文学座の『地獄のオルフェウス』を愉しみにしている。以前、広田敦郎訳をもとに、雑誌「悲劇喜劇」に原稿を書いた。テネシー・ウィリアムズは、私にとっては、シェイクスピアよりも、チェーホフよりも大切な劇作家だ。「重要な」ではない。「大切な」と言いたくなるのは、親愛の気持ちがあるから。
動き出した。イキウメの『人魂を届けに』や文学座の『地獄のオルフェウス』のように、全力で針を振り切るような舞台が生まれている。コロナ禍から放たれて、キャストもスタッフも、そして観客も前のめりになっている。ようやくこんな時期が来た。ただただ嬉しい。
もっとも偉大な戯曲ではないかもしれません。けれど、もっとも気持ちを揺さぶられたつかこうへいの戯曲「熱海殺人事件」が、文学座アトリエで上演されます。昨年の予定を楽しみにしていたのですが、やむなく中止。今度こそ実現してほしいと熱望しています。