イトーダーキ

エッセイを毎日書くコピーライター。札幌市の34歳男性。ある企業の取締役副社長。毎日18時までに記事を公開。交際0日で結婚した4歳上の妻と札幌で生活。ラジオもやってる→https://stand.fm/channels/63663617b4418c968d0086be

イトーダーキ

エッセイを毎日書くコピーライター。札幌市の34歳男性。ある企業の取締役副社長。毎日18時までに記事を公開。交際0日で結婚した4歳上の妻と札幌で生活。ラジオもやってる→https://stand.fm/channels/63663617b4418c968d0086be

マガジン

  • 私の頭の中-About My Idea

    私が書いてきた記事のうち「考えていること、考えてきたこと」にまつわる記事をまとめています

  • 私の紹介記事-About My God

    記事内で私について言及してくださっている神々の記事をまとめています。足を向けて眠れません(最終更新2024年11月19日)

  • 私の人生-About My Life

    私が書いてきた記事のうち「私の人生」にまつわる記事をまとめています。

  • 私の日常-About My Days

    私が書いてきた記事のうち「私の日常」にまつわる記事をまとめています。

  • 私の仕事-About My Job

    私が書いてきた記事のうち「私の仕事」にまつわる記事をまとめています。

最近の記事

  • 固定された記事

19歳で私を出産したお母さんが書いてくれた作文。

母は18歳で私を妊娠し、19歳の秋に私を出産した。父は6歳年上だから当時24歳で、どんな出会いからそうなったのか、私は聞いたことがない。 私は長男で、下には2人の妹、1人の弟がいる。全部で4人の兄妹。歳も近くて毎日楽しかった。 その代わり、父は寝ないで働いていた。日中は家にいる母も、夜になると「お掃除の仕事があるから」と言って仕事に行っていた。私を中心に兄妹4人みんなで「行かないで」と泣きながらお母さんを止めたものだ。 当時は安室奈美恵の『Can you celebra

    • 若さは確信で輝き、大人は迷いで深くなる。

      「断定」は生き残り戦術のひとつだった。 まだ何者でもない自分を少しでも大きく見せようと「これが答えです」とか「解決法はこれです」と言い切ることで、自分の居場所を確保しようと必死だった。 強い言葉には力があるから「正解っぽい雰囲気」をまとえば、人は耳を傾けてくれる。少なくともそう信じていた。 30代に入ると少し風向きが変わる。 仕事も板について、自信が芽生え、自己肯定感がじわじわと肌に馴染んでくる。いつの間にか周囲から「頼れる人」だと思われたりもする。そんな万能感に浸る

      • ウソをウソと見抜く必要はない。

        何を信じればいいのかわからない時代だ。 テレビをつければ「物価上昇で経済は好調」と経済学者が笑顔で語り、スマホを開けば「庶民の生活が地獄化」という嘆きが流れる。 同じ社会の話をしているのに、論調はまるで真逆。 大手メディアは中庸を装いながらスポンサーの意向に配慮し、ネットは情報の拡散性ゆえに極端な意見がバズる。この二つが絶妙に乖離している今、嘘を嘘と見抜く能力がなければ生きていくのは本当に厳しい。 が、本当にそうか? 嘘を見抜く力。誰がその能力を持っているのか。私た

        • ほんとうに出会った者に別れはこない。

          巨星墜つ。谷川俊太郎が亡くなった。 彼の傑作詩『あなたはそこに』を引用し、個人的に思うことを書いてみよう。 おそらく今日、この詩が目についたものの、ちゃんと読んでいない人が大多数であろうから、帰りの道やベッドの中でもいいので、とにかく静かに、噛み締めるように読んでみてほしい。 いかようにも解釈できる2人の男女の話である。 あなたはそこに(谷川俊太郎) あなたはそこにいた  退屈そうに右手に煙草 左手に白ワインのグラス 部屋には三百人もの人がいたというのに 地球には五十

        • 固定された記事

        19歳で私を出産したお母さんが書いてくれた作文。

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        • 私の頭の中-About My Idea
          364本
        • 私の紹介記事-About My God
          297本
        • 私の人生-About My Life
          152本
        • 私の日常-About My Days
          278本
        • 私の仕事-About My Job
          78本
        • 私の公式記事-About My Official note
          32本

