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#歴史小説が好き

歴史小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

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日記:9/20(金) ・何も成長できていない・スキルに自信を持てない自分に危機感しかない💦 →時間だけがただただ過ぎていくことが怖い⏰ ・確実に出費が少なくなってきた💛 →毎日の支出源をカットして、月内予算の目標を絶対達成したい! ・3連休を有意義に活用して、今後の仕事に活かす✨

「流れぬ彗星 第一部」登場人物紹介!【歴史小説】

 よく長編小説の表紙をめくると、初めに登場人物の一覧が載っていたりしますよね。 「こんなのいらないよ、自分は全ての人物を、いきいきと頭の中で思い描けるからね!」などと思いつつ、結局のところは何かと便利だったりします。  読み進めているうちに、「あれ、この人誰だったっけ…」と戻ってみたり。  特に外国の小説や、よく知らない時代のことだったりした場合には、意外と重宝しますよね。  と、いうわけで。  拙著「流れぬ彗星」も、この機会に主要登場人物一覧を作ってみました。 (エンタメ

【歴史小説】天昇る火柱(6)「胤栄」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

【歴史小説】天昇る火柱(3)「天竺」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

【歴史小説】天昇る火柱(4)「西方」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

【歴史小説】天昇る火柱(2)「項羽」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

【歴史小説】花、散りなばと 1/6【加筆修正・リマスター版】

 この度、kindleで初の作品集『室町・戦国三都小説集』を発売させていただきました!  それに当たり、一番古い作品だった「花、散りなばと」を一部加筆修正いたしました。  主な変更点は、 ●ルビの追加 ●細かな言葉遣い です。  やはり現代からすると馴染みのない言葉、地名、人名などが頻出する割にはルビが少なかったため、もう少し読みやすくなればと思い、ルビを増やしました。  また、いくつかの箇所について、当時の雰囲気を壊さない言い回しに変え、文章全体を整えました。 (Kin

投資を学ぶ✨ ✅トータルリターン:ファンドが対象期間にどれだけ値上がり(値下がり)したかを示す📝 ウエルスアドバイザーでは、分配金(税引前)はすべてファンドに再投資されたものと仮定して計算し、複数年のリターンは年率表示とのこと📝 ※基準価額の単純な騰落率とは異なる点には要注意🔖

「流れぬ彗星」時代背景解説!【応仁の乱・明応の政変とは?】【歴史小説】

 拙著「流れぬ彗星」の第一部、完結いたしました。  みなさまにお読みいただき、たくさんのスキやコメントもいただいて、いつも感激しております。  本当にありがとうございます!  ただやっぱり「時代背景が難しい」という声を多くいただいており、「確かに…」と思うところもありますので、できるだけ簡単にまとめさせていただきました!👇 🔖どんな時代?  まず、当時は「足利将軍家」を頂点とする「室町幕府」が、日本の政治を担っていました!  畠山、細川といった「管領家」は、実務レベルのト

【歴史小説】天昇る火柱(5)「天女」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

「芽ぶきの音がする」ー自分なりの枕草子

三毛田さんが始められた「自分なりに枕草子を 書いてみるという遊び」の末列に参加させて いただきました。三毛田さんよろしくお願いします 春は芽ぶきの季節土手の中から つくしの子が ちょこりと 顔をのぞかせ おひさまに ごあいさつ。 小川では おたまじゃくしが クルクル泳いで 母さんをさがす。 小さな背中に 大きなランドセルしょって 新一年生は 母さんに 手をふりながら 登校。 桜は 初恋カップルの肩に やさしく寄り添い 愛の 魔法の言葉を  花びらこめて 投げかける。

飛鳥に行きたいな

 大学は関西だったので。  この風景にはノスタルジーがあります。  青年期に心破れるとここを訪れたものでした。  学生時代はバイクが主な交通手段だったんで。  バイクであちこちを巡りましたが。なかでももっと真剣に回遊するべきであったと。後々に後悔したのが京都、奈良でした。  学習塾を経営している頃は、毎夏でここを回って資料写真を撮影して、夏期講習で活用したものでした。  まずは京都を巡りまわって。  交通機関とレンタサイクルで充分に回れるほどに、平安京はコンパクトで観光しや

