いしまるゆき

愛媛生まれ、テキサス育ちのwonderingwanderer。同時通訳、翻訳歴が20年を超えました。言葉を食み、言葉を紡いで生きてます。得意な分野はIT、エンタメ、宇宙、時折のSDGs。迷子になっても散歩好き。記憶を飛ばせどお酒好き。

いしまるゆき

愛媛生まれ、テキサス育ちのwonderingwanderer。同時通訳、翻訳歴が20年を超えました。言葉を食み、言葉を紡いで生きてます。得意な分野はIT、エンタメ、宇宙、時折のSDGs。迷子になっても散歩好き。記憶を飛ばせどお酒好き。

マガジン

  • 人生が旅だとは言うけれど

    ふらふら旅の記憶の記録

  • だからエンタがやめられない

    感激の観劇備忘録。だってエンタが好きなんです

  • 大河ドラマ 「光る君へ」感想編

    今年もやります、大河ドラマ感想編

  • やってみたいをやってみた

    些細なことから、壮大なことまで(全私比)

  • 日々雑感

    なんちゃーない日々の独り言

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コトちゃん

コトバが好きです。これはもはや恋なんじゃないかと思うのです。活字中毒、とかではなく、コトバに永遠の片思いをしています。 コトバってやつは、性別的には多分女子です。いや、間違いなく女子です。 こちらに気がある素振りをしたかと思えば、翌日にはつれない態度になったりします。ああもうダメだ、この恋は一生成就しないのだ、なんて絶望の淵に立ち、涙で枕を濡らしていると、翌朝、目覚めた瞬間に満面の笑みを向けてくれたりするのです。そんな時のコトちゃんには、間違いなく後光が差しています。ああ

    • 【往復書簡2】 夢と現を分かつのは

      連詩、というフォーマットがある。連歌同様、相手からの言葉を呼び水にして、お話を先に進める詩作の遊びだ。 それが故に、私は今悩んでいる。 届いた詩に対する、私なりの先への進め方が思い浮かんでしまったのだ。 でも、今これを書いているのは俊太郎さんの訃報を受け取った日だ。そして私は今日、俊太郎さんの死を偲ぶ彼の詩を、誰に知られるでもなく吟じた。 その詩を送ろうと思っていたのだ。 だけれど、連詩の会を何度も開いた俊太郎さんは、自分の詩よりも、連詩という遊びを選んだ方が喜んで

      • 【結界とは】 浄化とチャージと結界と

        チベット仏教の高僧、ザ・チョゼ・リンポチェ師に結界を張って頂く儀式に参加しました。 まずは浄化。生きていれば何がしか負のエネルギーに晒されてしまうもの。知らず知らずのうちに体内に蓄積されてしまった負のエネルギーをまずは浄化し、手放すことから始まります。 その時、リンポチェ師が唱えておられた祈り(invocation)は、赤。「森羅万象」という言葉が頭をよぎります。そのうち手のひらが熱くなったかと思いきや、天空がぶわっと開けました。祈りの声で、ドーム型の宇宙が頭上に広がって

        • 【許しとは】 演劇集団円 『コウセイネン』

          人が人に憎しみを抱くのには、きっと理由がある。嫌なことをされたから。妬ましいから。羨ましいから。自分が不幸せなのに、こいつだけ幸せそうだから。 その根底にあるのは「寂しさ」ではないだろうか。消化されなかった寂しさが、ヘドロのように心の奥底に溜まり、それがある日、噴火してしまう。それが、憎しみだ。 家族を失った遺族の桐本は、加害者のことを許せないと言う。でも、そう言っている桐本も、辛そうだった。相手を許せないと思う気持ちと同じくらいの強さで、自分を許せていなさそうだった。

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          【志とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第43回

          志あるものが変わっていくのが常の中、変わらない実資がカッコよく思えた回でした。時にはその頑なさな故に降格されたり、煙たがられたりした人ですが、芯の部分が全くブレない。政治の世界にも、いや、政治の世界だからこそ、こういう気骨ある人は貴重です。 道長の志自体は大きくは変わってはいないものの、志成就のための手段を選ばなくなることで、志の変容が進んだように思います。形は同じでも、白黒逆転した絵柄のようです。 敦成様の教育係であるまひろを道長が言外で愚弄しても、最終的には道長の肩を

