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#古典がすき

古典がすきだと感じたエピソード、学習の記録、勉強法など、古典にまつわる投稿を募集します!

人気の記事一覧

目の前の小さな物事の積み重ねが、やがて大きな成果となる(白居易「続座右銘并序」)

今回取り上げるのは白居易(白楽天)の言葉。 千里の道も足元の一歩から始まり、高い山も小さな塵が積み重なってできあがるのだ、という意味。 一歩一歩着実に前に進み続けることの大切さを語った言葉です。 千里の道も一歩から、ということですね。 この言葉は「続座右銘并序」という文章のものになります。 読み方は「ぞくざゆうのめいならびにじょ」。 「続〇〇」というのは、「『〇〇』という作品に倣って作った」という意味になります。 その作品への尊敬の気持ちを表して作った作品という

結局のところ、日頃の振る舞いの積み重ねが評価を作る(『書経』旅獒篇)

今回取り上げるのは『書経』旅獒篇からの言葉。 ささいな行いでも慎まなければ、いずれ大きな徳を失うことになる、という意味。 つまり、「このくらい別にいいか」という気持ちでいると、いずれ人としての大きな失敗につながってしまう、ということですね。 日頃からの心がけが大切なのです。 信頼を積み上げることは難しいものですが、失うときはあっという間に崩れ去ってしまいます。 現代ですらそうなのですから、戦乱の時代なら尚更です。 特に、臣下からの信頼や諸侯からの信頼はとても重要な

ささいな一言が災いを呼ぶ(『大学』傳九章)

今回取り上げるのは『大学』傳九章からの言葉。 上に立つ者のささいな一言が国を誤らせる。 逆に、徳のある人物が上に立つと国は安定する、という意味。 口は災いの元なので気をつけなければなりませんね。 最近は国内・国外に関わらず、さまざまな情勢が不安定になっているような気がします。 私のnoteは古典と歴史を楽しんでいただくためのものなので、政治的な話には触れませんが、責任ある立場にいる方々は特に発言には気をつけなければなりません。 自分のささいな一言が、国家や国民の安全

納豆の糸

フォロワーさんの記事の感想。 211.  中村直樹|NOVASTヘルスコーチさん。 この note をお勧めする人(私見) ① 健康は 大事。 ② 動画を見て 学ぶのがすき。 ③ 体によい 食事で 美しく生きよう。 美と健康の食事に 詳しい 動画中心の note。 納豆って やっぱり良いのね、よく食べるよ。 健康本のご出版、おめでとうございます。 では ここで 納豆の俳句を 2つ、どうぞ。 「納豆の 糸 引張つて 遊びけり」 「百両の 松をけなして 納豆汁」   どちら

【漫画】「望月の歌」ってどんな意味? ー 藤原道長は傲慢な歌を詠んだわけではなかった!?

平安時代の有名人、藤原道長の和歌 ー この世をば 我が世とぞ思ふ望月の かけたることもなしと思へば ー。 摂関政治の絶頂を極めた彼が、「この世は自分のものである。望月に欠けたところがないように私にも欠けたところがないのだから…」と自らの栄華を誇りに詠んだ傲慢な歌と言われてきましたが、果たしてそうなのでしょうか? 近年この和歌に新しい解釈がなされ、私たちにこれまでと異なる道長像を見せてくれています。 この「望月の歌」の新釈は、当時の政治状況とそこに関わるキーパーソン・藤原実

共鳴*能面の泣くも笑ふも秋思かな

☆能面作りは「彫り」と「塗り」。「塗り」は能面の化粧だそうです。  能面師 麻生りり子さんの記事です。 (岡田 耕)

寒山寺の鐘は鳴ったのか?

