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大切なこと。

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私に響いた大切な記事を集めたマガジンです。
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#エッセイ

欲しかったもの。

欲しかったもの。

「忙しい」と言う母の背中が嫌いだった。

いつも諦めという寂しさを感じていた。
陶器商を始めて、昼も夜も仕事仕事で、父も母も寝るか食うかの時にしか家にいなくて。

そして、家にいるときの母は、いつも急か急かしていて、話しかけても聞いてなさそうで、怒ったようなキツい口調で返事をするのが常だった。

本読みの宿題も、読書週間の親子読書も、提出物の保護者サインも、
「これ書いて」
と言ったところで、

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エッセイ | noteで個人企画に参加するということ。企画への愛を語りたい。

エッセイ | noteで個人企画に参加するということ。企画への愛を語りたい。

 なぜ今なのかは自分でも不明ですが、偏見たっぷりに語ってみたいと思います。



はじまり

 わたしが自分で書いた文章を、恐れ多くも〝作品〟などと呼び始めたきっかけは、超ショートショートを書いたことでした。

 初めは自分で考えた〝お題〟で書きました。それに飽きてきた頃、知人から〝お題〟をもらうようになりました。
 それが楽しくなって、5作くらい出来上がったところでnoteにやって来ました。そ

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桜  来年も一緒にみる可能性のこと

桜 来年も一緒にみる可能性のこと

薄手の長袖を腕まくりしてちょうどいいくらいの、薄曇りの日差しが暖かな昼間、歩道を歩く人はいつもより多く、楽しげで。

ベージュや白のブラウスや、日傘や小さなチューリップハットやの、軽やかな装いで、手をつないだりなんかして。

早咲きの河津桜はひらひらと花びらを落とし、背も高い大きなソメイヨシノはゆっくり悠々と五分咲きで、川沿いを照らす。
心做しか水嵩の多い土岐川は、濃いエメラルドグリーンの流れを速

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面白くない作品...

面白くない作品...


数年前のことですが、私は動画編集に凝っていた期間が一年ほどありました。(たった一年…)

その時に参考にさせていただいたYouTuberの方の動画からメモしたものを、ここにそのまま載せてみます。
私が書いたメモなので、その方が話したことそのままなわけではありませんが、動画編集初心者の私が作品(と呼べるかどうか…)を作るときに頭の片隅に置いていたことです。
(ちなみにこれは、3分程度でまとめられる

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色のある言葉、音を感じる言葉、甘い味がする言葉を

色のある言葉、音を感じる言葉、甘い味がする言葉を

頬杖をつくような脱力した仕草で

その癖に、その考える姿がどこか凛としていて癖がある

そんな姿勢で、音も立てる事を無く
どっぷりと静かに、地面に沈み込んで行く

そんな場所で拾ってきた、文章を描きたいと思った

簡単には表現出来ない言葉の羅列を普段の生活で並べらる人はどこか羨ましいと思う

文書を書く事も、コンディションとベースが大切
文書の並びが頭の中で良く見える環境や

より言葉がスルスルと

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苦手なものを受け入れる

苦手なものを受け入れる

 僕には昔から、苦手なものがあります。
 それがスケジュール通りに物事をこなすことと、タスクを処理していくことです。
 いわゆるタスク管理というのでしょうか。締めきりとか、いついつまでに仕上げるとか、1日のタスクを洗い出して、それを一つ一つ処理していくとか、そんな、いわゆる生産性にまつわることがすごく苦手なのです。
 逆に得意なことは、ぼーっとすること。散歩したり、本を読んだり、のんびり時間を過ご

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幸せのおすそ分け

幸せのおすそ分け

その扉を前にして、僕は緊張していた。
手には汗が滲み口の中はからからに乾いていた。先に執り行われた式の高揚感が
いまだに僕の頭や心臓を
ぐらぐらゆすっていた。
胸の動悸は収まる気配も無く
倒れないように立ってるので精一杯だった。

この扉が開いた瞬間の事を考えると
余計に緊張感が増してくる。
果たして僕は真っ直ぐに歩いていく事が
出来るだろうか、、、

隣に立つ彼女を見ると僕と違って緊張している様

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孤独人のふしぎな世界

孤独人のふしぎな世界

夜のドライブの帰り、野良猫が車の前をサッと通り過ぎた

私はすかさず、この光景を頭の中のポケットに入れた

ガスの点検が来た次の日、ガスコンロは不調でポーチドエッグを茹でるのに45分掛かった

この出来事も、頭の中のポケットに入れた

私の頭の中のポケットには
こんなおかしな出来事や当たり前の日々をピリピリと切り取ったエピソードをたくさん詰めてある

子供の頃に好きだったマンモス
本で読んだミイラ

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「1日1冊読む」を1ヶ月間続けたら、インプットのコツがわかってきた

「1日1冊読む」を1ヶ月間続けたら、インプットのコツがわかってきた

はじめに

 ここ最近、インプット量を増やしています。具体的にいうと、本を大量に読んでいるのです。目標としては1日1冊以上。今のところ継続できていて、多いときは1日3冊読んでいます。
 きっかけは、井上新八さんのこちらの本を読んだことでした。

 この本を読んで、井上さんが「1日1冊読む」を続けていると書かれていて、「これはいい!僕も真似しよう!」と始めた次第です。
 今のところ1ヶ月くらいですが

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波打ち際の景観 小さな命の為に

波打ち際の景観 小さな命の為に

波打ち際に流れ着くのは

貝殻や海藻だけじゃない

ペットボトルや空き缶

ビニールの類

可燃不燃金属なんでもござれ

哀れなる現状

哀れなる景観

営みが豊かになれば

相反して生まれてしまう

悲しみ

光と影

美しさを汚してまで

求める幸せとはなんだろう

波打ち際に沈んでいた

ペットボトルを手に取り眺めてみても

誰が捨てたかだなんて分からない

どこから流れてきたかだなんて分か

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得手不絵手

得手不絵手

「言語化」という右手が、
本来の利き手だったのだろうか。

絵筆を持つ左手で、描きたい絵があった。
あったはずなのだ。
6Bの鉛筆、ぺんてるのクレヨン、スケッチブックを広げて。
頭の中に浮かんだものを、描き出してゆく。

違う違う、左手で、絵筆で描くんだ。

もっと、こう。

違うんだ、左手の絵筆で。

キャンバスに、スケッチブックに。

いつの間にこんなにぎこちなくなったのか。
いや元々、こんな

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