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夢の世界で起きた殺人事件が現実に!「アリス殺し」

こんにちは、読書子です。
本日、紹介する本はこちら。
小林泰三作「アリス殺し」

このミステリーがすごい2014年版に選出された作品です。
残酷な表現もありますが、ストーリーがよく作り込まれていてとても面白かったです。
では、あらすじを簡単に紹介します。

『大学院生の栗栖川亜理は、不思議の国に迷い込んだアリスの夢を毎晩見ていた。
ある日、亜里は不思議の国の住人であるハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見る。

翌日、大学へ行くと玉子というあだ名の研究員が屋上から転落して亡くなったと聞かされた。
次に見た不思議の国の夢ではグリフォンが生牡蠣を詰まらせて死亡し、現実世界では牡蠣を食べた教授が死亡するという事件が発生。
2つの事件から夢の世界と現実世界がリンクしていることが分かったが、夢の世界でアリスが殺人事件の犯人にされてしまう。
もし、不思議の国でアリスが死刑になれば現実の彼女はどうなるのか?

亜里は自身と同じ夢を見ている大学院生の井森と一緒に、夢の世界と現実世界で起きている事件の調査を開始するが・・

楽しい不思議の国の話かと思いきや、物語の冒頭でハンプティ・ダンプティが墜落死するショッキングな事件が発生。
現実でも玉子というあだ名の研究員が屋上から転落死し、その後も不思議の国の住人が殺害される度に現実世界でも人が亡くなってしまう。

更には一連の殺人事件の犯人にされてしまうアリス
このままではアリスは処刑され、現実世界でも死ぬことになってしまう。
亜里は真犯人を見つけ処刑を回避するため、同学年の井森と一緒に調査に乗り出します。

でも、不思議の国の住人との会話は支離滅裂でなかなか捜査が進展しません
「どうしてアリスが犯人だと思うんだ?」
「それはアリスが犯人だと思ったからだよ」のような会話が続き、こちらも読んでいて気が狂いそうになりました。
そして、一人また一人と殺されていく人達。
こんな調子で本当に事件は解決できるのかと途中までハラハラしていましたが、終盤で大どんでん返しが待っていました。

いつもミステリー小説を読む際、自分も推理をしながら犯人の目星をつけるのですが、この作品は全く想像できない展開で驚きです。
また、アリスをはじめ、白兎や帽子屋、チェシャ猫など『不思議の国のアリス』でお馴染みのキャラクターが登場するところも読んでいて楽しかったです。
続編も出ているので機会があれば読みたいと思いました。

アリスは殺人事件の犯人を捕まえることができるのか?
そして、犯人の動機や目的は一体何なのか?
予想外の展開が待ち受ける『アリス殺し』
気になった人はぜひ読んでみてください。


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