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#ミステリー小説が好き

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人気の記事一覧

ミステリの「順番」を侮る勿れ

※ノウハウ記事ではありません。雑感です。サラっとお読みください。 🎍明けましておめでとうございます もう1月も3日になってしまいました。 年末からずっと「あと〇日で連休が終わる!」と夫婦でカウントして叫んでいます。 今朝、なかなか起きようとしない夫に 「早く起きないと一日が短くなるよ!」 と申したところ 「一日はいつでも24時間だよ。ぷぷぷ」 と布団の中で笑われました。 今日、何がなんでもヤツの時間を1時間減らしてやりたいので、良い案があったら教えてください。 #できれば

読みたい本

note創作大賞に触れる│読書感想「私の死体を探してください。」星月渉

「あ、これドラマ化してた話かな?」 そう思って手に取った作品は、note創作大賞2023を受賞していた。 沢山の作品が投稿されているnoteの中で、「この作品がトップです!」と言われるのは、どんな小説なのだろう。 完全なフィクションか、 経験をもとにしたリアリティのあるお話か、 すてきなメッセージを含むのか、 世の中に一石を投じるような鋭い指摘か。 いろいろな興味が湧き、ページを開く。 最初に登場したのは、ある小説家のブログだった。 「ミステリー作家の私から、皆さん

『変な絵』を読んだので変な絵を載せてみる

こんにちは。 やりたいことは色々あるのに、なかなか上手く時間が取れない羽根宮です。 昨年は一月中に確定申告の準備は終わっていたはずなのに、今年はまだ完成していません。 まだ期限は全然あるのですが、気持ちが焦っています。 先日、雨穴さんの『変な絵』を読みました。 (Amazonアソシエイトに参加しています) この本はSNSでよく見かけて気になっていました。 図書館に予約していて、先日順番が来たので読みました。 読み始めれば一日で読めてしまうくらい、さらっと読めました。 絵

天才数学者×謎の館=本格ミステリ|読書感想「眼球堂の殺人〜The Book〜」周木律

突然届いた招待状。 行き先は山奥の奇妙な建造物。 招かれたのは、各界の天才たち。 そこで、突然起きる殺人事件。 外へのドアは開かない。 クローズド・サークルの中で 犯人からの挑戦を解くことは出来るのか。 「これこれ。そうだよ。こういうのがいいんだよ…!」 心の中で、ミステリ好きの井之頭五郎(イメージ)が満足そうに微笑む。 導入から結末まで、まさに、こんなミステリが読みたかった!と言いたくなるような、「まっすぐに面白い本格ミステリ」がそこにあった。 ________

「レモンと殺人鬼」読了!

お立ち寄りいただきましてありがとうございます。 読書感想いきます! 「レモンと殺人鬼」 今回はくわがきあゆ様の作品「レモンと殺人鬼」です。 2023年(第21回)の「このミス」で大賞・文庫グランプリを受賞されています。 受賞時の作品名は「レモンと手」でした。 【あらすじ】 文庫の背表紙から。 【感想】 面白かったです。 さすがの大賞受賞作。 ミステリーの制約として、物語の中に登場しない人物が犯人でしたとか、キーパーソンでしたというのは、読者を納得させるのはかなり

罠にかけられたことにも気付けない│読書感想「花束は毒」織守きょうや

この作品は、入口からは考えられない出口に導かれるミステリー。 全くネタバレを読まずに読んでいただくことを強くおすすめします。 核心には触れませんが、この先はストーリーに言及していますので ご了承ください。 _____________ 「結婚をやめろ」 突然、送られてきた脅迫状。 受け取った男は、何かを隠している。 過去の事件を紐解くとき、ある真実が浮かび上がる。 「花束は毒」  著者:織守きょうや 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2024/1/4) 発売日 ‏

