お酒をテーマにした小説やマンガなどの、創作作品を投稿してください!
ハチミツはハンガリー、チーズはベルギー産と、欧州の食品も扱う店の名は「シャーデンフロイデ」。昨月、浮気した彼と別れたフランス料理店で飲んだワインが美味しかったのを思い出し、仕事帰りにワインを買ってみようと立ち寄りました。 「ワインは置いておりません」とソムリエ然とした格好の店員は言いました。ワインの選び方を尋ねた私への答えです。「棚に並んでいるのは?」と訊けば「こちらは蜜です。他人の不幸の味の蜜でございます」とソムリエは口ひげを撫でました。 他人の不幸の味の蜜? 問い返
エミリー・ディキンソン(1830-1886~アメリカ・詩人) ホイットマンと同じ時代を生きた詩人です。世間の評判を気にせず、自室に閉じこもり、自由な作風で内面の世界をひたすら精緻に綴ることに一生を捧げました。死後に1700以上の作品が公になり、世界中で高い評価を受けるようになりました。代表的な詩集としては、「自然と愛と孤独と」(初版 1999)。 『お墓さんが来た!』~「体育教師・ヒグチ」
. 1822年に発刊された「恋愛論」は、スタンダールが一人のイタリア女性への激しい片想いに悩んでいた時に書かれたものでした。 また、彼は生涯、この作品に何度も書き直しを加え続けたといいます。この著書に対する思い入れは相当強いものだったのでしょう。 作品の中で述べられている「恋愛の七段階」や「恋愛の四つのタイプ」などはよく知られています。また、「ただの塩がダイヤモンドに見えてしまう」(要は、あばたもえくぼ)等の「結晶作用」への言及も有名です。 たいへん長い(600ページ
村上春樹(1949-~日本・作家、翻訳家) 「風の歌を聴け」(1979)でデビュー。代表作に「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」「1Q84」(長編)、「中国行きのスロウボート」(短編集)、「アンダーグラウンド」(ルポルタージュ)など。また、「グレート・ギャツビー」(フィッツジェラルド)、「ティファニーで朝食を」(カポーティ)、「心は孤独な狩人」(マッカラーズ)などの翻訳を手がけている。世界的に評価が高く、約50カ国で翻訳出版されている。 『刑事・ネコ』
俵万智(1962~大阪・歌人) 1986年に作品「八月の朝」50首で角川短歌賞を受賞し、歌壇の話題をさらった。第一歌集「サラダ記念日」(1987)で現代歌人協会賞を受賞。口語短歌の斬新な手法が「ライトバース」(なるべく平易な言葉で豊かに情調を表現しようとする短歌)と称された。この歌集が空前の大ベストセラーとなり、国民的歌人となった。他に「チョコレート革命」(1997)、「愛する源氏物語」(2004)、「プーさんの鼻」(2007)など。 『へなちょこ鳥獣図鑑』
佐藤春夫(1898-1927~和歌山・小説家、詩人) 与謝野鉄幹らに師事し,《三田文学》《スバル》に詩を発表。これらは1921年の『殉情詩集』にいっしょにまとめられ,大正期の代表的抒情詩集の一つとされる。大正期にはいると,散文詩風の小説を書くようになり,1916年『西班牙犬の家』を発表,続く『田園の憂鬱』(1919)で文壇の注目を集めた。他に『退屈読本』(1926)などの随想集や中国の訳詩集『車塵集』(1929)がある。1960年文化勲章受章。
本は好きだけど、純文学は読まないという人は多いのではないだろうか。 難しい。とっつきにくい。シンプルに面白くない。 そんなところが理由だろう。 わからなくはない。というか、よくわかる。実際、読了したけど、これなんだったんだろうの作品は多い。 エンタメ小説は、参加さえすればあとは相手が楽しませてくる観光ツアーみたいなもので、純文学は厳しい登山みたいなところがある。自分で意義を見出さなければならない。 とはいえ、純文学の中にも、高速エレベーター付きの登山のような、圧倒的に
