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おきにいりnote

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なんとなくいいな、の世界 (読ませていただいてる長編小説のしおりにも使用しています🍀)
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記事一覧

るっくばっく(仮)

るっくばっく(仮)

 高校時代の担任は軍人教官のように厳しい人間だった。特にそのもの言いは遠慮がなく、腑抜けた態度を取る者がいれば、例え女子であろうと容赦はしなかった。
 別名、「能面」
 物怪のような異名を持つ先生と面と向き合うには相応の覚悟と勇気が要った。

 初めて、その姿を目の当たりにしたのは入学してまだ間もない頃のことだ。全校集会の壇上で立ち構えていたのは、柳のような静けさをたずさえた男だった。

「己を知

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【短編小説】恋の降る夜

【短編小説】恋の降る夜

 海鳴りの聞こえる、内浦湾の防波堤をのぞむゆるやかな下り坂を左に折れると、一面の雪景色が鉛色の町並みを白く変えていた。

 朋子は、病院に近いお寺の前の平坦な道をわざと避けて歩いた。
 春から夏にかけては、雑草の生い茂る空き地だが、冬になると、毛足の長い純白の絨毯を敷きつめたようになる。

 底の深い靴で踏みしめると、きしきしと鳴って、思いがけないことがはじまる予感に胸が震えた。
 朋子は空き地を

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秋の雨は
浸透率の高い感傷に似て
愛されすぎると別れがつらいの
そういえばチバユウスケが
逝ったのもこんな冷たい雨がふる
11月だった
そういえば
そういえば
もういいやちょっとタンマ

料理: 家庭で作る牡蠣フライ

料理: 家庭で作る牡蠣フライ

牡蠣フライは家庭で作った方が美味しくて、満足感を味わえる。

牡蠣フライは作る工程に中々の手間が掛かる。
油の処理は大変だ。
しかしかと言って、外食で食べるとあまり満足出来ない。それが残念なところ。
・・・面倒でもやはり家庭で作るのが一番ではないだろうか。

11月に入り、やっと牡蠣を買おうと思えてきた。いよいよ牡蠣の季節の到来だ。
冷んやりとした風が吹く頃、少し小さ目の牡蠣が出回り始める。

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人って面白い

人って面白い

深夜に...
こんばんは☆

ヘッダーの写真は

ヒメツルソバの花

姫蔓蕎麦 金平糖みたいで

かわいい ^^

今日、人って、面白い!
と、言う出来事があった。

渦中にいると見えない事が

離れて、俯瞰(ふかん)してちょっと高いところから見たらわかった。

本当に笑える。面白い。

可愛い色だなぁ〜  

別名、セロシア
   ローズベリー・パフェ
和名、鷄冠花 ケイカンカ
   鷄頭  ケ

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かまってちゃんはこまったちゃん

かまってちゃんはこまったちゃん

宝くじ売り場で働いています。
大抵は1人きりで働くのですが、いきなり1人で働くわけではなく、ベテラン先輩との研修を経て、1人で働くようになります。

研修中、先輩が
『あ〜ぁ、あの人あんなになっちゃって』と呟いたので目を向けてみると、枯れ枝のように細いおじいちゃんが、杖をつきながら、小さな歩みで、ゆっくりゆっくり歩いていました。
先輩の話は続いて、
『宝くじを買いに来るお客さんて、お年寄り率が高い

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💮noteではnoteでしか読めない記事を読みたい❗

💮noteではnoteでしか読めない記事を読みたい❗

わたしもnoteするようになってから3ヶ月が過ぎた。

なんとなく始めたnoteではあったが、いろいろと初めて考える🙄ことがあった。

当初は自分がなにをどう書くかを考えていたが、最近は、noteで「なにをどう読むか」を考えている。

振り返ってみて、わたしはどういう記事を好んで読んできたか?

一言でいうと、「肉声が聞こえてくる記事」を好んで読んできたような気がする。

どんなに自分とは異なる

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【短編小説】水色の平凡な日常

【短編小説】水色の平凡な日常

 お昼休み、トイレから戻ると僕の席に岡田さんが座っていた。足を組み手を叩いて笑う姿はまるでここの席は私の席だといわんばかりの堂々とした態度だ。どけ。そこは僕の席だ。話すなら立って話せ。と心の中で呟いて僕はトイレへと逃げる。
 今日でもう五日目だ。最初は偶然だろうと思っていたけれど、どうやら偶然ではないらしい。岡田さんは僕が何も言ってこないことを知ったうえでわざと僕の席に座っている。三日目に近づいて

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自分の文章について今一度見つめ直す野良犬

自分の文章について今一度見つめ直す野良犬

 Xでスペースなるものを利用してみた。とはいっても、部屋を作ったっきり何も発言はしない。一人だから。
 どうせ私がやるとき(深夜四時を回ったころ)には誰も起きていないだろうし、あまり話す予定も覚悟も無いのだけれど、いつ聞かれても、いつ話しかけられてもおかしくないという状況下に置かれると、すこぶる作業が捗る。意外といいかもしれない。

 いや、嘘だ。正直に言うと、緊張して気が気でない。全然捗らない。

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感じきった結果、温かさを得た。

感じきった結果、温かさを得た。

前回、私が感じていた感情がどんなことなのか少し分かってきた気がする。

いつも、そうなる前に先回りして避けてきた
「惨め」という感情に向き合ってみた。

気づかずにいたことを知ることができたり、
思い出したことがあった。

これからが少しずつ変わっていく気がする。

惨めと感じていた場面を色々思い出して感じた時、一番苦しくなるのは子どもの頃の自分を見た時だった。

私は言葉や考えが映像化されるので

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今日の気分は? 202401017 No.349

今日の気分は? 202401017 No.349

アイコンがハロウィン仕様に替わりました

今朝の京都は半分曇り空です。1日を通しては晴れのち曇りと下り坂予報です。午前7時の気温は19℃。日中は29℃予報です。
丑三つ時の月はとてもキレイでしたが、今夜20時26分、今年最大のスーパームーンだそうです。彗星も見頃を迎えてるとか。
よし、今夜は天体ショーだと意気込みたくなりますが、京都はあいにくの曇り空、あるいは雨のようです。わずかのチャンスに賭けま

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詩 | 僕は笑い方を忘れてしまった

詩 | 僕は笑い方を忘れてしまった

そういえば僕は 
最近笑っていなかった
いつから笑っていないのか
よく思い出せない

そういえば僕は
最近泣いていなかった
いつから泣いていないのか
よく思い出せない

そういえば僕は
最近ずっとひとりぼっちだった
自ら選んだことだった
自らの意思で選んだことだった

他人がまわりにいることが
とても鬱陶しく思えて
人という人を
すべて避けていたのだった

人間に苦しみが生まれるのは
感情があるか

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始まりと終わりの物語

始まりと終わりの物語

 これから私は傑作小説を書くところだ。物語の冒頭は読者をひき付ける最も重要な箇所である。渾身の力で文章を書き上げた。なかなか迫力がある。特に最初の3ページは、我ながら満足のいく書き出しであった。

 冒頭部分は完璧に書けた。自然に執筆が進んでいく。登場人物が勝手に動き出す。私は作者でありながら、コイツら面白いなと思いながら物語が流れるように展開していった。

 あの男にはこんな側面もあったのか、あ

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