コロネロ.Mの読書記録 7

アクロイド殺し アガサクリスティー作 皆さん、こんにちは。コロネロ.Mです。 寒さも落ち着いてきたのか、日中暖かい日も出てきましたね。 さて、今回ご紹介するのはアガサクリスティーの作品です。 私は、『オリエント急行殺人事件』、『そして誰もいなくなった』を学生時代読んだ事がありましたが、毎回結末に衝撃を受けていた覚えがあります。「えっそんなのありかよ!!」と言いながら、読んでいました。 そして….怖いのよ。特に『そして誰もいなくなった』は、夜トイレに入れなくなりくらい怖か

30分でミステリーを楽しむ│ドラマ感想「ノッキンオン・ロックドドア」

ノックの音だけで、それを鳴らした人物を言い当てる。 まるでホームズのような探偵が登場し、オープニングがはじまる。 どうやら、主役は男性二人。 バディもの?と思ったけれど、少し違う。 この2人はどちらも「探偵」らしい。 しかし、推理領域を 「不可能」トリック担当(How done it) 「不可解」動機担当(Why done it) と分担して、力を合わせて解決へ導くという。 探偵事務所の名前は 「ノッキンオン・ロックドドア」。 面白いのに、今まで全く知らなかったのが

他人の才能とその背後にあるもの

他人の才能を目の当たりにするたびに、私は無意識にその背後にある理由を探してしまう。年下の子が才能を発揮していると、どうしても「まだ若いからこれからもっと伸びるだろうし、きっと自然にその能力も開花するんだろうな」とか、年上の人が素晴らしい結果を出していると、「経験が豊富だから、年齢的にもそのくらいの実力はあって当然」と、無意識に年齢や才能でその人を評価してしまう自分がいる。その瞬間に、私はその人がどれだけの時間や努力をかけてその場所に辿り着いたのかを、つい考えずに済ませてしまっ

「地雷グリコ」読了!

お立ち寄りいただきましてありがとうございます。 今回は「地雷グリコ」の読書感想です。。。 なるべくネタバレしない様にしますね。 この作品は本当に凄かった! 今まで読んだ小説の中でも、これほど楽しめた作品の記憶があまりないです。 「地雷グリコ」 このミス2025年度版で、圧倒的な大差で1位になっただけてはなく、各ミステリー賞を総なめにしていて8冠を達成したという、2024年を代表する作品です。 【あらすじ】 主人公は普段はマイペースな高校一年生「射守矢真兎」 しかし

読書【方舟】は”余韻”を楽しむ物語。最近、余韻に浸りましたか?

除夜の鐘つい先日、除夜の鐘を聞いたと思ったら、すでに2月ですよ。 もうすでに1ヶ月たちました、2025年。 50代になった私ですが、40歳を過ぎたあたりから、時間が加速度的に早くなっている気がしており、 「今年は猛暑だったなー」 と言ってるうちに年越しを迎え、光陰矢の如しを体感しております。 そして、「除夜の鐘」についてはこんなツイートも。 「除夜の鐘」とは、12月31日の大晦日の夜に、お寺の梵鐘をつく仏教行事の一つ。煩悩をはらう、と言われていますね。 除夜というのは

2024年、読んでよかった本「方舟」

今年も残り10日。 あちこちで2024年の総合ランキングが発表されている。 毎年楽しみにしているけれど、実は昔から、 自分が好きな本や映画をランキングにするのが苦手だ。 見るのは好きなのに、自分で決めるとなると 「この作品と、こっちは、比べられない軸の上にある」みたいな感覚になってしまう。 そして「おすすめ」も難しいと感じている。 それは、この記事でも書いている。 でも、せっかくだから年末らしい記事が書きたい。 TOP3とか、やりたい! そこで「読んで面白かった本」

【第8回 読書会開催報告】ミステリー限定会2(25年1月19日(日))