お遊び企画。 これからスピッツの名盤「ハチミツ」を使って、詩を組み立てます。 覚えておいてください。「ルナルナ」というキーワードが出てきます。このキーワードを見て、何を想像したか? 読み手の邪悪さがわかってしまうかも。 ハチミツはどこに消えた ちょうちょ結びをほどくように 素敵な恋人が溶かしていた オレは誰よりもトンガっていて 君もトンガっていた 今 煙の中で愛のことばが溶けていく 潰れるグラスホッパー 消えるクローバー あじさい通りで雨降り続いたら
空席の となりで食べる 瞬間に はじめて気づく 君の存在 話すこと なにもないのに 語りたい ダイヤルまわす ひとり深夜に 変わってく こんなわたしじゃ なかったの つぎから次へと 増える例外 何度目の ことばなのか 覚えてない 君と交わした 「メリクリ」「ことよろ」 いつ終わる 考えたこと なかったわ 君の口唇 残る感触 泣き笑顔 夜に抱かれて 燃え上がる もどれない恋 一歩ふみだす 熱々の カレーライスも いいけれど 恋もカレーも 冷めてからかな かわいいね
吉祥寺に戻ろう 「どこに住んでもいい」という状態になるのは、初めてのことだった。 家内と別れ、やがて子供たちが巣立ち、独りになった。 身軽になったので、長く一家で暮らした世田谷の一軒家を引き払い、小さなマンションに移ることに決めた。 もともと在宅でのパソコン仕事がほとんどなので、行先の選択はほぼ自由だった。 自分は、どこへ行ってもよい、、、 しかし、過度な「自由」にはやっかいな一面がある。 「どこでもいい」となると、どこへ行くべきか、途方に暮れてしまうのだ。 こん
ウォルト・ホイットマン(1819–1892~アメリカ・詩人、随筆家) 19世紀アメリカを代表するホイットマンの長編詩「草の葉」(1855)は、後世のケルアックらビート文学に至るまで、大きな影響を与えてきました。 日本には夏目漱石によって紹介されています。 伝統を打破したその壮大な世界では、自由なスタイルで人間性が称えられています。
薄紅の 冬の日暮れの 羽ばたきは はやる心に 暖かきかな photo & words by なおみ
「この人は、私のことが一番好きなのよ。それは分かるのよ」 彼女が酔い出した。私とポップと、もう一人の同級生の女性は、この言葉を待っていた。高校の時にポップと付き合っていたという彼女は、私達と呑むと必ずこの言葉を発する。それは私達からしたら、はじまりの合図みたいな言葉だ。 私は、この言葉を聞くのが嫌いではない。一番好きかどうかなんて知らないが、私達が高校を卒業してからもう二十年以上だ。それなのに、こうしてお酒を交わしながら、彼女の中の事実を私達に伝えてくる。 同級生の女性
磯村 光生 (平成四年以前、『花扇』) 拝見したことのある宮城県の一ノ蔵酒造の金龍藏の麹室は、蒸した酒米に麹菌を振りかけて米麹を作る部屋。寒いと発育が止まってしまうので室温は約三十℃以上に保たれている。米をよく見ると周りに白い麹菌がびっしり付いている。食べさせて頂いたら甘みがあった。 寒の雨は、一年で最も寒い時期に降る雨。 句の麹菌は、米の中まで入って成長してゆく。ぬくぬくとした麹室は、お酒の子供を育てる保育室のようだ。 (岡田 耕) (俳句雑誌『風友』令和六年十二月号「風
酒は好きだけれど何でも好きなわけではない。好きな酒とそうでない酒がある。 麦酒とウヰスキーとズブロッカが好きで、ジュースみたいな酒はあんまり好きではない。 麦酒はキリン贔屓だが、アサヒも飲む。もちろん他のメーカーのも飲むので、そんなにキリンばかりを贔屓しているわけではない。 ウヰスキーはロックで飲むのがいい。水割りは嫌だ。ハイボールはバーテンが出してくれたものと缶で売っているのは好きだが、自分で混ぜても一向美味いと思わない。 ズブロッカは冷凍庫に入れてとろみがつい
#短編小説 #イヤミス #読書好 #眠れない夜に
#短編小説 #読書好 #眠れない夜のために
