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今日の天気予報(HANAちゃんストーリー第17話)
テレビの中のお天気キャラクターのワンちゃんが今日の天気を教えてくれる。
「今日は北風が強くなりそうで。強風に注意してマフラー、コートをしっかり羽織りましょう」
マヌケな顔がなんだか可愛い。
夕方、会社のエントランスを出ると風でコートが飛びそうになった。
私は慌てて、コートの前をしめる。
「ゆり菜、お疲れ」
いつも待っていてくれる、恋人のヒカル。
付き合いも4年目になると、並んで歩くこ
忘れていたのは私(HANAちゃんストーリー第10話)
朝起きて家事をして、子供たちを送り出し、会社へ出勤。
仕事が終わり、子供たちを迎えに行き宿題の確認、夕食準備。
後片付けをして、また家事をする。
これが私のライフサイクル。
しんどい。
毎日がくたくたで、1日をこなすことで精いっぱい。
こんな毎日がいつまで続くのかな。
くたくたになった夜、やっと自分の時間が取れるとリビングでテレビをつけ寝転がった。
疲れていたのだろう。ウトウトして
心の傷に気づいた時(HANAちゃんストーリー第12話)
人に笑われた。
上司という人に。
何も笑う事はないのに。悔しい。
私だって一生懸命にやっている。
なのに、笑われる。
上手くいってもいかなくても笑われる。
成功や失敗なんて関係ない。
なにをしても笑われるんだ。
バカにされている。
保育園がやっていない休日にも仕事があったので、仕方なく子供を会社に連れていっていた。
事務所の端でお絵かきなどをさせて待たせていた。
その事につい
私を受け入れるのは誰?(HANAちゃんストーリー第11話)
今日はとても天気がいい。
雲ひとつない秋晴れ。
散歩をしていると日差しのせいか少し汗ばむ。
火照った体を冷やすように家の中に入る。
日が差さない部屋の中は、なんとなくひんやりしている。
クールダウンしている私の横に、眠そうにしっぽを振る愛犬はな。
彼女は今にも目がくっついてしまいそうだが、恒例のしっぽ振りをしてくれる。
私がどんなに遅く帰ってこようが、私がどんなに不機嫌に帰ってこよう
公園の中の笑顔たち(HANAちゃんストーリー第9話)
公園で寝ていると、中学1年生の美雪ちゃんが声をかけてきた。
彼女とは週に2回、ここで行き会う。
私は眠い目をこすりながら返事をした。
「なふぃ~?どうしたの?」
横に座る彼女を見ると、俯いて涙ぐんでいた。
「何かあったの?」
彼女はコクンと頷き、話し始めた。
「あのね、HANAちゃん。今日、学校でテストが返されたの。たくさん勉強したのに、ひどい点数だった。塾にも通っているのにどうして