▽はじめに 2025年1月19日(日)10時~第8回「Yokohamaゆったり読書会」~ミステリー限定企画2~を実施しました。今回も本当に読みたくなる本の紹介が多く、ミステリーはじめ脱線トークも含め楽しい時間となりました(^^)/(ご参加者の皆様ありがとうございました!)以下、開催報告になります。 ▽開催場所 今回も桜木町のレンタルスペースをお借りしました。桜木町駅徒歩1分でアクセスも良く、キレイな内装であったので、また利用したいと思っています('ω') ▽自己紹介・アイ

クイズプレイヤーの頭の中|読書感想 「君のクイズ」小川哲

プロの視点や考え方を知ることは面白い。 外から見るだけではわからない努力や、選手同士でしかわからない細かな注意点を知ることで、競技を見るのも面白くなる。 そんな風に感じる方へ、おすすめしたい本がある。 _________________ 「君のクイズ」 小川哲 出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版 (2022/10/7) 発売日 ‏ : ‎ 2022/10/7 言語 ‏ : ‎ 日本語 単行本 ‏ : ‎ 192ページ ✒クイズ、トッププレイヤーの思考、テレビ番

推理を楽しむ警察小説・短編集│読書感想「可燃物」米澤穂信

美しい文章、キレのあるセリフ、 緊張感に手を汗握り、すぐに次の文章を求めてしまう。 そして、鮮やかな結末。 これは、面白い。 最初の一編から、のめり込んだ。 ここで描かれるのは謎めいたトリックのみに留まらず、犯行に及んだ経緯や、関係者への聞き込み、警察内の争いなど、至るところに人間ドラマが滲む。 読み応えのある短編が5編。 終わってしまうのが勿体ないと思うような読書体験だった。 _________________  「可燃物」  著者:米澤穂信 出版社 ‏ : ‎

【書きたいテーマを探してみよう(読書編)】ミステリー小説が好き

「幽霊たち」(新潮文庫)ポール・オースター(著)柴田元幸(訳) ■発見(気づき) 現代アメリカ文学を代表する作家の一人として、忘れてはならないのが、ポール・オースターですね。 彼の名を不動のものにしたのが、85年から86年にかけて発表され、反響を呼んだ 「ニューヨーク三部作(「シティ・オブ・グラス」「幽霊たち」「鍵のかかった部屋」)」 でした。 その中の短篇が『幽霊たち(原題:Ghosts)』。 本書は、単調ながら、どこか謎めいた戯曲のような小説です。 また、

短編小説 | 拳銃🔫

 小さな頃に、今は亡き父から一挺の拳銃を譲り受けた。 「依緒、よくお聞き。この拳銃には2発の弾がこめられている。いざという時に使うがいい」  そう言い残して父は亡くなった。父が亡くなったことよりも、死に際に差し出された拳銃を見て驚いて、私たち母娘は顔を見合わせた。 「ねぇ、お母さん、お父さんが言ったこと、ホント?」 「さぁ、どうかしらね。でも確かにオモチャのようには見えないわね」 「これ、どうする?しまっておく?」 「そうね、本物だとしたら、そこら辺に捨てるわけには

【おすすめ】知られていない短編ミステリの超傑作を紹介

読書好きというのは、基本的に人から本を薦められて読む、ということをしない。 それは、すでに興味のある本が積まれているからだ。あるいは、次に何の本を読もうかと本屋をぶらぶら歩くのが大きな楽しみだからだ。 いや、意地悪な見方をすると、読書好きは、人から「いいよ」と薦められると、そっぽを向きたくなるような天邪鬼なところがあるから、かもしれない。 とにかく読書好きは、人(特に見知らぬ人)からの本のおすすめをスルーしがちな傾向にあると思う。実際に僕がそうだ。だって不朽の名作と言わ

