今ハマっている、過去に大好きだった、再放送で見て当時を思い出した、など、印象に残っているテレビドラマについて、noteに投稿してみませんか?
大河ドラマ『光る君へ』が最終回を迎えた。これがもう大傑作だった。2024年に物語ができることをすべてやり遂げた、素晴らしい作品だったと思う。いやもう掛け値なしに凄かったので、観ていない方はぜひ一話から観てみてほしい。私ももう一度観なおしたい……。 https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CK6LZBV3/ref=atv_dp_share_cu_r 紫式部を主人公に据え、藤原道長との間に恋愛関係があったとする架空の物語から始まる
年が明けるとはじまるのは、希望に満ちた新年と寒い冬を乗り越えるために心をあたためてくれる冬ドラマ。はじまりはいつだって期待とときめきに溢れている。ドラマファンは年に4回もこのはじまりを季節ごとに楽しむことができるのだ。 さて1月7日、2025年はじめての火曜の夜にはじまったのは、猛スピードで視聴者のハートをぎゅぎゅっと捕まえながら駆け抜けるドラマ『御曹司に恋はムズすぎる』なのであった。 予告動画サムネイルだけでもおわかりいただけるとおり、出演者のお顔が良すぎて芸術作品を観
『海に眠るダイヤモンド』というドラマが大好きだった。野木さんの脚本はもちろんのこと、塚原監督のドラマ『Nのために』も本当に大好きだったので、このドラマが日曜劇場で見られるとはじめて聞いたときとても嬉しかった。実際見てみると、青春群像劇として本当に素敵なドラマになっていたと思う。 PLANETS批評座談会でもあれこれ語ったのでよければぜひ。 私はなにより主役三組のキャラクターがみんな好きで、野木さんの脚本の女優輝かせ力はいつも最高! と思いつつ見ていた(これはドラマの本筋と
日々の暮らしの中で、皆さんは何に癒されたり、パワーチャージしてますか?私の場合、それはもう完全に「テレビドラマ」! 子育てと仕事とで目まぐるしい毎日ですが、とにかくドラマを30分でもいいから没頭してみる。そうすると、スッキリするんですよねえ。ビバ、ドラマ。 この記事では、2024年に観たドラマの中で印象に残っているものを、厳選して5作品紹介します。 ※本記事のドラマ概要はPerplexity(対話型AI検索エンジン)に出力してもらいました。便利!! 虎に翼(NHK/
またしても『光る君へ』について書く。もはやnoteで『光る君へ』について書きすぎてシリーズ化できそうな勢いである。 こうして並べて見ると自分がこのドラマを好きすぎる……。こんなに書いてたのかとドン引きである……。な、なにもかも好きだったんだ……。 しかも私、noteだけじゃなくて『光る君へ』の放送とあわせて『源氏物語』をはじめとする古典解説しつつ京都を紹介する連載も、月2更新してたんだ……一年間……。こちらもよければ気になる記事読んでやってください。楽しかったあ。笑 そ
TBSの新春ドラマ、『スロウトレイン』を観た。 ◇ 看病の時間 元旦の朝、夫がインフルエンザを発症した。 39.5℃の高熱、吐き気、頭痛。 元旦に診てもらえる病院をあちこち探し(見つかったときには本当にありがたかった)、口当たりのいいゼリーや経口補水液を買い込み、予定していたお正月の予定をすべてキャンセルした。 看病の時間というのは、じりじりと長い。 インフルエンザ用の薬を服用したあとはひたすら水分補給と休養あるのみで、食事のしたくと洗濯のほかに、家族ができることはあ
はじめに 選択するとはネガティブなことです。何故なら数多くある可能性から一つ選ぶことは、裏を返せば、可能性を潰すことに他ならないからです。選択には結果が伴います。その結果を引き受けた次の選択で示される選択肢は、前の選択のときよりも数が減っているものです。つまり、選択の度に可能性を潰し、あり得たかもしれない未来を諦め、選択の幅を狭めていくのが人生です。 そして、ある日、無限にあった可能性と選択肢がほとんど無くなっていることにはたと気づきます。それが老いる…ということかもし