『【歴史小説】流れぬ彗星 第一部 明応政変偏 全12話+付録』、好評発売中!【めっちゃ宣伝】

いつも見ていただいているみなさま、本当にありがとうございます。 大純はるは、note上のマガジンの形で、オリジナル歴史小説を発売しております! 普段(ありがたいことに)みなさまからいただける、嬉しいコメントを読ませていただくと、 どう転んでも、この時代どマイナーなんだな… ずっとニッチなことしてるんだな… と改めて感じてしまいますが、今や北条時行がジャンプの連載の主人公を張り、アニメ化までされてしまう時代です。 もうここまで来たら、自分の信じる道を貫くしかない気がしてきます(

【歴史小説】天昇る火柱(1)「仏敵」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

【AI】【歴史】諸葛亮 孔明が尊敬する〇〇

三国志演義に出てくる稀代の軍師諸葛亮孔明。彼が尊敬する人物の一人に楽毅をあげてます。 筆者は楽毅の本を読んだことで、彼の人物像や業績に感銘を受け、本稿を書くことにしました。 戦略家としての楽毅中国戦国時代に活躍した楽毅。彼の最も著名な功績は、紀元前284年に斉国を壊滅状態に追い込んだことです。彼の深い戦略的思考と卓越した指揮能力は、歴史に残る偉業を成し遂げました。斉国は当時最も強力な国の一つでしたが、楽毅の手にかかると、その力は一気に弱まりました。 成功の鍵は、紀元前2

自分の生き方のお手本にしたい人物像の理想は西郷隆盛と雨宮蔵人の合体人物!

先日、note散歩の最中で出会った記事に 郷土の偉人である西郷隆盛の話があった。 ぜひ、皆さんにも読んでいただきたい内容で 記事は前編と後編の2本の記事に分けて 投稿されています。 こちらが、そのISSAさんの記事。 ■薩摩偉人伝 ~ 西郷隆盛(前編) ■薩摩偉人伝 ~ 西郷隆盛(後編) とても詳しいのに、明治維新の時代背景や NHK大河ドラマの「西郷どん」も登場して すらすら読めると思います。(^_^)b ところで、私が偉人や著名経営者などの中で 誰か理想とした

愛洲鯨の冒険【歴史小説・流れぬ彗星スピンオフ】

 この小説は、拙著「流れぬ彗星」第一部に登場した女海賊、愛洲鯨の少女時代を描いた前日譚です。  みなさまに「いいキャラ」と言っていただいた鯨を、もう少しだけ活躍させてみたいと思って書きました。  有料マガジン「流れぬ彗星 第一部」の特典としても収録しております(上、中までは無料でお読みいただけます)。  ぜひぜひ、愛らしくてかっこいい愛洲鯨の冒険を、お楽しみくださいませ!                               大純はる 上 「おい、鯨! どうしてお前

¥150
割引あり

歴史が語りかけてくるもの~「まいまいつぶろ」を読んで~

☆まいまいつぶろ 村木嵐著 幻冬舎  1800円+税  初代家康、二代秀忠、三代家光、五代綱吉、八代吉宗、十五代慶喜。 教科書で習う江戸時代の将軍たちの活躍は六人ぐらいで、それ以外の将軍に関しては、ほとんど知らなかったです。だから、この本を読んで九代将軍家重がこんな人だったとは驚きであり、忠光との出会い、その生き方には心動かされました。  第12回「日本歴史時代作家協会賞作品賞」受賞  第13回「本屋が選ぶ時代小説大賞」受賞  第170回「直木賞」候補作品  九代将軍家重

55歳 バツ2男の土方歳三を少し語る

私は司馬遼太郎先生の「燃えよ剣」を読んで土方歳三のファンになった それから、しばらくは土方歳三を描いた小説 土方歳三を特集した歴史雑誌は全て買い読み漁った 土方歳三と言う男に興味が尽きない なぜか私は「ナンバー2」とポジションに憧れと魅力を感じる 「○○の片腕」と言われてみたい・・・ トップに立つことよりも トップに立つ人を支えたい・・・と思う 上に立つ人の全幅の信頼を得て傍で支える  なので私は先頭をきって皆を引っ張っていくことはできない 後輩や部下の扱いがわ

