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山の記憶、「山」の記憶
今回は、川端康成の『山の音』の読書感想文です。この作品については「ひとりで聞く音」でも書いたことがあります。
◆山と「山」
山は山ではないのに山としてまかり通っている。
山は山とぜんぜん似ていないのに山としてまかり通っている。
体感しやすいように書き換えると以下のようになります。
「山」は山ではないのに山としてまかり通っている。
「山」は山とぜんぜん似ていないのに山としてまかり通って
小説にあって物語にはないもの(文字について・03)
小説にあって物語にはないものがあります。今回は、誰が見ても明らかなもの、誰の目にでも付くものを挙げてみます。
空白と黒いページです。
読んでいて不意に現れる白い部分、真っ黒なページですから、目に付くはずです。
こうしたものは、物語にはありませんでした。あり得なかったというべきでしょう。
ここで言う物語とは、もとが口頭で語られ、長い間口頭で伝えられていたものです。口承文学とも呼ばれ
小説の執筆をライブで観る
今回は、以前に投稿した記事を加筆および再編集してお届けしております。長い記事なので、下の目次をご覧になり、興味のあるところからお読みください。盛りだくさんな内容になっています。
*小説の執筆をライブで観る
小説はどのようにして書かれるのでしょう? ただし、書店や図書館に置かれている小説に話を限定します。
作家さんが原稿用紙に向って、またはパソコンの画面に向って手と指を動かして書いているに