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語学エッセイ集

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ことばについてのエッセイ集。外国語学習のこと、気になる言葉、好きな言葉をまとめました。また、「激論」したことをこのマガジンに含めています。
文章の書き方やテーマの見つけ方をまとめました。また、英語以外の外国語の話題も取り上げています。哲学…
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記事一覧

令和の米騒動

令和の米騒動

 米の価格が高騰しています。いろいろな記事を読んでみましたが、原因は特定出来ません。
 この記事では、米価格の高騰のニュースを聞いて、私が思い浮かべたことを書いてみます。
 あらかじめ言っておきますが、十分な実証的なデータを私は持っていません。それゆえに、あくまでも「エッセイ」という形で書きます。理論的に考えうることを書くつもりです。

需要供給曲線

 中学生の頃に学んだ需要供給曲線を思い出して

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既視感を持つのはなぜか?

既視感を持つのはなぜか?

 アンリ・ベルクソン(著)(合田正人・松本力[訳])「物質と記憶」(ちくま学芸文庫)。最初にこの本を読んだのはだいぶ前のことだ。
 最近、本棚を整理しているときに、ちょっとだけ読み返した。

 哲学書というものは、関心のあるところだけを切り取って読んでも、その著者の思想の全体像を把握することは出来ない。
 また、一通り全部読んで、「わかった!」と仮に思えたとしても、著者の主張を完全に捉えられていな

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動詞なのか、それとも形容詞なのか?

動詞なのか、それとも形容詞なのか?

「動詞」(過去分詞あるいは現在分詞)なのか、それとも「形容詞」なのかを判断する基準に、「very」で修飾されるのか、それとも「much」で修飾されるのか、という基準がある。
 「very」も「much」も、「とても」という意味の「副詞」だが、「very」は形容詞の意味を強めるときに使い、「much」は動詞の意味を強めるときに使う。
 

たとえば、次のような2つの文があるとき、「very」が適切だ

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一語の宇宙 | expect | 期待する(語法に注意)

一語の宇宙 | expect | 期待する(語法に注意)

expect。「期待する」と訳されることが多いですが、日本語の「期待する」とは少し違う意味を帯びています。

Oxford Advanced Learner's dictionary では次のように説明されています。

~sth (from sb/sth)という形で用いられる(ことが多い)。

例文としては、

★This is the parcel which we have been expe

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エッセイ | 恩を忘れること・謝罪について

エッセイ | 恩を忘れること・謝罪について

 人間関係をつくるものは、恩という意識ではないか、と最近考えている。
 恩というと、決して悪いイメージのある言葉ではないが、ときに悪魔のような役割を帯びる。恩の裏には、多かれ少なかれ利己心がつきまとっているからだ。

 「あなたが苦しかったとき、私はあなたに寄り添ったではありませんか?」と何年か前のことを言ったって、相手にとってはもう過ぎ去ったことで何とも思っていないかもしれない。覚えていたとして

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和の世界

和の世界

ΣkとΣ(kの3乗)。
1から5まで書き出してみた。
教科書には公式と導き方が掲載されているだけで無味乾燥なのだけれども、
具体的に並べてみると不思議な感じがする。

証明を見れば、不思議でも何でもない。
「なぜ?」の理由を正当化するには、証明が必要だが、証明を見たとたんに興ざめすることがある。

「なんで?」「どうして?」を追求すると消えてしまうものはある。
#シグマ #和の公式 #数学 #算

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こうして私は受験を乗り越えた

こうして私は受験を乗り越えた

ラルフ・エリソン(作)「透明人間」から、使えそうな表現を拾ってみます。
テキストは、Penguin Books版を使用します。

以下、普段の私の英語学習法を書きます。
とりあえず「昨日」やったことを書きます。毎日ほとんど同じです。

「#こうして私は受験を乗り越えた」というお題になるべく沿って書きます。

TOEICや英検を受ける方の参考になれば、と思います。

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純粋理性ギャグ

純粋理性ギャグ

 カント「純粋理性批判」の第一版序文(1781年)に次のような一節があります。

大修道院長のテラッソンは、こう言っている、---『もし或る書物の量を頁数の多寡によってではなく、この書物を理解するのに要する時間の長短によって測るとすれば、多くの書物について「この書物は、これほど短かくなかったなら、もっとずっと短かくなったろうに」と言ってよい』と、---これはまことに至言である。ところがまた他方では

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Think different について

Think different について

「Think different.」

 スティーブ・ジョブズの言葉だと言われています。
 出典を調べてみましたが、最初に言われたのはいつなのかということや、前後の文脈がよくわかりません。

 この記事では、文献的な詮索をしたいのではなく、「Think different.」という短い言葉の文法について書きたいと思います。

「Think different.」というフレーズを単独で聞けば、
「(

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伝わる文章の作法

伝わる文章の作法

 岩淵悦太郎(編著)「悪文」(角川文庫)を読みました。この本の副題は「伝わる文章の作法」。
 言われてみれば、ごく当たり前のことが多かったのですが、自分で文章を書くときに気をつけたいポイントが凝縮されています。

 この記事では「悪文」に掲載されている例をもとに「なぜ悪文なのか?」を考えてみます。
 どこがおかしいのか(あるいは曖昧なのか)、いっしょに考えてみてください。

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ん | 日本語の発音、外国語を学ぶ意義。

ん | 日本語の発音、外国語を学ぶ意義。

 日本人なら日本語の発音なんて簡単だ!、と思いがちなのですが、意外と知らないことはあります。

 とりあえず下の写真をご覧ください。

「日本橋駅」の表記
Nihombashi Sta.

「毎日新聞」の表記
The Mainichi Shimbun

 ここで注目していただきたいのは「ん」の発音がどう表記されているのか、というところです。

 「日本橋」は「Niho『m』bashi」というように

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