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医療ミステリーおすすめ15選!名作から最新作まで読み応え抜群の傑作集
医療ミステリーは、普通のミステリーとは一味違った緊張感と深みが魅力のジャンルです。医療現場の緊迫した状況や、医師たちの葛藤がリアルに描かれ、読者をぐっと引き込みます。
今回ご紹介するのは、そんな医療ミステリーの中でも、特におすすめの15作品です。スリル満点の展開やリアルな医療描写が満載で、読み応え抜群ですよ。
さあ、あなたも一緒に、医療の世界に隠されたミステリーを解き明かしてみませんか?
※動画配信状況は2024年11月14日現在の情報です。
『神の手』久坂部羊
21歳の末期ガン患者・古林章太郎の激痛を取り除くため、外科医・白川は最後の手段として安楽死を選ん だ。だが、章太郎の母・康代は反発、訴えることを決意する。殺人か過失致死か。状況は限りなく白川に不利 であったが、謎の圧力がかかり不起訴処分になる。 背後にうごめく安楽死法制化の画策と世論誘導。マスコミを使って阻止を諮る康代。白川は困惑しつつも、そ の激流に呑み込まれていく・・・・・・。
現役医師である久坂部羊さんのミステリー小説です。2019年にはWOWOWで椎名桔平さん主演のドラマも放送されています。終末期医療の専門家でもある久坂部羊さんが紡ぎだす物語は、すべてが臨場感たっぷり!考えさせられることが多いストーリーです。
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『ノーフォールト』岡井崇
城南大学病院に勤める女性産科医・柊奈智は、深夜の当直で容態が急変した妊婦に緊急帝王切開手術を行なう。ギリギリの判断が幸いし、子供は無事に生を受けた。だが喜びもつかの間、数日後に原因不明の出血が母親を襲う。医師たちの懸命の治療の甲斐もなく、出血の原因がわからないまま、母親は死亡してしまった。患者を救えなかったことでショックを受ける奈智。だが、それは、さらなる試練の始まりに過ぎなかった……
こちらの作品も現役医師が作者であるミステリー小説。産婦人科医の経験を活かして書き上げた本作が処女作です。2009年には藤原紀香さん主演でドラマ化もされています。本作の10年後が描かれた作品が『デザイナーベイビー』です。
『チームバチスタの栄光』海堂尊
『このミステリーがすごい! 』大賞 大賞受賞、ドラマ化・映画化もされ、「SUGOI JAPAN Award 2015」の投票で、
過去10年間のエンタメ小説の中からベストテンにも選出された、傑作医療ミステリー。
東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ"は心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。
ところが原因不明の連続術中死が発生。高階病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼する。
医療過誤死か殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。さらには、厚生労働省の変人役人・白鳥圭輔もやってきて……。
外科医、病理医を経て作家になった海堂尊さんの処女作。2005年に第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しています。受賞時のタイトルは『チーム・バチスタの崩壊』でした。2008年には竹内結子さん主演で映画化、伊藤淳史さん、仲村トオルさんの主演でテレビドラマ化もされています。
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『無痛』久坂部羊
見るだけですぐに症状がわかる二人の天才医師、「痛み」の感覚をまったく持たない男、別れた妻を執拗に追い回すストーカー、殺人容疑のまま施設を脱走した 十四歳少女、そして刑事たちに立ちはだかる刑法39条――。神戸市内の閑静な住宅地で、これ以上ありえないほど凄惨な一家四人残虐殺害事件が起こった。凶器のハンマー他、Sサイズの帽子、LLサイズの靴痕跡など多くの遺留品があるにもかかわらず、捜査本部は具体的な犯人像を絞り込むことができなかった。そし て八カ月後、精神障害児童施設に収容されている十四歳の少女が、あの事件の犯人は自分だと告白した、が……。
『無痛』は現役の医師である久坂部羊さんの3作目のミステリー小説です。2015年には西島秀俊さん主演でテレビドラマ化されています。心神喪失者の行為を減刑に関する刑法39条を取り上げるなど、社会派の側面も感じる1冊です。
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『無言の旅人』仙川環
交通事故で意識不明になった三島耕一の自宅から尊厳死の要望書が見つかった。苦渋の選択を迫られた家族や婚約者が決断を下した時、耕一の身に異変がーー。胸をつく慟哭の医療ミステリ。
尊厳死がテーマの医療ミステリー。尊厳死に関わるさまざまな立場の人の想いを感じることができ、考えさせられます。いろいろな最期があることを、元気なうちに家族と語り合っておくといいかもしれないですね。
『祈りのカルテ』知念実希人
5つの感動がここに。連作医療ミステリ!
諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正会医科大学附属病院の研修医。初期臨床研修で、内科、外科、小児科など、様々な科を回っている。
ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。その腕には、別れた夫の名前が火傷(やけど)で刻まれていた。
離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているというが、諏訪野は女性の態度と行動に違和感を覚える。
彼女はなぜか、毎月5日に退院できるよう入院していたのだ――(「彼女が瞳を閉じる理由」)。
初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、循環器内科に入院した我が儘な女優など、驚くほど個性に満ちた5人の患者たちの謎を、新米医師、諏訪野良太はどう解き明かすのか。
「彼」は、人の心を聴ける医師。心震える連作医療ミステリ!
全5話からなる連作短編集の医療ミステリーです。2022年に玉森裕太さん主演でテレビドラマ化されています。難しい話が多い医療系ミステリーですが、『祈りのカルテ』は比較的読みやすく、すいすい読める1冊です。
『悪医』久坂部羊
第3回日本医療小説大賞受賞作!
2人に1人ががんになる時代の必読書
現役の医師であり作家でもある著者が、満を持して取り組んだ
「悪い医者とは?」をテーマに問いかける、感動の医療長編小説。
がん治療の拠点病院で、52歳の胃がん患者の小仲辰郎はがんが再発したあと、
外科医の森川良生医師より「これ以上、治療の余地がありません」と告げられた。
「私にすれば、死ねといわれたのも同然」と、
小仲は衝撃のあまり診察室を飛び出す。
小仲は大学病院でのセカンドオピニオンを断られ、
抗がん剤を専門とする腫瘍内科、免疫細胞療法のクリニック、そしてホスピスへ。
それぞれの場所で小仲はどんな医師と出会うのか。
一方、森川は現在の医療体制のもと、
患者同士のいさかい、診療での「えこひいき」問題などに忙殺されるなか、
診療を中断した小仲のことを忘れることができず、
末期がん患者にどのように対したらよいのか思い悩む日々がつづく。
患者と医師の間の溝ははたして埋められるのか。
がん治療に対する医師の本音と患者の希望は軋轢を生み、
物語は運命のラストへと向かう。
ひくにひけない命という一線をめぐり、
患者と医師双方の切迫した事情が迫真のドラマを生み出す問題作。
2014年、第3回日本医療小説大賞を受賞した作品です。ガンで、余命宣告を受けた患者と、余命宣告をした医師。立場の違いで物語の捉え方が変わってくることがよくわかります。ガン患者が身近にいる人にとってはとても重苦しく感じるストーリーかもしれません。
『閉鎖病棟』帚木蓬生
とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった……。彼を犯行へと駆り立てたものは何か? その理由を知る者たちは――。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。
現役の精神科医でもある帚木蓬生さんの医療ミステリーです。第8回山本周五郎賞受賞しています。病院の精神科の閉鎖病棟を舞台に、そこで起こる殺人事件とその意外な結末を描いています。2018年には上良早紀さん主演、2019年には笑福亭鶴瓶さん主演でそれぞれ映画化されています。
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『がん消滅の罠 完全寛解の謎』岩木一麻
日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。
夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金三千万円を受け取った後も生存しており、
それどころか、その後に病巣が綺麗に消え去っているというのだ。同様の保険支払いが四例立て続けに起きている。
不審に感じた夏目は、変わり者の友人で、同じくがんセンター勤務の羽島とともに、調査を始める。
一方、がんを患った有力者たちから支持を受けていたのは、夏目の恩師・西條が理事長を務める湾岸医療センター病院だった。
その病院は、がんの早期発見・治療を得意とし、もし再発した場合もがんを完全寛解に導くという病院。がんが完全に消失完治するのか?
いったい、がん治療の世界で何が起こっているのだろうか――。
第15回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作。
第15回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞している作品で、多くの人に読みやすい医療系ミステリー小説です。ガンのことだけではなく、保険についても勉強になる1冊です。
『聖なる怪物たち』河原れん
飛びこみ出産の身元不明の妊婦が急死。それにかかわった「聖職者」たちは、小さな嘘を重ねるうちに、人生が狂っていく……。妊婦は何者なのか? 新生児は誰の子か? 傑作医療ミステリ。岡田将生主演の話題テレビドラマの原作。
2012年に岡田将生さん主演でテレビドラマ化されています。謎が謎をよぶスピード感のある展開で、一気に読めてしまいます。登場人物たちのそれぞれの立場、想いが複雑に絡み合い…。何がよくて、何が間違っているのかを考えさせられます。
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『サイレント・ブレス』南杏子
大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷"を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎"を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、大きな決断を下す。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか?
