歌舞伎座八月公演『新・水滸伝』で思い出した大事な縛り
始まってしばらくすると、不意に胸が締め付けられるような感覚を覚えた。かつて何度も感じたことのあるこの空気、これは一体何だろうと辿っていくと、「ああそうか、二十一世紀歌舞伎組だ」と思い出した。『新・水滸伝』は、2008年に横内謙介が二十一世紀歌舞伎組のために書き下ろしたものなので当たり前と言えば当たり前なのだけれど、この作品の奥に広がっていて、ずいぶん長いこと忘れていた“ある感じ”がリアルに立ち上がり、懐かしさを超えて迫ってきた。そして、新作歌舞伎が急増している今、これは振り返