岡部たかしじゃなかったら許されんだろ、こんなの。岡部たかしでもギリギリだ!という回だった。彼以外だと、これができるのは大泉洋くらいしか思いつかない。 優三(仲野太賀)の死亡告知書を隠していただけではない、直言(岡部たかし)から出てくる出てくる、「それを言っちゃあおしまいよ」懺悔のオンパレード。 ①優三くんのこと隠していてごめん ②今、トラに倒れられたら我が家は立ち行かなくなると思って。ごめん ③トラが結婚した時正直「優三くんかあ」「花岡くんがいいなあ」 「花岡くんの下宿を
前回のラストで寅子(伊藤沙莉)を訪ねてきた人物。 この重苦しい週の金曜日に、寅子になんらかの救いをもたらしてくれるのか!?と思ったら、法科女子部の後輩・小泉さん(福室莉音)が女子部の閉鎖と、高等試験中止の報を伝えにきてくれた。 ……救いじゃなかった……むしろ、寅子が切り拓いてきた女性法曹の道が閉ざされたという、更に打ちのめされる展開。寅子が出産育児で立ち止まっても、誰かが後に続いてくれるという願いは潰えた。 高等試験が再開されたら、必ず挑戦するという小泉さんの力強い言葉だけ
ドラマウォッチャーの明日菜子さんと、ドラマ『無能の鷹』について対談した記事がReal Soundにて出ました! ぜひ読んでください〜。本当に『無能の鷹』は仕事ドラマ批評としても秀逸なドラマだ。この対談で語ったとおりだけど。 それにしてもドラマ『無能の鷹』、なんだかしみじみと良いドラマだなと思うというか、しっかりやるべきことをやっている魅力的な作品だと思う。今期のドラマはリアルタイムで追いつけていないものもあるけれど、良作が多くて嬉しい。 1.『無能の鷹』と「迷惑をかける
『虎に翼』について考え続けた半年間だった、ように思う。 それはやっぱりこの作品が素晴らしかったからだし、自分の好きな朝ドラというフォーマットでこういう主人公が見られることに対する感動というものが根本にある。あと、これは個人的な話だが、この半年間はいろいろ自分にとってはチャレンジしていたというか、とにかく気力と体力を崩さないようにこれまでになく気を遣いながら過ごしていた半年間だったので、そのなかで毎朝『虎に翼』のような物語が見られたことへのありがたさがあった。面白い物語という
花岡(岩田剛典)が死んだ。 配給分以外にまったく食料がないのならともかく闇買いで得ることができる状況なのに、配給だけで生きてゆけという法を守った者が死んだのなら、国の失政の証だ。戦死、戦病死した人々と同じく「可哀想に」と涙するだけで済ませてはならない犠牲者だ。 チラリと映る新聞に「花岡判事の日記」が記事として載っている。 「食糧統制法は悪法だ、しかし法律としてある以上、国民は絶対にこれに服従せねばならない。自分はどれほど苦しくともヤミ買い出しなんかは絶対にやらない、したが
やっちまった……組織で生きる大人として、最悪のタイミングで怒り爆発させてしまった。寅子(伊藤沙莉)が落ち込んでいて、ちょっと安心した。 そして家庭局の扉をピシャアン!と音高く開けた穂高先生(小林薫)に、ちょっとびっくりした。この後は穏やかに話し始めるものの、穂高先生もギリギリまで態度を決めかねていたんじゃないかなあ。 それにしても、発言について撤回や謝罪をするつもりはないにせよ、ひどい態度であったことは確かなので(だからこそ落ち込んだわけだし)本来であれば寅子から先生のもと
小学校で返されたテスト用紙を寅子(伊藤沙莉)に見せる優未(竹澤咲子)、84点で直人(琉人)と直治(楠楓馬)が「優未、がんばったでしょ!」と寅子の言葉を求めるが、寅子は 「間違えた部分はきちんと復習して勉強するのよ。そしたら次は100点だから」 ああ……寅子。やっちまった。学校で常に1、2を争う成績だった寅子は、きっと100点が当たり前で、90点台を取った時には自分にこう言い聞かせていたのだろう。でも優未にこれはよくない、本当によくない。……しかし今ならそう思えるのだけれど、