唐の張継に「楓橋夜泊」という詩があります。 晩秋の真夜中、蘇州城外に繋いだ舟の中でなかなか寝付けないところ寒山寺の鐘の音が聞こえてくるという旅愁を歌った詩です。 「四季を歌う漢詩4選」の中でも、秋の漢詩として採り上げました。 詩は次のような七言絶句です。 月は沈み、カラスが鳴いて、夜空に霜気が満ちている。 川辺の楓樹と漁り火が旅愁で眠れないわたしの目に映る。 ふと姑蘇城外(蘇州の町はずれ)の寒山寺から、 真夜中を告げる鐘の音が、わたしの舟にまで聞こえてきた。 「楓橋夜泊

日本では徳川家康の「大御所様」や大塚家具の件で良いイメージがあるかもしれないが、引退した幹部は、次世代の組織運営に口出すと、その組織は弱くなる。船頭多くして船山に上る、というように、任せたなら任せ、金は出すけど口は出さないのが、後継者を育てる要。失敗させるのも大切な仕事

『孫子の兵法』に学ぶX戦略⑭【最終回】

🌸Xフォロワー数が3000名を突破しました!皆様本当にありがとうございます🌸 『孫子の兵法』X攻略編が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです💖 この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます♪ 私の記事では約15回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしております。 今回は、「『孫子の兵法』をX戦略に生かしたらどうなるか?」のオリジナル記事第14弾となります🌟 X戦略編は今回がラスト!!皆さんどうぞお見逃しなく🎶 『孫子の兵法』とは何か?について特集した導入記事

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吉本隆明が語る小林秀雄の古典論

 「ほぼ日」ホームページに掲載されている、「吉本隆明の183講演」というコンテンツは、2015年から運用が開始された。文字通り吉本の講演録音がそのままフリーのアーカイブになったもので、テキストに起されているものもある。これを時々活用させてもらっている。文字通りの耳学問であって身についているかは心もとないが、吉本隆明の文章は難渋なものが多く、理解に苦しむことが多いのだけれども、講演となると意外なほど聴きやすくてわかりやすい。ここではそのうちのひとつ、「小林秀雄と古典」という講演

李白3選

李白李白(701~762)は、唐代を代表する詩人の一人です。明朗闊達、奔放不羈な生き方、尊大なまでの自負心の強さ、そうした人柄が豪放で痛快な詩風を生んでいます。ダイナミックな躍動感、非凡な着想と斬新な表現を以て自然と人生を歌っています。「詩仙」と呼ばれるように、老荘思想と道教の影響が色濃く窺えます。歌う内容は多岐にわたりますが、主に、酒・月・山河・友情などを題材に取っています。 「月下獨酌」天宝元年(七四二)、四十二歳の年、李白は玄宗に召されて長安に上ります。都の名士たち

陶淵明3選

陶淵明陶淵明(365~427)は東晋の詩人です。華美で技巧的な貴族文学が全盛期を迎えようとしていた時代にありながら、陶淵明は、平明古朴な言葉で自然の興趣と人生の真理を求める独自の清遠な詩の世界を築きました。菊と酒を愛した隠逸詩人、田園詩人として知られています。  「歸園田居」陶淵明は、四十一歳で彭沢(江西省)の県令を辞した後、郷里に帰り隠居生活を送りました。「歸園田居」は、帰隠の翌年、官界での不本意な生活に別れを告げて悠々自適の生活を送る喜びを歌ったものです。五首連作の第

「更上一層樓」~日中解釈の違い

唐の王之渙に「鸛鵲楼に登る」という詩があります。 前回アップした「山河を歌う漢詩3選」の中でこの一首を採り上げました。 詩は次のような五言絶句です。 白く輝く太陽は、山に寄り添うようにして沈み、 黄河は、遥か東の大海に向かって流れていく。 千里の彼方まで見渡したいと思い、 さらに一つ上の階へと登っていく。 さて、今回の記事は、この詩の後半二句の解釈についてです。 中国で出版されている注釈書では、ほぼ例外なく、転句と結句を、 「遠くまで眺望したいならば、さらに一つ上の

私訳『菜根譚』㊵~足るを知る者は心豊かなり

貪得者,分金恨不得玉,封公怨不受侯,權豪自甘乞丐。 知足者,藜羮旨於膏梁,布袍煖於狐貉,編民不讓王公。 得るを貪る者は、金を分かつも玉を得ざるを恨み、公に封ぜらるるも侯を受けざるを怨みて、権豪も自ら乞丐に甘んず。 足るを知る者は、藜羮も膏梁より旨しとし、布袍も狐貉より煖かなりとして、編民も王公に譲らず。