冬の風 羽いっぱいに 謳歌せむ いのちを抱き 翔んで行かまし photo & words by なおみ
エラ・ ウィーラー・ウィルコックス(1850-1919~アメリカ・作家、詩人) 平明な文章で韻を踏ませた、軽快で楽観的な表現・作風で知られている。代表作は“Poems of Passion”(情熱の詩~19 c 末頃)や“Solitude”(孤独~1883)など。
三日月と 金星 出逢ふ 如月の 夜は 更けゆく 甘く 切なく photo & words by なおみ
午前2時に口づけを交わす。だれもいない沈んだ夜の街の真ん中に、わたしたちは踊り出す。「あぶないよ」と笑われても、わたしはただ頭を振るだけ。うやうやしく一礼をして、ともにワルツを。片手に持った9%のアルコールがこぼれぬように、恋心もこぼれてしまわぬように。 そうやって、何度も夜を超えてきた。 わたしはいつだって夜に溺れて、愛に溺れている。小さな頃から夜がだいすきで、大人たちのヒソヒソ声も、酔った甘い吐息にも、憧れてやまなかった。夜はなにもかもを沈めてしまう。むくりと起き出し
結婚というものにイメージがわかなかったから、“結婚しなくていいや〜!私には仕事があるし!仕事楽しい!”って思っていた20代前半。 先輩方に『結婚しなくていいやって思ったり周りにそう言ってると本当に結婚できないよ』と言われたり、周りの友人を見ていて“結婚したいな〜”ってなんとなく思い始めた20代半ば。 “結婚は覚悟”という言葉を聞いたり、当時好きな人(片思い)が『結婚したらこういうところに住んで、こういうお家にしたくて〜〜』とか結婚生活の話をしてきたり、お互い貯金額とかお給
人生の スポットライトは いつだって キミを 待ってる 幸を結んで photo & words by なおみ
僕は、LUSHのバスボムが好きだ。 手に持ったバスボムをお湯に浸すと、しゅわーっと掌から崩れ、お湯に溶けていく。 色んな色が混ざって綺麗、いい匂い。 抗鬱剤と入眠剤をレモンサワーで流し込み スマホから心地よい音楽を流して この時間で僕は僕を取り戻す。 生きていく事の不安、人間関係、将来への絶望が 日中ずっと脳内を侵食し、ちくりちくりと小さな刀で僕の内側を突いてくる。 傷口が膨れ上がり、重たくなった体。バスボムがしゅわりと溶けていく浴槽の中に、僕の不安も絶望もしゅわりと溶
音たてむ 雨のつぶてを 傘に受け キミ待つcafeへ 冬いろ吐息 photo & words by なおみ
空をぜんぶ、ひとりじめしたくなる あの青をぜんぶ、わたしのものに どれだけうばってもなくならないもの 空の青は永遠だから わたしはなんて小さくて浅はかで 空の下ではうんざりするほど無力 冬が、泣きそうなくらい冬で、 わたしの中で始まっていくのに 春を、降らせようとして春が、 恋が咲くのは春だなんて嘘ばっかり 流れることのできない流れ星が どんどん落下していく そんなに忘れられないのなら わたしが心を洗ってあげるわ 春なんてどこにもこないけれど 春なんてきっと咲かないけ
真冬の海辺をあてもなく歩いていた 白い雪が落ちてくるのを待っていた 時々、小さな貝殻をひろったり 時々、言葉を砂に埋めたりして 凍った心を溶かさないように あなたの体温を感じないように ほんの少しだけ離れて歩いた 心の声があなたに聞こえないように 冷たい闇を流れる雲の影 月の光に反射する白い輪 置き忘れた優しさが胸にささって 痛くて痛くて心が号泣してしまう 月暈に守られていたものが 少しずつ溶けだしていく 白木蓮の花びらのような雪片が 戸惑いながら舞いおちる やがて
#短編小説 #イヤミス #読書好 #眠れない夜のために
朝焼けに 夢の静寂を たぐり寄す photo & words by なおみ
冬ざれの 春待つ小枝 満つる月 photo & words by なおみ
