心の傷に気づいた時(HANAちゃんストーリー第12話)
人に笑われた。
上司という人に。
何も笑う事はないのに。悔しい。
私だって一生懸命にやっている。
なのに、笑われる。
上手くいってもいかなくても笑われる。
成功や失敗なんて関係ない。
なにをしても笑われるんだ。
バカにされている。
保育園がやっていない休日にも仕事があったので、仕方なく子供を会社に連れていっていた。
事務所の端でお絵かきなどをさせて待たせていた。
その事についても言われていた。
子供を連れてくるのはどうなのか、と。
その事について、他の従業員の人達に聞いてみた、と言われた。
社長も了解しているこの事について、私がいないところでなぜそんな事を他の従業員に聞くのか。
私だって、会社に子供を連れてくるのは心苦しい。
でも、仕方がない。
家に一人で留守番をさせておくわけにもいかないし、仕事を休むわけにもいかないのだから。
もしかしたら、子供を理由に私を辞めさせたかったのも知れない。
私は必死だった。
笑われないために、認めてもらいたいために。
そんな事があって私は、仕事を辞めた。
辞めれば、解決すると思っていた。
もう、笑われないし、嫌な思いもしないから。
なのに、なんでこんなにも、心の中はモヤモヤでいっぱいなんだろう。
あの時笑われた記憶が、貴方のためだと罵られた記憶が、
今も頭に、心に、残っている。
しっかりとこびりついてしまっている。
どうしたらとれんるんだろうか。
クレンザーでこすれば・・・
激落ちくんで磨けば・・・
そんな物理的なもので消せるものだったらいいのに。
ああ、これを「いじめ」っていうのかな・・・
その時は単なる嫌がらせや、社員教育だと思っていた。
でも、こんなにも私の心を蝕んでいるのだなんて。
ガチガチな心を柔らかくしたい。
フワフワとした温かいものに触れたら少しは柔らかくなるなかな・・・
終わり