項羽と劉邦の漫才「四面楚歌」

項羽:どうも、天下分け目で負けました項羽です! 劉邦:どうも、天下取っちゃいました劉邦です! 劉邦:いやー、項羽さん、あの「四面楚歌」、ドラマチックでしたねえ! 項羽:おい、ドラマチックって軽く言うな! 俺にとっては人生最悪のシーンなんだぞ! 劉邦:でもさ、夜中に四方から故郷の歌が聞こえてくるって、ロマンチックじゃないですか。 項羽:ロマンチックじゃなくてパニックだよ!「あれ? 楚の奴らみんな俺を見捨てたのか?」ってパニクってたんだよ! 劉邦:でもさ、残ってくれた人もい

ちゅ~るこわい 再放送

【お江戸の野良猫が怖いモノとは】 🎍お正月特番🎍 こちらの記事は過去記事の  編集再アップでございます 🐾 今日は町内の若いもんの集まりなのですがどうせ暇だからってんで早くから仲間が集まりましてワイワイやりはじめました。話題はと言いますと、それぞれに自分の怖い生き物を言い合おうじゃないかということになりまして 「俺ぁ、なんといってもゴキブリが怖いねえ。あんなすばしっこい、真っ黒な生き物がいるだけでゾッとするね」 「俺ぁカマキリだね。あの顔と、なんといってもあの大きな鎌

2つの「靜夜思」

李白の有名な詩に「靜夜思」があります。 前回の記事「望郷を歌う漢詩3選」の中でも採り上げました。 詩は次のような五言絶句です。 静かな秋の夜、寝台の前まで差し込む月の光を見る。 あまりの白さに地面に霜が降りたかと見まごうばかり。 頭をもたげて、山上の月を眺め、 頭を垂れて、遥か遠い故郷を思う。 今回の記事は少々細かい話になります。 「靜夜思」の起句は、版本によっては次のようになっています。 「牀前看月光」と「牀前明月光」とでは、文法構造は異なりますが、一句の意味内容

「山河」を歌う漢詩3選

「敕勒歌」 北朝民歌「敕勒歌」(勅勒の歌) チョクロクの大草原、 それは陰山のふもとに広がる。 大空はあたかもドームのように、 四方の原野をすっぽりと覆っている。 空は青々と澄み渡り、 草原は茫茫と果てしない。 風が吹き草がなびくと、見えるのは牛や羊の群れ。 ✍️ 南北朝時代(五世紀初めから六世紀末)は、南と北にそれぞれ特徴的な民歌が残されています。南朝民歌は大半が男女の恋歌ですが、北朝民歌は質朴で雄壮豪邁なものが多く見られます。「勅勒歌」は北朝民歌の代表的作品の一つで

「雪」の漢詩

唐の柳宗元に「江雪」という詩があります。 雪の渓谷で独り釣り糸を垂れる老翁の姿を歌った水墨画のような詩です。 「四季を歌う漢詩4選」の中で、冬の漢詩として採り上げました。 詩は次のような五言絶句です。 山という山から鳥の飛ぶ姿は絶え、 道という道から人の足跡が消えている。 ぽつんと一艘の小舟に、蓑と笠を身にまとった老翁が、 ただ独り寒々とした渓谷の雪の中で釣りをしている。  「江雪」は、蕭条たる渓谷の冬景色を歌うばかりでなく、詩人の孤高の精神を歌った味わい深い詩です。

「梅花」の漢詩

先日の記事「花を歌う漢詩3選」の中で、梅花を歌った有名な漢詩として、北宋・林逋の「山園小梅」を採り上げました。 今回は、「山園小梅」以外であと2首よく知られた梅花の漢詩を読みたいと思います。 北宋・王安石「梅花」垣根のすみにたたずむ数本の梅の枝、 寒さをものともせず、ひとり花を咲かせている。 遠くからでも、それが雪ではないとわかるのは、 ほのかな香りが風に乗って漂って来たから。 南朝宋・鮑照「梅花落」 中庭にはさまざまな樹木が植えてあるが、 わたしが褒め称えるのは梅の木

