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#古典がすき

古典がすきだと感じたエピソード、学習の記録、勉強法など、古典にまつわる投稿を募集します!

人気の記事一覧

『孫子の兵法』に学ぶnote戦略⑮(最終回)

いつも私の記事をご覧くださり、誠にありがとうございます。 久々に、『孫子の兵法』のポイント解説に戻ってまいりました……! 実は、孫子の本編解説は終わっており、残すところは、note戦略編とX戦略線がそれぞれあと僅かなのです……🌸 今回は、『孫子の兵法』をnote戦略に生かしたらどうなるか?のオリジナル記事第15弾となります🌟 これにて、note戦略編は完結!! わーい!! 長かったですが、無事に完成出来て良かったです😭🌟 皆様におかれましては、大変長期に渡り、ゆ

¥100

鑑賞*笛吹川の風美しき九月かな

佐野 聰 川の流れを眺めながらも対象物との間に時間の流れを置いて笛吹川を透かし見ている。 笛吹川、なんとも美しく一度聞いたら忘れられない名前である。 その名前の由来は悲しく、六百年ほど前、父を追って住みついた笛の名手の権太郎と母が秋の長雨による洪水で流されて…という悲話が言い伝えられている。 悲しい気持ちのときほど空や風の美しさが身にしみる。 (岡田 耕) (俳句雑誌「風友」平成二十四年一月号 「風友」五周年記念大会吟行記「笛吹川の風美し

どうして茅の輪をくぐるのか(その3)

【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その1) 【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その2) この菅貫神事は現在の宇佐神宮でも、7月31日、8月1日、8月2日に斎行される御神幸祭(夏越祭り)の中で行われています。 菅貫神事の流れは文字ではわかりづらいので動画でも確認しましょう。  菅貫神事は動画の8:05から3分程度収録されています。(宇佐市観光協会ツーリズムTV 平成25年8月2日収録) 動画に出てくる字幕を以下に書き出します。 ここで押さえておくべきは、「神

歳時記を旅する54〔西鶴忌〕中*灯火親し句集に栞る葉書かな

 佐野  聰 (平成三年四年作、『春日』) 一六七五年、西鶴は三十四歳で、結婚して十年近くともに生活をしてきた九歳年下の妻を疱瘡(天然痘)で亡くす。  この年に「脈のあがる手を合してよほととぎす」から始まる千句近い俳諧を詠んで、大坂俳壇の俳諧師の追善句も加えた『独吟一日千句』を刊行し、妻に手向けた。 句は、読み続けた句集に手を止めたところ。栞にする葉書もまた読み返したくなる。涼しく、長くなった秋の夜。 (岡田 耕) (俳句雑誌『風友』令和六年九月号「風の軌跡

どうして茅の輪をくぐるのか(その2)

夏の祓は平安時代には行われていた。 『拾遺和歌集』に「水無月の 夏越の祓する人は 千歳の命 延ぶといふなり」という歌があり、平安時代中期には宮中で行われていたようである。 菅貫という草の輪は、夏の祓の道具として用いられていた。 平安時代の年中行事を描いた『年中行事絵巻』の「六月祓」にも、その菅貫の場面が描かれている。 手前左の池に面して案(机)が置かれ、その上には幣串(白木の棒に紙を挟んだ串で、祓に用いる)が立てられている。案の前には円座(丸い形の敷物)が置かれ、祓をする

どうして茅の輪をくぐるのか(その4・完)

【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その1)  【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その2) 【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その3) どうして茅の輪をくぐるのか。  その由来と神話とのかかわりについて、歴史学者・東洋古代思想史研究家 村上瑞祥さんのコラムに興味深い説明があったので、これまでの疑問ごとに結論の部分を抜粋、要約する。 1)なぜ「茅」なのか。 ⇒中国では古くから茅は魔除けとして、また神前に備える供物として使われてきた。漢字の「茅」の文字は、「草