        記事

          読まれてないなら存在してないも同然。

          最近、母さんに会っていない。友だちにも会っていない。 連絡もないし、こちらから送ることもない。私は日々何かしらに追われ、仲のいいだれかの存在はどんどん窓の向こう側に遠ざかっていく。ある日突然電話がかかってきて「長らく話してないなと思って」というような、ただ存在を確かめるための話も誰かとすることはなくなった。 観測されないものは存在していないも同然。 星が代表例だろう。冥王星はもはや惑星ではないと言われるが、それでも我々が望遠鏡を向ければ、そこにいることを確かめられる。望

          読まれてないなら存在してないも同然。

          闇バイトの帝王vs純粋なヤツ。

          ゾフィーはある闇バイト集団の幹部である。それもプロ中のプロ。彼はリスクの高い強盗や直接金を奪うような手口は一切やらない。闇バイトにもいくつか派閥があり、ゾフィーは比較穏健派である。 自分の手は一切汚さず、ターゲットを操ることで犯罪を成立させる。 彼が得意とするのはオレオレ詐欺などの高度な指揮である。もちろん末端メンバーの個人情報や家族情報を先に入手し、彼らを脅しながら詐欺行為をさせる。 ゾフィーの主な手口はこうだ。 詐欺グループのメンバーに指示を出し、ターゲットとなる

          闇バイトの帝王vs純粋なヤツ。

          闇バイトの帝王ゾフィー。

          ゾフィーは冷たい目をした男だった。声は穏やかで丁寧だが、その裏には計算し尽くされた冷酷さが潜んでいる。 ゾフィーの手法はシンプルだが、いつだって絶対的で効果的。どんな人間もゾフィーの指示通りに動けば破滅への道をまっしぐら。 「普通の大学生」 ゾフィーがターゲットにしたのは、都内の大学に通う真面目な学生。生活費を稼ぐために、求人サイトで見つけた「カンタンな運搬作業」に応募してしまった。 ゾフィー「君は責任感があるね。まずは人を運ぶ仕事だ。安全な環境での簡単なバイトだよ」

          闇バイトの帝王ゾフィー。

          闇バイトにひっかかりそうでひっかからない純粋なヤツ。

          ある日のこと、ネットで見つけた「高収入・誰でもできる簡単な仕事! 安心のホワイト案件!」にまんまと釣られて応募した純粋くん。 彼の元に、怪しげな人物から早速連絡がくる。少し高圧的なのによどみなく話してくる詐欺師に純粋くんの純粋さが炸裂する。 詐欺師「おっ、応募ありがとう。早速だけど、身分証明書の写真を送ってもらえるかな?」 純粋くん「分かりました! 今撮りますね!」 —しばらくして— 詐欺師「届いた写真、これ、ちょっと…...おでこしか写ってないけど」 純粋くん「

          闇バイトにひっかかりそうでひっかからない純粋なヤツ。

          他人の幸せを見たいわけではない人たち。

          ネット社会でよく見かけるのは、不倫やクレーム、誰かの失敗談がバズる姿だ。なぜネガティブな情報にはこれほどまで人が群がるのだろうか。 これは人間の持つ「他人の不幸は蜜の味」という心理に由来すると思うのだが、さらに遡れば古代ギリシャの喜劇の舞台や、中世の見世物小屋にも似たものを感じる。 古代ギリシャでは、失敗や滑稽さを演じる役者を観客が嘲笑する「コメディ」が人気を集めた。 人は自分が直面しないリスクを他人の姿を通じて消化することで、ある種の優越感と安心感を得たわけである。

          他人の幸せを見たいわけではない人たち。

          つづきが気になる話。

          お昼後は毎日おなじカフェでコーヒーを頼むことにしている。だけど今日に限って黒髪ボブの女性店員さんがカウンターで何かをじっと見つめて動かない。 気になって注文の列で順番が来るのを待っていた私は彼女の視線の先を追った。しかしそこには何もない。変だなと思って周りを見渡そうとしたら後ろからトントンと肩を叩かれた。 え、だれ? と思って振り向こうとしたら、さっきまで微動だにしなかった黒髪ボブの店員さんが「お待たせしました〜!」と大きな声を出して私に会釈する。 ん、あれ、どうしよう

