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アート・建築

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美術展や建築を巡った記録
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漂う静けさに浮かび上がる『美』:曼殊院門跡

漂う静けさに浮かび上がる『美』:曼殊院門跡

こんにちは

京都市左京区一乗寺エリアの詩仙堂から十数分歩いたところにある曼殊院門跡。

同じ数寄屋風建築でありながら、そこに漂う雰囲気はまるで異なっていました。
開放的な詩仙堂、そして落ち着いた佇まいの曼殊院門跡。
その違いだけでも興味深く感じているところです。

ということで、
今回は曼殊院門跡での体験をお話していきます。

お付き合いくださると嬉しいです。

|曼殊院門跡を知る

まずは、曼

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|絵画|建築|映画|書籍|好きなところからコルビュジエに触れてみよう

|絵画|建築|映画|書籍|好きなところからコルビュジエに触れてみよう

こんにちは

建築を学び始めると近代建築の3大巨匠と呼ばれる歴史に名を刻んだ世界的な建築家を知ることになります。
1人目はフランク・ロイド・ライト、2人目はミース・ファンデル・ローエ、そして3人目はル・コルビュジエ。

世界の各地に自らの建築理論を体現した名作と言われるモダニズム建築を手掛けてきました。

モダニズム建築は西洋における従来の建築様式とは異なり、装飾性や権威性が抑えられ機能的であり合

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穏やかな時が流れる庭園:詩仙堂丈山寺

穏やかな時が流れる庭園:詩仙堂丈山寺

こんにちは

京都には多くの寺社とともに「庭園」が点在しています。
それも個々で見ていくと時代も違いますし、さらにその時代の背景や仏教の宗派によって造られた「庭園」も違います。

いつの時代で、どんな価値観で、表現された庭園なのだろうか、そんなところも考えながら訪ねてみるのも深みが増すのではないでしょうか。

ということで、
ボクが訪ねた内の一つ、「詩仙堂丈山寺」のお話をしていこうと思います。

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和紙という素材の可能性:ISSEY MIYAKE 『On Kamiko-紙衣によせて-』

和紙という素材の可能性:ISSEY MIYAKE 『On Kamiko-紙衣によせて-』

こんにちは

「和紙」、「紙」と聞くと皆さんはどのような印象を持つでしょうか。
記述するもの、折るもの、包みもの、などが浮かんでくるかもしれません。

しかし、歴史を辿っていくと和紙は「着るもの」としても用いられていました。

そこで今回は1000年以上の歴史を持つ和紙を「衣服」として仕立て上げたアパレルブランド「イッセミヤケ」の展示を見に行ったお話をしていこうと思います。

個人的にとても興味の

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【新春】伝統の街にある近代美術館にいく:京都国立近代美術館

【新春】伝統の街にある近代美術館にいく:京都国立近代美術館

遅ればせながら
皆さん、明けましておめでとうございます。

2025年となり、数日が過ぎました。
年末年始、皆さんはどのように過ごされましたか。

ボクは年始から数日、京都に滞在して建築やら街並みやら庭園やらをぐるぐる探訪させていただきました。

今回はその内の一つをお話ししていこうと思います。

日々の隙間にのぞいてもらえたら嬉しいです。

❚建築と企画展を巡る京都含む関西圏は歴史がとても古く、

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始まりは貴方の建築だった:建築家 谷口吉生

始まりは貴方の建築だった:建築家 谷口吉生

こんにちは

つい先日、ある訃報ニュースを目にしました。

世界的建築家 谷口吉生氏がお亡くなりになりました。
谷口氏が手掛けた建築作品は専門家問わずに好きな方が多いのではないかと思います。

お会いしたことは当然ないのですが、建築を通じて尊敬していた建築家の方です。

ですので、今回はボクにとっての谷口建築についてお話していこうと思います。

よろしければ耳を傾けていただけると嬉しいです。

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巨匠 ル・コルビュジェの建築を歩いてみよう:国立西洋美術館

巨匠 ル・コルビュジェの建築を歩いてみよう:国立西洋美術館

こんにちは

しばらくぶりに記事を投稿します。
以前のように体調を崩した、というわけではなく
ただただ日頃の業務を優先せざるを得なかったので投稿が滞ってしまっていた、が理由です。

では今回のお話に移っていこうと思います。
東京上野、上野恩賜公園にある国立西洋美術館行ってきました。
ここは世界的建築家 ル・コルビュジェが日本で唯一出かけた建築です。

