「自由壮士の活動」安在邦夫先生 R6.7.31
はじめに
安在先生に初回の講座でお会いしたときのことは、こちらに書いております。
このとき、渡瀬裕哉口語訳「民撰議院設立建白書」を次回の講座で配布してくださる、と仰ってくださいました。そして、この日、とうとう実現しました!
渡瀬裕哉口語訳「民撰議院設立建白書」配布と説明
予期しなかったのは、その説明を私がするように、と安在先生から振られたことです笑
裕哉様が全国会議員に自腹を切って送り付けたエピソードを、このとき初めてお話しました笑 国会がなぜあるのか。減税会は結社のような存在ではないか。今それが全国にあることをお話しました。
安在先生の資料では、原文も掲載されていました。
原文を読んだことがなかったので、あらためて読んでみました。
ネット上には原文がここにありました。
照らし合わせてみると、安在先生の史料と何か所か違うところがありました。安在先生の史料には「日新眞事誌 明7.1.18」からの出典とありました。
私のnoteに、渡瀬裕哉現代語訳と原文にふりがなをつけたものを掲載しました。両方を同時に全文読めるサイトはあまりないかもしれません。ご参考まで。
では、ここから安在先生のご講義の簡単なまとめと感想を記します。
Ⅰ 自由壮士の活動
「壮士」とは何か。『広辞苑』初版と第五版で違うところがあります。 ③明治時代、自由民権思想を唱え歩いた者 という説明は、初版にはありませんでした。のちの研究が進んだ成果ですね。
実は、英語でsoushi=暴力的な人 という意味なんです笑
(スペルは確認要)
壮士についての様々な研究があります。
壮士活動としては大きく二つ、
政治的活動
文化活動
に分かれます。
今回は、とくに後者の文化活動についての講義でした。
Ⅱ 壮士演歌
1875年の讒謗律(ざんぼうりつ)や、1887(明治20)年の保安条例で、壮士の演説や言論活動が政府によって弾圧されました。(背景として1886年ノルマントン号事件がある)
そこで、活動の種類を、落語、漫談、演劇、歌にして表現するように変化させた。この歌が、壮士による「演歌」➡壮士演歌 として誕生しました。
有名なのは、川上音二郎の「オッペケペー節」。爆発的な人気を博しました。
下記写真は、安在先生所有のVHSビデオ。日本国憲法発布を記念してつくられた映画。まだご覧になっていない、とのこと。主演は坂東妻三郎(ばんつま)
その後帝国議会が開設されると、その活動は変容し、現在に繋がる系譜として、唯一、岡大介氏が活動を継続しています。
おわりに
90分の講義をあますところなく、言葉の定義からはじまり、大変分かり易くご講義くださいました。
最近の講義スタイルはPPを使う紙芝居的な流れが主流です。
安在先生は、PPを作ることはできないので講義スタイルはもうやっていないんです、とのことでした。今回は特別だったんですね。
資料ではなく、史料、と書かれているのも、アーカイブ管理としてなるほど、と思いました。
御年85歳になられるとこのことですが、講義中とても大きい声だなぁと感じた箇所がありました。そこは「主張したいところはつい。。。笑」だったそうです。長年ご研究を続けられ、今なおまだまだ足りないと探求心を持ち続けられて、後進の研究者の方々からも慕われる安在先生は本当に素晴らしいなぁと感じました。ご縁をいただけて感謝です。
安在先生とのご縁から、岡氏の存在を知り、来る11月4日の減税と規制カンファレンス2024に、岡大介氏に歌を披露していただくことになりました。
作詞は私です笑 作曲・演奏を当日お願いしています。ぜひ、会場に来て、一緒に歌いましょう!
減税あやさん R6.8.11