          つづきが気になる話。

          店員さん「カレーの飲み方はどうします?」

          カレーは飲み物ではない、という話が書きたい。 お昼前に休憩と昼食がてら、札幌市内中心部の瀟洒なホテルラウンジ『THE HOTEL(仮名)』に行った。 THE HOTELは数年前にできた自然派なホテル。2階に夜でもやってるラウンジがあるのだが私は日中ごくたまにここにやってきてコーヒーを飲んだりコーラを飲んだりする。 たまにカレーライスも食べるのだが、このTHE HOTELのカレーライスはルーと白米だけである。具がない。なんの手も加えていないオーガニック風を気取った、とても

          店員さん「カレーの飲み方はどうします?」

          私をコテンパンにした人。

          小学生のころ人口2万人の小さな町に住んでいたのだが、町内には小学校が5校くらいあった。 私は5校の中で最も大きな小学校に通っていたのだが、5年生のときに町内の小学校対抗ドッヂボール大会があった。各学校からドッヂボール強者を選抜し、5校で優勝を争う対抗戦である。 私の所属していたチームは危なげなく決勝戦まで勝ち進んだが、決勝の相手は町内でもド級の田舎で知られる地区、裏東小学校(仮名)のチームだった。 裏東小学校は学年人数が10人以下であり、全員が農家の息子である。なぜかは

          私をコテンパンにした人。

          海色の瞳のチャーリーは、自転車のタイヤに空気を入れてくれる。

          降り積もった雪がすぐに溶けたのでまたチャリに乗った。がしかし、タイヤに空気が入っていない。だからなのかチャリをこぐ足が重い。荷台に子泣きジジイが乗っているような重さである。ムカつく顔の。 空気を入れる必要がある。 なので検索した。自転車屋さんを。するとすぐそこに2つの自転車屋さんがあった。Googleで口コミを見てみると一つ目が「空気入れをしてくれるが有料」、二つ目が「圧倒的なホスピタリティ」と書いてある。 前者のほうが近かったのでそこに向かう。空気入れごときが有料。し

          海色の瞳のチャーリーは、自転車のタイヤに空気を入れてくれる。

          疎遠になってしまった美容室にもう一度行ってみよう。

          2年以上通っていた美容室にいかなくなった。 もう半年いっていなかった。特に理由もなくいかなくなった。担当はずっと同じ男性美容師の大山くんだったが、何か嫌なことがあったとか技術に不満があったとかそういうことでもない。本当に理由なくいかなくなった。 髪の毛が伸びたので美容室にいくことにした。 美容室の予約はいつも妻に頼む。ホットペッパーの使い方をよく知らないからだ。引っ越した先周辺の美容室を妻に探してもらう。しかし週末はどの美容室も予約で埋まっているようだった。それで妻に聞

          疎遠になってしまった美容室にもう一度行ってみよう。

          北海道のニセコを使って毒を吐く。

          今日は仕事でニセコに行った。 札幌から車で約2時間の場所である。プライベートでニセコを訪れることはあったが、仕事でくるのは初めてだ。ずっと楽しみにしていた。現地の人から「リアルなニセコ事情」を聞けるからである。 ちなみにニセコには小さなころサッカーの大会で来たことがある。 「ニセコ杯」だったか「ニセコトーナメント」だったかという意味のわからないネーミングの大会だった。当時たしか「コロポックル」とかいうなんのひねりもないネーミングのロッジに宿泊した気がする。それ以外はなん

          北海道のニセコを使って毒を吐く。

          窓から星と雪が見えるよろこび。

          今日の札幌は夕方前まで雪だった。深夜から降り始めた雪は朝も変わらず降っていて、すこし雨混じりだったのだけど、すこしずつ本格的な雪になり、日中外に出るころには路面にべちゃべちゃな雪がつもっていた。当然、クツの中も濡れる。いやだ。 新しい家に引っ越して自分の部屋を持つことにした。前の家には自分の部屋がなかったから大きな変化である。夜眠る前、カーテンもまだないベッド脇の窓からは夜空がよく見えた。前の家は建物に囲まれ外の様子がよくわからなかったし、ましてや空など見えもしない。 札

          窓から星と雪が見えるよろこび。