王維3選

王維王維(701~761)は、李白・杜甫と並んで盛唐を代表する詩人の一人です。朝廷で官職を歴任し、尚書右丞(中央官庁の大臣)にまで至っています。自然の風趣を優美に詠じた天才詩人として名高く、音楽や絵画にも精通した多才な文人でした。敬虔な仏教徒で「詩仏」と呼ばれ、詩には禅的イメージを見ることができます。 「鹿柴」王維は、四十三歳の時、長安郊外に自ら輞川荘と名付けた別荘を構え、「半官半隠」の優雅な生活を送りました。輞川荘には 二十箇所の景勝地があり、友人の裴迪と共に一箇所それ

さいでんな〜 ほ〜でんな〜

アナログ派の愉しみ/落語◎『寿限無』『子ほめ』『松竹梅』

横丁のご隠居さんの 意味合いとは? 手元に面白いCDがある。俳優の顔も持つ落語家・柳家喬太郎が『寿限無』『子ほめ』『松竹梅』を披露した独演会(2007年2月、横浜にぎわい座)のライヴ録音だ。これらの古典落語に共通するものが何か、おわかりだろうか? そう、いずれも「横丁のご隠居さん」がキイパーソンとして登場することだ。したがって、三演目をとおして、まんなかにご隠居さんがどんと居据わり、そこに長屋の住人たちが入れ替わり立ち替わり訪れては椿事を繰り広げるという、約75分間におよぶ

杜甫3選

杜甫杜甫(712~770)は、李白と並んで唐代の詩人の双璧です。李白を「詩仙」と呼ぶのに対して、儒家的使命感を以てヒューマニズムを貫いた杜甫は「詩聖」と呼ばれています。また、ロマンチシズムの詩人李白が豪快で自由奔放な詩を歌うのに対して、リアリズムの詩人杜甫は、沈鬱で重厚、精緻で人間味のある詩を歌っています。詩の内容は、戦乱、庶民の苦難、我が身の不遇などが多く見られます。 「春望」天宝十四載(755)、安史の乱が勃発すると、当時、右衛率府兵曹参軍という下級官吏であった杜甫は

三島由紀夫『古典文学読本』(中公文庫)を読む—「日本文学小史」を中心に

 すごい本です。この本の内容は、古典そのものの読解に充分馴染んでいない私のような読者にはたいへん難しいのですが、一読してみて、三島なりの日本とか日本人についての秘密を暴露したものであることを直覚させられたような気がします。  特にこの本の半分ほどを占めている「日本文学小史」と名付けられた一連の文章は秀逸です。これは三島の最晩年の著作で、『群像』誌上に昭和44年から45年にかけて連載され、未完に終わったものですが、それだけに彼の思想の到達点を一部示すものでもあると思われます。

私訳『菜根譚』㉜~自然が奏でる楽曲、天地が織りなす絵巻

林間松韻,石上泉聲,靜裡聽來,識天地自然鳴佩。 草際煙光,水心雲影,閑中觀去,見乾坤最上文章。 林間の松韻、石上の泉声、静裡に聴き来たりて、天地自然の鳴佩を識る。 草際の煙光、水心の雲影、閑中に観去りて、乾坤最上の文章を見る。

杜牧3選

杜牧杜牧(803~852)は、晩唐を代表する詩人です。官は中書舎人(詔勅の起草を掌る官)に至りました。風流才子の名を馳せた文人で、当時最も繁華な都会揚州(江蘇省)の妓楼に入り浸って詩を詠じたと言われています。経世の志を抱いた豪毅な論客でもあり、しばしば時の政策に対して上奏文を奉りました。また、兵法に精通し、『孫子』の注釈書を著しています。 「江南春」杜牧の詩は、軽妙洒脱な中にも情感溢れる数々の七言絶句が人々に愛誦されています。とりわけ「江南春」(江南の春)は、孟浩然の「春

今日の短歌~会津編

※新走り:新酒のこと 二首目は、私にしては珍しく破調。 先日参加した「実践的短歌講座」で、「若い人の歌はうまいものも多いけれど、反面、どこででも成り立つような情景を詠んだ歌も多い」という苦言を頂き、冬の会津を舞台に詠んでみました。 元々私の場合、俳句でも「ご当地句」を詠む傾向が強いのですが、これは、今月4日に逝去された地元の俳人「森川光郎」先生の影響だと思います。 そう言えば、冬の猪苗代の情景も、しばらく見ていないなあ……。 #今日の短歌 #古典がすき #冬の1コマ