日記8/10-11🏖️ ・体調も含めていろいろとリラックスできている休日✨ →睡眠、食事、散歩もバランス良し👍 ・長期的な目標ほど、強い意志が必要💦 →資格勉強、投資計画など自分に厳しくせなあかん🔥 ・「ご縁を大切に」できる人に →習慣を変えれば、結果として運命も変わってくる🌟

日本の古典文学がおもしろい。ということに気づいた。

本を読みたくてもその時間がない。というのは忙しい現代人の共通の悩みかもしれません。 *通勤時間に本を読む → 車通勤なので無理 *昼休みに読む → 職場では落ち着かないので無理 *朝早起きして読む → 起きれないから無理 *寝る前に読む → 興奮して寝れなくなるから無理 休日は休日で何かと忙しい。 うーむ、読めない理由しか浮かんできません。 オマケに自分は遅読なもので、長編小説に手を出すと相当な時間がかかってしまいます。 ですので明らかに分厚い本や、上下巻に分かれている

大河「光る君へ」〜安倍晴明と須麻流の最期〜

こんばんは。 ミュルアです。 今夜も、大河ドラマをリアルタイムで観てしまいました。 稀代の陰陽師・安倍晴明が従者の須麻流を連れて宙(そら)に帰ってしまいました。 瞳に星を宿し、天文博士らしい最期でした。 道長にとっては、未来を示唆する陰陽師というより、良きメンターであったように思います。 それにしても、未だ謎なのは、従者の須麻流の正体です。 危篤の晴明の側で必死で阿弥陀如来の真言を唱えていましたが、一緒に旅立つとは…。 須麻流(すまる)の名は、プレアデス星団の和

大河「光る君へ」〜月の下で〜

こんにちは。 ミュルアです。 「光る君へ」(31)【月の下で】を観ました。 あまりに夢中になって、あっという間に終わってしまいました。 今まで、ずっと道長とまひろを見守ってきましたが、今回が一番見ていて、やっとこんな関係に昇華したと安心しました。 道長は、まひろの必要とする情報も高価な越前和紙も気前よく差し出してしまう。 恥も弱い所もまひろになら打ち明けてしまう。 まひろは、こんなに愛され必要とされているのに妾にはならず、宣孝と結婚しました。 時が経ち、今回、作家と

THE男の涙!決断! 陸魯望「離別」。

またまた「中国古典名言辞典」より。 只今、「古文真宝」のところ。 「泣くな!男だろ!」 って言葉よくあるねー。 歌とか多そう。調べたら面白い。 昔ほどその傾向が強そうな。 今なら、 時代錯誤的? そんな価値観の中で 生きてきたから、 もう泣き方分らんくなったな笑 あと「決断」ね。 ズバッ!とね。 難しいね。 ちな「決断」の語源は、 昔の中国での洪水対策で、堤防を壊し、 どこかの村を犠牲にさせることを決めたことかららしい。 サクリファイス。 やっぱ、 何かを得るには

『孫子の兵法』に学ぶnote戦略⑫

いつも私の記事をご覧くださり、誠にありがとうございます。 数回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしております! 今回は、『孫子の兵法』をnote戦略に生かしたらどうなるか?のオリジナル記事第12弾となります🌟 『孫子の兵法』とは何か?について特集した導入記事(無料)はこちらです。(過去記事のポイント解説はマガジン購入がお得です♪) まだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってみてくださいね! 『孫子の兵法』は、現代のビジネスにも生かせる古典

仕事ができる人はどんな難問・要求にも「ノー」とは言わない―『論語』

無茶ぶりの要求がきたらどう対応するのか  教科書、マニュアル、ビジネスのテキストには、正解や解決法がわかりやすく示されていて、そのアドバイス、指示通りにやれば、スムーズにいくことが多いです。  ChatGPTは未体験ですが、対話型の解決ツールなら、知りたいことや政界の近くにまで導いてくれます。公開されている情報や知識には、それなりの検索スキルがあれば、かなりの精度でアクセスできるといっていいかもしれません。  しかし、世の中の事象をみてみると、予測不能のこともあれば、対応