【おすすめ本】ひとの数だけ歴史はあるの?(バスケス/コスタグアナ秘史)

今週もこんにちは。早くに目が覚めてしまいました🥱ウガンダは朝の5時・・・ 「歴史は勝者が作る」と言われます。歴史は中立ではなく、起きたことを書き残せるのは勝者だけだということ。理屈は分かるけど、「どういうこと?」と聞かれたら答えに詰まってしまいそうです。 コロンビアの作家ファン・ガブリエル・バスケス(1973-)は現代南米文学の旗手として知られます。彼の「コスタグアナ秘史」はそんな歴史のゆがみを「作家に名作のネタを提供した一般人」を主人公に描いた長編小説です。 ▼▼今回

祀られているのは猫ではない

書店で「猫」にまつわる作品を見かければ必ず手に取ってしまう。 我が家に猫を迎えてから、私はすっかり虜になってしまった。 この夏「猫君」を読んだというのに、また書店で呼び止められたようだった。 「読んでみやぁ。面白いでね。」 「おから猫」西山ガラシャ 表紙イラストの真ん中で白黒の毛の猫が踊っている。 文庫本の帯に描かれた金鯱の上でその猫が 「願ってみやぁ。全部叶えたるでね。」 と言っている。名古屋弁で。 巻末で書評家の大矢博子さんが解説している。 登場する「おから猫神

冲方丁「光圀伝 下」読書感想文

下巻は、27歳からはじまる。 駆け足気味で、青年から晩年までの光圀像が描かれる。 70歳のときに『大日本史』の草稿が完成する。 ここまでに40年を要している。 後に影響を与えた大書だと十分にわかった読書だった。 巻末の解説は筒井康隆となる。 この『光圀伝』を絶賛している。 冲方丁は、徳川光圀の伝記資料を実によく研究しているとのこと。 伝記資料とは、以下が挙げられている。 『桃源遺事』 『義公行実』 『義公遺事』 『玄桐筆記』 『西山遺聞』 聞いたこともない資料ばかり

Progateなら統合失調症の私でもプログラミングを理解できた

──『さあ全然未来の話をしよう』── ☆☆☆  2024年2月17日(土)。21時34分。いい気温。  ツイッターでコンパス戦闘摂理解析システムの動画を見ていたらしたくなってきた。  リロードが長くてしていないけれど。  もうやっているゲームがPokémonSleepだけになった。大人になったのか。  でも特に暇ではない。  こんにちは。井上和音です。  午前中はTOEICに向けてキクジュクをやりました。キクタン英熟語の略ですね。知らない英熟語がいっぱいいっぱい

大人の社会見学 司馬遼太郎記念館

情報共有いたします。みなさまの何かのきっかけになれば幸いです。 司馬遼太郎氏著書『坂の上の雲』を 大河ドラマがきっかけで読んだことがあります。  ※過去投稿🔗『歴史本読書 芋づる式』 その司馬遼太郎氏の記念館が 東大阪市にあると、その時知りました。 近くにあるのになかなか行けず月日が経ち 先日やっと訪問する機会を得ました。 入館は有料です。 大人500円。 各言語の案内パンフレットが置かれており、 各国からこの場所を訪れている様子が 窺い知れます。 入っていくと その

『詩』大御舟(おおみふね)が死んでいる

大御舟が死んでいる 広い湖の向こう岸近く 少し浅瀬になったあたりに 半ば身を横たえて 波に洗われるまま 私は湖のこちら側で 水のなかに降りてゆく 階段状の石のひとつに 腰を下ろして 無限の時を じっと釣り糸を垂れている 草履の指先を波が洗う 向こう岸に横たわった 御舟を洗う同じ波が 岸から少し離れて葦が生えていて 葦の隙間から 丸く弧を描く白い帆が ゆっくりと 右から左へ動いてゆくのが見える 私はそれを気まぐれに <時間>と名づけることにしよう 私はこの地に宮を建て 青

