さんよつ

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胃に優しい日々。エッセイおよびコラムを書いています。ご依頼やお問い合わせはプロフィール記事からお願いします。

最近の記事

今回もフィルターバブルについて語る

インターネットが普及してから、全世界の情報を誰もが入手できるようになり、情報の民主化が成し遂げられました。 SNSを利用すれば、理論的には世界中の人と交流することが可能な時代に生きていることになります。 それによって、今まではムラ社会的な人間関係に苦しんでいた人にも活路が見出されることとなり、個人の才能やスキルを伸ばし、もしくは個人が生きやすい暮らしを否定されることなく実践し、人類の自由度は格段に増加したように思えます。もう元には戻れないという人も多いはずです。 しかし

    • 正論を振りかざす|正論はずるい

      最近、仕事で他の部署と業務を進めていくプロジェクトを担当しています。その際は他部署の事情も考慮したうえで業務や議論を進めていく必要があり、慣れないコミュニケーションに苦慮しています。 僕は主に営業に関わる部署で、共に業務を進めていく他部署はマーケティングに関わる部署です。僕が主導しているプロジェクトは他部署にも関わることなので、マーケティング部の社員はいつも協力的な姿勢で携わってくれていたのですが、最近になって雲行きが怪しくなってきました。 スケジュールの進捗が滞ってしま

      • 歯医者の進化に胡坐をかく

        先日、数年ぶりに歯の詰め物が取れてしまい、歯医者に行ったところ約3回ほどの通院で全ての治療を無事に終えることができました。 ほぼ無痛だったので何の苦労もなく、予定の調整だけ少し気を遣ったけれど、全体的にストレスのない治療だったと思います。 今の若い世代の人たちはどう思っているのかわかりませんが、少なくとも僕の様な30代半ばを過ぎた世代にとって、「歯医者」と言えば行きたくない場所のシンボルの様な、痛みを伴う場所だった記憶があります。 「ギュイーン」という治療器具の鋭い音を

        • 金がないのを逆手に取る

          給料が安くて苦しい時期や、急な出費があった時など、どうしてもお金を使えないという事は誰でも経験があることかと思います。 そういう時は、いつも買っているものも買えず、休みの日にも遊びにいけずに非常に辛いものです。生活の質を下げるということは思った以上に大変なものだと痛感するでしょう。 僕もそういう時期が過去に何度もありました。もちろん、とっても辛い時期ではありますが、こういう追い詰められた時こそアイディアが浮かんできたりもするものです。 昨年、パソコンが壊れてしまったので

        今回もフィルターバブルについて語る

          安さの理由に思いを馳せる|なぜ安い?

          基本的に質素な暮らしを心掛けているため、普段の買い物は安いものを買う様にしています。当たり前ですが。 しかし、昔からよく言われるように「安かろう悪かろう」といった事象も起こり得るので「なぜ安いのか?」については、よく考えるようにしています。 例えば、スーパーやコンビニのプライベートブランド商品は、メーカーが製造したものよりも安く買うことができます。これは自社で製造することで、アウトソーシングのコストがかからず、低価格で商品を販売することができるからです。 また、僕はDE

          安さの理由に思いを馳せる|なぜ安い?

          酒を飲む理由|ぼーっとしながら自分と向き合う

          言い訳と思われても仕方がないのだけれど、よく酒を飲んでいます。一番よく飲むのは日本酒、もちろんビールもワインもウイスキーも好きです。 食事をする理由については、他者との交流のためであると過去に書いたことがあります。味を求めるだけでなく、栄養摂取だけでもなく、交流の機会としての役割が大きいのです。 酒にももちろんそういった効用は多く、「飲みニケーション」といった言葉もあるほど、酒を飲みながら人と仲良くなることはたくさんあります。 ただ、僕はひとりで酒を飲むことも同じくらい

          酒を飲む理由|ぼーっとしながら自分と向き合う

          無駄な仕事に耐える|ケインズに学ぶ

          会社員として仕事をしていると、「この仕事は何の意味があるんだろうか」という瞬間にどうしてもぶち当たります。 その典型は会議かもしれません。高い給料の社員が複数名で集まって議論をしようとするが、誰かの横やりによって話は脱線し、本来議論すべきだった内容は話されず、当初の問題は何も解決されなかったということも多い。 そういった会議にならないよう、主催者(もしくはその部下)は事前に丹念なプレゼン資料を作り込みますが、その資料のうち参加者の目に入る部分はごくわずか。しかも上述の通り

          無駄な仕事に耐える|ケインズに学ぶ

          昇給よりも嬉しかった異動とは

          今の職場に勤めて6年目くらいになりますが、ここ4年間のうちに2回ほど昇給を経験しました。年次で昇給できる制度ではなく、役割によって給料が決まる制度なので、思えば4年で2回のみと、そこそこチャンスは逃してきたということになります。もっと頑張るべきだったかもしれない。 それはさておき、昇給は収入が増えるわけだからそれは非常に嬉しいことです。生活は楽になるし、何か欲しいものがあれば買えるようになります。今まで我慢してきたものも、収入が増えたのだからもう我慢しなくてよくなるかもしれ

          昇給よりも嬉しかった異動とは

          陽と陰ならどっち派ですか?

