杜若(かきつばた)

40代の会社員(男性)です。 美術館や伝統芸能、最近は演劇に関心を持っています。鑑賞記…

杜若(かきつばた)

40代の会社員(男性)です。 美術館や伝統芸能、最近は演劇に関心を持っています。鑑賞記録をつけていますが、時間が無かったり、理解不足だったりで、メモにとどまっていることもあります。 もっと文献を読んで勉強していきたいです。 どうぞよろしくお願いします。

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最近の記事

【読書】『能の本』

 2024年9月、シテ方宝生流の能楽師、辰巳満次郎さんが監修した『能の本』を読みました(と言いつつ、4分の3くらい読んだところです。)  記録を残したいと思います。 ■本の概要・文  :村上ナッツ ・マンガ:つだゆみ ・監修 :辰巳満次郎(シテ方宝生流能楽師) ・発行日:2016年11月25日初版第一刷発行 ・発行所:西日本出版社 ■メモと感想(1)メモ  本の帯などから、本書の構成・特徴として、以下のような点が読み取れます。 能の入口として、「厳選20曲」 詞章が

    • 【読書】夏目漱石解体全書 増補版(香日ゆら)

       2024年9月9日(月)、香日ゆらさんの『夏目漱石解体全書 増補版』を読みました。河出書房新社からの出版です。読了したというよりは、2時間ほど、気になるところから読んでみたという感じです。記録を残します。 ■読んだきっかけ 今回は、フォローさせて頂いているY2K☮さんの紹介記事(↓)を読んで「面白そう!」と思い、手に取りました。ありがとうございます。 ■読んでよかったと思った点①漱石をめぐる人々  家族、友人、門下など、夏目漱石(1867〜1916)をめぐる人々が、イ

      • 【読書】超入門!現代文学理論講座

         2024年9月8日(日)、ちくまプリマー新書の『超入門!現代文学理論講座』を読みました。  自分の最近の問題意識の一歩上を行く本で、とても勉強になりました。記録を残します。 ■概要・ちくまプリマー新書242 ・超入門!現代文学理論講座 ・2015年10月10日 初版第1刷発行 ・監修:亀井秀雄 ・著者:蓼沼正美 ■私の問題意識とのつながり 私は、これまで小説や戯曲を読むとき、①自分がこの作品の登場人物なら、どの人物に当たるだろうか、②(少し視野を拡げて)作者が、この作品

        • 【歌舞伎】夏祭浪花鑑

           2024年9月7日(土)、新国立劇場・中劇場で、歌舞伎の『夏祭浪花鑑』を鑑賞しました。記録を残します。 ■本作について 自分の文章で書いてみようかと思ったのですが、そこは感想の部分に回して、国立劇場のプログラムから引用させて頂きました。 ■感想(1)全体を通して  私は『夏祭浪花鑑』を文楽で観たことはあったのですが、歌舞伎で観たのは今回初めてでした。  感想を結論からいうと、本作には、(後述しますが)舅を殺す場面など生々しい場面もあり、人間が演じることにより、実感とし

        【読書】『能の本』

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          【雑記】鑑賞など今後の方向性について

           私は、ここ2年ほど、特に演劇鑑賞に力を入れてきました。これから、どのように学びや鑑賞眼を深め、作品を楽しんでいくかなど、今後の方向性について考えるところがあり、記録を残します。 ■現状(学び何割?楽しみ何割?) まず、現状について記載します。劇場、美術館、博物館、映画館など、休日に向かう所は様々ですが、その目的も様々です。  私の場合、友だちとの交流を楽しむこともありますが、一人で行くことが多く、目的を大別すると2つに別れます。 ①「これは前から観たいと思っていた。」と

          【雑記】鑑賞など今後の方向性について

          お昼休みに、職場近くのデパートに来ていた青森の物産展で、太宰治・人間失格のカステラサンドを発見。こんなものがあるんですね。250円で購入しました。裏面には「斜陽館」という記念館の紹介があります。 3時のおやつにでも、食べようと思います。

          お昼休みに、職場近くのデパートに来ていた青森の物産展で、太宰治・人間失格のカステラサンドを発見。こんなものがあるんですね。250円で購入しました。裏面には「斜陽館」という記念館の紹介があります。 3時のおやつにでも、食べようと思います。

          【読書】10分でおもしろい源氏物語

           2024年9月2日(月)、『10分でおもしろい源氏物語』を読了しました。記録を残します。 ■はじめに 本書は、世界文化社から、2023年12月15日に発行された本です。著者は時海結以さん、監修は山本淳子さんです。  源氏物語54帖が、6つの章に分けられ、それぞれの章が10分程度で読めるぐらいに要約されています。いわゆる入門書で、本の帯にも「小学校高学年からの古典入門」と記載されています。  2024年は『源氏物語』の年と思い、私も荻原規子さんの現代語訳を手にとっていまし

          【読書】10分でおもしろい源氏物語

          【演劇】どん底(M.ゴーリキー、劇団東演)

           2024年9月1日(日)、劇団東演公演『どん底』を観てきました。記録を残します。同作を知らない方には、ややネタバレとなります。 ・場所:三軒茶屋のシアタートラム ・公演期間:8月31日(土)〜9月8日(日) ■はじめに 『どん底』は、ロシアの劇作家、マクシム・ゴーリキー(1868〜1936)による作品です。  今から20年以上前の2000年、大学生だった私は、おそらく、池袋のサンシャイン劇場で、無名塾の『どん底』を観たことがあります。ただ、当時の私は、十分に理解出来ていな

