多重解決ミステリーの世界に飛び込んでみませんか?
一つの事件に対して複数の推理が繰り広げられ、真実が次々と塗り替えられるこのジャンルは、ミステリーファンにとって知的興奮が止まらないもの。
今回は初心者から上級者まで楽しめる多重解決ミステリーのおすすめ15作品を厳選してご紹介します。
それぞれの作品の魅力や特徴に触れつつ、新しい読書体験への扉を開きます。ぜひ、参考にしてみてくださいね♪
嵐の中の館で繰り広げられる殺人事件と15通りもの解決案。国民的推理番組「ミステリー・アリーナ」で、ミステリ愛好家たちが推理合戦を繰り広げます。ミスリードもたっぷりで、エンタメ感のあるミステリー小説です。
山奥で発生したカルト宗教団体の集団自殺事件。唯一の生存者が抱える奇妙な記憶をめぐり、探偵が「奇跡」の存在を推理で証明します。個性的なキャラクターが非常に魅力的。奇想天外な事件の展開と論理の緻密さが光る一作です。
「本格ミステリ・ベスト10」2016年版(国内部門)5位。続編は『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』です。
『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』でも有名な白井智之さんの多重解決ミステリー。
家族の崩壊と連続殺人が交錯する物語。伏線の張り方と回収の妙技が圧巻です。帯には「ストーリーもトリックもロジックもすべてネタバレ厳禁です」の文言!ネタバレを読まずに読むのがおすすめです。
『毒入りチョコレート事件』アントニイ・バークリー (著), 高橋 泰邦 (翻訳)
多重解決ミステリーといえば外せない『毒入りチョコレート事件』。日本では『新青年』の1934年8月号に「毒殺六人賦」の題名で初めて翻案が掲載されました。ミステリーの古典的名作。
ロジャー・シェリンガム率いる「犯罪研究会」のメンバーが、毒殺事件を各自の視点で解明。それぞれの推理が独自性を持ちつつ、最後に驚きの真相が待っています。
「このミステリーがすごい!」2021年版 国内編と「2021年本格ミステリベスト10」国内ランキングで堂々7位のW受賞作品。『毒入りチョコレート事件』をオマージュしているので、まず『毒入りチョコレート事件』を読んでから、本作を読むのがおすすめ。
書簡のやり取りの中で繰り広げられる真実と虚構の交錯。心理描写の巧みさが見どころです。
『さよなら神様』の著者でもある麻耶雄嵩さんの多重解決ミステリー。第64回日本推理作家協会賞、第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞しています。ちなみに麻耶雄嵩さんは2022年から本格ミステリ作家クラブ会長を務めています。
閉鎖的な村で起こる連続殺人事件をホラーテイストで絶品ミステリーに仕上げています。
デビュー作『生ける屍の死』でも有名な山口雅也さんの作品です。『キッド・ピストルズの妄想』で第47回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)候補、第15回吉川英治文学新人賞候補になっています。
本作はキッド・ピストルズシリーズのひとつで、ゲームブック『13人目の名探偵』をもとにした長編小説です。小説をもとに、プレイステーション、セガサターンのゲームも制作されています。
エラリー・クイーンさんの有名な「国名シリーズ」の第4作目である本作。作中の時系列としては最も古く、大学を出たばかりのエラリー・クイーン(作者と同名の主人公)が初めて手がけた事件という設定です。
ちなみに、章のタイトルにも小さな仕掛けが…。最後までしっかり楽しませてくれる作品です。
『アリバイ崩し承ります』でも人気の大山誠一郎さんのユニークな短編ミステリー集です。2021年の本格ミステリ・ベスト10で第6位。ワトソンカではなく、ワトソン力(りょく)です。
ちょっぴり特殊設定ミステリーでもある本作。1話ずつが短めなので、ミステリー初心者さんでも読みやすい作品です。
4冠達成、ドラマ化でも有名な『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の著者である相沢沙呼さんの作品。本作は2018年の「このミステリーがすごい!」18位に入っています。
マツリカシリーズの第3作目にあたります。
前の2作とは違い長編ミステリーです。前作を読んでおくと、より楽しめます。
吉川英治文学新人賞をとった『99%の誘拐』の著者である岡嶋二人さん。実は井上泉さんと徳山諄一さんという二人の方がコンビで活動されていた時のペンネームです。
密室に閉じ込められるのが4人という人数の少なさで、初心者にも読みやすく、わかりやすい作品。30年以上前の作品なので、ほんのり漂うレトロ感が心地よく感じます。
2023年の「本格ミステリ・ベスト10」第9位となった作品です。未解決事件の作中作を推理する多重解決ミステリー。
ラノベ風のキャラ設定に賛否が分かれるところですが、名探偵、怪盗王、密室…などミステリー好きなら楽しめる要素がふんだんに盛り込まれています。
2003年の「本格ミステリ・ベスト10」第9位となった作品です。推理集団〈恋謎会〉が披露する各自の推理から事件の新たな面を確認していくという王道多重解決ミステリー。
西澤保彦さんの著書はどれも登場人物の名前が変わっているという特徴があります。本作でも初登場のときにしか名前のフリガナがついていないので、名前をしっかり確認しておくと読みやすくなりますよ。
『殺人喜劇の13人』の著者としても有名な芦辺拓さんの作品。2015年の「本格ミステリ・ベスト10」第4位、「このミステリーがすごい!」第10位となった作品です。
間違った推理をすると別世界線のパラレルワールドに飛ばされるという特殊設定ミステリー。「シュレーディンガーの猫」をテーマにしているので理系の人には特におすすめです。
第29回鮎川哲也賞受賞作品『時空旅行者の砂時計』がデビュー作の方丈貴恵さん。本作は2024年8月に刊行されたばかりのミステリー小説です。
幽霊になった完全犯罪請負人と幽霊が見える小学生の少女が真実を追うという特殊設定ミステリー。二転三転する展開、鮮やかな伏線回収とミステリーとしての濃度も高い作品です。
まとめ|知的興奮が止まらない!多重解決ミステリー小説おすすめ15選
多重解決ミステリーは、複数の解釈が提示され、読者が次々と真実に向き合う形式が特徴のジャンル。
今回ご紹介した15作品は、それぞれ独自の視点や工夫が凝らされており、初心者から上級者まで楽しめるラインナップとなっています。さあ、新しいミステリーの世界に踏み出してみましょう!