          【志とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第43回

          【「流れは絶えず」とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第42回

          「関白宣言」道長、苦悩から脱するの回でした。それと同時に光の君亡き後の「源氏物語」爆誕した回でもありました。 幼き頃の出会い、その後の再会、扇に描かれた幼少の2人に至るまで、「川」は「月」に並ぶ大切なモチーフでした。「ゆく川の流れは絶えずして、また元の水にあらず」の「方丈記」は式部たちの時代から数百年後に生まれる作品ですが、今流れている文学の川はいずれ鴨長明に流れつき、そのずっと後に生まれた私の眼前をも流れていく。 「一緒に逃げよう」と言っていた頃、まひろはまだ自分の役目

          【「流れは絶えず」とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第42回

          【人間関係の湿度とは】 oubaitori企画 『かもめ2024』

          コンパクトなチェーホフでした。 ってチェーホフが1幕ってすごくない?!いや、1幕ってったって2時間20分あるんですが、体感的にはその長さには感じませんでした。 上演時間が長いことで滲み出てくる「人間関係のうだうだ感」の代わりに、狭目の劇場空間だからこその「小さな村社会」の関係性がありありと立ち上がっておりました。田舎の距離感って、確かにあれくらいの肌感覚です。極小な中で、人々は生きている。 上演時間が濃縮されたことによる湿気の無さもありました。チェーホフの湿気は、ある程

          【人間関係の湿度とは】 oubaitori企画 『かもめ2024』

          【夢を描くとは】 星組公演 『記憶にございません!』 『Tiara Azul - Destino』

          「政界コメディ」の謳い文句通り、政治のネガティブな部分をことごとく笑いに変え、それでも最後には希望を残す舞台でした。#選挙行ったぜ なんせ冒頭、「廃墟になった温泉街、増える税負担、足りない保育園」みたいな国民の不安を大合唱しているかと思えば、「田原坂46」なるアイドル集団が「選挙へ行こう!」ソングを歌い踊る!なんてタイムリー! 様々な立場の市井の人々がそれぞれの思いや鬱憤を歌い上げ、その群衆を大人数のSPが牽制している。何かを企んでいそうな古郡の姿もその中にある。宝塚なら

          【夢を描くとは】 星組公演 『記憶にございません!』 『Tiara Azul - Destino』

          【見しにくれぬるとは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第41回

          二人が見上げた空に、初めて月が見えなかった回でした。 敦成様を東宮にしたことを、スパッと尋ねるまひろ。道長のお返事は情に訴えるだけで、説得力はありませんでした。「昔の約束」を持ち出せば何でも通ると思うなよ。まひろはそんなにちょろくない。 さらに道長は行成に対しても居丈高な態度を取っていましたが、こんなに大切な人を遠ざけてしまう時こそ、人心を失いつつある兆し。ずーっとずーっと後の銀河の時代に、ラインハルトがキルヒアイスの手厳しい一言を受け入れられなかったことに通じます。(違

          【見しにくれぬるとは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第41回

          【「信じる」とは】 劇団四季 「ゴースト&レディ」

          幼い頃、うちにあった子供用伝記シリーズに「ナイチンゲール」の巻があった。 その中に、クリミアの野戦病院で、夜の見回りにきたナイチンゲールの影にキスをする傷病兵の挿絵があった。ちょっと藤田作品風の線が多いセピア色のその挿絵がずっと、心に残っていた。 そのナイチンゲールの「知られざる物語」。 「裏切られる」ということは「信じた」ということ。グレイはずっと、人を信じたいという気持ちをどこかに持っていたのだと思う。人を信じなければ裏切られないのに、それでも尚、心から信じられる誰