虎の咆哮であった。 恩師・穂高先生(小林薫)の最高裁判事退任祝賀会の会場で花束贈呈役を拒否し怒りを爆発させた後に、うおぉおおおおおお!!!と叫ぶ寅子(伊藤沙莉)は、おとなしく檻には入らぬと宣言する虎だった。 誰もが少しずつ間違えてあの場に立っていたのだ。 かつて(30話)金屏風の前で、与えられた栄誉に感謝しスンッとなることなく「私たちは怒ってるんです」と演説した寅子。彼女がそういう女だと知っていたはずなのに「名誉なことだから君が喜ぶと思ったんだがな」と花束贈呈役を彼女に当
先日、あの一部界隈で超話題になった「イシナガキクエを探しています」のTXQ FICTION第二弾が放送された。「飯沼一家に謝罪します」という意味深なタイトルからして、好奇心を刺激されたモキュメンタリーファンボーイたちは心待ちにしていたことだろう。そして、四夜に渡って放送された「飯沼一家に謝罪します」はTverで容易に見られるので、人類の大半はすでに見ているはずだ。 四話目を見終わった後、正直、ボクの頭の中はハテナで埋め尽くされていた。しかし、自分の頭で考えるても答えは出
先週の予告で、寅子(伊藤沙莉)が作ったお守り袋を拾い上げた人は、やはり優三さん(仲野太賀)ではなく、戦病死を確かに伝えに来てくれた帰還兵だった。戦友というわけではない、ただ隣のベッドに寝ていただけの人に 寅子が作った「五黄の寅の力が宿ったお守り」を渡してしまう。帰還兵の彼の言うように、どこまでも優しい人。 それが、まさに彼……優三さんが亡くなってしまったのだと裏付ける。 なんという苦しさだろう。 ************ はるさん(石田ゆり子)が 「これ以上、心が折れて
大河ドラマ『光る君へ』がついに完結…! 『源氏物語』を紡いだ紫式部。彼女の人生そのものが、光る君を巡る壮大な物語であったのだと心から思えた最終回でした😭 生涯をかけて人を想う尊さを教えてくれた作品に出会えて、僕はこの一年とても幸せでした。心揺さぶる物語をありがとうございました✨
※61話から65話まで一気見したので、一気見の感想となっています。 なんということだ。前回のテレビドラマ感想文(記事はこちら) で >子に徹底的に甘えられてしまう母という存在を、ここから先このドラマ >は、どう描いてくれるのだろう。 こう書いたら、第13週は梅子さん(平岩紙)と大庭家の一族の相続問題でそれへのアンサーが出た。子だけでなく、家族に、家制度というものに徹底的に甘えられてしまう「母」「妻」の役割を負わされた女性。家族全体のケアが当たり前で、それに終わりはない上
泣いてしまった。星長官(平田満)が読み上げる『日常生活と民法』の序文 「今次の戦争で日本は敗れ、国の立て直しを迫られ、民法も改訂されました。私たちの現実の生活より進んだところのものを取り入れて規定していますから、これが国民になじむまで、相当の工夫や努力と日時を要するでしょう。人が作ったものです。古くなるでしょう。間違いもあるでしょう。私は、この民法が早く国民になじみ、新しく正しいものに変わっていくことを望みます。民法は、世間万人知らねばならぬ法律であります。けっして法律家に
穂高先生(小林薫)の善意100%の、しかし完全に的外れな言葉が、ついに寅子(伊藤沙莉)から「はて?」を引っ張り出した。 「私は好きでここに戻ってきた。戦争や挫折で色々と変わってはしまったけれど、でも。私は好きでここに来たんです。それが!私なんです!」 足音高く部屋から出て行き、力いっぱいドアを閉める。 漲る怒り。そう、悲しみと積み重なったダメージによって萎れた寅子を内側から膨らませるのは、身の内に満ちる怒りである。穂高先生は寅子復活の為に必要な、最後の一滴を注いだのだ。
直言(岡部たかし)がせっせと作る愛娘スクラップ、その冊子の隣に置かれた新聞記事の大見出しは「我軍 武漢陥落後も進撃の巨歩緩めず」。 ……歴史的に見れば、日中戦争はこの武漢攻略戦で終結の糸口を見失った。「進撃の巨歩を緩め」なかったのではない、退くに退けない泥沼に突き進んだのだ。 ************ 世相は暗い方向へ突き進んでいるが、高等試験に合格した、初の女性弁護士の一人となった寅子(伊藤沙莉)の周りはお祝い一色である。 ずっと前から応援してくれていた人も「よく堂々と