釜の中で泣く豆、、、厳しい現実ヨ。 曹子健「七歩詩」。

またまた「中国古典名言辞典」より。 只今、「古文真宝」のところ。 同胞が争いあうなんて馬鹿げてる、的な? または、 それぞれ役割がある、的な? まあどっちも厳しいぃぃ現実! で、 これは三国志・曹操の子、曹植のやつなんだ。 曹植って気になるやつよのー、たぶん好き。 あー、 定期的に読みたくなる「蒼天航路」。。。 ★\(^^)/☆(よろしければ、スキ!&フォロー!してくれると嬉しいdeath!❤)

和歌の世界に、涼をもとめて。

連日、気がつけば、「暑いなぁ…」ということばがこぼれ落ちてばかりいます。 なにか、涼を感じるものにふれたい。 ただ冷たいだけではなくて、気持ちが凪ぐようなもの、森閑とした空気をまとったものが良いな。 本棚から「新古今和歌集」を取り出して、冬歌を眺めわたします。 上の一首は、高校生のときに古典の教科書のなかで出会って以来、ずっと好きなうた。 凍てついた月の冷たさ、美しさに指先がしびれるような感覚をおぼえました。ことばの連なりを見ていると、今いる場所から離れて、モノクローム

千年後の夜に

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川  からくれなゐに  水くくるとは        在原業平朝臣 娘、現在小学6年生。 暇さえあればスライムを練っている。 YouTubeで研究を重ね、100均で洗濯糊を買いあさり、ハンドソープや紙石鹸を練り込み、絵の具を入れ、ラメを入れ、ビーズを入れ、ネッチネッチネッチネッチ……。 一昨年の誕生日プレゼントがどうしてもと言われたNintendo Switchだった。 マリオカートとやわらかあたま塾をセットで購入した一昨年からいっさいソフトが

大河「光る君へ」〜陰陽師・安倍晴明〜

こんにちは。 ミュルアです。 今朝方、大阪で停電があったようですが、大丈夫でしたか? この暑さの中、大変だったと思います。 お見舞い申し上げます。 また、台風も関東に迫っております。 地震も気になりますし、我が家では、防災の備えを見直しました。 前から買うか迷っていたポータブル蓄電池とソーラーパネルを購入しました。 皆様も、防災グッズの見直しをお勧めします。   ところで、遅ればせながら大河ドラマ「光る君へ」(30)【つながる言の葉】を観ました。 ドラマの中で、貴族も

源氏物語の超・入門書『30日de源氏物語』を書きました!

『30日de源氏物語』が刊行されました! 怒涛の3か月連続刊行祭りの3冊目でありました。『源氏物語』を30日で読もう、というコンセプトの「30章で源氏物語のキャラやエピソードを理解できる本」です! ぜひ読んでもらえると嬉しいです。 個人的に本書を書いたきっかけは、大河ドラマ『光る君へ』が始まる前から、こんな質問をされることが増えたことでした。 「『源氏物語』のおすすめ現代語訳って、どれ?」 ……現代語訳か!!!!! 古典好きで『源氏物語』好きの私ですら、正直、この質問

¥500

【漫画】和泉式部ってどんな人? ー 恋多き女性の隠れた魅力 ー

平安時代中期の歌人・和泉式部。 2人の夫をもち、2人の親王と恋仲になった”情熱的”な女性と評されますが、それだけでない、隠れた魅力がありました。 実を言うと、私は和泉式部がかなり好き。 彼女の人生をたどり『和泉式部日記』を眺めることで、華やかな恋愛遍歴の奥にある人間的な魅力に迫りたいと思います。 為尊親王との出会いで花開く、和泉式部の和歌の才 和泉式部といえば、まずその和歌の才に目がいきます。 『源氏物語』の作者であり、和泉式部の先輩女房であった紫式部も彼女の才能に一目