自分の素直さが仇となりうつ病になった私が、素直が善か悪かを考えてみた✨

七海恋です✨ 突然ですが、 『西鶴諸国話』(サイカクショコクバナシ)を ご存知ですか?🩵✨ 『西鶴諸国話』は、井原西鶴が 300年前に書いたもので、 諸国の不思議な話や珍しい話をもとにしたお話が 35篇載っているものです✨ 私は、星新一のショートショートや、 こういった短編の昔話が大好きで、 私の国語の授業では、こういった短編の 起承転…まで読んで、 みんなが一番いいと思う結末を考えて、 班で発表してもらうといった アイスブレイクを行っています🩵✨ この活動は、 ワ

「四季」を歌う漢詩4選

春: 「春曉」 唐・孟浩然「春曉」(春暁) 心地よい春の眠り。夜が明けたのも気づかなかった。 あちらこちらから、鳥のさえずりが聞こえてくる。 昨夜は、風や雨の音が激しかった。 咲いていた庭の花は、どれほど散ってしまったことやら。 ✍️ 唐の孟浩然は、李白・杜甫・王維と並んで「盛唐四大家」と称される詩人です。孟浩然の詩は、平淡自然でしかも温かみを感じさせる味わい深い趣があります。五言絶句「春曉」は、漢文の教科書に必ず採録されている作品で、日本で最も人口に膾炙している漢詩と

方にゃん記

「ゆく猫の足跡は絶えずして、しかももとの足跡にあらず」 行く水の如く猫の世は定めなく、住む所も定めなし。今日見し猫は昨日の猫に非ず、明日の猫も亦た今日の猫に異なりぬ。されば、川の流れに浮かぶ泡の如く、猫の命は儚く、生まれては消え行き、消えては生まれ行く。暫しの間も留まることなく、刹那に輝きて散りぬ。 この世に住む猫どもを見るに、その有様まことに水の如し。されば時として箱に入り、または柱にからみ、あるいは畳の上に散らばりて横たわる。その姿はまことに自在なれども、いずれも久しか

『孫子の兵法』に学ぶX戦略⑪

この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます♪ 私の記事では約15回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしております! 今回は、「『孫子の兵法』をX戦略に生かしたらどうなるか?」のオリジナル記事第10 弾となります🌟 『孫子の兵法』とは何か?について特集した導入記事(無料)はこちらです。(過去記事のポイント解説はマガジン購入がお得です♪) まだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってみてくださいね! 『孫子の兵法』は、現代のビジネスにも生

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「花本大神(はなもとのおおかみ)」、誰のことかご存知ですか? 俳諧師・松尾芭蕉の神号、神さまとしての呼び名なのだそうです。風流。

私訳『菜根譚』㉙~人に嫌われても構わない

曲意而使人喜,不若直躬而使人忌。 無善而致人譽,不若無惡而致人毀。 意を曲げて人をして喜ばしむるは、 躬を直くして人をして忌ましむるに若かず。 善無くして人の誉れを致すは、 悪無くして人の毀りを致すに若かず。

【読書】風姿花伝(世阿弥 著)

 今日は、2024年12月30日(月)です。年末も近まってきました。九州に戻っています。年末年始は、自分が好きな本(関心がある本)を読んでみたいと思い、手に取った本は、世阿弥の『風姿花伝』です。感想など記録を残します。  ■私が手にした本 『風姿花伝』は、世阿弥が記した能楽論です。書店棚には、古文のもの、現代語訳のもの、いくつか置かれていました。私が手に取ったのは、致知出版社の『風姿花伝』で、夏川賀央さんが現代語訳しています。  本の構成としては、『風姿花伝』オリジナルの第

私訳『菜根譚』㉘~ただやるだけではやる意味がないこと

讀書不見聖賢,為鉛槧傭。 居官不愛子民,為衣冠盜。 講學不尚躬行,為口頭禪。 立業不思種德,為眼前花。 書を読みて聖賢を見ざれば、鉛槧の傭と為る。 官に居りて子民を愛せざれば、衣冠の盗と為る。 学を講じて躬行を尚ばざれば口頭の禅と為る。 業を立てて徳を種うるを思わざれば、眼前の花と為る。

「影は平羌江水に入って流る」?