※57話から60話まで一気見したので、一気見まとめ感想です。 福祉に繋がるべき人の議論で、よく揶揄として上がる声 「そんなこと言うなら、あなたの家でその人を引き取ったらどうですか?」 それを本当にやっちゃったら……というのを描いた週だったと思う。 朝ドラなので、最終的には上手くいく。しかし、そこに至るまでに綺麗ごとでは収まらないあれこれを随所に差し挟んでいた。 大人の男性である小橋(名村辰)さえ、彼に脅しつけられたら怯えてしまうくらい力強い体躯を持つ少年・道男(和田庵)を
NHKの朝ドラに関しては、「次はどんなドラマか」だとか「主演はダレか」だとか「モデルの人はダレか」と、毎回話題になっているのは、なんとなく知っていた。 仕事が始まる時間の関係で、お目にかかれないということもあるけど、見たことがなかった。 朝は既に畑に居る時間だし、お昼もたいてい畑に居る。 だけど、雨の日などの農作業がお休みの日は、視聴が可能。 あと、アルバイトさんが居ない期間は、お昼の時間を融通を利かせることも出来るし、朝ドラの再放送を見て、慌ただしく畑へ向かうことが可
ちゃんと書きます、書きますが「虎に翼」は コレのイメージなのですよ、誰かに分かって 欲しい 私達に「はて?」と問い続けた「虎に翼」 私は仕事場で全話観ていました 時に笑い、時には涙し、時に辛く、時に優しさを感じるドラマでした 詳しい内容説明はWikipediaで是非! 今朝も仕事中に思い付きをメモしながら涙を 堪えていました 総集編という事で、まだまだ観たいシーンを 幾つも思い出しましたが素晴らしい編集で 総集編だけでも観て、興味を持った方は全編 観るのもオススメ
今回は、TXQ FICTION第二弾『飯沼一家に謝罪します』を視聴しての諸々を備忘録として書いていきます。 ここ数年の年末は、テレ東さんのモキュメンタリー作品にお世話になっていたので、放送の一報が入ったときは「今年もやっぱり来た!」と大喜びしました😄 12月23〜26日に4夜連続放送された本作品。 物語が毎日少しずつ進んでいくのがもどかしくもあり楽しみでもあり。 いっつも気になるところで終わるの、うまいよね〜! 放送後すぐにTVerで配信されるのも有り難かった……✨ さ
ー『スロウトレイン』にみる、普遍的な家族の在り方と親和性についての解釈ー 脚本家の野木亜紀子さんが手掛けたスペシャルドラマ『スロウトレイン』という作品を見ました。 鎌倉に住む渋谷家の三姉弟、葉子、都子、潮たちが、それぞれの幸せを見つけながら三者三様の人生を歩むホームドラマでありました。 物語の概要としましては、交通事故で両親と祖母を亡くしてしまった彼らが法事の帰りに次女の都子が突然韓国に行くことを宣言して彼女の発言をきっかけに、これからの人生の歩み方を模索していきます。
最初から最後まで、清き水がさらさらと流れるような第25話だった。 「主文。被告人らはいずれも無罪」 「検察側が提示する証拠は自白を含め、どれも信憑性に乏しく(略)本件において検察側が主張するままに事件の背景を組み立てんとしたことは、あたかも水中に月影を掬い上げようとするかの如し」 「即ち、検察側の主張は証拠不十分によるものではなく、犯罪の事実そのものが存在しないと認めるものである」 美しい、そしてきっぱりとした判決文である。 水中に月影を掬い上げようとする……書画などで目
私たちは知っている。身の安全のために朝鮮に帰国しても、太平洋戦争のすぐ後に朝鮮戦争が始まり、朝鮮半島を動乱が襲うことを。 私たちは知っている。その身と志を犠牲にして男爵家を守っても、昭和22年に華族・貴族制度は廃止されてしまうことを。 努力家で賢く、友達思いのチェ・ヒャンスク(ハ・ヨンス)の無事を心から祈る。 誇り高く聡明で、心優しい涼子(桜井ユキ)の夫・有馬氏が、せめて人柄温かな男性であることを祈る。 そうでなければ、あまりにも救われないではないか。 そして梅子(平岩紙