現役医師の南杏子さん。大学では家政学を学び、出産後に医学部に学士編入したという経歴の持ち主です。多くの死を見届けた体験をもとに、終末期医療や在宅医療を題材とした『サイレント・ブレス』をデビュー作として執筆したそう。
『薬も過ぎれば毒となる 毒島花織の名推理 1』塔山郁
ホテルマンの水尾爽太は、処方薬を丹念に塗るも足の痒みがおさまらず、人知れず悩んでいた。薬をもらいに薬局へ行くと、毒島という女性薬剤師が症状を詳しく聞いてくる。そして眉間に皺を寄せ、医者の診断に疑問を持ち……。急激な眠気に襲われるホテル従業員、薬を過剰に要求してくる老人、ダイエット薬を格安で売る病院など、水尾は毒島とともに、薬にまつわる様々な事件に挑む!
ライトな感じの医療ミステリーが読みたい時におすすめの1冊。薬剤師さんが薬にまつわる謎を解き明かす日常系ミステリーです。現在、7巻まで刊行されている人気シリーズです。
『使命と魂のリミット』東野圭吾
心の限界に挑む、長編サスペンス!
あの日なくしたものを取り戻すため私は命を賭ける――。心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。それを果たすべき日、手術室を前代未聞の危機が襲う。大傑作長編サスペンス。
感動系のミステリー小説でおなじみの東野圭吾さんが描く医療系長編ミステリー。2011年に石原さとみさん主演でテレビドラマ化されました。人がだれしも持つ「使命」とは何なのか。東野圭吾さんらしい読みやすい文章でラストまで一気に読ませます。
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『ドクター・デスの遺産』中山七里
死ぬ権利を与えてくれ――。安らかな死をもたらす白衣の訪問者は、聖人か、悪魔か。警視庁VS闇の医師、極限の頭脳戦が幕を開ける。安楽死の闇と向き合った警察医療ミステリ!
安楽死をテーマにした医療系ミステリーです。2020年に綾野剛さん主演で映画化されました。終末医療の在り方を今一度、考えさせられます。
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『遺体鑑定医 加賀谷千夏の解剖リスト』小松亜由美
事故か、殺人か――彼女のメスは、死体が見た最後の風景を蘇らせる。
京都府警に持ち込まれた傷害致死事件。引きこもりの大学生が、異様な姿で死亡した。伏見署に連行された母親は「娘の身体を突き破って悪魔が出てくる」と興奮気味に話し、供述は要を得ない。夫の事故死をきっかけに彼女がのめり込んでいた新興宗教は、「悪魔祓い」と称して、信者に加虐的な扱いをすることもあったという。遺体の状況から、母親の虐待を疑う京都府警は、検屍と司法解剖を千夏に依頼するが……(「エクソシズム」)。京都市北区の河川敷で、首のない遺体が発見される。被害者は刺青があり、小指も欠損していることから、暴力団関係者とみなされるが、身元はわからない。激しい暴行を加えられた後、首を切断するほどの動機とは一体何なのか? 現場に駆け付けた検視官の都倉は、何かしっくりしないものを感じながらも、何が違和感なのかわからない。司法解剖を担当した千夏の見解を聞くうち、都倉はあることに気づく。(「梟首」)など、4話を収録。
現役の解剖技官である小松亜由美さんのミステリー小説です。ご自身の経験を生かし、リアリティも抜群!続編の『遺体鑑定医 加賀谷千夏の解剖リスト 溺れる熱帯魚』が2024年11月に刊行予定です。
まとめ|医療ミステリーおすすめ15選!名作から最新作まで読み応え抜群の傑作集
医療ミステリーは、医療の専門知識とスリルが融合した独特なジャンルです。現実の医療現場をベースにしたリアルな描写や、医師ならではの視点から描かれる作品は、読み応えがあり、考えさせられる内容ばかりです。今回紹介した15作品は、どれも人気が高く、映画やドラマ化されたものも多くあります。
緊迫感あふれるストーリーと巧妙な謎解きが魅力で、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしです。医療ミステリー初心者から、ベテランの読者まで楽しめる作品が揃っていますので、ぜひ次の読書の参考にしてみてください。