杜若(かきつばた)

40代の会社員(男性)です。 美術館や伝統芸能、最近は演劇に関心を持っています。鑑賞記録をつけていますが、時間が無かったり、理解不足だったりで、メモにとどまっていることもあります。 もっと文献を読んで勉強していきたいです。 どうぞよろしくお願いします。

杜若(かきつばた)

40代の会社員(男性)です。 美術館や伝統芸能、最近は演劇に関心を持っています。鑑賞記録をつけていますが、時間が無かったり、理解不足だったりで、メモにとどまっていることもあります。 もっと文献を読んで勉強していきたいです。 どうぞよろしくお願いします。

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最近の記事

【読書】哲学のはじまり(戸谷洋志 著)

 2024年11月21日(木)、戸谷洋志さんの『哲学のはじまり』を読了しました。NHK出版から出されている「学びのきほん」シリーズです。記録を残します。 ■本書の構成 4つの章で構成されています。第1章の哲学とはどんな学問か、に始まり、第2章以降で、存在論、認識論、価値論、それぞれの基本が記されています。  私は、哲学の入門となる書籍を読むことはあるのですが、多くが哲学史のようなものでした。そして、少し細かい分野の分類に目が行っていた(行き過ぎていた?)ように思います。

    • 【バレエ】ザ・カブキ(The Kabuki)

       少し遅くなりましたが、2024年10月に観たバレエ『ザ・カブキ』の記録を残します。 ■はじめに 『ザ・カブキ』は、モーリス・べジャールが、歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』をもとに、東京バレエ団のために創作した作品です。  私は、普段、バレエをあまり観ないのですが、以前より、この『ザ・カブキ』だけは、生で観たいと思っていた演目でした。  今回、念願が叶った訳ですが、あわせて、忠臣蔵の討ち入りの場面を観る初めての経験ともなりました。私はまだ、文楽や歌舞伎でも、最後まで通しで観たこと

      • 【演劇】『アラビアの夜』『メイド・イン・ジャパン』(エイチエムピー・シアターカンパニー)

         2024年11月2日(土)、大阪で、エイチエムピー・シアターカンパニーの『アラビアの夜』と『メイド・イン・ジャパン』を観劇して来ました。記録を残します。 ■大阪にて 私は、関東に住んでいて、あまり出張などの移動も少ない仕事をしています。今回、ようやく連休を利用して関西まで行き、観劇したかった舞台をいくつか観てきました。  その中の一つが、エイチエムピー・シアターカンパニーです。大阪を拠点に活動する劇団で、ドイツの劇作家ハイナー・ミュラーの作品を中心に舞台作品を発表すること

        • 【演劇・読書】サド侯爵夫人(劇団未来、三島由紀夫)

           1つ前の記事で、劇団未来の『わが友ヒットラー』の感想を書きましたが、同時上演された『サド侯爵夫人』の感想も書きたいと思います。 ■あらすじなど 全三幕。登場人物は女性6人です。サド公爵は、明らかな形では出演しません。今回は、少し登場していました。 ■感想など 私は過去に本作を、他の上演で鑑賞したことがあるのですが、今回も、それぞれの登場人物の個性に目が行きました。過去の記事でも本から以下の文章を引用したのですが、今回も再掲します。 (1)貞淑について  サド侯爵の妻

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          【演劇・読書】わが友ヒットラー(劇団未来、三島由紀夫)

           来年2025年は、三島由紀夫の生誕100年です。先駆けて、大阪の劇団未来にて『サド侯爵夫人』と『わが友ヒットラー』が2本立てで上演されたので、観てきました。  『わが友ヒットラー』の感想を残します。 ■あらすじなど 全三幕。登場人物は男性4人です。  上記したヒットラーとレームの他に、ナチ党内の左派シュトラッサーと巨大献金企業社長のクルップが加わります。 ■感想など(1)レームについて  最初は、ヒットラーが、両派(右派のレームと左派のシュトラッサー)から引っ張られた

          【演劇・読書】わが友ヒットラー(劇団未来、三島由紀夫)

          【雑記】文化保護の視点(&最近の近況など)

          ■はじめに(近況) ここ1ヶ月ほど、noteをお休みしていました  意識して休んだというより、季節の変わり目で少し忙しかったことや、なかなか筆が進まなかったこともあり、結果的にお休みしていたという感じです。  この間、自分の記事を書くこともさることながら、フォローしている方々の記事も、あまり読めていなくて、すみません。また、少しずつ再開していきたいと思います。  今日は、雑記を少し記載します。 ■雑記:文化保護の視点 私は、文楽を観ることがあるのですが、文楽は歌舞伎よりも顧

          【雑記】文化保護の視点(&最近の近況など)

          【演劇】セチュアンの善人(劇団俳優座)

           2024年9月21日(日)、俳優座劇場で、劇団俳優座の『セチュアンの善人』を観劇しました。記録を残します。 ■はじめに 『セチュアンの善人』は、ベルトルト・ブレヒト(1898~1956)の作品です。私は、これまで「ブレヒト」の名前は聞いていたのですが、作品を観るのは、今回が初めてでした。  また、私は観劇するとき、本で調べることがあります。その中の1つが、春風社から出版されている『エッセンシャル・シアター 西洋演劇史入門』です。今回は、この本からの引用も含むと思いますし、

          【演劇】セチュアンの善人(劇団俳優座)