コージーミステリはお好きですか『アメリカ菓子とミステリ』発売を前にして

11月13日頃に新刊『アメリカ菓子とミステリ』(原書房)が書店に並びはじめます。ずっと書きたかったテーマで念願が叶いました。 これまでは自分の本を出版1年後や10数年後にnoteで紹介するという、いくらなんでも遅すぎる仕事をしてきたので今回こそは出版前にと思い書いています。 『アメリカ菓子とミステリ』では、アメリカのミステリによく登場する菓子をその登場作品とシーンと共に取り上げ、オリジナルレシピも載せています。レシピはドリンクとパイ生地、グレイヴィーも含めて30品です。

『六人の嘘つきな大学生』

ずっと気になっていた小説を、今日、やっと、読みました。そして、読了しました。 面白くて、あっという間に読んでしまいました。 実写映画化されるということで、何かと話題の作品でしたが、期待を裏切らない、ワクワクさせられる展開でした。 概要浅倉秋成さんが書いた『六人の嘘つきな大学生』は、新卒採用を舞台にしたスリリングな小説です。主な登場人物は、「スピラリンクス」という会社の最終選考に残った6人の大学生です。彼らは、内定を賭け、互いの嘘と裏側を暴き出し、人間の本性を赤裸々に晒し

あまり小説が読めなかった2024年

2024年は今までになく本が読めなかったと思っていたけど、それでも10冊以上は読んでいたようだった。しかし大概がビジネス書で、しかも会社の上司から読むように言われたものだったから、「読書」というより「仕事」と思っていた感じがある。 読書をするからには「自由」でありたいと思っている。「自由」に本を選んで「自由」に読み進め、「自由」に解釈をする。だからなのか、読めと言われてビジネス書を読んだが、あまり読書をした気にならなかったようだ。 とはいえ、自発的に読んだビジネス書もあっ

2024年12月読書記録&感想文(ネタバレあり)

先月は10冊でした 2024年も今月で最後なので何冊読めるでしょうか ①密室殺人ゲームマニアックス 歌野晶午 密室殺人ゲームシリーズ3作目 前作に引き続き別人なのかなーと思って読んでいたがまさか1人5役とは流石に驚いた 今までは内輪でやっていたゲームを全世界に配信するということは今のご時世らしい切り口だなーと思いました 3作読みましたがやはり1作目のオリジナルメンバーが好きですね 12/4読了 ②教会堂の殺人 周木律 今回はミステリーというよりも館を使ったデスゲ

2024年10月読書記録&感想文(ネタバレあり)

最近昼休みにも本を読むことにしました 昼休みは厚めの本を選んで読んでいる これでまたたくさん読めるかも ①異人たちの館 折原一 失踪した淳の母親から淳の生涯の伝記を書いてほしいと依頼された潤一が、様々な人への取材や淳が幼少期から集めた資料を素に記事を書いていく話 淳の母親の不気味さ、何かを隠していそうな怪しさ、淳の美しい妹のユキを巡る話 取材していくうちに見え隠れする謎の異人と謎の中年女性 ページが進むごとに明らかになる出来事にどんどん引き込まれ一気に読んでしまった。

これは傑作か否か|読書感想「メルカトルかく語りき」麻耶雄嵩

読み終えて、混乱している。 これは何だろう? ここで終わり…? 今までの常識を覆す名探偵登場!なんて言葉では全然足りない。こんなミステリがあっていいのだろうか…。 「あってもいいでしょう?なにがダメだと言うんです?」 とメルが嘲笑ってきそうだ。 ※これより先ネタバレあり。ご注意ください。 「メルカトルかく語りき」は麻耶 雄嵩によるミステリ小説。 「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」の5篇が収録されている。 探偵メルカトル鮎が腐れ縁の推理

