2024年11月読書記録 青春、風変わりな人々、チューリングが生きながらえたら?
福永武彦『草の花』(新潮文庫)
SNSで何度か目にして気になっていた作品です。福永については、堀辰雄の弟子、中村真一郎の盟友、池澤夏樹の父親…といったことしか知りません。が…読み始めると、サナトリウムの話だし、文体や雰囲気も、あまりにも堀辰雄に似すぎていることに驚きました。堀辰雄自身、初期の作品はラディゲやプルーストに似すぎなのですが、そのあたり、戦後になっても、文学界は無頓着だったのでしょうか。今なら、例えば、村上春樹さんの影響をここまで受けた小説は、文学賞の一次選考も