和華蘭ツーリング 3

 今回のツーリングは取材も兼ねていて。  全てが恋愛ボケしているわけじゃない。  大村藩について、いつかは書いてみたいと思っていて。    大村純忠という、初のキリシタン大名がかつてこの地にいた。  彼はこんな枕詞を冠されているが、歴とした戦国大名である。  養父は大村純前であり、実子である貴明を後藤氏へ養子に出して、島原有馬氏から純忠を養子に迎えて家督を継承させる。純忠も血縁であり、甥にあたるのではあるが、父親としては罪なことをしたものだ。  そのために実子と養子とが骨肉

トーハク『神護寺展』…2人の天才、空海さんと最澄さんが出会った場所−高雄山寺−

東京国立博物館(トーハク)では、2024年7月17日から9月8日までの会期で、特別展『神護寺…空海と真言密教のはじまり』が開催されています。そんな神護寺展について、書こう書こうと思いつつ、なかなか手を付けられず、手を付けてからも数週間が経ちますが、ちょこちょこと追記&修正を重ねつつも、あと会期が1週間しかないのにまだ完成に至っていないので、もう「えいやぁ!」とアップすることにしました。そんな感じで今回“も”ダラダラとしたnoteです。 神護寺……関東で生まれ育ったわたしには

大純はるのサイトマップ

青柳の 糸よりかくる 春しもぞ〜の 大純はるでございます。 複雑化する現代社会に鋭いメスを入れます! (ナイトスクープ風) 以下おしながき👇 ★(真剣勝負の)歴史小説【絶賛連載中】天昇る火柱 【第一部完結】流れぬ彗星 大純はるの【室町・戦国三都小説集】 ●奈良編 ●京都編 ●神戸編 ★(夢と現実のはざま)ファンタジー小説【完結】人工の島、人造の魂 ★(ふんわり描く)エッセイ ★(大好きな趣味の)音楽コラム ★(癒しを求めて)旅日記 ★(Match D

日々の追想 2

 山岡荘八著「徳川家康」  もともとは父の本だった。  山岡荘八著「徳川家康」、講談社刊、全26巻。  子どものころに住んでいた家で、子どもたちの本を置いていた本棚の、いちばん上の棚に置かれていた。  「お父さんの大事な本なのよ。」と母に言われていたが、父がそれを読んでいるところは見たことがなかった。すでに読み終わっていたのかもしれない。  子どものころはそれなりの本好きだった。そして小学校高学年になれば、徳川家康がどんな人物が知ることになり、また本棚のいちばん高い棚にも手

『散文詩あるいは物語詩』その朝の金吾中納言

霧が足元へ、後から後から斜面を這い登ってくる。盆地というよりほとんど谷になっている戦場は、濃い霧の中にあって何も見えない。おまけに雨だ。 九月というのに、冷気が足先を締め付ける。足軽どもに、じっとしてろと言ってやりたい。寒いのはわしとて同じなのだ。震えているのは武者震いなのか寒さなのか、自分でもはっきりしない。別にどちらでも同じことだが。 そなたの思う通りにやればよい、京のお母様はそうおっしゃった。今更殿下に気兼ねすることなど何もありはせぬ。もちろん私にも。そなたのご苦労は

【歴史小説】流れぬ彗星(1)「炎上、切腹」

この小説について  この小説は、畠山次郎、という一人の若者の運命を描いています。  彼は時の最高権力者、武家管領の嫡男です。  しかし、目の前でその父親が割腹自殺する、という場面から、この小説は始まっています。  彼はその後、師匠の剣豪や、愛する女性、そして終生の宿敵である怪僧・赤沢宗益と巡り合い、絶望的な戦いを続けてゆきます。  敗れても、何度敗れても立ち上がり続けます。  全ては、野心家の魔人・細川政元により不当に貶められた主君・足利義材を救うため。  そして自分自身

