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【心に響く漢詩】李白「將進酒」~さあ、飲もう!美酒で消さん、万古の愁い

【心に響く漢詩】李白「將進酒」~さあ、飲もう!美酒で消さん、万古の愁い

李白(701~762)は、「詩仙」と呼ばれる唐代随一の詩人です。

「將進酒」は、親交のある道士元丹丘に招かれ、友人の岑勳と共に3人で酒盛りをした時の詩です。

詩題「將進酒」(将に酒を進めんとす)は、楽府題で「さあ、酒を飲もう」という意味です。

――君よ、見たまえ、黄河の水が天上から落ちてきて、
東の海へと奔流し、永遠に戻らないさまを。
君よ、見たまえ、お屋敷の高貴な人が明鏡に映る白髪頭を見て

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どうして達男は殺さねばならなかったのか―中上健次「火まつり」の「なぜ」                             原浩一郎

どうして達男は殺さねばならなかったのか―中上健次「火まつり」の「なぜ」                             原浩一郎

皆様こんにちは
文芸エム編集部の鮎京です。

今回の記事は、文芸エムの原 浩一郎編集長による中上健次論です。

 中上健次による脚本の映画「火まつり」を観た。ラストシーンで主人公達男は、無言で猟銃をかざし、屋敷に集まっていた親族たちを次々に撃つ。さらに自身の二人の男児を射殺したその後に、一人座り込むと銃口を自身の心臓のあたりに当て、その引き金に足の指をかける。響く銃声。しばらく町の日常を映したのち

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さぬき弁の読書記録|はじめてのnote

さぬき弁の読書記録|はじめてのnote

ようこそ!さぬき弁の読書記録へ!

自己紹介 はじめまして!今日からnoteに読書記録をしたいと思います!

筆者について

性別 :男
職業 :大学生(もうそろそろ終わります。)
出身地:香川県
趣味 :読書、旅行、筋トレ、腕時計収集
(noteで語りたいことがたくさんありますが読書分野に絞ります!)

なぜ始めたのか文章を書いてみたい。

 noteを始めた理由は、文章を書いてみたいからです!

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のんびりと散策を楽しみたい栗林公園|香川旅

のんびりと散策を楽しみたい栗林公園|香川旅

今年の秋、香川県へ行ってきました。

瀬戸内海の島「直島」目的で訪れた香川県。直島以外の他にどこに行こうか悩んでいたところ、地元の人より提案されたのが高松市にある特別名勝「栗林公園」。

栗林公園は、月によって開園時間が変わっていて、私が訪れた9月は5時30分〜18時30分となっていました。なかなか6時前から開園するスポットってなかなか聞かないので驚きです。

この日の天気は雨だったので公園巡りが

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「人間らしい生き方」を求めて - 東京から岐阜の里山に移住した映像作家の自己紹介

「人間らしい生き方」を求めて - 東京から岐阜の里山に移住した映像作家の自己紹介

はじめまして。
2019年に東京から岐阜の里山に移住して、「農」と「宿」を暮らしのベースにしながら活動している、映像作家のシンディと申します。

シンディはもちろんあだ名で、移住当初に仲間から呼ばれ始めたけど、なんでそうなったのか、誰が名づけたのかもはや分からない笑

さて、ずっと書きたいと思っていたnoteにようやく着手します。

・プロフィールや過去のお仕事はこちら。

・築120年以上の古民

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夏目漱石の「真面目力」

夏目漱石の「真面目力」

私が中学一年生の頃、夏休みの宿題の読書感想文を書くための本を図書館で探していた時のことです。

本当は福沢諭吉の伝記を借りたかったのですが見つからず、
代わりに「お札繋がり」ということで夏目漱石の伝記を借りました。
(当時は千円札の肖像は夏目漱石でした)

夏目漱石にさほど興味はなく、最初は適当に読んで早く宿題を終わらせてしまおうという気持ちで読んだのですが、これがドハマりしてしまいました。

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不登校から人生の選択肢を広げる

不登校から人生の選択肢を広げる

心理士 ふく(風来)です
 
私がまだ学生として臨床心理学を学んでいた頃
日本で草分け的なフリースクールで
学生ボランティアを数年していました
そこに通ってくる子どもたちのなかには
手作りの気球を作ってみたり
コーヒーをバザーで販売した売り上げで
日本からヨーロッパまで船と鉄道のみで旅したり
(ユーラシア大陸横断はシベリア鉄道で)
疑問に答えてくれそうな専門家の先生を
外部から招いて授業をしてもら

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【本】ガルシア=マルケス 『百年の孤独』内容激辛スパイシー、取扱注意!