伊予原新の『宙わたる教室』単行本上梓は一昨年秋。「オール読物」連載分4作に書き下ろし分3作が加わっての一冊は、所謂エンタメ作品ながら内容の上質さゆえにすぐさま青少年読書感想文全国コンクールの課題図書となり多くの読者を獲得した。学園もの、化学ものというエンタメの王道とも言うべき基軸の面白さとともに、実話に基づく物語であることが読者の胸を熱くしたこと間違いなく、誰にも必ず何かを生み出せるとの作品テーマはなるほど課題図書に相応しいものだった。 この原作が昨年秋NHKでドラマ化さ
花岡(岩田剛典)と寅子(伊藤沙莉)がお昼ご飯を食べながら、お互いの近況報告。 彼は東京に戻り、経済事犯専任判事として食糧管理法違反の事案担当をしている…… ヤミ米。『サザエさん』原作漫画の連載開始はちょうどこの頃(昭和21年)で、初期の漫画ではヤミ米と、闇商売で手に入れた食料が警察官に摘発される場面が描かれている。配給の食料だけではとても足りなかったのだろう。磯野家とご近所の人々の描かれ方で、当時ヤミ米を手に入れるのが当たり前であったのが伝わる。寅子も同じだ。 それでも、
これまで旅行記の枕話としてNHK大河ドラマ『光る君へ』の感想を書いてきました。第45回から最終回までの感想をまとめています。ただそれだけだとつまらないので当時の感想を振り返る「あとがき」と総集編の感想を追記しました。かなり読み応えのある文章量となっていますのでお時間あるときに読んで頂けたなら幸いです。 あと長文を読むのが苦手な方、ドラマを観ていない人にも楽しんで頂きたいので先日参拝した二ノ宮神社の年末詣写真を掲載しています。 それでは感想記「光る君へ」を御覧ください。
日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」。 ずっと素晴らしいですが、昨日放送された第7話がさらに素晴らしくて。 全員良いのは言うまでもない中で、特に、神木隆之介さんのとあるシーンのとある一言、そのたった一言がとても素晴らしくて、思わず記事を書いています。 最近は台詞集ばかり上げていたので、お久しぶりになってしまいました。 今年の秋ドラマ、一通り見ていますが、良い役者×良い役×良い脚本が成す必然によって、素晴らしい役者さんがあらためて世の中に再発見されるような、そんなキラリと光るもの
昭和22年、3月。寅子(伊藤沙莉)の飛び込み就活……怪しげな紳士・ライアンこと久藤頼安を経て、1話のラストの場面。司法省・人事課での桂場(松山ケンイチ)の前に至る。 アポイントメントがないので人事課長に取り次いでもらえないという現場に颯爽と現れ、スマートに助けてくれたライアンにホッとしたものの「なんてお呼びしようかな……ともこさん。ともちゃん」…… 「サディ!」 これを聞いて(あっ。こりゃめんどくさい、あまり触っちゃいかんやつだ)と判断して、すみません一人で参りますので
「その名前で呼ばないで」 ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)に寅子(伊藤沙莉)との再会の喜びはなく、はっきりとした拒絶が返ってきた。はるさん(石田ゆり子)は、ヒャンちゃん……いや、香子の態度に理解を示した。 「ご結婚されたんでしょう。あなたの同僚(汐見/平埜生成)と」「私も直言さん(岡部たかし)と一緒になるとき、故郷の友人と縁を切りました。生きていれば色々ありますよ」 直言との結婚は、実家の旅館の利となる結婚相手をというはるさんの親の願いとは、かけ離れたものだったから……当時の
昭和24年1月3日。 滝行がわりの水垢離。滝藤賢一を毎週一回脱がせて筋肉を見せつけるつもりだろうか。水を滝のように浴びながら家庭裁判所の五大基本性格を叫ぶ。 独立的性格 民主的性格 科学的性格 教育的性格 社会的性格 「寒い!」 でしょうね! 日課ということは毎日やってるんだろうけれども、ご近所から苦情は来ていないのか。来てるだろ絶対。 ************ この年から、ついに寅子(伊藤沙莉)は裁判官に就任ただし家庭局事務官と兼任。それにしても、星朋彦最高裁長官(