江戸川乱歩賞受賞ミステリーおすすめ小説15選|新しい作家との出会いのきっかけに

推理作家への登竜門として知られている「江戸川乱歩賞」。1954年、江戸川乱歩の寄付を基金として、探偵小説を奨励するために制定された文学賞です。第一回の1955年から約70年もの間、さまざまな人気作家を輩出しています。 今回は、この「江戸川乱歩賞」を受賞した作品のうち、ここ20年ほどの特におすすめの作品を15作厳選してご紹介!次に読む一冊に、ぜひ、選んでみてくださいね♪ 『此の世の果ての殺人』荒木あかね【第68回】第68回江戸川乱歩賞受賞作。本作がデビュー作です。同賞の受賞

2024年8月読書記録&感想文(ネタバレあり)

8月に入りました ここ2ヶ月ほどあまり本が読めてないので、今月こそは沢山読みたい(毎回言ってる気がする) ①回廊亭殺人事件 東野 圭吾 世間的には自殺したと思われている主人公(30代)が老婆に扮して、殺された恋人の復讐を誓い事件が起きた回廊亭にて犯人を探すお話 帯に先生直々に「叙述トリックがある」と書かれていたので構えて読んでいましたが見事に騙されました 主人公の正体がいつバレてしまうのかとハラハラしながら読めて面白かったです。 老婆に扮した主人公が犯人だと目星をつ

知的興奮が止まらない!多重解決ミステリー小説おすすめ15選

多重解決ミステリーの世界に飛び込んでみませんか? 一つの事件に対して複数の推理が繰り広げられ、真実が次々と塗り替えられるこのジャンルは、ミステリーファンにとって知的興奮が止まらないもの。 今回は初心者から上級者まで楽しめる多重解決ミステリーのおすすめ15作品を厳選してご紹介します。 それぞれの作品の魅力や特徴に触れつつ、新しい読書体験への扉を開きます。ぜひ、参考にしてみてくださいね♪ 『ミステリー・アリーナ』深水黎一郎嵐の中の館で繰り広げられる殺人事件と15通りもの解

『釜揚げ師走』 #毎週ショートショートnote【口伝えの習わし編】

これから始まる儀式に緊張しているのか胸がざわざわする。大人になっても夜中にこの場所に近づくのは怖い…それより恐ろしいのはこの仕来りの方か? 俺が持った鍋から立ち昇る白い湯気。その中で踊る麺の色だけいつもとは違う。黒く染めているからだ。 墓地に着くと先客が集まっていた。本来なら各家庭ごとにやるのだが、高齢化が進み近所の人と分担するようになった。独り身の俺には助かると思っていたら実は一番面倒な役を押しつけられていた。 今夜から明後日までは死者達のお正月と言われる釜揚げ師走の

2024年文学賞を受賞した作品一覧|本屋大賞・芥川賞・直木賞・このミス・読売・吉川英治など

2024年に文学賞を受賞した作品をピックアップして一覧にしてみました。本屋大賞、芥川賞、直木賞、このミスなど面白そうな話題の本がいっぱい!ぜひ、この機会に知らなかった本と出会ってくださいね♪ 第171回芥川賞 『サンショウウオの四十九日』朝比奈秋第171回芥川賞 『バリ山行』松永K三蔵第171回直木賞『ツミデミック』一穂ミチ2024年本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

切実な願い、私はミステリが書きたいのである。

実は湊かなえさんのファンです。2ruです。 テレビで見ました、C線上のアリア。午前中にパラドックスライブの小説を買い終わった後に、ちらっとポップを見かけました。 介護ミステリだったのですね。初めて聞いたミステリジャンルです。表紙を詳しくは見ていないのですが、赤色の文字と濃い緑だったのでおしゃれ系のミステリかと。 お金に余裕があれば買おうかな。 イヤミス。その言葉を聞くたびに脳内で反芻する。 イヤミスというのは、後味の悪いミステリーってこと。 私自身はめちゃくちゃミステリーが

安心して読めるミステリを!(切望)

