人生を左右しない人への態度。
ゆらゆらと弾ける雪の中をひとりで歩いていると、いろんな人とすれちがう。男性、女性、犬を連れた女性、黒い傘の男性、真っ赤な傘の女性。スマホをいじる女性。
あちらから見た私は、黒いダウンを着た男性かな。
いつものようにスターバックスにいくと、これまた人でごったがえしている。席は空いてないかなと思って見てみると、ひと席だけ空いていて、そこに座ってPCをいじり始める。
すぐとなりでは中国人の男性がPC作業をしていて、電源コードがすべて使用されている。むぅとなる。真正面には私と同い年くらいの男性。その奥のカウンターテーブルには女子大生3人組がしゃべってる。成人式について話しているようだ。
しばらく作業をしていると「ちょっとよろしいですか」と言われた。振り向いてみると、スタバの女性店員さん。
「コーヒーは飲めますか?」
「はい、飲めます」
試飲サービスのようである。
「ぜひにぜひに」と言って、小さなコーヒーをもらった。正直、コーヒーは苦手だけど。でも飲んじゃうんだよなぁ。
「新年にぴったりの1杯となってございます」
そうか、年明けだもんなぁ、ありがたや〜。
スタバの店員さんは次に、私の正面のお客さんのほうへ行った。またコーヒーの試飲をしてもらうのだろう。私に話しかけたように同じスクリプトで話しかける。
「コーヒーは飲めますか?」
「いいえ、飲みません」
ピシャリだった。シャット、アウト。
強いなぁ、この男の人。
思うのは、人生を左右しない他人への態度にこそ、その人の人間性がでるものではないか。外ですれちがう他人にどれだけやさしくできるか。近所のスタバの店員さんにどれだけ愛想をふりまけるか。
人生を左右しない人が、回り回って私の人生を左右するかもしれないではないか。
……でも、待てよ?
人生を左右しない人にこそ丁寧に接しよう?
う〜ん、これは暴論である気がする。一見すると正しい匂いがするのだけど、きちんと嗅いでみると焦げた匂いがする。わがままな匂い。それはつまり、
みたいな、そういう焦げた思想。
先ほどのスタバの店員さんを完全シャットアウトした男性は、その点、見事だ。
自分がどう思われようが、なにも気にしていない。人生を左右しない人にどう思われようが気にしないぜ、やりたいようにやる。コーヒーの試飲? そんなもの不要ですねん。
なんだか、逆の意味のやさしさを感じるし大人っぽい。
だって要らないものは要らないんだし。
つまり、必要以上に他人の目を気にするのはやめよう、ということが言いたい。
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