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|絵画|建築|映画|書籍|好きなところからコルビュジエに触れてみよう
こんにちは
建築を学び始めると近代建築の3大巨匠と呼ばれる歴史に名を刻んだ世界的な建築家を知ることになります。
1人目はフランク・ロイド・ライト、2人目はミース・ファンデル・ローエ、そして3人目はル・コルビュジエ。
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世界の各地に自らの建築理論を体現した名作と言われるモダニズム建築を手掛けてきました。
モダニズム建築は西洋における従来の建築様式とは異なり、装飾性や権威性が抑えられ機能的であり合理的な考えの下、建てられた建築を指してそう呼ばれています。
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で、今回は近代建築3大巨匠の1人、ル・コルビュジエのお話をしていいこうと思います。
このあとご紹介しますが、いま東京の汐留にあるパナソニック汐留美術館でコルビュジエの展覧会も開催されていますので、ル・コルビュジエを知る良い機会としてもらえたら幸いです。
❚ ル・コルビュジエに出会う入口
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ル・コルビュジエは歴史的な功績を残した人物だけに、彼の作品に関する書籍も多いですし、影響を受けた建築家も多く、建築を生業にしていなくても知っている方もいるのではないかと思います。
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またコルビュジエは建築だけではなく、絵画や彫刻も手掛ける作家でもあります。
そこで、ル・コルビュジエに知るための窓口を4つ挙げてみましたので、よろしければ参考にしてみてほしいです。
それではご覧ください。
|絵画
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まずはじめは「絵画」です。
コルビュジエは建築家の一面と画家という側面も持つ作家としても認識されているのではないかと思います。
冒頭で触れましたが現在、東京の汐留にあるパナソニック汐留美術館では、『ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965』が開催してます。
この展覧会はコルビュジエの絵画だけに留まらず彫刻やタペストリーなどの作品を通じて、それら芸術作品と建築とがどうのように共鳴し結びついているのか、を見ていくような展示となっています。
展覧会概要
建築家ル・コルビュジエ(1887‒1965) は活動の後期において、建築の指揮のもとで絵画や彫刻をつなぐ試みを「諸芸術の綜合」と言い表しました。そしてそれ以上に、「諸芸術の綜合」とは統 一、調和、普遍的法則の理想主義に導かれた彼の芸術観全体を示すスローガンでもありました。
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左から【牡牛XVIII】1959年
【牡牛】 1963年/【牡牛XVI】 1958年
【マッチ箱と二人の女】1933
パナソニック汐留美術館で3月23日まで開催されでいます。
まだまだ期間がありますので、
興味がある人、気になる人はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
※館内での写真撮影は不可となっています。
|本
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続いて紹介するのは、「本」
コルビュジエを知るには丁度良い内容なのがカーサブルータスから出版されている特集本【建築家 ル・コルビュジエの教科書】です。
コルビュジエの生涯の活動、取り巻く関係者、弟子などのエピソードが綴られています。
コルビュジエの作品も多く載っていますし、日本の建築家が彼に影響を受け、現代までどう繋がっているのか、ということの解説もあってすごく分かりやすく、読みやすい一冊だと思います。
もう一冊が鹿島出版会のSD21選書【建築をめざして】
こちらの内容は建築の専門家向けかもしれません。
コルビュジエが当時の社会に向けて、建築とは何か、をまとめた提言書的な内容です。
住宅は住むための機械だ、何故そのように語ったのか。
また、建築は音響のように人と心と響き合い感動を与えるもの、とも語っています。
それら理論についてコルビュジエがどのように考えて読者に伝えているのかを見ることが出来ます。
この他にもル・コルビュジエに関する書籍は沢山出版されています。
どれを見たら良いのか迷ってしまいますが、初めてコルビュジエを知るのでしたらカーサ・ブルータスの特集本がおススメかなぁと思います。
Amazonのkindleでも読めますので気になった方はちょっと検索してみてください。
|映画
次は2017年に公開された【ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ】という「映画」です。
コルビュジエが生涯で唯一嫉妬したと言われている
アイルランド人の建築・インテリア・プロダクトのデザイナー「アイリーン・グレイ」を主人公とし、彼女が出がけた海辺のヴィラ「E.1027」を巡るコルビュジエとの間に発生した事件が映像化されています。
ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ
ストーリー
モダニズム華やかなりし1920年代、のちの近代建築の巨匠ル・コルビュジエは、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイに出会う。彼女は恋人である建築家評論家のジャン・バドヴィッチとコンビを組み、建築デビュー作である海辺のヴィラ〈E.1027〉を手掛けていた。陽光煌めく南フランスのカップ・マルタンに完成したその家はル・コルビュジエが提唱してきた「近代建築の5原則」を具現化し、モダニズムの記念碑といえる完成度の高い傑作として、生みだされた。当初はアイリーンに惹かれ絶賛していたル・コルビュジエだが、称賛の想いは徐々に嫉妬へと変化していく。そして1938年、事件は起こる。
建築家としてよりはル・コルビュジエの人間の部分が現れ、またアイリーン・グレイとコルビュジエの住宅建築に対する考え方の違いが内容に深みを出しているのではないかと思います。
映像の世界からコルビュジエを、または彼が生きた時代を知りたい方はぜひご覧ください。
|建築
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さいごにご紹介するのが「建築」です。
東京都の上野公園内にある国立西洋美術館。
この美術館は日本で唯一のコルビュジエ建築を体験できるところとなっています。
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柱で持ち上げられた下に生まれるピロティや流れるように情景が変化するスロープ、美術館内は一筆書きのように空間の繋がりを感じられます。
国立西洋美術館の向かいには東京文化会館があります。
こちらの建築はコルビュジエ弟子であった建築家 前川國男氏が手掛けたもの。建物の形状や色使いを見るとコルビュジエから受け継いだものを感じられる建築ではないかと思います。
パナソニック汐留美術館のコルビュジエ展を観覧した後、国立西洋美術館に行く、というコルビュジエを体験する一日を計画しても良いかもしれませんね。
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弟子だった前川國男氏が手掛けた建築
師弟の建築が並び立つ
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赤と青のトビラ、屋根の形状
師の影響を感じられる
国立西洋美術館の建築については以前に綴ったので、一読いただけたら嬉しいです。
ということで、いかがだったでしょうか。
コルビュジエを知るのに実は色々なアプローチがあります。
皆さんにとって入り込みやすい分野からコルビュジエに触れてみてほしいな、って思います。
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シャルロットペリアンが
デザインしたテーブルにも会える
それではこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
ではまた
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