あんもち雑煮は愛と涙の味がした
ぶうんという音で目覚めた朝、あったかい甘い匂いが立ち込める。お餅だ!と慌ててベッドを飛び出す。台所へ行くと、あんこがたっぷり入った鍋をせっせとかき回しながら、おばあちゃんが「おはよう」と笑ってくれる。「今頃起きたんかあ」と半分呆れながら、おじいちゃんはせっせと蒸した餅米を運んでいる。餅米が機械の中でどんどん丸くなってゆくのを眺めながら、「ねえ、お餅いつできるん!?」せっつくように言うわたし。家族みんなが顔を合わせて笑い合う。
元旦の朝、昨日ついたばかりのお餅がお雑煮になって