倒叙ミステリーとは、読者に最初から犯人が明らかにされているミステリー形式のこと。通常のミステリーでは犯人を突き止めるプロセスが焦点になりますが、倒叙ミステリーでは「犯行の手口」や「犯人と探偵(もしくは警察)の駆け引き」が物語の中心となります。
例えば、最も有名な倒叙ミステリーの一つである「刑事コロンボ」シリーズでは、冒頭で犯人が完全犯罪を企てる様子を描いた後、そのトリックがどのようにして見破られるかという緊迫感に読者が引き込まれます。犯人視点から展開される物語のため、視聴者や読者は探偵と共に「どこで犯人のミスが見つかるか」に注目して楽しむことができるのです。
今回はおすすめの倒叙ミステリー15作を厳選してご紹介していきます。
2008年には映画化され、福山雅治さん主演、堤真一さん、松雪泰子さんなどが共演したことでも話題となりました。
心に染み入るラストに涙が止まりません。
シリーズになっている副家警部補シリーズの第一巻。自らの足を使って証拠を固めていく昔ながらの刑事モノの味わいもたっぷり!短編集なので、さらりとミステリーを読みたいときにもおすすめです。
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世界の倒叙ミステリーといえば、必ず名前が挙がるのがこちらの作品です。犯人視点で語られる物語の中、まるで自分が犯人になってしまったかのような気持ちに…。さまざまなことが丁寧に細部まで書き込まれ、追い詰められていく様子もリアルに感じられます。
死神のようだと称される警部と若手イケメン刑事のコンビが暴く事件が4つの物語に収められています。4話目の「吊られた男と語らぬ女」は少し趣が違う作品。古畑任三郎シリーズを彷彿とさせる、切なさが胸に迫ります。
2018年7月にドラマ化されたことでも話題となった作品です。早すぎる探偵の活躍で、事件が起きる前に犯人を特定してしまうという非常にユニークなミステリー。サクサク読めるストーリー展開なので、さらっとミステリーを読みたい時におすすめの1冊です。
天野節子さんのデビュー作です。米倉涼子主演でドラマ化した作品。昭和の2時間サスペンスドラマの雰囲気があるミステリーです。一気読みしたい作品を探しているときにおすすめ。
碓氷優佳が探偵役の第1作目。石持浅海の「倒叙三部作」の1作目でもあります。このミスで第2位、本格ミステリベスト10でも第2位を獲得している作品です。2008年に黒木メイサ主演でテレビドラマ化もされています。
2022年にテレビドラマ化された作品。このミス6位、本格ミステリベスト10で9位になっています。霊媒探偵城塚翡翠シリーズの第2作目です。1作目である本格ミステリー『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を読んでからの方がより楽しめます。
ラストで大どんでん返しが待っている有名な叙述トリックミステリーです。グロテスクな描写でも有名なので読む人を選ぶかも…?ラストを読むと、どうしてももう一度読み返したくなってしまう作品です。
長編から短編まで数多くのミステリーを執筆してきた鮎川哲也の短編ミステリー集。短めの小説が8篇収められています。
1999年二宮和也主演で映画化、2022年には北村諒主演で舞台化されました。倒叙ミステリーでありながら、青春小説ともいえる、切なさに心が締め付けられます。
章ごとに違う人物が一人称で語り始めるというユニークな構成が特徴的。スピード感があるので一度読み始めるとあっという間にラストまで進んでしまいます。
春は縊殺、夏は溺殺、秋は刺殺、冬は中毒殺と、枕草子を捩った殺害が行われますが…。「完全犯罪完全指南」の細かさに思わず唸りますよ。
四人の交換殺人というちょっぴり頭が混乱する本格ミステリーです。タイトルに引っ張られてミスリードを誘うところも面白い!法月綸太郎シリーズが好きな人には特におすすめです。
神様の鈴木くんが「犯人は○○だよ」と告げるところから始まるミステリーです。短編集で、どの話も後味の悪さが光ります。『神様ゲーム』の続編ですが、独立した話になっているので読んでいなくても大丈夫です。
まとめ 倒叙ミステリーの傑作!犯人がわかっているのにおもしろいミステリーおすすめ15選
犯人がわかっているのに、ぐいぐい引きこまれてしまう傑作ミステリー。時間を忘れて、小説を読むひとときを存分に楽しんでくださいね。