このところ、『海に眠るダイヤモンド』の土屋太鳳が話題になっていますね。複雑な感情を持ち合わせている百合子という難役を演じ、「素晴らしい」と各メディアやSNSで称賛の嵐です。 これまでの彼女は、清純派のイメージが先行し、時には「ぶりっ子」というレッテルまで貼られ、演技に関してあまり評価されてこなかったように感じます。そんなマイナス評価に対して、私は不満を持っていました。 もともと、『花子とアン』で見た時に、「この人は上手だ」と思いました。本来は演技力のある俳優なのに、事務所
いま放送中のドラマ ライオンの隠れ家を見ています 素敵なドラマであり 登場人物の描き方も魅力的で 毎回ワクワクしながら 待ち望んで 見させていただいている しかし、ちょっと どうして? そうなるの? と、思うところがあります。 ここからはネタばれになるのでご注意を 主人公の姉である愛生は 夫のDVから逃れるため 探偵らしき人物に 息子(ライオン)と逃げる手筈を 依頼する そして、無理心中を偽装し、息子(ライオン)を 小森家に預ける ただし、ここで思うのは どうして 児
寅子(伊藤沙莉)の背負ったものの重さ、夢、将来のために彼女にプロポーズせず、佐賀で奈津子(古畑奈和)と婚約したのだと告白する花岡(岩田剛典)。彼を呼び出して問い詰めるのが、轟(戸塚純貴)と、よね(土居志央梨)であるのがよい。 轟「それで猪爪に何も言わずに婚約を!?きちんと話もせずにか!」 そうだ、そうだ。どういった答えを寅子が出すにせよ、きちんと話すべきだったんだよ。 よね「責任を負う勇気がないだけだろう」「お前などあいつと到底釣りあわない」 よ、よねーーーーっ!!そこま
日曜ドラマ『海に眠るダイヤモンド』が終わった。 あんなにいいドラマを、最初からもっときちんと見ればよかったと後悔している。 大河ドラマの後の時間帯はつい居眠りしてしまい、でも気になるからTVerで追っかけたり夫に聞いたり。 あ、ドラマの途中で誰か(浅く見てる人)に質問されるのって、イラっとくるよね。 でも夫にはつい聞いちゃう私。 謎が1つ解けても、またわからなくなる展開。 最終回の夜は、午後から出かけていた夫も帰宅してすぐテレビの前に陣取っていた。 そういう私も病み
えっ、辞表!?産休・育休じゃないの…?と思った瞬間、今更ながら気がついた。 登場人物の誰もが、何もかも初めて経験することだったのだ。 仕事を抱えた身で妊娠することも、そんな女性を雇うことも、そうした女性から相談を受けることも。女性が働きながら出産育児するための社会システムは整っておらず、子どもは母親が自分の手で育てるものだという考えが大勢を占める世の中。保育園すらない。 「弁護士の資格は持っているのだから、仕事への復帰は(子育て後の)いつだってできるんじゃないのかね」
あー、終わってしまった。でも心配していたほど「虎の翼ロス」じゃない。 登場人物たちの多くが、退場してはイマジナリーとして現れるのを目にしていたからかも。最終回ではとうとう寅子まで、イマジナリーとして元気にラジオ体操してましたもんね。物語は終わったけど、誰ひとり消えずにまだ私の後ろにいてくれていて、振り返ったら目が合いそうな気がする。だとしたら、さみしくない。 さみしくないまま、あまりまとまらないけど、最終週の感想を。 美佐江と美雪 その微笑みで視聴者を恐怖に陥れた美しい
3月の東京大空襲。よね(土居志央梨)とマスター(平山祐介)は逃げられたのか、カフェー燈台の外で空を見上げていた路上生活者は。 花江ちゃん(森田望智)のご両親は亡くなってしまった。結婚前のお食事会や結婚式の場面を思い出し、胸塞がる思いであるが、猪爪家に追い打ちをかけるように直道(上川周作)の戦死公報が届く。 花江ちゃん(森田望智)の顔をまともに見ることができない直言(岡部たかし)の心中、察するに余りある。 「どこかの島にいたのか。船が沈没したのか……」 紙切れ一枚で骨も帰
