宝くじ売り場で働いています。 大抵は1人きりで働くのですが、いきなり1人で働くわけではなく、ベテラン先輩との研修を経て、1人で働くようになります。 研修中、先輩が 『あ〜ぁ、あの人あんなになっちゃって』と呟いたので目を向けてみると、枯れ枝のように細いおじいちゃんが、杖をつきながら、小さな歩みで、ゆっくりゆっくり歩いていました。 先輩の話は続いて、 『宝くじを買いに来るお客さんて、お年寄り率が高いのよね〜、よくあるんだけど、毎日のように来てた人が、突然パッタリ来なくなるわけよ
たまに来店されるご婦人。60代くらい。 気さくな方で、二言三言、言葉を交わす。 グリーン系アイシャドウ。クレヨンで引いたような、どピンクの口紅。全体的に濃いメイク。 私は彼女の眉毛に注目していた。 お見かけするたびに、左右の眉頭が近づいてきているような…気のせいかな? (うっそぉ?どうして?) 先日いらしたとき、ご婦人の眉毛はつながっていた。 こち亀の両さんのようにM字にはなっていないけど、たしかにつながっている。 眉山らしきカーブはあるけど、左右の眉がつながって、一本眉に
お年の頃は70代、いや、80代…わからない。痩せ型で、白髪のおじいちゃんがニッコニコしながらやって来た。 胸ポケットとズボンのポケットから、紙の束を出してトレーに置く。 半分に折り畳まれたその紙束は、宝くじの袋だったので、当たり外れの確認をしに来たんだなと察した。 トレーに置かれた半分折りの束を手に取ると…あれっ?ん? それは中身の入っていない袋だけの束だった。 ズコッ! 『これ、袋だけですねぇ、クジが入ってませんよ〜』と言うと、おじちゃんは目をまん丸にして 『えっ?入っ
あるところに、自他ともに認める、と〜ってもコミュ力の高い、宝くじ販売員がいました。 名前は、タマミーヌ。いつもニコニコしている販売員。だが、彼女の本性は、、、 食い意地の張った女。食べてばかりいる女。 「スイーツ大好きなんですぅ」とか「食べることが大好きですぅ♡」とか、そんな可愛らしい ものではなく、色気より食い気が優先な女でした。(色気が欲しい!) 夢売りBOXで働くタマミーヌは、一部のおじいちゃん、おばあちゃんのアイドルです。 アイドルタマミーヌは、老眼も始まり、最近で
あるところに、自他ともに認める、と〜ってもコミュ力の高い、宝くじ販売員がいました。 名前はタマミーヌ。いつもニコニコしている販売員。だが、彼女の本性は…とても気分屋で、腹黒い女だったのです… (今日の私はご機嫌!気分爽快!ってほどではないけれど、どんなお客さんが来ても大丈夫よ〜) この日のタマミーヌは、無駄にテンションも高く、嬉々としていて、気味が悪いくらいに上機嫌なのでした。 (ご機嫌な理由?人に言うと、幸せが逃げちゃうんですって〜!だからナイショ。笑) 『ジャンボや
あるところに、自他共に認める、と〜ってもコミュ力の高い、宝くじ販売員がいました。 名前はタマミーヌ。いつもニコニコしている販売員。だが、彼女の本性は…とても気分屋で、腹黒い女だったのです… 仕事の日のある朝。いつもどーりタマミーヌは自転車をかっ飛ばし、駅の駐輪場に向かっていたところ、右目に虫が飛び込んできたのです。 イタッ!こんなとき、タマミーヌはいつも思うのでした。 「もーーーっ!なんでよ!!なんで?地球は果てしなく広いのに、なんで虫がピンポイントで私の目の中に飛び込ん
以前、「婚活ちゃん」というタイトルで記事を書いた。 宝くじをよく買いに来る30代前半の女性がいる。 彼女の夢は《結婚》とにかく結婚したいらしい。 出会いを求めて日々精力的に活動している。 自分にとって完璧な人、理想通りの人と結婚したい!妥協はしない!と言い切る彼女を、私は密かに「婚活ちゃん」と呼んでいるのだ。 婚活ちゃんは、宝くじで大当たりを当てた。 かなりの大金を手に入れた彼女は、タクシー移動で買い物三昧したり、理想の人と出会えたときに上手くいくように、理想の結婚をより早
あなたお名前は? ねぇねぇ、なんて名前なの〜? お姉さん名前教えてよ〜! 仕事中に、こんなことを言われることがある。 私、これがとーってもイヤなのです。 教えません!ぜーーったいに教えません! 私の仕事スタイルは、エプロンに、苗字だけのネームプレート。(ひらがな) 販売員でも、ノルマや成績を競うような仕事なら、名前だけでも覚えて帰ってください!ってなるでしょう。 決して高飛車にいうわけではないけれど、宝くじというものは、買って下さい!買ってください!と必死に言わなくても、