【本】ガルシア=マルケス 『百年の孤独』内容激辛スパイシー、取扱注意!

今年に入ってから売れに売れている文庫版『百年の孤独』。

私もようやく手に入れて、読了いたしました。

1   読了してみて、初めて気づいたこと
購入したのがちょうど夏休みに入ってからというタイミングもあり、
2日ほどで読み切ってしまいました。

1967年に刊行され、1972年、初訳。20世紀文学屈指の傑作と言われており、「マジック・リアリズム」なる言葉が独り歩きしてしまい、舞台がコロンビアとい

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(読書感想文)習慣と脳の科学 ― どうしても変えられないのはどうしてか 著:ラッセル・A・ポルドラック

(読書感想文)習慣と脳の科学 ― どうしても変えられないのはどうしてか 著:ラッセル・A・ポルドラック

つい最近読んだ本で、非常に興味深い本がありましたので、
断片的なご紹介ついでに、メモを書いています( *ˊᵕˋ* )
どなたかのご参考になれば、嬉しいです(*'▽')

→先の本と同じで、持続性・【生存し続ける】こと。

→良性ミームによる、恣意的なエコーチェンバーの形成と、
プロジェクション・サイエンスの文脈での
プロジェクティッド・リアリティも、同じこと。

→この意味でも、上と同じく、
良性

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「読書の態度」芥川龍之介 〜無遠慮に本を読む、無遠慮に生きる〜

「読書の態度」芥川龍之介 〜無遠慮に本を読む、無遠慮に生きる〜

おはようございます。
Xで抜粋を見かけて青空文庫で読んだのですが、芥川龍之介「読書の態度」良いですね。ぐっときました。

冒頭から冷静な分析。
おっしゃるとおりです。

たしかに、同じ女性だからといって重大な影響があるかは微妙ですものね。

いまは女性とか男性とか関係なく、どんな本でも読む人は読んでいるけど、当時はどうだったんだろう?

ほうほう。なるほど。

正直な態度で臨む。
私も、他人の感想

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文芸エム再始動!!

文芸エム再始動!!

皆さん初めまして。
文芸エム編集委員の鮎京と申します。

文芸エムは2020年8月に創刊した文芸誌です。

「魂の文学」「生きる武器としての文学」を掲げ、書くことに魅せられた者たちによる魂を込めた作品を発表する場としてきました。内容は詩、随筆、評論、小説など多岐にわたります。

2021年には全国同人雑誌協会の第一回全国同人雑誌優秀賞を受賞。  

また、年三回の刊行以外に文学ワークショップ、作品

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【書評】うどん県の歩き方 桑島明大・編著

【書評】うどん県の歩き方 桑島明大・編著

 noteの特徴である「決済機能」を使って、ワタクシも幾度か投げ銭をしたりオンライン詩集など買ってきました。ワタクシ個人については、自分ごときが自作に値段をつけて売るなどおこがましい、せめて100なり1,000なり多少は自分で納得できる程度にバズってからの話だと思って、まだ有償化は試みていませんが、かと言って出会った作品にビタ一文もゼニ払わない守銭奴、と思われるのもイヤでしょ?(悶)
 そんな中で

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純文学の水先案内人、福田和也さんを悼む

純文学の水先案内人、福田和也さんを悼む

文芸評論家の福田和也さんが亡くなった。

以前「私に影響を与えた有名人」というリストをXでポストしたときに福田さんの名前を挙げたら、「意外ですね」と言われたことがある。

私は保守の論客としての福田さんを支持していたわけではなく、読書の幅を広げてくれたことに格別の恩義を感じているのだった。

そのきっかけはこちらである。

2000年3月に刊行されたときはずいぶん話題になった。

というのも、現役

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万葉集の多様性と文化的背景

万葉集の多様性と文化的背景

万葉集は、日本最古の和歌集であり、飛鳥時代末期から奈良時代にかけての様々な社会階層の人々によって詠まれた約4,500首の歌を収めています。この特集では、万葉集に集められた歌に込められた多様な声や視点を探り、当時の文化的な背景や社会のあり方を深く掘り下げます。皇族や貴族のみならず、庶民や無名の歌い手によって詠まれた歌の分析を通じて、奈良時代の多様な生活や価値観を捉え、その文化的な多様性を明らかにしま

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