過不足やかたよりがない。バランスがとれた生き方を目指したい―「中庸」

かたらずほどよく、平凡普通でコンスタントなこと。 それが、孔子が説く考え方の基本の1つが「中庸(ちゅうよう)」です。 平たく言えば、いついかなるときでも、バランス感覚をもって対処することが大事ということです。 思い入れが強すぎると、やりすぎてしまいがち。 慎重すぎると、タイミングを失したり、やる気がないと周りから勘違いされたり。  人から信頼されるようになるには、一目置かれるようになるには、バランス感覚を備えていることが必要です。ただ、それは状況によってかわるところがあるの

「科挙」~死人が出る受験地獄

科挙の歴史科挙は、隋代に始まった官吏登用試験である。 その前の魏晋南北朝時代では、人物を9ランクに評価して各地方から中央に推挙する「九品官人法」が行われていた。しかし、これは主観的で情実が入りやすい選抜法であったため、門閥貴族によって上級官職が独占され世襲されるという結果を招いた。 隋の文帝に至って、中央集権的な官僚体制を打ち立てる必要から科挙の制度が実施された。 科挙は、「秀才」「明経」「明法」「明算」「明書」「進士」の6科に分けて試験が行われた。なかでも経書の学識

出会いがあれば別れもある。これは仕方ない事。別れる相手がますます幸せになるためなら笑顔で。病気などだと悲しい。また元気になって戻ってきてほしい。 歳を重ねると別れることが多くなってきた気がする。 一合一会の心で

【読書】10分でおもしろい源氏物語

 2024年9月2日(月)、『10分でおもしろい源氏物語』を読了しました。記録を残します。 ■はじめに 本書は、世界文化社から、2023年12月15日に発行された本です。著者は時海結以さん、監修は山本淳子さんです。  源氏物語54帖が、6つの章に分けられ、それぞれの章が10分程度で読めるぐらいに要約されています。いわゆる入門書で、本の帯にも「小学校高学年からの古典入門」と記載されています。  2024年は『源氏物語』の年と思い、私も荻原規子さんの現代語訳を手にとっていまし

まあ、いわゆる読書のススメですね ♪ 古来よりの。 真宗皇帝&王安石。

またまた「中国古典名言辞典」より。 只今、「古文真宝」のところ。 でも思うに、 読んだ内容を血肉とし、アウトプットしないと、 いけなくなくなくなーい??? それがむずぃーのよ。 読むだけなら何とでもなるけどね。 活かしきれない問題があるのよね。 脳力のある人はそれが自然とできるのかな? もしくは何かトレーニングでも? …… の前に、 本が読めるときと読めない時があるよなー。 忙しさ?気分?タイミング? ★\(^^)/☆(よろしければ、スキ!&フォロー!してく

【漫画】『源氏物語』ってどんな話? ー 「いづれの御時にか」の革新性! ー

古文の授業で必ず触れる、『源氏物語』の冒頭「いづれの御時にか…」。 実はこの一節、それまでの物語とは一線を画す、革新的なフレーズだったのです…! 『源氏物語』は世界最古の長編小説であり、千年も前に一人の女性の手によってこのスケールの物語が書かれたというだけでも評価されるべき存在です。しかし、『源氏物語』のすごさは”長さ”だけではありません。 『源氏物語』は、その冒頭で、全く新しいジャンルの文学を生み出したといってもいいくらい革新的なものでした。 当時のほかの物語等と比較し