書籍レビュー: 『草原の風』 by 宮城谷昌光

### 書籍レビュー: 『草原の風』 by 宮城谷昌光 本記事のイラストは私が書きました。  **プロット概要:** 『草原の風』は、後漢の光武帝となる劉秀の若き日々を描いた歴史小説です。物語は、劉秀が王莽の治世下で成長し、やがて反乱を起こして漢王朝を再興するまでの過程を追っています。彼の学生時代や、様々な人物との出会いが詳細に描かれています。 **キャラクター開発:** 劉秀は、柔和で優しい青年として描かれていますが、物語が進むにつれて彼の内面の強さとリーダーシッ

御相伴衆~Escorts 第一章 第104話 暗躍の行方9~仮初の花嫁②

ジェイス「おはようございます。よろしいでしょうか?王子、女美架姫様」 暁「おはようございます」 王子「おはよう、ジェイス、暁殿」 姫「おはよう、ジェイスさん、暁・・・?目が赤いですね。特に、ジェイスさん」 ジェイス「いえ、ちょっと、調べものに夢中になってしまいまして、申し訳ございません」 姫「暁も、少し、疲れてませんか?」 暁「あ、そんなこと、ございませんよ。・・・今日も、良いお天気のようですね」 ジェイス「ご予定は、そのまま、ランサム礼拝堂のご見学でよろしいでしょうか

清和源氏の興亡⑦

ここに、清原貞衡という人物が登場する。 名前から見て清原氏で、清原武則の子あたりかと思うと間違えてしまう。 武則の娘婿、または武則の孫の真衡、さらに真衡の父、つまり武則の子である清原武貞の別名という説もある。 そして武則の娘婿だった場合、貞衡は岩城則道の子で、母は源頼義の娘徳姫だという。 これはちょっと信じられない。この徳姫についても、平正済室という説、清原成衡室説もある。 どういうことかを簡単に説明すると、清原氏は岩城氏になろうとしていたということである。それも取

コスパのいい遊びで人生を豊かにする

いきなりですが、800円の歴史小説を3ヶ月かけて精読したら、かなりコスパよくないですか? 詳細まで突き詰めて読んで行くと、歴史小説に書かれている以外の景色が見えてきます。 具体的には読んでいる歴史小説の社会背景とか、そういったことも理解できるまで図書館やネット検索、チャットGPT、Googleマップなどを活用して調べてみたりする。 あとは歴史小説を読む過程で発見した知らない知識は、理解の枠を超えてまで深掘りして調べていきます。これは別名「脱線読書」とも言えるでしょう。

【歴史小説】流れぬ彗星(2)「愛洲鯨」

この小説について  この小説は、畠山次郎、という一人の若者の運命を描いています。  彼は時の最高権力者、武家管領の嫡男です。  しかし、目の前でその父親が割腹自殺する、という場面から、この小説は始まっています。  彼はその後、師匠の剣豪や、愛する女性、そして終生の宿敵である怪僧・赤沢宗益と巡り合い、絶望的な戦いを続けてゆきます。  敗れても、何度敗れても立ち上がり続けます。  全ては、野心家の魔人・細川政元により不当に貶められた主君・足利義材を救うため。  そして自分自身

清和源氏の興亡⑨

永保3年(1083年)、源義家は陸奥守として奥州に下向した。 康平5年(1062年)に、父の源頼義が陸奥守の任期を満了してから、21年ぶりの陸奥下向である。 この間、義家は出羽と陸奥を避けてきたとしか言いようがない。 あるいは義家は、この機を待っていたのかもしれなかった。 美濃で同族の源氏と何度か争い、完全にではないにしろ河内源氏の優位を示した。白河天皇との間に、個人的なと言っていい主従関係を築いた。 関東から畿内まで、河内源氏が武士の主君か、または河内源氏が優位に

旅行とかよりも、引きこもってKindleを読んだりインターネットで勉強したほうが楽しくない? 令和は引きこもりの方が勝ち組なんじゃないの。

──『眼が良い人は、眼の悪い人の気持ちが分からない    言葉無くしては、眼鏡も    眼が良い人にとっては眼が悪くなる道具にしかならず   眼が悪い人にとっては眼が良くなる道具になる    言葉が無ければ、互いに互いを否定して物事は争いだら けになるだろう』── ☆☆☆  2024年2月21日(水)。21時28分。休みの日。精神科に行った日。  気温が高い。暑いね。  こんにちは。井上和音です。  何を書いてもいいという場なので書きま