 安心してミステリが読みたい。コージーミステリとか日常の謎とかじゃなく、普通の推理小説でいいんだ。女性が足を踏まれていない、安心して読めるミステリが読みたいだけなんだ。  最近、手持ちのアガサ・クリスティー読んで、やっぱ面白いなーと。評論家が言うように謎解きとしての要素は低いのかもしれない。彼女の推理部分はほぼ「誰が?」で、トリックの巧妙さや論理的解明はそれほどなんだけど、それでも文章の面白さ、特に「ミステリは人間が描かれていない」という批判にも十分に耐えうる人物描写は、1

ドライブ アイランド【第一章プロローグ】

 雨の音。  ほかには何も聞こえない。「サー」と間断のない連続音。怒り、苛立ち、憎しみ、嫉妬、失意すべての感情を癒してくれる。  損失や失敗、過ち、すべてを「無」に帰す時間がある。  瀬戸内海に橋が7つ架かる島を彼女と、ホンダのインサイトに乗りドライブして渡っていると、カーステレオから、バッハのゴルトベルク変奏曲アリアが静かに流れてきた。  サトルは、いつもの「私」ではなく、非日常の「自分」に変身している。  しかし、島々の風景は以前とかわりなく静かに佇んでいる。  運転

後味悪いのに心惹かれるミステリー!イヤミスおすすめ小説15選

読後に心がざわつき、忘れられない感覚を与える「イヤミス」は、近年ますます人気が高まっています。今回は、そんなイヤミスの人気小説を15作品厳選してご紹介します。 心を揺さぶるイヤミスの世界を楽しんでみてくださいね♪ 『告白』湊かなえ第一章「聖職者」が小説推理新人賞を受賞した、湊かなえさんのデビュー作であり、イヤミスの代表作のひとつです。2008年度「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「のミステリーがすごい!」第4位、2009年には本屋大賞受賞しています。 最後まで救い

夢の世界で起きた殺人事件が現実に!「アリス殺し」

こんにちは、読書子です。 本日、紹介する本はこちら。 小林泰三作「アリス殺し」 このミステリーがすごい2014年版に選出された作品です。 残酷な表現もありますが、ストーリーがよく作り込まれていてとても面白かったです。 では、あらすじを簡単に紹介します。 『大学院生の栗栖川亜理は、不思議の国に迷い込んだアリスの夢を毎晩見ていた。 ある日、亜里は不思議の国の住人であるハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見る。 翌日、大学へ行くと玉子というあだ名の研究員が屋上から転落して亡

自分が好きなミステリーの傾向の話

子供の頃からミステリーを読んできて、最近また色んな本を読み出した中で、自分の好きなミステリーの傾向や要素が何となくわかってきたような気がしたので、 まとめてみようかなと思い記事を書きました。 好きな傾向・要素① 「どんでん返しもの」 やはりオチや最後の展開に驚きがあればあるほど好きです。 主に意外な人物が犯人だったや、犯人の目的が実は・・・などになるのですが、あー騙されたーと気持ちよく騙された感覚を味わうのが好きです。 好きな傾向・要素② 「クローズドサークルや館も

日本ミステリー小説の魅力:発展と独自性を探る

日本のミステリー小説は、その独特な発展と多彩な技法で、国内外の読者を魅了し続けています。本記事では、日本ミステリーの歴史を辿りながら、その特徴や魅力を深く掘り下げていきます。 日本ミステリーの誕生と発展 江戸川乱歩と日本ミステリーの黎明期 1920年代、日本の文学界に革新的な風を吹き込んだのが江戸川乱歩です。本名・平井太郎である彼は、アメリカの推理作家エドガー・アラン・ポーに敬意を表して「江戸川乱歩」という筆名を名乗りました。 乱歩は、欧米の探偵小説を積極的に紹介・翻