私はこの方法で漢文が読めるようになりました

みなさん、ご機嫌よう。 報告が遅れましたが、何とか1ヶ月連続投稿を叶えることができました😊 みなさんのスキやコメントのおかげでnoteを継続することができたのです。 ありがとうございます🙇 本題です。 漢文が得意だという人に今まであったことがありません。ネット上ではちらほら散見されますが、リアルには出会ったことがありません。 漢文といいますと、やはり時代遅れなイメージがどうしても付きまといます。 それでもなお、私が漢文にこだわるかといいますと、面白いの一言です。

話が通じない大人💦国語は何のために学ぶのか?地球温暖化と地軸の変化について

日本人の中にはたまに、学校の勉強や義務教育が不要だと言う人がいます。私はこれは極論だと思います。私は最低6~9年間はしっかり学校教育や私塾などで教育を受けるべきであると考えています。 教育の中でも一番大切な教科は、ズバリ、国語です。私は大人になってから話が通じない大人たちに出会って驚くことが多かったのですが、彼ら彼女らに共通している点はたった一つでした。それは子どもの頃に勉強をしっかり行って来なかったことです。その中でも国語を軽視して来た人たちには、本当に悩まされました。

才能を伸ばしてあげたい。そう願って熱く指導することの功罪―「助長」の教訓

熱血指導NG時代に若い人をどうやって育てるのか  打たれ弱い、いまの若い人をどうやって育てたらいいのか?  少しでも厳しい言い方をすると、「きつく叱られた」と受け止められて、パワハラで訴えられるリスクがある。なので、間違いやミスを正すこともためらってしまう。  それでも、一人前になってほしい、という思いから、ことあるごとに注意をし、自覚を促す。そんなことを繰り返していると、ある日連絡がとれなくなり、やめてしまう。 「パワハラ」という言葉などない時代に、下積み・現場の経

「暑いときは暑さになりきってしまう」とは? 禅「無寒暑(むかんじょ)」の教え

暑さ寒さのない世界はどこにあるのか  猛暑の勢いが衰える気配がないので、怪談のようなものではなく、気分だけでも涼しさを感じることができる話がないかと思っていたところ、禅に詳しい方から、こんな話を教えていただきました。 『碧巌録』(へきがんろく)にある「洞山無寒暑(とうざん・むかんじょ)」というものです。禅の話は基礎教育が不足しているので、ほとんど引用になることご容赦ください。  ある僧が洞山(とうざん)禅師(ぜんじ)に聞いた。 「ひどい寒さ、ひどい暑さがやってきたら、どこ

100%自分のために記事を書いても良いのだが、コメント欄でそれは悪い⚓ 食は人の天なり(徒然草・吉田兼好) 菜根譚(さいこんたん)

私たちnoteクリエイターは多くの場合自分のために記事を書いています。私の場合は、それが「間接的にどこかの誰かのためになっていれば本望である」、という軽い動機で毎日記事を書いています。 しかし、他人のコメント欄で好き勝手に書くことは問題ありです。 今回は、「自分のために記事を書こう。それが少しでも誰かの役に立っていたら嬉しいよね?でも、コメント欄における自己中心的な書き込みは問題だよ」という内容で記事を書きます。 なお、<今日の日記>のところで、「食は人の天なり(徒然草

アナログ派の愉しみ/本◎メアリー・シェリー著『フランケンシュタイン』

あまりにも思弁的な 怪物を生みだしたものは イギリスの女流作家、メアリー・シェリーが匿名で出版した『フランケンシュタイン』(1818年)を知らない者はいないだろうが、しかし、実際に手に取って読んでみると、きっとだれもが少なからず戸惑ってしまうに違いない。 というのも、われわれが映画やテレビで接してきた、あの巨大な絶壁頭と首のボルトがトレードマークで意味不明の唸り声をあげるだけのキャラクターとは異なり、ここで少壮の科学者ヴィクター・フランケンシュタインがつくりあげたのは

平安京以前の京都には何があったのか?