重い木の扉を開けると、肉の焼ける匂いが充満している。 久しぶりに友人と韓国料理が食べたいねという話になり、三人の中間地点になる場所で見つけた韓国料理店だった。 店内には私たちの他に三組ほどが食事をしている。 席に通され、とりあえず飲み物を注文しようかと向かいに座った二人にメニューを渡したところで、赤いハイネックを着た年配女性が注文をとりにやってきた。 韓国語で母は어머니(オモニ)という。お店の母という意味でも使われるのか、家庭料理という意味か、韓国料理店の店名にはオモニ食堂と
色んな事から 許されたいんだと思う でも 許されないから なるべく正しく生きようと思った せめて 自分の幸福くらいは望まずに 日々 生きていれば 嫌な思いをする事もある 悲しい思いをする事もある 苦しく感じる事もあるけど けど 仕方ないよね それ以上に 恵まれた生き方が出来てたし 生きていく中で 先に良い事があっただけ しかも 多くあっただけ 個人的な考えだから 賛同も批判も 聞く気にならないけど 生きていく中での 「良い出来事」と「悪い出来事」の量は 同数だと思っ
本日のお話をさせていただきます。 合掌、なんまんだぶ、礼拝。 🙏🙏🙏 今回の「なもフレーズ」はこちらです。 来月、とあるご法座(研修会)の講師(お話させていただく側)を 務めさせていただくことになりました。 これまで何度か講師は務めさせていただいたことはあります。 大体一ヶ月前には「何をお話させていただこうかな」と大まかな構成は決まり、微調整に入るのですが。 なかなか決まらない… これは参ったなと頭を抱えていました。 妻にも 「なんか元気ないんじゃない??」 と言わ
STC Associate対策🔥 ✅ワッセナー・アレンジメント(WA) 地域紛争防止の観点から、通常兵器の過度な蓄積の防止を目的に、通常兵器及びその開発・製造・使用に供されるおそれのある汎用品(技術を含む。)の国際輸出管理レジーム🌏 ※国際条約ではない点に注意📝
空に青と紫を溶かしたような宵の口 裸足のままベランダに出て星を掴む 街の灯りを数えながら 小さな夜を繋いでいく ひとりでも生きていけると思っていた だからあなたに恋をしたのに わたしはあっという間に怯んでしまう 星や嘘を創りだすカラクリに 青色の吐息は ゼラニウムの香りがしていた 桃色の吐息が ブルーサイプレスの風に乗った 真夜中に迷い込んだ525MHzの森 青白く光る海月が気怠そうに揺れて わたしを攫うなら最後まで攫ってと 碧い海になった森に星をばら撒いた 碧い森
凛々と 沁みわたる空 冬の青 photo & words by なおみ
なにもかも思うようにいかなくて ぼろぼろのわたしがここにいて でもこの世界のどこかでは だれかの優しさに救われている人がいて いのちを温めなおして生きていたり ぐらぐら揺れて 必死にもがいて そこで起こった波が荒れに荒れ その波がだれかの生きる力になって そんな不思議が起こる世界だったり ぐるぐる悩んで 堂々巡りをして 布団の中でぐずぐず悩み続けて 朝が来て仕方なく一歩踏み出してみたら 巡り巡ってたどり着く軌跡だったり いのちはなんのためにあるのかなんて 空の青に聞いた
なんか居ても立ってもいられなくて 散歩して来た 2時間 何年ぶりだろ この道 歩いたの 見える景色は随分と変わってしまったけど 【この場所】が在るってのがいい 人も一緒よね 外見は年齢や経験によって変わるけど 【その人】で在る事が大事 景色や風景、人や物、森羅万象 本当は区分なんて無いじゃないかと思うの 俺の大好きな あの子も 俺の大嫌いな あいつも コンビニで すれ違う知らない誰かも 知らない人と散歩している あの犬も すぐ逃げてった 道端の黒猫も 見るだけで寒気