          【木ノ下歌舞伎】三人吉三廓初買

           2024年9月16日(月・祝)、東京芸術劇場プレイハウスで、木下歌舞伎の『三人吉三廓初買』を鑑賞しました。記録を残します。  なお、東京での公演は、9月15日(日)〜9月29日(日)で、その後、長野、三重、兵庫と続くようです。 ■はじめに(1)木ノ下歌舞伎について  インターネットの公式HPによると、木ノ下歌舞伎は、木ノ下裕一さんが主宰する、歴史的な文脈を踏まえつつ、現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信する団体です。2006年より京都を中心に活動を展開しているとあり

          【木ノ下歌舞伎】三人吉三廓初買

          【読書】『能の本』

           2024年9月、シテ方宝生流の能楽師、辰巳満次郎さんが監修した『能の本』を読みました(と言いつつ、4分の3くらい読んだところです。)  記録を残したいと思います。 ■本の概要・文  :村上ナッツ ・マンガ:つだゆみ ・監修 :辰巳満次郎(シテ方宝生流能楽師) ・発行日:2016年11月25日初版第一刷発行 ・発行所:西日本出版社 ■メモと感想(1)メモ  本の帯などから、本書の構成・特徴として、以下のような点が読み取れます。 能の入口として、「厳選20曲」 詞章が

          【読書】『能の本』

          【読書】夏目漱石解体全書 増補版(香日ゆら)

           2024年9月9日(月)、香日ゆらさんの『夏目漱石解体全書 増補版』を読みました。河出書房新社からの出版です。読了したというよりは、2時間ほど、気になるところから読んでみたという感じです。記録を残します。 ■読んだきっかけ 今回は、フォローさせて頂いているY2K☮さんの紹介記事(↓)を読んで「面白そう!」と思い、手に取りました。ありがとうございます。 ■読んでよかったと思った点①漱石をめぐる人々  家族、友人、門下など、夏目漱石(1867〜1916)をめぐる人々が、イ

          【読書】夏目漱石解体全書 増補版(香日ゆら)

          【読書】超入門!現代文学理論講座

           2024年9月8日(日)、ちくまプリマー新書の『超入門!現代文学理論講座』を読みました。  自分の最近の問題意識の一歩上を行く本で、とても勉強になりました。記録を残します。 ■概要・ちくまプリマー新書242 ・超入門!現代文学理論講座 ・2015年10月10日 初版第1刷発行 ・監修:亀井秀雄 ・著者:蓼沼正美 ■私の問題意識とのつながり 私は、これまで小説や戯曲を読むとき、①自分がこの作品の登場人物なら、どの人物に当たるだろうか、②(少し視野を拡げて)作者が、この作品

          【読書】超入門!現代文学理論講座

          【歌舞伎】夏祭浪花鑑

           2024年9月7日(土)、新国立劇場・中劇場で、歌舞伎の『夏祭浪花鑑』を鑑賞しました。記録を残します。 ■本作について 自分の文章で書いてみようかと思ったのですが、そこは感想の部分に回して、国立劇場のプログラムから引用させて頂きました。 ■感想(1)全体を通して  私は『夏祭浪花鑑』を文楽で観たことはあったのですが、歌舞伎で観たのは今回初めてでした。  感想を結論からいうと、本作には、(後述しますが)舅を殺す場面など生々しい場面もあり、人間が演じることにより、実感とし

          【歌舞伎】夏祭浪花鑑

          【雑記】鑑賞など今後の方向性について

           私は、ここ2年ほど、特に演劇鑑賞に力を入れてきました。これから、どのように学びや鑑賞眼を深め、作品を楽しんでいくかなど、今後の方向性について考えるところがあり、記録を残します。 ■現状(学び何割?楽しみ何割?) まず、現状について記載します。劇場、美術館、博物館、映画館など、休日に向かう所は様々ですが、その目的も様々です。  私の場合、友だちとの交流を楽しむこともありますが、一人で行くことが多く、目的を大別すると2つに別れます。 ①「これは前から観たいと思っていた。」と

          【雑記】鑑賞など今後の方向性について

          お昼休みに、職場近くのデパートに来ていた青森の物産展で、太宰治・人間失格のカステラサンドを発見。こんなものがあるんですね。250円で購入しました。裏面には「斜陽館」という記念館の紹介があります。 3時のおやつにでも、食べようと思います。

          お昼休みに、職場近くのデパートに来ていた青森の物産展で、太宰治・人間失格のカステラサンドを発見。こんなものがあるんですね。250円で購入しました。裏面には「斜陽館」という記念館の紹介があります。 3時のおやつにでも、食べようと思います。

          【読書】10分でおもしろい源氏物語

           2024年9月2日(月)、『10分でおもしろい源氏物語』を読了しました。記録を残します。 ■はじめに 本書は、世界文化社から、2023年12月15日に発行された本です。著者は時海結以さん、監修は山本淳子さんです。  源氏物語54帖が、6つの章に分けられ、それぞれの章が10分程度で読めるぐらいに要約されています。いわゆる入門書で、本の帯にも「小学校高学年からの古典入門」と記載されています。  2024年は『源氏物語』の年と思い、私も荻原規子さんの現代語訳を手にとっていまし

          【読書】10分でおもしろい源氏物語

          【演劇】どん底(M.ゴーリキー、劇団東演)

           2024年9月1日(日)、劇団東演公演『どん底』を観てきました。記録を残します。同作を知らない方には、ややネタバレとなります。 ・場所:三軒茶屋のシアタートラム ・公演期間:8月31日(土)〜9月8日(日) ■はじめに 『どん底』は、ロシアの劇作家、マクシム・ゴーリキー(1868〜1936)による作品です。  今から20年以上前の2000年、大学生だった私は、おそらく、池袋のサンシャイン劇場で、無名塾の『どん底』を観たことがあります。ただ、当時の私は、十分に理解出来ていな

          【演劇】どん底(M.ゴーリキー、劇団東演)