私を受け入れるのは誰?(HANAちゃんストーリー第11話)
今日はとても天気がいい。
雲ひとつない秋晴れ。
散歩をしていると日差しのせいか少し汗ばむ。
火照った体を冷やすように家の中に入る。
日が差さない部屋の中は、なんとなくひんやりしている。
クールダウンしている私の横に、眠そうにしっぽを振る愛犬はな。
彼女は今にも目がくっついてしまいそうだが、恒例のしっぽ振りをしてくれる。
私がどんなに遅く帰ってこようが、私がどんなに不機嫌に帰ってこようが、愛犬は必ず私にしっぽを振り、喜びの挨拶をしてくれる。
安定して私を同じように受け入れるこの愛犬に私は、毎日救われている。
「ありがとう」
と、心の中で呟きながら彼女の背中を撫でる。
冷め始めた私の手に彼女の温もりが伝わった。
終わり