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コージーミステリはお好きですか『アメリカ菓子とミステリ』発売を前にして

11月13日頃に新刊『アメリカ菓子とミステリ』(原書房)が書店に並びはじめます。ずっと書きたかったテーマで念願が叶いました。

これまでは自分の本を出版1年後や10数年後にnoteで紹介するという、いくらなんでも遅すぎる仕事をしてきたので今回こそは出版前にと思い書いています。

『アメリカ菓子とミステリ』では、アメリカのミステリによく登場する菓子をその登場作品とシーンと共に取り上げ、オリジナルレシピも載せています。レシピはドリンクとパイ生地、グレイヴィーも含めて30品です。


取り上げたミステリは?

アメリカ菓子とミステリ』(原書房)

アメリカ菓子とミステリ』で取り上げた作品は「コージーミステリ」を中心に25作品。数100冊読んだ中から選びました。コージーミステリ専門の文庫レーベル「コージーブックス」をもつ原書房さんからの出版ですが、原書房さんの作品だけでなく、掲載許可をいただけた東京創元社さんとハーパーコリンズ・ジャパンさん、早川書房さんの作品も取り上げることができました。とてもありがたかったです。

"cozy=くつろげる"の言葉通り、心穏やかに読める作品が多いのがコージーミステリ(ジャンルの境界についてはご意見はいろいろあろうかとは思いますが)の特徴です。多くのコージーミステリは、登場人物の日常生活が丁寧に描かれていて、食のシーンもたくさん出てきます。

取り上げたのはこんなお菓子

ブルーベリーマフィン『アメリカ菓子とミステリ』未使用カット

アメリカ菓子とミステリ』で取り上げたのは、そんなミステリによく登場する、アメリカで広く愛されている伝統的な菓子とドリンクです。ある作品にしか登場しないとか、アメリカではあまり一般的ではないといった菓子やドリンクは今回ははずしました。

取り上げた菓子の1つは写真のブルーベリーマフィン。この菓子が登場する作品の中では、このマフィンのレシピをたくさんの人が欲しがっていて、それを巡って事件が起こります。

となると載せるブルーベリーマフィンのレシピも中途半端なものではいけません。「このマフィンのレシピならたしかにほしくなる!」と納得していただけるようなものでないと。ということで、作品をイメージして試作を重ねたブルーベリーマフィンのレシピはかなりの自信作です。「表面はカリカリ」「中はしっとりふんわり」「ブルーベリーはジューシーでたっぷり」そんなブルーベリーマフィンがお好きな方は特にぜひ!お試しいただき感想をお聞かせいただけましたら嬉しいです。

実はそのミステリ作品の中では、誰もが魅了されるブルーベリーマフィンがどんな見た目でどんな味なのか、一切触れられていません。こういった日常と共にあるような菓子は、自分にとっての正解がある人が多いので、読者が自分にとっての最高のブルーベリーマフィンを思い浮かべながら読んでくれればと思ったのかもしれません。そこに挑戦してレシピを載せるという無謀なチャレンジをしましたが、作品からイメージした私なりの最高のブルーベリーマフィンをお楽しみいただけましたらと思います。

写真と器のこと

アメリカ菓子とミステリ』未使用カット

アメリカ菓子とミステリ』の撮影とスタイリングはすべて自分で行いました。作品を読んでイメージを膨らませて、試作をして器を揃えてゆっくりじっくり撮り進めました。最初の数日とカバー撮影時には、原書房の編集の方や、編集者の本村のり子さんが手伝いに来てくださって、とても心強かったです。

時間をかけて集めてきたアメリカの古い器をたくさん使っています。『アメリカ菓子図鑑』のときとはまた別の器も使っていますので、そんなところもお楽しみいただけましたらと思います。写真のコーヒーのカップはファイヤーキングです。ターコイズブルーは、グリーンのジェダイとはまた違った雰囲気ですね。

下記の記事で書いたこの仕事をはじめた当時は、

アメリカのミステリと菓子について書く機会がやってくるとは思ってもいませんでした。これまで書いてきた本を読んでいただいた読者の皆さまと支えていただいた方々のおかげです。自分にとっては大きなチャレンジとなったこの本、お楽しみいただけますように。

近日刊行予定の『子どもだけでつくれる 焼かないお菓子』(東京書籍)もどうぞよろしくお願いいたします。学びと実験と楽しみを詰め込みました。

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アメリカの食卓|原亜樹子
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