          【「信じる」とは】 劇団四季 「ゴースト&レディ」

          【想いの層とは】 「黒博物館シリーズ」 原画展

          原画展が、好きだ。 でも、あと50年もしたら「原画展」なるものは消滅してしまうだろう。 現状、どれくらいの漫画がデジタルで描かれているかは知らないけれど、いつかきっと、大多数がデジタルで描かれる日がくる。そうすると、すでに存在する原画を使った原画展はできるけれど、新作での原画展は無くなっていく。 原画には、紙面以上の情報が存在する。「思いの層」の積み重ねが見え隠れする。 下書きの線から伝わってくるものもあるし、吹き出しの中の手書きのセリフに、物語が生まれる過程を感じた

          【想いの層とは】 「黒博物館シリーズ」 原画展

          【救いとは】 舞台 『ピローマン』

          冒頭のこの言葉に従い、衝撃のラストから遡って色々考えた。何しろ額面通りに捉えるな、と劇作家自ら、しかも劇中で釘を刺しにきているのだ。受けて立たないでどうするのだ。 とはいえ、怒涛のように交わされていくセリフの乱流を言葉通りに受け止めるだけでも内臓がぐちゃぐちゃになりそうなのに、それを更に考えるのは、未だ血がダラダラと流れ続けている死体の腑分け作業に匹敵する。 ポスターに書いてある「僕たちは大丈夫だ」は、カトゥリアンがミハイルに言った言葉だ。でも、実際には、カトゥリアンは兄

          【救いとは】 舞台 『ピローマン』

          【道険しき恋とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第40回

          大河序盤のまひろと彰子ちゃんが思いを同じくした回でした。 成長著しい彰子ちゃん。「新楽府」の太宗皇帝を引用できるほどお勉強もしているし、自分が寂しかった頃に共に寄り添ってくれた敦康も、自分が産んだ敦成も同じく自分の子供として愛する懐の深さも備えている。そりゃ、一条天皇も可愛いと思うさ。 この平和な状況がもっと長く続けばいいのに、そうはならないのが世の常です。 一条天皇のご容態が芳しくない中、行成が再び、道長の命を受けてお上の説得に動きます。一度目は、一帝二后に合意させ、

          【道険しき恋とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第40回

          【凡人オブ凡人とは】 舞台『滑走路』

          私は、会社員をしたことがない。会社員になる才能がないからだ。 だから、会社員の方々を尊敬している。高校ですら自分の好きな授業以外は起きていられなかったのに、毎日ちゃんと会社へ行き、仕事をちゃんとこなすなど、才能以外の何ものでもない。 そして、大きな物事を成したいなら、会社という組織が無ければならない場面は多くある。会社のみが世界を動かしているわけではないが、会社がなければ動かないものもある。 それらの事業に携わりたくて会社の一員になっている人は多くいるはずで、それらの人

          【凡人オブ凡人とは】 舞台『滑走路』

          【宿世とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第39回

          まひろが書いていた言葉は、「宿命」ではなく「宿世」。「呪術廻戦」にも出てくるからうっすらと意味は分かっていたのだけれど、改めて調べてみた。 お上がお上である所以にも繋げることができるし、なぜこんなに若くして弟が先立たねばならなくなってしまったのか、なぜ和泉式部の思いびとは皆、早逝なさるのかに思いを飛ばすこともできるし、これから描かれていく「女三の宮」「柏木」辺りにも縦糸を通すことができる。 彰子ちゃんが使うのは、「宿命」。「宿世」の中での「宿命」。 人間界では、今でも「

          【宿世とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第39回

          【モンスターとは】 ポップしなないで 「24 hour yankee people」ワンマンツアー

          私の中のモンスターは、なぜだかいつも外に向かって牙を剥いている。 外の世界が限りなく優しいってことも、地団駄を踏むほど不平等だってことも、どちらも知っているけれど、その上で、背中を丸めて、何かにいじけてる。 つまんないじゃん。そのままドロドロな状態で、出てくりゃいいじゃん。 でも臆病なこいつは、出てきやしない。 出てきやしないことを悶々とネチネチと冷ややかにディスっていたりもしたけれど。 もう、いいのかも。そのモンスターごと、自分であることを認めても。 モヤモヤを

          【モンスターとは】 ポップしなないで 「24 hour yankee people」ワンマンツアー