文=古川順弘(文筆家) 喧騒の京都を離れて辿る静謐の古社たち 日本の観光地として長らくナンバーワンの人気を誇ってきた京都だが、近年は観光客の過剰さが話題にのぼることが多い。とくに目を引くのは外国人観光客の多さだ。そして観光客の大幅な増加は、騒音・ゴミ・渋滞・マナー違反などのトラブルを引き起こし、いわゆるオーバーツーリズム(観光公害)という問題を生じさせている。  インバウンドも含め、京都を訪れる観光客はコロナ禍で一時は激減したものの、コロナへの警戒が薄れるにつれて着実に

大河の流れに学ぶ、強い組織の作り方、人の育て方―『論語』

孔子の言葉を巡る2つの解釈  中国古典などをもとに、企業などで人間力の研修をしていて、言葉の意味するところを、仕事や人生の実践を結びつけて考えることで、気づきを得てもらうという進め方をしています。  講師である私の解釈、理解をベースに、ビジネスに展開するやり方で研修を進めるわけですが、ときとして、受講者の方たちが日ごろの仕事を通して、独自に理解し、実践に生かしていることのほうが、真の学びなのだと、思い知らされることがあります。  その一例を、『論語』の次の言葉をもとに紹

未来は明るいと考える人ほど脳の楽観回路が働くらしい 天才茂木健一郎さんの話

将来に不安を感じている人やお〇に困っている人やは、当記事を必ず読んでいただければ幸いです。 私は、「インターネット時代=お〇に困らない時代」と考えています。ただし、「お〇に困らない=幸福である」ということではないです。でも、ある程度お〇がありますと将来に対する不安は確実に減少します。 ですので、今現在経済的に困窮している人や将来が不安で不安でたまらない人は、インターネットを使って何ができるかを徹底的に考えてみましょう。 その正解についてはここでは触れません。超超超有料級

アナログ派の愉しみ/狂言◎『蚊相撲』

一国の大名と 一匹の蚊の格闘劇 もちろん、わたしに狂言師(能楽師狂言方)の品定めなどできはしないが、その若い役者を眺めるたびに、ホンモノの太郎冠者を目の当たりにしているような気分を味わう。 大蔵章照(あきみつ)。700年以上の歴史を持つという能楽狂言最古の流派、大蔵流の宗家・二十五世大蔵弥右衛門の孫で、まだ15歳の高校生ながら、舞台上でのメリハリのある発声と立ち居振る舞いが実に頼もしい。また、テレビ・ラジオへの出演ばかりでなく、大蔵流の180の演目にちなんで「ももやそ

『孫子の兵法』に学ぶX戦略⑦

この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます♪ 私の記事では数回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしております! 今回は、「『孫子の兵法』をX戦略に生かしたらどうなるか?」のオリジナル記事第5弾となります🌟 『孫子の兵法』とは何か?について特集した導入記事(無料)はこちらです。(過去記事のポイント解説はマガジン購入がお得です♪) まだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってみてくださいね! 『孫子の兵法』は、現代のビジネスにも生かせる古

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強い組織づくりは人財育成から始めよ。天才軍師・諸葛孔明も手本にした孔子の教え

人財育成なくして強い組織はつくれない 前に、軍人の育成に関する孔子の話を投稿しました。 孔子の言葉1)  まともな軍事訓練もせずに人民を戦争にかりたてるのは、むざむざ死地に追いやるようなものだ。 孔子の言葉2) 善人(道徳心のある人)が上に立って、人を七年もかけて教化すれば、一人前の兵士として戦いに臨むことができるようになる。 それに関連して、企業の人財育成の一例として、山本五十六の男の修行「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」を参考

【読書】『能の本』

 2024年9月、シテ方宝生流の能楽師、辰巳満次郎さんが監修した『能の本』を読みました(と言いつつ、4分の3くらい読んだところです。)  記録を残したいと思います。 ■本の概要・文  :村上ナッツ ・マンガ:つだゆみ ・監修 :辰巳満次郎(シテ方宝生流能楽師) ・発行日:2016年11月25日初版第一刷発行 ・発行所:西日本出版社 ■メモと感想(1)メモ  本の帯などから、本書の構成・特徴として、以下のような点が読み取れます。 能の入口として、「厳選20曲」 詞章が

