見出し画像

ブラタモリ・東海道五十七次の感想文


三夜連続放送のブラタモリ観ました。テーマは東海道五十七次ということでわたくしのバリバリ地元です。




はじめに

番組が好きな方はもしかしたらお気に触るかもしれません。辛口論評が苦手な人は『第一夜』『第二夜』を飛ばして『第三夜』の感想だけをご覧ください。

NHKはスポンサーを集める民放とは違って、税金と同じような強制的集金制度になっています。これまでわたしは多方面の配慮をしてきました。しかしNHKだけはハッキリと物を申します。受信料を払わないという権利が行使できませんので文句ぐらい言わせてね、と。



第一夜「京都・三条大橋から伏見へ」

インターネットを何気なく見ていたところ『ある変化に戸惑いの声』という中日新聞のネット記事を見かけたので読んでみました。


「井上陽水の歌と草彅剛の声が良かった」
「前のままがいいのに変えてほしくない」


このような視聴者の声が取り上げられていたのです。私は習慣が合わなくなって途中で見るのをやめた人間です。久しぶりに観た感想を申します。あいみょんと小沢健二いいじゃん。私はお二人のファンでもアンチでもありません。佐藤茉那アナウンサー含めて違和感を覚えることなくすんなり受け入れることができました。


そもそもロケに同行しているアナウンサーは頻繁に変わっているのにテーマソングやナレーターを変えるなというのはおかしな理屈で、声優を絶対に変えるなと叫んでいるアニメオタクとすごく似ています。彼らは思い入れのあるキャラの変更には文句をいうのに、目立たないキャラについては一切言及しません。ブラタモリという番組名なのにタモリさんがいなくて代わりにマツコ・デラックスさんが出演していたならそりゃまぁ異議を唱えるのはわかりますよ。タモリさん以外が一新されたということはつまり昔のブラタモリはもう戻ってこないということを意味しています。復活と銘打っていますがそれはNHKの単なる売り文句。あくまでも単発の特番という立ち位置なので視聴者は踏ん切りをつけるべきだと思います。


そもそも新しく変わった人への配慮がないのはシンプルに失礼です。

例えば入社式早々「新参者は入ってくんなよ」「俺達の時代はなぁ」と社員に言われるようなもの。みんな新人時代があったはずなのに新人を受け入れないって子どもの騒音にブチギレるババアジジイとなんら変わりありません。ブラタモリは今と昔を比べる番組です。時代の変化を楽しむものなのに変化を受け入れないって道理に反しています。タモリさんが戻ってきただけでも万々歳だと思わなきゃ。


いつも以上に一方的過ぎる論調になってしまったので補足をさせていただきます。
NHKって民放と違って特番の予算が極端に少ないように感じます。先日ゲームゲノムの特番をみて驚きました。スタジオが小さくなってかなりダウングレードしていたんです。おそらくブラタモリも大幅に制作費が削減された結果、井上陽水さんの歌や草彅剛さんのナレーションが使えなくなってしまったのでしょう。
最初に東海道がテーマだと聞いた時、京都から東京まで幅広く展開する壮大なブラタモリだと思っていました。しかし蓋を開けてみると「え?京都の県境から大阪までなの?」って。三叉路と大津絵の紹介は大変良かったです。でも伏見で二度目の羊羹。しかも暖簾分けした和菓子屋に行くってのがやっつけ仕事というか芸がないというか、私はそっちのほうに戸惑いを感じました。あまりお金をかけたくはない、取材に手間を掛けたくない、というNHKの意思を私は感じ取りました。地元を特集してくれるのは大変ありがたいことですけれどもね。三連休という貴重な日にやる内容じゃないよなぁというのが第一夜の正直な感想です。

《補足》



第二夜「京都競馬場と石清水八幡宮へ」

国宝・石清水八幡宮「黄金の雨樋」は定番中の定番スポットです。

ブラタモリって深堀りするイメージでした。しかし築地塀や斜めの参道、楠木正成公の楠、松花堂跡、男山四十八坊に触れなくて驚きました。FF7を三分割にしてリメイクするぐらい内容が薄かったです。NHKの熱意がまったく感じられないというか視聴者の期待に応えていないというか。石清水八幡宮を取り上げるならばここだけで90分番組作れますよ。歴史が深くて謎が盛り沢山なのに浅い内容にガッカリしました。


「離合」って方言だったの!?
放送を観てビックリ。酷道動画を視聴して離合という言葉を覚えました。しかし車移動をしている乗り物系ユーチューバー綿貫渉さんの動画には離合というワードが一言も出てきません。不思議だなぁと思っていたところにブラタモリの石清水八幡宮参道ケーブルですよ。
合って離れるから離合。標準語にすべき便利な言葉だとわたしは思います。

2024/11/06《追記》


一方、京都競馬場の馬専用シャワーと淀の坂の歴史は知らなかったので大変興味深かったです。

淀城についても当時の城の絵をみたことがなかったので海城のような城塞都市だとは思ってもみませんでした。当時のまま遺っていれば日本有数の観光名所になっていたかもしれません。しかしこのあたりは幾度となく川が氾濫しているエリアです。治水の関係でほとんどの堀が埋められてしまったのでしょうね。

