「忘れっぽい詩の神」 #青ブラ文学部
失礼します。
私は床屋を営んでいる者です。
折り入って本日は聞いてほしいことがあるのです。
ここだけの話ですが我が国の君主の耳はロバの耳なのです。
口外したら私の命はないと……。
でも、もう、私の口は耐えられそうにありません。
え? もちろん先代にならって穴に向かって叫んでもみましたとも!
でもねえ「王さまの耳は代々かわいいロバの耳なんすよ~」なんて私の場合、いつ口走ってしまうか。なんといっても床屋は雑談の場ですからね。私の口がツルッとすべったら一家皆殺しとのこと……。ですの