尊敬できない人、嫌いな人。孔子と弟子が挙げた、あるある7タイプ―『論語』

孔子が挙げた尊敬できないタイプとは  人の好き嫌い、どうしても出てしまいます。  自分のことは棚に上げて、人を軽蔑してしまうことも、少なくありません。  中国古代の聖賢のひとりとされている孔子は、どうだったのでしょうか。  彼は多くの君主・貴族・官僚、さらには弟子たちと関わりながら、人として生きるの道を生涯説き続けました。そういう師匠の姿を間近で見てきた高弟のひとり子貢が、人間関係観について孔子の内心を聞き出そうとしたことがありました。  その一節が『論語』に載ってい

【雑記】鑑賞など今後の方向性について

 私は、ここ2年ほど、特に演劇鑑賞に力を入れてきました。これから、どのように学びや鑑賞眼を深め、作品を楽しんでいくかなど、今後の方向性について考えるところがあり、記録を残します。 ■現状(学び何割?楽しみ何割?) まず、現状について記載します。劇場、美術館、博物館、映画館など、休日に向かう所は様々ですが、その目的も様々です。  私の場合、友だちとの交流を楽しむこともありますが、一人で行くことが多く、目的を大別すると2つに別れます。 ①「これは前から観たいと思っていた。」と

花虹源氏覚書~第二帖帚木(三ノ三)

帚木その三 三、藤式部丞の話 さて、思いがけず始まった身物語は、藤式部丞の番となりました。 「式部のところには、何やら面白い話があるだろう、さあ、話せ」とせめたてられて「下の下の身分の私めには、お耳に入れるような話はありませぬよ」と卑下して断ってもさらに攻め立てられて、とうとう口を開きました。 「おそるべき賢い女がおりました」と。 私がまだ文章生であったころに出会った、賢い女の話をいたしましょう。 中途半端な博士などではとうていかなわないくらいに学問の才も際立っていて、

【文学紹介】アサガオと暁の空の色 秦観 牽牛花

1:はじめにこんにちは。8月に入りいよいよ暑さも本格化してきました。上海でも蒸し暑い日が続いていますが、まだ比較的涼しい明け方の時分には、窓をあけて我慢できる範囲で夏の暑さを味わいつつ、朝の雰囲気を楽しんだりしています。 夏の日の朝がそこまで嫌いではないのは、小さい頃の夏休みの記憶が大いに影響しております。 今回のタイトルにもあるアサガオも小学生の時に学校から種を配られて育てていました。夏休みの宿題です。 大して上手に育てられた記憶もないのですが、ただやっと咲いたアサガオ

【漫画】『源氏物語』ってどんな話? ー 「桐壺」は”100年前”の物語!? ー

紫式部が書いた『源氏物語』の第一帖「桐壺」。 その物語の時代が、彼女の生きていた頃よりさらに100年も前に設定されているということはご存知でしょうか? 「桐壺」巻では、桐壺帝と桐壺更衣の恋、光源氏の誕生、藤壺女御の入内など、物語の進行において重要なポイントが次々と語られてゆきます。と同時に、物語の舞台がどのような世界なのか、具体的に示されている巻でもあるのです。 ですがその示し方が、1000年後の私たちにはちょっとわかりづらい…! そこで今回の記事では「桐壺」のあらすじ