読書嫌いだった私が年100冊以上の本を読むようになった話

子どもの頃、本をまったく読まなかった。 マンガすら読まない。 とにかく、座ってページを開くという行為が楽しくなかった。 それよりも、テレビを見る。ゲームをする。その方が圧倒的に楽しい。 今思えば本当に残念な過ごし方をしていた。 小学校高学年~中3くらいまでの間は、大体、夏休みに読書感想文というのを書かされる。 本嫌いだった私はとにかくこれが苦痛で、どうにかこれを楽に終わらせられないかと悩み、次のようなことをやって乗り切っていた。 薄く、読みやすく、ある程度自分が知ってい

「竜馬がゆく」≒「○○○○」論

皆さまに質問です。 日本における「国民的作家」の「国民的代表作」をひとつ挙げるとしたら? 私は夏目漱石「こころ」と答えます。老若男女を問わず誰もが知っていて、読んだことのある人が圧倒的に多いから。いまでも文庫本がコンスタントに売れているし、迷いは皆無です。 しかし「もう一作選んで」といわれたら悩みます。頭に浮かぶのは宮沢賢治「銀河鉄道の夜」か司馬遼太郎「竜馬がゆく」。太宰治「人間失格」も入れたいけど「国民的」にカテゴライズするのは違う気がします。いい意味でアウトローとい

和華蘭ツーリング 4

 大村で生まれた私で。  歴史好きであるのに。  大村氏の歴代墓所のある本経寺を始めて訪問した。  その本堂は1700年代の創建だという。  蝉時雨が頭上の梢で喧しいなか、この草萌える一角は涼やかな風がある。年季の入った苔が降り積もった年月を示している。  僅か3万石に満たない所領の大村藩にありて、これらの仏閣の威容は場違い過ぎる。  そこには禁教令に舵を切った江戸幕府に対しての、小藩の恭順の意が込められている。  大村純忠がローマ法王へと遣わした天正少年使節団が、長い航海

清和源氏の興亡⑧

白河天皇の母は、藤原道長の四男藤原能信の養女藤原茂子だった。 摂関家の女性で、白河天皇自身、関白藤原師実の養女、藤原賢子を中宮とした。 白河帝の父の後三条天皇は、白河天皇の皇統が続くのを望まなかった。藤原北家御堂流(藤原道長の系統)の血を引く白河天皇やその皇子で皇統が続いては、藤原摂関家の力が強くなってしまうからである。 そのため白河帝の即位に際し、後三条帝は第二皇子の、自分と源基子の間に生まれた実仁親王を皇太弟とした。 さらに念の入ったことに、後三条天皇は実仁親王の

司馬遼太郎「坂の上の雲 1巻」読書感想文

この小説を読むのは真冬がいい。 で、部屋の暖房は消す。 寒いだろうから、毛布を膝に乗せてもいい。 白い息を吐きながら、かじかんだ指でページをめくると、得も知れない熱さを感じる読書ができる。 1巻は『春や昔』という章からはじまる。 明治維新で、260年余り続いた幕藩体制は瓦解。 主人公の1人となる秋山好古は、このとき10歳。 好古は “ よしふる ” と読む。 四国の松山藩の、下級武士の家に生まれた。 やってきた土佐藩の官軍に、松山藩主は降伏。 城下が占領されるのを、

清和源氏の興亡⑥

後三条天皇の母は皇族の禎子内親王で、宇多天皇以来の、藤原氏を生母としない天皇だった。 そのため、皇太弟時代は関白藤原頼通・教通兄弟の圧迫を受けていた。 その1例として、東宮が所有する「壺切御剣」を、「藤原氏腹の東宮の宝物」という理由で、後三条帝が即位するまでの23年間もの間、帝に献上しなかった。 このような即位の経緯から、後三条帝は反藤原というべき政治を行うことになった。 延久元年(1069年)、延久の荘園整理令を発布した。 当時、藤原摂関家は広大な荘園を領していた