唐の李白に「峨眉山月歌」という詩があります。 先日アップした「月を歌う漢詩3選」の中でもこの一首を採り上げました。 詩は次のような七言絶句です。 峨眉山の上にかかる半輪の秋の月、 その月影が平羌江の川面に映り、水と共に流れゆく。 夜、清溪から船出して三峽に向かい、  振り返っても君の姿は見えず、舟は渝州に下っていく。 さて、今回の記事は、些末なことですが、承句の書き下し文についてです。 わたしは、「影は平羌に入りて江水流る」と書き下しましたが、漢文教材、漢詩の参考書、

『孫子の兵法』に学ぶnote戦略⑮(最終回)

いつも私の記事をご覧くださり、誠にありがとうございます。 久々に、『孫子の兵法』のポイント解説に戻ってまいりました……! 実は、孫子の本編解説は終わっており、残すところは、note戦略編とX戦略線がそれぞれあと僅かなのです……🌸 今回は、『孫子の兵法』をnote戦略に生かしたらどうなるか?のオリジナル記事第15弾となります🌟 これにて、note戦略編は完結!! わーい!! 長かったですが、無事に完成出来て良かったです😭🌟 皆様におかれましては、大変長期に渡り、ゆ

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リーダーが身につけたい習慣

リーダーシップについて勉強しているのに、実際の仕事の場では成果が出せないと感じたことはありませんか? それはリーダーシップはスキルだけでは成立しないことを理解できていないのが原因ではないかと思います。 ネットでリーダーシップに関する情報を拾い読みしても、新刊書を買ってみても、それらで紹介されているようなものを自分の習慣として身につけないと、その時だけリーダーシップが「わかったような気になる」だけで終わりです。 リーダーシップを構成するのは、スキルと人間力の両輪です。

歳時記を旅する55〔きりぎりす〕前*離れたる眼と眼さびしききりぎりす

土生 重次 (平成四年作、『素足』) 元禄二年(一六八九)七月二十五日(陽暦九月八日)、芭蕉一行は加賀小松の多太神社に参拝する。 ここで斎藤別当実盛の遺品である甲冑などを拝観し、「むざんやな甲の下のきりぎりす」の句を残した。 兜の持ち主だった斎藤実盛は、源平合戦で平家の武将だった。倶利伽羅峠の合戦で敗れ、加賀の篠原で再び陣を取り戦ったが、木曾義仲軍の前に総崩れとなった。そんな中、実盛は老体(七十三歳)ながら奮闘したが討ち死にした。 句のキリギリス、離れた両眼は八方を見渡せそう

大河「光る君へ」〜はばたき〜

おはようございます。 ミュルアです。 今回の「光る君へ」【はばたき】は、本当に見応えがありました。 見終わって、まひろではなく道長という男について考えてしまいました。 藤式部が、「書いていても、本当に伝わって欲しいことはなかなか伝わらない」と言っていましたが、女性の苦しみを描くことで読み手である道長にまひろは苦しい胸の内を知って欲しかったのではないでしょうか。 【源氏物語】を書くようになって藤式部は、道長に近い所で働いていますが、それは、倫子に対し、嫉妬したり、我慢した

「送別」を歌う漢詩3選

「易水送別」 唐・駱賓王「易水送別」(易水送別) ここ易水のほとりは、刺客荊軻が燕の太子丹に別れを告げた地だ。 血気盛んな丈夫の髪は、悲憤のあまり冠を突き上げるほどだった。 あの当時の人々はすでに没し、遠い過去のこととなったが、 易水の水は、今もなおあの日と変わらず、寒々と流れている。 ✍️ 駱賓王は初唐の詩人です。「易水送別」は、戦国時代の刺客荊軻のことを歌った五言絶句です。燕国の太子丹から秦王政(後の始皇帝)の暗殺を命じられた荊軻は、秦の宮殿に向かって旅立ちます。刺

