いことに溢れているのに。 そういうわけで「消費型趣味」に入れ込むのは不毛で低俗だと本気で思ってるけど、そう言うと「趣味に生産性を求めるな」という声も根強い。 が、いわゆる「推し活」なる概念に不快感があるのは、それがワンオブゼムに留まっており、かつそれを全肯定する概念だからと思う。 それこそ、貴重な可処分時間と可処分所得を膨大に「推し」に費やすくせに、たいし

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          日本人クリエイターが持ちがちな「自身の生み出す著作物に対する極めて独占的かつクローズドな考え方」は見方によって非常に理解し難いものであるという話

          表題どおり。 日本人クリエイターが持ちがちな「自身の生み出す著作物に対する極めて独占的でクローズドな考え方」は、見方によっては非常に理解し難いものがある。それでいて、二次創作の文化が非常に根付いていると言うのだから、なおさら意味がわからない。その理由をつらつら説明してみようかなと思う。 例えば、絵柄に著作権はないが、絵柄に著作権があって当たり前みたいな考え方が、なぜ普通に浸透してるのがほんとに意味がわからない。半世紀近くコミケットが続いてきた国でそれをいうか? が、そう

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          Origin of 'Hentai'! The Hunt for the Phantasmic Anime 'Suzumi-Bune'!(Part1)

          Source:『映画秘宝』2024年5月号 By Mushizuka Mushizou (虫塚虫蔵) Two-dimensional ero (ero-anime, ero-manga, eroge, etc.) is popular all around the world. In particular, Japan's ero-anime is known as 'Hentai', and 'Hentai' has been the most searched wor

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          【書評】片岡大右『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』の問題点:あきれた本

          自分の好きなアーティストが、過去の失言で攻撃され、悪魔に仕立て上げられた場合、その名誉を回復させ、本人に悪意がなかったことを証明したくなる気持ちは、わからなくもない。 それは小山田圭吾氏(以下、敬称略)もそうだ。小山田が社会的に抹殺された2021年、過熱報道がエスカレートするなか、某女性ブロガーが中心になって小山田を擁護する論陣が張られた。もちろん、ろくにファクトチェックをしなかった毎日新聞や、その元になった「孤立無援のブログ」は批判されるべきだ。 しかし、ありとあらゆる

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          ぼざろオンリー同人即売会「ぼっち・ざ・おんりー!」の参加レポート

          ぼざろオンリーイベント、一般参加で回り終わったので、感想 とりあえず公式サイトから開催情報をコピペ 『ぼっち・ざ・ろっく』とは『ぼっち・ざ・ろっく』は、はまじあき原作の萌え系4コマ。略称は「ぼざろ」。ギターを愛する孤独な女子高生・後藤ひとりがバンド活動を通して、ユニークな仲間たちと共に成長していく青春物語。極度の人見知りの主人公に共感する人が続出し、あっという間に大人気となった。 秀逸なギャグもさることながら、登場人物たちの感情がみずみずしく描かれており、マンガやアニメ

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          コミティア134レポート―コロナ禍の同人誌即売会(2020/11/23)

          エアコミティア135にあわせて、2020年11月23日(祝)に東京ビッグサイトで開催された「コミティア134」のレポートを公開します。 「コミティア」とは創作ジャンルに特化した日本最大規模の同人誌即売会です。これは「コミックマーケット」の80%が二次創作であるのに比べると実に対照的ですが、コミックマーケット準備会初代代表の原田央男氏によれば、もともと創作サークルの生み出すオリジナル作品が読みたくてコミックマーケット創立に乗り出したと語っており、本来のコミケも、コミティア同様

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          夢日記ショートショートーすべてはもえるなつくさのむこうで

          意味がないと物ごとは連関性が失われ、全ては脈絡がなくなり断片化し、時間も消え、それが正に夢の世界であり、現実の無意味を追求するシュール画が夢の様になるのは必然なのでしょう。現実も夢も無意味という点で一致するのでシュルレアリスムもリアリズムも目指している方向は同じかと。(つげ義春) 書類を整理していたら変なメモが出てきた。こんな夢を見た覚えはない。(2019年9月1日) はじめに「いつか夢で見たあの素晴らしい景色を求めて」 以下の夢日記は、僕が10代の終わり頃に見た、断片

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          2016年8月30日 夢日記「ウサギマスク」

          映画館?の扉があって、隙間から中を覗いていた。覗いているのは僕ではなく別人。しかも途中から東(アズマ)という名前の女の子と視点が入れ替わっていた。でも主観は僕。 (多分このへんから映画の話=劇中劇の中に紛れ込んだ?らしい) ストーリーテラーはウサギのマスクをした背が異様に高い男。 兎男「はーいみなさんこんにちは~。これから面白いことしようね~。その前に氏名電話郵便住所を教えてねー☆」とか胡散臭い事を言う。 そして「帰れないよ☆逃げたら○す○める」(「殺す埋める」が伏字にな

          2016年8月30日 夢日記「ウサギマスク」

          「サブカル」の名付け親は紀伊國屋書店だった!?—石丸元章が語る「サブカル」誕生秘話

          阿佐ヶ谷ロフトA 『バースト・ジェネレーション』presents「90年代サブカル最高会議」(2019年5月20日)より書き起こし 出演者 ロマン優光 姫乃たま 釣崎清隆 ピスケン(欠席) 石丸元章 福田光睦 ケロッピー前田 (以下、太字は石丸元章による発言) 「サブカルチャー」っていう言葉がいつからか、って言うと、89年…おそらく本屋さんで一番最初に「サブカル」という言葉を…「サブカルチャー」という言葉を使ったのは紀伊國屋書店なんだよね。 棚がね、それまで「サブカル

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