2016年には各国で手掛け現存しているコルビュ

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不思議な魅力にそそられる建築:長野県茅野市 フジモリ建築

不思議な魅力にそそられる建築:長野県茅野市 フジモリ建築

こんにちは

長野県茅野市、
そこは諏訪大社の上社にあたる本宮と前宮が鎮座する地域。
豊かな自然に囲まれ、山の麓には里山のように家々が並んでいます。

そうした中に、とてもユニークな見た目で不思議な建築が点在しています。
建築を手掛けたのは、「建築史家 藤森照信」

茅野市は藤森氏の出身地でもあり、今でも建築を通じて地域との関係づくりのため活動を続けておられます。

ということで
今回は茅野市で出

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時節で変わる宿場の表情:中山道 奈良井宿

時節で変わる宿場の表情:中山道 奈良井宿

こんにちは

日本の伝統的な地域や建築は、
季節や行事でまちの風景を変容させます。

今ではなかなか身近で見られないかもしれませんが、ずっと昔から習慣として続いている地域が現存しています。

ということで、
今回は時節で通りの表情が変化する地域の一つ、宿場町「奈良井宿」のお話をしていこうと思います。

少しだけ耳を傾けてもらえたら嬉しいです。

それでは

|中山道 奈良井宿

まずは、中山道の宿

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ちひろに会いにいこう:安曇野ちひろ美術館

ちひろに会いにいこう:安曇野ちひろ美術館

こんにちは

夏の休暇を利用して訪ねた内の一つ、長野県安曇野市。

北アルプスの麓には田園風景が広がり、湧水に恵まれ、その瑞々しい水を活用したわさび農園が特徴的な地域です。

安曇野に来てみると目に映る風景と程よい気温の吹く風、呼吸するだけで心地良さを感じます。

では、今回は安曇野にある建築を訪ねたお話を綴っていこうと思います。

日々の合間にのぞいてもらえたら嬉しいです。

|安曇野ちひろ美術

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海風に包まれながら巡る真夏のアート:葛西臨海公園 「海とつながる。アートをめぐる。-Harmony with Nature-

海風に包まれながら巡る真夏のアート:葛西臨海公園 「海とつながる。アートをめぐる。-Harmony with Nature-

こんにちは

暑い日が続いてますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

ボクはと言えば体調崩してから約1ヶ月、ずいぶん回復してきました。

途切れ途切れになっているnoteも少しずつ綴っていこうと思います。

さて、それでは
本題に入っていきたいと思います。

現在、葛西臨海公園でアートインスタレーション「海とつながる。アートをめぐる。Harmony with Nature」というアートイベント

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巡った足跡を振り返ってみた:岐阜⇒富山

巡った足跡を振り返ってみた:岐阜⇒富山

こんにちは

岐阜県から富山県を巡った初夏の旅。
ダラダラと数ヶ月にわたって綴らせていただきました。

noteに挙げたのは順不同で、気が赴くままにお話させていただいたので整理も兼て、訪ねた順番通りにしたまとめnote的にしてみました。

岐阜県美濃市から始まり、富山市へ北上していくルート。
その途中、立ち寄った場所はその土地の風土、自然環境と共存しながら「まち」を形成してきた地域、ということが共

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飛騨高山で伝統に触れる:日下部民藝館・吉島家住宅

飛騨高山で伝統に触れる:日下部民藝館・吉島家住宅

こんにちは

飛騨高山に行くと必ず訪ねる場所があります。

そこは伝統的な建築から工芸品を体験出来て、見学するという感覚よりか少しの間そこに居座っていたくなる、そんな空間体験が味わえます。

ということで今回は、
飛騨高山にある伝統的な建築のお話をしていこうと思います。

日々の合間にのぞいてもらえたら嬉しいです。

それではさっそく

❚伝統的な2つの建築飛騨高山に必ず訪れるのは櫻山八幡宮に程近

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民家の「あかり」に惹かれて:飛驒民俗村 飛驒の里

民家の「あかり」に惹かれて:飛驒民俗村 飛驒の里

こんにちは

飛騨高山の古い町並のお話をさせていただきましたが、今回は飛騨地方の伝統的な民家が移築された民家園を訪ねたお話になります。

訪ねてみると、日本人より海外からのお客さんの多さに驚きました。
民家を見学していてもその方たちとボク(日本人)という構図がほぼ。

海外の方は日本的なものを求めているんだなぁと感じつつ、それはそれで面白い体験でした。

ということで、本題に入っていきます。

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