2024年を読んだ本でふりかえる⑤

 日が短くなってくると、起きた時に朝の5時なのか、夕方の5時なのか、妙な錯覚を起こすことがある。  小学生の時、両親の寝室に忍び込んで(今となっては理由は不明)、昼寝をして起きた時、「朝だ、学校だ!!!」と飛び上がった記憶がよみがえってきた。  さて、この企画も5回目。一応、80回まで続ける予定で、毎日投稿するとして、あと75日後に終了。その後は、2025年の新企画を生み出したい。  本題へ行きましょう。 #5 十戒 夕木春央 5冊目は、2024年1月14日に読了した

2024年11月読書記録&感想文(ネタバレあり)

先月は15冊とかなり読書の秋を満喫したので今月も楽しみたいと思っている ①ロートレック荘事件 筒井康隆 登場人物が誰が誰なのか どの人物が今喋ってるのか把握しづらく読みにくかった だが、それがトリックのミソだったというのは面白い仕掛け ところどころ挟まれるポスターは本編にあまり関係はなかったが美術鑑賞するのは好きなのでいろんなポスターがカラーで見れたのは嬉しい 11/4読了 ②眼球堂の殺人 周木律 気になってた作品を読みました やはり館ものクローズドサークルも

倒叙ミステリーの傑作!犯人がわかっているのにおもしろいミステリーおすすめ15選

倒叙ミステリーとは、読者に最初から犯人が明らかにされているミステリー形式のこと。通常のミステリーでは犯人を突き止めるプロセスが焦点になりますが、倒叙ミステリーでは「犯行の手口」や「犯人と探偵(もしくは警察)の駆け引き」が物語の中心となります。 例えば、最も有名な倒叙ミステリーの一つである「刑事コロンボ」シリーズでは、冒頭で犯人が完全犯罪を企てる様子を描いた後、そのトリックがどのようにして見破られるかという緊迫感に読者が引き込まれます。犯人視点から展開される物語のため、視聴者

圧巻の感動が押し寄せる本多孝好最新作『こぼれ落ちる欠片のために』より、冒頭60p特別公開‼

本文をお読みいただく前に突然ですが、担当編集は高校生の頃に出会った本多孝好さんの『MOMENT』という小説が好きです。単行本初版の刊行は2002年。病院でバイトをする神田が、出会った末期患者の願いを叶えるために行動する中で、出会った深い悲しみに心を揺さぶられていく様子を描いた、静謐な筆致が光る青春ミステリーです。 文庫版は現在33刷・50万部超えのロングセラー。発売から22年の月日が経った今でも、この物語の素晴らしさは色褪せません。 『MOMENT』には、続編的位置づけの

【オススメ】没入する推理/ミステリー小説を書いてみた『失われた旋律』

完成しました! ぜひ、犯人を推理してみて謎を解明してみてください🔍 【タイトル】 『失われた旋律』 【主な登場人物】 🔍秋山 一樹(あきやま かずき) 年齢: 35歳 職業: 警察官(刑事) 性格: 冷静で論理的、几帳面だが、過去のトラウマを抱えており、夜は悪夢に悩まされることがある。事件に対して非常に執念深く、真実を追求する姿勢を崩さない。 背景: 10年前に妹を失うという悲劇を経験して以来、犯罪被害者のために全力を尽くすことを誓う。 🔍佐々木 奈央(ささき なお

¥100

歴史改変小説を読む ifの世界線

 数日前にフィリップ・ロスの『プロット・アゲンスト・アメリカ』を読み終わりました。  出版社の解説にあるように、1940年のアメリカ大統領選挙でルーズベルトではなく、リンドバーグが大統領に選ばれていたら、というifの世界を書く小説なんですね。  ifの世界=架空の世界線を書く小説を「歴史改変SF」と呼ぶようです。SFとはいうものの、他ジャンルの作家の小説も多いのが特徴です。フィリップ・ロスも、現代米文学界を代表する作家の一人でした。  私は、ディストピア小説=自由がなく