才能を開花してくれる上司や恩師に出会うー禅語「啐啄同時」

親鳥とひな鳥の関係「啐啄同時」とは  上司と部下、師匠と弟子の関係はどうあるのがいいのか。  その理想的関係について語った禅語「啐啄同時(そったくどうじ)」をもとに、みていきたいと思います。 「啐啄」とは耳慣れない言葉ですが、ひな鳥が孵化するときの、親鳥とひな鳥の関係を言い表したものです。 「啐」とは、ひな鳥が「もう卵から出たい」と内側から殻をつつく音のこと。 「啄」とは、親鳥が「ここから卵の殻を破って出てきなさい」と外側から殻をつつく音のこと。 「啐」と「啄」とが、ピタ

歳時記を旅する51〔薫風〕前*薫風や少々きしむ寺襖

土生 重次 (平成三年作、『素足』) お茶の世界の掛軸として使われることが多い禅語に「薫風自南来」がある。原典は、唐の政治家兼文人の柳公権の詩「薫風南より来り 殿閣微涼を生ず」にある。 南からふくよかな香りを漂わせて風が伝わってきた。酷暑の中、この宮殿もほのかな涼しさに満たされた、という意味。 さらに禅語としては、風が吹いて無駄なものがすっかりなくなったような境地、という心の状態を表す禅的な意味合いがあるとのこと。 句は、寺の襖を開けて心の

現代に通じる「明清小品集」⑮~徒党を組みたがる人たち

絕好看的,戲場姉妹們變臉。 最可咲的,世事朋友家結盟。 こよなく綺麗なのは、芝居小屋の女役者が見違えるばかりに化粧した顔。 もっとも馬鹿馬鹿しく笑止千万なのは、世間の男連中が結びたがる徒党。 ――明・呉從先『小窓自記』 【現代社会】 「派閥解体」の欺瞞 職場で徒党を組む人たち

自性清浄。六祖壇経。人は外に向かって自己実現しようとすると名誉欲、権勢欲金銭欲に取り憑かれて堕落しやすいものです。食べるために仕事をするだけの人生を長く続けるといつか空しくなって自分の人生は何だったのかと悔やみがちなものです。内に向かって静寂の中で自省すると心が洗われ清浄化します

「英語講師wisteriaの学び直し古典(古文・漢文)」はじめます!

塾講師の私wisteriaは専門の英語中心に、中学受験国語・社会、小論文なども教えているのですが、高校国語もお願いできませんか?と依頼されることがあります。ただ古典(古文・漢文)にブランクがありすぎて、今のところお引き受けしていないのが現状。 ただ高校時代は古典は好きな科目で、なんなら英語よりも得意なくらいでした。私は田舎の今でいう「自称進学校」出身で、予備校にも塾にも通っていませんでしたが、高校の古典の授業は好きだったな。ナガイ・ソウ先生。英語で言うと"So long"、

【漫画】『源氏物語』ってどんな話? ー 身代わりとして求められた少女・若紫 ー

『源氏物語』の女主人公とも言える紫の上。 少女の頃若紫と呼ばれた彼女は、藤壺の代わりとして連れられた、心細い立場の人でした。 源氏が若紫と出会ったのは18歳のとき。 この頃の源氏は、正妻・葵の上や六条の御息所ら恋人がいながら、義理の母・藤壺女御への叶わぬ恋に苦しんでおりました。 そうした中思いがけず発見した藤壺に似た少女・若紫に源氏は執着していきます。 10歳のときに源氏に見初められ、人生の大半を源氏と共に歩んだ若紫。 彼女の人生は源氏と出会ってどのように変化したのでしょ

菊の花がわからない若者は少なくない

風流の種を蒔くこと 若者にムズい古文を教える意義は 古文教えていて気づくこと。 男子高校生が菊を知らないのは珍しいことではない。 「菊」という言葉はさすがに知っているけど、意識して見たことがない。 ゆえに、どんな花なのかわからないのです。 そのような生徒さんに、例えば『蜻蛉日記』の「うつろひたる菊」を講義することのむずかしさといったら……。 されど、いつかその人が菊を愛でるようになるかもしれない。 そのきっかけを私は施しているのかもと、考えるようになりました。