「朝寝坊」の漢詩

唐・孟浩然の「春曉」は、おそらく日本で最も有名な漢詩でしょう。 前回投稿した記事「四季を歌う漢詩4選」の中でも、春の漢詩として採り上げました。 詩は次のような五言絶句です。 心地よい春の眠り。夜が明けたのも気づかなかった。 あちらこちらから、鳥のさえずりが聞こえてくる。 昨夜は、風や雨の音が激しかった。 咲いていた庭の花は、どれほど散ってしまったことやら。 さて、この詩は、春の朝の風情を歌った詩という解釈だけでも十分に味わいのある作品になっていますが、さらに作者の経歴や

私訳『菜根譚』㊲~人の噂を鵜呑みにしてはいけない

聞惡不可就惡,恐為讒夫洩怒。 聞善不可急親,恐引奸人進身。 悪を聞きては就ち悪むべからず、讒夫の怒りを洩らすを為すを恐る。 善を聞きては急に親しむべからず、奸人を身を進むるを引くを恐る。

大河「光る君へ」〜望月の夜〜

おはようございます。 ミュルアです。 昨夜は、大河ドラマ「光る君へ」第四十四回「望月の夜」をご覧になりましたか? 1年近く待ちに待った【望月の歌】がやっと登場しましたね。 平安時代の摂関政治を象徴し、藤原道長の栄華を誇った歌として有名でしたが、昨夜の放送では、これまでとは異なる解釈だったように思います。 【月】と言えば、【后】を表わすことから、道長の娘3人がすべて天皇の后になったことを寿ぐ歌のようにまず感じました。 今まで散々言われてきた傲慢さは感じませんでした。 もし

私訳『菜根譚』㉝~長持ちする幸せの作り方

一苦一樂相磨練,練極而成福者,其福始久。 一疑一信相參勘,勘極而成知者,其知始眞。 一苦一楽、相磨練し、練極まりて福を成す者は、其の福始めて久し。 一疑一信、相参勘し、勘極まりて知を成す者は、其の知始めて真なり。

 『孫子の兵法』に学ぶX戦略⑩

この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます♪ 私の記事では約15回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしております! 今回は、「『孫子の兵法』をX戦略に生かしたらどうなるか?」のオリジナル記事第10 弾となります🌟 『孫子の兵法』とは何か?について特集した導入記事(無料)はこちらです。(過去記事のポイント解説はマガジン購入がお得です♪) まだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってみてくださいね! 『孫子の兵法』は、現代のビジネスにも生

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アナログ派の愉しみ/本◎久生十蘭 著『昆虫図』

すぐ銀蝿が来て、 それから蝶や蛾が来て あでやかな恐怖。久生十蘭の『昆虫図』(1939年)を前にすると、そんな言葉が浮かびあがってくる。手元の文庫本ではほんの3ページ半の分量だから、短篇小説やショートショートというより散文詩といったほうがふさわしい気がする。いっそ全文を書き写してしまえば話が早いわけだが、ここはやはりわたしなりの読み解きで紹介してみよう。   青木が女連れで路地裏の湿っぽい土地に越してくると、地続きの隣家には元薬剤師という貧乏画家の伴団六と陰気な細君が住ん

歳時記を旅する55〔きりぎりす〕後*秋風や二手を合はす千手佛

    磯村 光生 (平成八年作、『花扇』)  八月五日(陽暦九月十八日)、芭蕉は那谷寺を立ち寄り、「石山の石より白し秋の風」の句を詠んでいる。  那谷寺は、本尊は十一面千手観音で拝殿の奥の岩窟内に安置されている。千手観音は、胸の前で合掌する二本の手のほかにある千本(那谷寺は四十本)の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする、観音の慈悲と力の広大さを表しているという。  秋風は色なき風ともいい、空気が一際透きとおる感じがする。句の観音様の祈りも、身に沁みとおる

〈企画参加〉 恋文求ム 〜 文香から徳次へ

今回は再び三羽 烏さんの企画 #恋文求ム に参加させていただきますん。 さて、徳次さんからの恋文のお返事、文香どう書く!? ❊ ❊ ❊ ❊ ❊   『    徳 次 さま  お手紙拝見ゐたしさうらふ。お返事遅くなり失礼してね。解読に多少お時間要しましたの。意外なお手紙いただひてどんなに嬉しく拝見したかわかりませんわ。けれども文香が間違へておりませねば、もしやこれは貴方からのラヴレタアではないでせうか? そうですわ、きっと。もしそうであったなら、ほんたふに夢のような