夏草や 強者どもの 夢のあと

 魚雷発射試験場の痕跡です。  長崎の東彼杵郡、大崎半島の先端にそれはあります。  その場所を訪うひとも少なく、屋根の抜けたコンクリ造りの建物から繁茂している木の元に涼しい風が通っています。  湿っぽい季節だというのに、空気が冷えている、そんな感覚を味わいます。  この建物は「バケモノの子」の舞台のモデルにもなったそうです。残念ながら未見です。  内部から見上げると、空が切り取られているようで、ああ廃墟マニアというのは、こんなゾわゾわする気分を味わいに来ているのだなあと感じ

後白河法皇㉔

閏10月20日、木曽義仲の帰洛により、「院中の男女、上下周章極み無し。恰も戦場に交わるが如し」と、九条兼実が日記『玉葉』に記すほどの動揺を呈した。 義仲は、源頼朝追討の宣旨と、志田義広の平家追討使への起用を要求した。 (そうはいかぬな) と、後白河法皇は胴震いしながら思った。 義仲の政治能力は高くない。政治能力なら、平宗盛の方が高かった。 しかし百戦錬磨といっていいこの男を相手に、平家から逃げた時のように逃げきれるとは、後白河法皇は思っていなかった。 しかし義仲の陣営は、必ず

御相伴衆~Escorts 第一章 第103話 暗躍の行方8~仮初の花嫁①

 それからの五日間、女美架姫は、アーギュ王子にランサム国内を案内してもらい、愉しい日々を過ごした。地元ということで、外出の時、二人は、ランサム王室付きのSPに守られる形で、移動した。  側近のジェイスと暁は、打ち合わせを兼ねて、王宮に残っていた。理由としては、例の諜報員からの連絡待ちだった。話をしていれば、いいのだろうからと、ジェイスは、暁を思いやり、お茶とお茶菓子を準備していた。暁の弟、軍属の空軍少尉で、パイロットオフィサーの辛は、その姉とランサムの王子の側近のいる、隣の

【感謝】1,000フォロワー様&10,000スキ突破記念!歴史小説の有料マガジン値下げキャンペーン【めっちゃ宣伝】

見ていただいているみなさま、本当にありがとうございます。 大純はるは、この度、【1,000フォロワー様&10,000スキ】を達成させていただきました! 小説の投稿を始めたのが昨年11月ですので、実質四ヶ月ほどでの到達になります。 ひとえに、訪問していただき、見ていただき、読んでいただいているみなさまひとりひとりのおかげ様です。 心の底から、ありがとうございます! これを記念いたしまして、私のメインコンテンツである「歴史小説マガジン」を、通常500円→300円へ値下げさせ

司馬遼太郎「坂の上の雲 2巻」

2巻は、一気にキナ臭くなってくる。 朝鮮を巡る対立からの “ 日清戦争 ” に突入する 。 そこからの “ ロシアの脅威 ” といったところか。 世界史は、いわゆる “ 帝国主義 ” のエネルギーで動いている、と司馬遼太郎は書く。 列強は、植民地獲得に興隆の源泉を見て、たがいに国家的利己心のみで動いている。 人類は多くの不幸を経て、帝国主義的戦争を犯罪として見るにまで進んだ。 が、この当時の価値観は違っている。 それを愛国的栄光の表現とみた。 日本という国は、そう

後白河法皇㉙

『平家物語』では、義経の「鵯越の逆落し」に より平家勢が一気に崩れたように描いている。 しかし義経が払暁に奇襲をかけ、範頼軍が生田口で午前6時に攻撃をかけたなら、義経の奇襲と範頼の攻撃にはほとんどタイムラグがないことになる。 それで平家勢がしばらく攻撃をしのいだのなら、義経の奇襲は、すぐには平家勢の総崩れにはつながらなかったことになる。 鵯越の逆落しは、敵の平家の本陣に、小数の源氏の拠点を作ったようなものだった。 僅か70騎の、義経の源氏の奇襲は、緒戦こそ平家を大いに動揺さ