会社を倒産に導く女の正体とは?ぶりっこ弁護士が謎の法人事件に挑む!「倒産続きの彼女」

こんにちは、読書子です。 本日、紹介する本はこちら。 新川帆立作「倒産続きの彼女」 「元彼の遺言状」の続編です。 前作を読んだ時から続きが気になっていたので読んでみました。 テンポよく話が進み、とても面白かったです。 では、簡単にあらすじを紹介します。 『山田川村・津々井法律事務所に勤める美馬玉子は、婚活中のぶりっこ弁護士。 ある日、上司から倒産寸前の会社・ゴーラム商会のもとに届いた内部通報の調査をしてほしいと依頼される。 通報内容は「経理部の近藤まりあが転職する度、その

連続爆破を巡る取調室の心理戦|小説感想「爆弾」呉勝浩

人を見た目で判断してはいけないというけれど、 酔っぱらいの爆破予告を信じることができるだろうか? 都心に仕掛けられた爆弾。 沢山の人命がかかる頭脳戦。 糸口は、この男が語るヒントのみ。 今日の投稿は、ミステリー小説。 「爆弾」呉勝浩 ■手に取ったきっかけそもそも、この作品を知ったのは、シリーズ2作目となるこちらが 本屋で平積みされていて「すぐに1巻を読もう!」と思うほど 興味を持ったから。 法廷占拠 爆弾2 ……あらすじが、もう、おもしろい。 シリーズ第一作になっ

ドライブ アイランド【第三章 謎の失踪】

 夕方、島を一周した後、二人は宿に到着した。島を一周したあと、まだチェックインまで時間があったので、もう一周ドライブすることにした。  他に行く場所は、神社と頂上付近の、空海展望台が観光マップに掲載されていたが、話に夢中で、それどころではなかった。 「電話の相手は、男のひと?」 サトルは聞いた。 「うん、どこかで聞いたことのあるような声なんだけど、誰かは思い出せないの,,,」  島を一周するのに時間はそうはかからないが、空間の把握ができず、時空のトンネルの中にいるように、過

医療ミステリーおすすめ15選!名作から最新作まで読み応え抜群の傑作集

医療ミステリーは、普通のミステリーとは一味違った緊張感と深みが魅力のジャンルです。医療現場の緊迫した状況や、医師たちの葛藤がリアルに描かれ、読者をぐっと引き込みます。 今回ご紹介するのは、そんな医療ミステリーの中でも、特におすすめの15作品です。スリル満点の展開やリアルな医療描写が満載で、読み応え抜群ですよ。 さあ、あなたも一緒に、医療の世界に隠されたミステリーを解き明かしてみませんか? ※動画配信状況は2024年11月14日現在の情報です。 『神の手』久坂部羊現役医師で

三上延L08『ビブリア古書堂の事件手帖~扉子さんと不思議な客人たち~』

ドライブ アイランド【第四章 闇の中の真実】

 サトルは、島のみんなが嘘をついているような気がしていた。  浴衣の女性がひとり島を歩いていたら目立つし何か、彼女の身に起こったとして、きっとそれは、誰かの記憶に残るはずだ。  でも、申し合わせたように、島の人たちは何も見ていないし、何も知らないという。  途方にくれ、宿に帰りどうしようもなく、頭を抱えサチを待つしかなかった。そのうち、サトルは疲れ果てたのか、ビールのせいか眠ってしまっていた。そして朝方、夜明け前に目を覚ました。 サチは依然として帰ってこない。  部屋で

猫のいない庭10

第十三話『疑惑』 私は確信に変わるかもわからない疑惑を抱えたままインターネットや近所の方に聞いた情報で山本さんについて調べてみた。無論本人には怪しまれていると思う。あんなにしつこく家に行ったのだから。調べた結果、某電化製品会社の社長をしていたことが分かった。もうご高齢なので会長なのだとか。東京にかつては居たらしいがその頃の記事が少しだけ残っていた。有名会社の会長だからなのか記事は消させたのか?、、あまり残っていなかった。ただ一つSNSに残っている情報だった。それがこちらであ

¥350