「自由は死せず」で有名な板垣退助。彼にとっての民権の目覚めは東北戦争。国を見捨てて山を下る会津の農工商民の列を眼前にした時「亡国は民に見捨てられて起こる」と悟った。この体験が、板垣の自由民権・君民共治思想のバックボーンとなる。民は国の基。民を大事にする政治こそが国を守る。
板垣退助は、個人主義を超える個人主義として「高等個人主義」なる概念を打ち出した。自由は個人から生まれるものだけじゃない。社会の力によって守られる自由もある。個人性と社会性の調合のみが真の自由を保証する。この両者を上手く接合させるために政治があるのだ。『自由党史』巻頭の板垣の言葉。