          この前、コーヒーと紅茶について書いたのですが、そういえばコーヒー派の人もいれば紅茶派の人もいるな、と思いました。当たり前ですが。 イギリス人やインド人は紅茶派で、アメリカ人はコーヒー派でしょう。そう、彼らはボストン茶会事件でイギリス人の紅茶を海にぶちまけることで独立を果たしたのです。 日本人はどちらかと言うとアメリカ企業がたくさん進出してきているし、アメリカからビジネスを参考することも多いから、コーヒーの方が普及しているように見えます。 こういった「どっち派?」という話

          陽と陰ならどっち派ですか?

          リスクを取らざるリスク|結婚と仕事編

          株式取引や資産運用について勉強していると、必ず出てくる考え方に「リスク」という言葉があります。リスクを取りに行ったものだけが、リターンを得ることができるという、シンプルな市場の原理です。 僕は投資家でも何でもなく、会社員として暮らしながら余った資金を株式に移しているくらいなのですが、とはいえ大切なお金なので過去に「リスク」について勉強をしていたことがあります。そして、「リスク」についての考えは、生きていくうえで非常に役立つものでした。 例えば100万円でA社の株式を購入し

          リスクを取らざるリスク|結婚と仕事編

          面白い小説ほど何の役にも立たない

          「読書をする人は年収が上がる」といったネット記事をよく見かけますが、あれは嘘でしょう。 それは年収が高い人にアンケートなどを取り、そのなかで結果的に読書家が多かっただけです。これを生存者バイアスと呼びます。 年に5冊以上の本を読む人は確かに賢い人が多いが、賢いことと年収が高いことにそんなにわかりやすい相関関係があるほど、世の中はわかりやすくはありません。 ミステリの女王であるアガサ・クリスティーは、戯曲も含めると全100作品という大量の作品を世に残しています。これらを全

          面白い小説ほど何の役にも立たない

          今まで食べたなかで一番美味しかったもの

          今までに食べたもので一番おいしかったものは何?と聞かれたら、みなさんは何と答えるでしょうか。 記念日に食べた高級フレンチやイタリアンである人もいれば、老舗の懐石料理だと言う人もいるかもしれません。海の近くのお店で食べた漁師めしといった、現地だからこそ味わえるものを挙げる人もいるでしょう。 または、幼い頃に実家で食べていた日常の食事を「おふくろの味」として挙げる人もいるかもしれません。「美味しい」という感想がいかに多様であるかがわかります。 良質な食材を巧みな技術で調理し

          今まで食べたなかで一番美味しかったもの

          タバコを辞めて十数年|禁煙者と喫煙者の共存について

          若い頃にタバコを吸っていた時期があります。コンビニでアルバイトをしていた経験があり、レジ打ちをしているとお客さんに「マイセン8」とか「マルメラ」とか注文されるため、それは「マイルドセブンの8mg」「マールボロメンソールライト」のことなんだ、とタバコの名称を覚えていかなければならず、そうこうしているうちに自分でも吸ってみたくなってしまったのがきっかけです。 当時はまだ今ほど禁煙の潮流が強くなかったこともあり、喫煙者と禁煙者の分断はちょうど半分くらいに分かれていたような時代でし

          タバコを辞めて十数年|禁煙者と喫煙者の共存について

          コーヒーから紅茶へ|些細な変化がくれるもの

          基本的に毎朝コーヒーを飲み、休みの日もカフェで読書をする時にコーヒーを飲んでいます。 つまり1年中、ほぼ毎日コーヒーを飲み続けています。一日に2杯くらいは飲むので、ざっと計算すると年間の消費量は730杯。こうして考えると飲み過ぎに思えてきます。 コーヒーにはカフェインが含まれているので、仕事でもプライベートでもその覚醒作用に頼っている側面もありますが、何よりも味と香りが好きなので、リラックスのための嗜好品として愛飲しています。 ただ、やはり年中飲んでしまうと、カフェイン

          コーヒーから紅茶へ|些細な変化がくれるもの

          死に直面したらマンガとゲームを辞めた

          僕は周りからよく「現実的な性格だね」と言われます。もしかしたら、感じの悪い印象を持たれているかもしれません。 マンガやアニメを観ることがほとんどなく、ゲームもせず、テレビもそうですがドラマも観なくなったことから、その手の話に加わることができません。 昔はTSUTAYAにDVDを借りに行って映画を観る習慣がありましたが、コロナ渦で外出をしなくなり、その間に動画をサブスクで観る流行りにも乗り遅れ、映画さえも観ることが減ってきてしまいました。 そんな僕も昔はよくマンガを読んで

          死に直面したらマンガとゲームを辞めた

          一度は経験しておきたい無職期間|読書三昧の至福の時

          「無職」というと、あまりなりたいものではないかもしれませんが「一度は経験しておいても良いぞ」という話を書こうと思います。 なぜそう思うのかと言うと、僕が過去に無職期間を経験しているからです。その期間は約1年半、2011年7月~2013年2月くらいまでです。ちなみに新卒で会社員になったのが2011年4月だったので、わずか3カ月だけ働いて(正確には研修を受けただけ)あっという間に無職になってしまったのです。 しかし、実は無職ではなく「休職」状態で、給料の6~7割くらいが支給さ

          一度は経験しておきたい無職期間|読書三昧の至福の時