猫の日に 犬を眺めて ビール飲む 今日は2月22日「猫の日」 学生の頃、うちに迷い込んでそのまま飼った黒猫がいました とても人懐こい猫で高校生の時にはよく遊びました 勉強嫌だなあとずっとだらけていましたが、『こんなことではいけない』と思い直し勉強を始めた瞬間「ニャー」と言って教科書の上に乗ってきたり(猫あるある) 夜中に「ニャー」と部屋の前で鳴くので部屋に入れたら、押し入れの中を探検してそこで見つけた蜘蛛と遊びだし、そして取り逃し…(蜘蛛嫌いの私はその夜寝られなかった
心の少し尖ったところを 三日月のナイフで削って できるだけまるくまるくして 優しくありたいと思った どうか、神様 まあるい心をください ギザギザは削っても削っても まるにはなってくれないから どうか、神様 まあるい魂をください 白と黒の勾玉を組み合わせたような 尻尾をのみこもうとする蛇のような 輪廻を永遠にしたような、まるいもの さんかくじゃなくて、まるいもの まるいもの / 月乃
ordinary life is adorable simple life is beautiful our life is so sweet photo & words by なおみ
賢吾が中学生の時から、真由子は「個別指導塾 桜風会」の講師として、彼に数学を教えている。 彼の授業は火曜日の20時45分から。先月までは19時からのコマで通塾していたが、この4月から始まった怱怱たる高校生活に忙殺されて、あれよあれよと後ろ倒しになっていた。 前のコマの生徒が皆捌けてしまうと、教室は瞬く間に夜のしじまに覆われていく。春冷えを振り払うように、真由子は軽く伸びをした。 * 入口扉に据え付けたベルが、カランと乾いた音を響かせた。 「お、こんばんはー」 「
we will meet in the early morning we will meet on the early highway we will meet soon or after photo & words by なおみ
赤と青がわたしの中を流れる 止まることのない命のいろ 傾きかけた世界の切れ端で 白い芍薬が ごろんと散った 鮮やかに艶やかに色っぽくて こんなふうに終われたらって わたしの最期の日を思った どうしたらそんなにも美しく 終わることができるの 本当のわたしになりたくて 芍薬のふりをして咲いても ちっとも本物じゃなかった どんな美しいものにもかえがたい わたしという花を咲かせて 赤と青が白を染める 血が泣いているんだね わたしを生きて欲しいと 芍薬 / 月乃
久しぶりに母校の大学に行きました。恩師との話の中で私は「できないけれどやりたいことを、とにかくやっていく力がある」というようなことを言っていただいて、自分のやっていることは間違っていないんだなと再認識できた気がします。 私の頭の中はやりたい事だらけで、それが無限に出たきて尽きない。土日もやりたいこと、行きたいところがありすぎて追いつかない。平日だって本当はやりたいこと山ほどある。 でも時間を大きく費やせないから、毎週もどかしい気持ちになります。「本当はこれをやりたかったの
簡単に手に入らないものが好き 強そうに見えて本当は繊細な人が好き 弱そうに見えて芯のある人が好き 厳しさの中にある優しさが好き 哀しみの中にある喜びが好き 好きなのに好きと言えない切なさが好き 好きの代わりに微笑みをもらうのが好き 月を見てかわいいねって言う人が好き 夜空を見上げて星に手をのばす人が好き 眩しい朝日より物憂げな夕陽が好き 孤独の中にある静寂の時間が好き 清らかな春よりノスタルジーな秋が好き 涼しい夏より暖かな冬が好き 簡単に手に入らないものが好き 好きを数え
あなたの心を泳ぐ金魚になった 赤い鱗をキラキラさせて 正面から見つめることができなくても 心の水槽の中からあなたを見てる ずっとずっと見つめているの 時々は水槽の水をかえてね 餌はあってもなくても大丈夫 あなたが満たされていれば わたしも満たされるから もしもわたしがいなくなっても 悲しまないで、と言っても 無理かもしれないけれど できることなら笑っていて 小さな魂をここに置いていくから 金魚 / 月乃