歴史研究において貴重な「敗者の伝」
私は歴史が好きなのでは歴史上の人物の自伝や回顧録、手記といったものを読むのが好きだ。これまで多くの人物たちの足跡を描いた書物を読み漁り(といっても百冊とかそんなレベルにあらず)、さまざまな時代の事件や出来事、歴史的瞬間、エポックメイキングを活字の上で追体験してきた。
時代の貴重な証言である自伝にも、厄介なところがある。おおよそが書いた人の「手柄話」や「自慢話」「言い訳」「自己弁護」になりがちなところだ。自分の活躍は徹頭徹尾かっこよく大きく見せて、都合の悪いところは巧妙に省く