朝の仕事に、前日のロトやナンバーズの抽選結果を表に書き記す仕事がある。 ふぅ〜ん。ロト6のキャリーオーバーなくなったんだ〜 日本のどこかで、3億8千万円当たった人がいるのかぁ…すごいですこと… バカ暑いギラギラでムシムシな猛暑日の午後。 首にタオルを引っ掛けたおじさんが、仁王立ちで抽選結果を見ていた。 まだ居たの〜? ま〜だ見てる! いつまで見てんだ〜? そんなに眺めちゃって、どーしたのかしら? 長居していたおじさんが目の前に来た。深〜いため息1つ。 『悔しい。俺、悔し
暑いです。暑い。暑い。今年もバカ暑い猛暑。 の、さらに上をいく、熱々な男女のイチャイチャをまた見るはめに… こんな所に、このようなカップルがたまに来る不思議。30〜40代?どちらかと言うと、地味目なカップル。人前でそんなことをしそうには見えないのだけど、人というのは分からないもので… ずっと暑苦しいほどに顔を近づけて、微笑みながら会話をしている。 (ゔーーーっ、このクソ暑い真っ昼間に、アホ…ダメダメ!接客業なんだから、そんなこと言っちゃだめだよ私!) 横並びでグッズを見ている
〝数十年後に無くなる職業ランキング〟という記事を見た。 個人的な意見なんだけど、宝くじ売り場というものも、いずれ無くなると思っている。 ネット販売がどんどん増えているし、売れ行きのよろしくない店舗はどんどん閉店になっている昨今。 宝くじは…自動販売機でイケるんじゃない?って、私は密かに思っています。(笑) 私の働く店舗の客層は、3、3、4。 中高年と高齢者が4。若い人3。外国人3。といったところでしょうか。 81歳のおばあちゃん。 グループ買いをしている息子さんに頼まれ
『今日って、寅の日なんだぁ…じゃロト買おっかな〜 宝くじはハズレてもさ、福祉に寄付したと思えばね、当たればラッキーくらいなもんだから』 スーツ姿の40代?それくらいの男性。 『な〜んか、この辺て長閑(のどか)だね』 (の・ど・か? ど・こ・が? のどか要素がどこに?私にはアスファルトジャングルにしか見えないけど… 目に入る草木といえば、道路脇のプランターに咲いている花々だけ。街路樹も、ここからは見えない。 海もなけりゃ、山も川も見えない。草原もなければ牛もいない) 『あ、
テレビをつけると、また聞いたことのない言葉が飛び込んできた。 《フキハラ》なにそれ〜? フキハラとは、「不機嫌ハラスメント」のことを言うそうだ。 んじゃ、「不機嫌ハラスメント」って?ってなるわけなんだけど、例えば、上司と部下がいる。 部下のしたことが、間違えている、もしくは、上司の意に沿っていなかったりしたときに、上司が不機嫌になる。 「はぁぁぁぁっ…」と、溜息をついたり、あからさまに不機嫌な態度をとる。 その様を《フキハラ》と言うらしい。 もうさ、そんなこと言い出したら
飛び出ている鼻毛なんかはもう、目に入ってきてもなんとも思わない。 私の仕事場は、箱のような宝くじ売り場で、座り仕事。 売り場によって、わたしの目線はお客さんと同じだったり、少し見上げるようだったりする。 目線の高さによって、見えるものが違ってくるわけでして、、、 関東生まれ東京育ちの私。話す言葉はいわゆる、標準語という面白味のない言葉。 関西弁が好きです。 「金属バット」彼らの話すコテコテ関西弁はお気に入り。 〝怒気〟を含む言い方。 標準語の「なんなの?」は、他を寄せ
後悔しています。そして反省もしています。 「忙しい」の「忙」という漢字は、「心を亡くす」ということです! と、たしか習ったような、聞いたような… とてつもなく忙しい日。いつもより早い出勤の日でした。 思うように作業が進まず、開店ギリギリまで、箱の中で周章狼狽。迫り来る開店時間。私は1人で殺気だっていた。 わわわっ!もうこんな時間!! 箱の外に出て開店準備を始めると、同世代くらいの女性に声を掛けられた。お客さんらしい。 『何時に開くの〜?』 『10時半です!』 『あっそう
また悩ましいお客さんがいらっしゃいました。 OK!カモン! 60代くらいかな?男性。 (あなたのお口元、それは、、、どうなっているのですか?マスクを何枚重ねてますの?) 複数枚の布を厚く重ねたマスクのトップはアベノマスク。 私の目には、重ね付けで盛り上がっているマスクしか目に入ってこない。 菌に対しての、並々ならぬ用心深さなのか?その存在感ありすぎる重ね付けマスクのせいで、男性の話しがなかなか聞き取れない。 『はっ?えっ?はいっ?なんですか?』 (やっと聞き取れたとおも