          【演劇】どん底(M.ゴーリキー、劇団東演)

          【演劇】奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話(イキウメ)

           2024年8月、イキウメの『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』を観劇しました。場所は、東京芸術劇場シアターイーストです。記録を残します。 〈公演期間〉 ・東京公演:8月9日(金)〜9月1日(日) ・大阪公演:9月5日(木)〜8日(日) ■本作について 本作は題名にもあるように、小泉八雲が書いた怪談を原作としています。脚本・演出は、イキウメ主宰の前川知大さんです。  怪談は「語り」による形式が多いのでしょうが、本作でも、山奥の旅館に滞在する小説家、そこに訪れる男2人、旅館の女

          【演劇】奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話(イキウメ)

          【美術館】TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション

           2024年8月25日(日)、東京国立近代美術館に『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』を観に行きました。同美術館では最終日で、今後、大阪中之島美術館で開催されます。  記録を残します。 ■本展について タイトルの写真は、東京国立近代美術館のロビーにある展示の紹介パネルです。この写真にあるように、本展では、1つのテーマについて、東京、パリ、大阪の各美術館(※)の作品で「トリオ」を組み、展示しています。全部で7つの章34組のトリオが展示されていました。

          【美術館】TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション

          【読書・演劇】神(シーラッハ)

           2024年7月22日(月)、下北沢の駅前劇場で、劇団ワンツーワークスの舞台『神[GOTT]』を鑑賞しました。記録を残します。 ■観劇・読書したきっかけ(1)私の問題意識  『神』は、ドイツの作家、フェルディナンド・フォン・シーラッハによる作品です。安楽死を扱っています。  「政治」と「文学」の関係(接点)というのも難しい問題ですが、例えば、様々な時代の政治状況の下、どのような文学作品が生み出されてきたのか、Aという作家はどのような政治思想を持っていたのか、など、まだ議論

          【読書・演劇】神(シーラッハ)

          【読書】アンジュと頭獅王

           2024年8月14日(水)、吉田修一さんの小説『アンジュと頭獅王』を読み終わりました。  本作は、フォローさせて頂いている三太さんの紹介記事から読んだものです。三太さんの記事はこちら(↓)です。  三太さんの記事にもあるように、本作は、説経節「山椒大夫」をもとに、吉田修一さんが、オリジナルストーリーを加筆した作品です。  以下、感想と説経節についてのメモを少し記載します。 ■感想(1)文章のリズム感  説経節がベースとなっているせいか、リズム感(「節」)がある文章でし

          【読書】アンジュと頭獅王

          【読書・歌舞伎】ゆうれい貸屋など(2024年8月歌舞伎座第1部)

           2024年8月12日(月・祝)、歌舞伎座で第1部を観劇しました。演目は、『ゆうれい貸屋』と『鵜の殿様』でした。  『ゆうれい貸屋』は、山本周五郎の短編小説を原作としており、図書館で借りて読んでもみたので、読書記録も合わせて記載します。  後半、ネタバレがあります(その箇所に記載あり)。青空文庫のリンクもつけておりますので、先に原作を読んだ方がよいかもしれません。 ■『ゆうれい貸屋』(1)はじめに  劇場などに行くと、偶々ですが、他の作品の話をしている人の会話が耳に入って

          【読書・歌舞伎】ゆうれい貸屋など(2024年8月歌舞伎座第1部)

          【読書・演劇】葉桜、命を弄ぶ男(女)ふたり(岸田國士)

           2024年7月、岸田國士作の演劇を観て、戯曲を読む機会がありました。記録を残します。 ■はじめに(きっかけなど)(1)きっかけ  今年の7月、近くの大学の学生による舞台発表(自主上演実習)がありました。  大学生が戯曲を書いたグループもあれば、プロの劇作家の作品をもとに上演するグループもあり、その中に、岸田國士の作品が2本ありました。『葉桜』と『命を弄ぶ女ふたり』(「命を弄ぶ男ふたり」をアレンジした作品)です。 (2)岸田國士について  岸田國士(1890年(明治2

          【読書・演劇】葉桜、命を弄ぶ男(女)ふたり(岸田國士)

          【狂言】昆布売・瓜盗人(親子で楽しむ狂言の会)

           2024年8月3日(土)、国立能楽堂で「親子で楽しむ狂言の会」に参加して来ました。夏の親子企画の一つです。  私は一人ですが、初めに、親子参加の方がチケットを購入する期間があり、その後、席が空いていれば、一般の人も購入出来ます。次項に書きますが、私はある理由・計画があり参加しました。 ■山本東次郎さんのおはなし 狂言が2つ催されますが、その前に、狂言方大蔵流の山本東次郎さんの「おはなし」を聞くことが出来ます。30分の解説のようなものです。  昨年夏の同会でも、山本さんの話

          【狂言】昆布売・瓜盗人(親子で楽しむ狂言の会)

          【ミュージカル】ピーター・パン(ホリプロ)

           2024年7月、ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』東京公演に行きました。東京公演は、2024年7月24日(水)から8月2日(金)までです。その後、愛知、広島、魚津、大阪と公演は続きます。  記録を残します。 ■はじめに 『ピーター・パン』は、イギリスの作家・ジェームス・マシュー・バリーの作品を元にしたミュージカルです。公演プログラムによると、1904年に戯曲として発表されたそうです。  ホリプロ主催の日本公演、初演は1981年でした。初代ピーター・パンは榊原郁恵

          【ミュージカル】ピーター・パン(ホリプロ)