淀周辺は元は巨椋池おぐらいけだったので淀駅から中書島駅の間は街が形成されていません。大阪と京都の間という立地にも関わらず京阪電車の車窓は殺風景です。これは干拓地に家を建てることができなかったということを表しています。水が貯まる地形だから池になったわけで地盤は弱く住宅地に適していません。


「学校の勉強なんか必要ない」


そう嘆く子どもはいつの時代にもいます。しかし歴史を知らないと大人になって家を購入し住むことになったときに大変苦労することになります。土地の歴史を知ることでどのエリアが災害に弱いのかを知る。生活する上でとても大事なことです。



第三夜「ついにゴールの大阪へ」

第三夜の感想は番組批判が一切ありませんのでご安心ください。

さて我が地元の枚方宿がなんとブラタモリで紹介されることになりました。タモリさん初めて枚方の地を踏んだのですね。でも「ひらかた」とすぐ読めるあたりはさすが地理好きといったところでしょうか。


放送記念ということで今回貼った記事の大部分は会員以外の方でも読めるようになっています。ぜひご覧になってください。誰かがぶつけたであろう枚方橋の欠けた欄干とその鉄枠写真もありますよ。

《記事紹介》

ブラタモリ第三夜は東見附から西へすぐ、バス通りの手前あたりから始まりました。

私は2024年元旦早朝にここを歩いています。ブラタモリに影響されて暗渠になっている枚方橋を入念に撮影して記事を書きました。まさか半年後に本家がまんま枚方橋をフィーチャーするなんて奇跡ですよ、感動です。


『枚方宿くらわんか五六市』って五日市の仲間だと番組を視聴するまで思っていました。東海道五十六次だからなんですね。

地元民なのに恥ずかしい限りです。


タモリさんが訪れた鍵屋は枚方市立ということで公共施設の資料館になります。

淀川の対岸にある高槻市や島本町には歴史民俗資料館がありますが、枚方市には歴史を示す展示館がずっとありませんでした。これはいかんということで1997年まで料亭・料理旅館「鍵屋」として営業されていた建物を利用し、2001年に資料館として開館しました。タモリさんがごんぼ汁を頂いた大広間は料理旅館の名残です。


投稿時点の入館料は一般200円です。

ハッキリ申しましてコスパ抜群激安価格です。展示作品と映像をじっくり拝見した私の見学時間は一時間。館内資料がかなり豊富で見応え十分でした。写真撮影は一部を除き可能なので自宅で見返すことができます。ただし商用利用やSNS投稿は公共物なので限定されています。詳しくは公式サイトをご覧ください。


淀川三十石船唄
『鍵屋浦にはいかりがいらぬ三味や太鼓で船止める』

ブラタモリで解説していたことがこの駒札に書かれています。


タモリさんが食べたごんぼ汁。

提供されている店名は放送で伏せられていましたが枚方市の観光ガイドなどで確認することができます。おそらく枚方公園駅から歩いてすぐのところにある『割烹藤』さんのごんぼ汁だと思われます。河内素麺も枚方の名産ですので機会があればぜひお立ち寄りになってください。


ちなみに枚方市の公式サイトにはごんぼ汁のレシピが書かれています。枚方は遠くていけないという料理好きの方はご自宅でぜひ作ってみてください。

そういえば先日の衆院選で投票所にごんぼ汁の紹介しているパネルをみました。市全体で推しているんですね。なんか嬉しくなりました。



結び

ひさしぶりのブラタモリ。

文化の日三連休の特番ということで、わたくし一ヶ月以上前からスケジュール表に書いて見忘れがないようアラームをセットしました。自分の中のハードルが高くなりすぎたのでしょうね。完全な期待ハズレで辛口の感想文になってしまいました。


三夜連続のメインテーマは『徳川の思惑』

しかし五十七次の土台を作ったのは豊臣秀吉。タモリさんがおっしゃったように徳川家康は居抜き物件を改築・整備したに過ぎません。そして石清水八幡宮「黄金の雨樋」は織田信長が寄進したモノです。参勤交代の大名と天皇に会わせないように洛外に道を作ったという話はなるほどと思いました。それ以外はテーマから完全に外れていて、すべては徳川の陰謀だったと強引に話を持っていってましたね。

ただ、東海道五十六次『枚方宿』をブラタモリで取り上げてくれたことには素直に感謝です。当時の街並みを残そうと努力してきた枚方市の行政と住民の方々にも感謝ですね。


河合郁人&A.B.C-Z塚田×古川アナ「なんでやねん!?」(news おかえり)

もし今回のブラタモリを視聴して関西の歴史が気になった方は、関西のミステリーを特集している番組が民放(Tver)にもありますのでこちらもぜひご覧になってみてください。関西ローカルの制作ですがインターネットの環境があれば全国どこでも観ることができますよ。

以上です。ご精読ありがとうございました。



おまけ

街道沿いには地元で有名なかき氷屋さんもございます。枚方宿へ観光の際にはこちらもお立ち寄りになってみてください。



鍵屋資料館のアクセス

鍵屋資料館は枚方市駅からかなり遠く迷いやすい場所にあるので京阪電車「枚方公園駅」下車がオススメです。快速急行や特急は停車しませんのでご注意くださいませ。



【広告】

我がメンバーシップの名前の由来は枚方宿のくらわんか船から来ています。食らわんか~♪



追記

『日本史がすき』応募作品の中で、スキの週間一位を獲得しました。皆様ありがとうございます。感謝!!

2024/11/11


いいなと思ったら応援しよう!