直明(三山凌輝)がメンバーとして活動している、東京少年少女保護連盟の学生たちが、家庭裁判所設立準備室にやってきた。直明といい学生達といい、YouTuberか?というくらい瞳の中心が輝いている。キラキラしている。 少年裁判所の壇(ドンペイ)と家事裁判所の浦田(野添義弘)に 「おふたかたとも、見ている方向は一緒ということですね!?」 「手を取りあい、団結できるということは素敵なことです」 キラキラした目で言われては否定しにくい。更に熱い理想を畳みかけられたら、おじさん達は抵抗
2023年後期朝ドラからの越境登場人物・茨田りつ子(菊地凛子)が協力した家庭裁判所の広報効果は絶大だ。 「東京在住の困っているご婦人方はぜひ佐田寅子さんをお訪ねになって♡」 …しかしこれは、家庭裁判所というよりも判事補・佐田寅子(伊藤沙莉)個人の広報になっていないだろうかという予想通り、相談者がサイン色紙持参で殺到するという異例の事態になっている。そして最初は困惑していた寅子も「喜んで!」と慣れた様子で、すらすらとサインするように。この姿が周りの反感を買わない筈がない……
「国民すべてが(君のように)法に明るいわけじゃない」 「国民は何もかも変化を強いられて苦しんでいる」 「まず未来ではなく、今目の前の苦しむ人を救いたいと私は思うが」 神保教授(木場勝己)の言葉に、花江ちゃん(森田望智)の泣き顔が蘇る。またこのドラマの巧いのが、神保教授が頭が固いだけのヴィランじいさんというわけではない、言葉に一理も二理もあるところだ。だからこそ、スンッとならざるを得ない……。 小橋(名村辰)が「大人になった」と表現したが、前回の感想文でも書いたように、いま
私には傘や荷物を持たせるお付はいない、おにぎりを施す余裕はない、留学させてくれる家族もいない、休み時間に水泳したり歌歌ったりなんてできない……と法科女子部の仲間たちに言っていた、よね(土居志央梨)は実は、皆の苦しみをわかり、認めていた。 「この人は家事や育児をしながら学んでいる、この人は国を離れて言葉の壁もある、この人は常に周囲に行動を見張られて自由もなく、いろんなものに縛られて生きてる。そいつは誰よりも熱心に授業を聞いているのに、月のものが重くて授業を休まないといけない」
山本五十六の国葬を報じるラジオ番組が流れている、昭和18年6月5日。 直道(上川周作)に赤紙が来た。花江(森田望智)が台所で涙したことは一切なかったかのように、出征のお祝い膳はイワシの蒲焼、紅白なます、田楽、つみれ汁(こちらも人参と白葱?大根?で紅白か)にビールとお酒。 一人分の量、内容ともに慎ましやかに見えるが、直言(岡部たかし)と直道の「こんなご馳走は久しぶりだな」「お母さん、無理したんじゃないの」という台詞で、これが豪勢なものになってしまった、国民の食生活が窺える。
GHQの働きかけにより、個人の尊厳と両性の本質的平等を基本にして、多くの改正を目指す民法親族編と相続編。 寅子(伊藤沙莉)の言うように、これが実現したらどんなに喜ぶだろうと、去っていった仲間たちの顔が浮かぶ。 新民法、いいじゃない!どんどん改正を進めようよ!と思うのだが、妻が夫の家に隷属し縛られる形を完全に変えろというGHQの案をそのまま実現した場合、夫に先立たれた妻は婚姻関係がなくなるため、夫の名字を名乗れなくなる。 久藤ライアン(沢村一樹)「(夫が亡くなったら)夫の
花岡(岩田剛典)の死から1年。前回(感想はこちら)よね(土居志央梨)と轟(戸塚純貴)のバディ結成は彼の供養にもなった気はするけれど、そう簡単に切り替えられないな……と思っていた。が、 画面にふんどし一丁で滝行をする多岐川役の滝藤賢一が現れて「??!??」となり一瞬、花岡のことが薄らいだ。 かなりのガチ滝行をする多岐川、一体何者なんだ…… ************ 桂場(松山ケンイチ)から、家庭裁判所設立準備室に突然の異動を命じられた寅子(伊藤沙莉)の 「今、私の力が必